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大同盟
大同盟の交流・・(15)大会2日目 人族VS獣人族
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まったりと飲み物を飲んで、皆とさっきの試合の事や今後の試合の予想、そしてステージの性能について話をすること暫く・・・
いよいよ第二試合の準備が整ったようだ。
第二試合に出場する二人がステージに上がってきた。
<エフソデア王国>の人族と<フラウス王国>の獣人族・・・おそらく狐系獣人に見えるが・・・お互いステージ中央で握手し、その後観客に向かって一礼している。
やがてある程度お互いに距離をとり、人族はオーソドックスに剣を、狐獣人は魔道具の袋を取り出した。予選とは違い、二つの袋を持っている。
あの魔道具の中身が厄介だ。予選ではあの袋からまき散らした粉?のような物に触れたか吸い込んだかした者が、狐獣人に完全に操作されてしまったのだ。
もし同じ物を使用するなら、人族は開始直後に近接で戦うか、何かしら粉に接触しない方法を取る必要がある。
そうでなければ、狐獣人に操作されて自らステージを下りた瞬間に負けが確定する。
ぱっと見では、人族は引き締まった体をしていて、地力は十分にあるだろう。対して狐獣人の方は、線が細く力があるようには見えない。
見たままで判断すれば魔法や魔道具を駆使して戦うタイプに見える。
予選を見ていなければ人族が圧倒的に有利だが、予選通過の状況を知っていると評価は全く逆になるだろう。
いよいよ試合開始のドラムがなった。
予想通り、狐獣人は一つの袋の握りを変えて中身をばらまき始めた。
と共に、風魔法を使ってステージ中にその中身がばらまかれるようにしたのだ。
これは既に決まったな・・・と飲み物を飲みながら楽しく観戦していると、何と、人族が<炎魔法>を使用して撒き散らされた粉を全て燃やし尽くしてしまった。
更に、剣に魔法の炎を付与し炎の剣として使い始めたのだ。
あれ?彼って実はとてつもなく強いんじゃ・・・
だとすると、彼ほど手の内を晒していない者はこの中でいないだろう。
なんて言ったって、ただボーッと立っていただけなのだから。
しかし、本当に強者だったとするならば相当な使い手だ。
ウェインの攻撃が最後に来るように立ち回っていたことになるからだ。
あの高速で動くウェインの立ち回りが完全に見えており、更に次の攻撃の順番も把握した上で絶妙な位置取りを、ウェインや俺を含めて全員にばれないようにしていたことになるからな。
これはひょっとするとウェインとの決勝はこの人族かもしれないな・・
なかなかこの闘技大会も楽しいじゃないか。色々勉強になるし。
すると、狐獣人は一回目に使った袋ではない袋を取り出した。急に手のひらに現れたように見える事から、<空間魔法>を使っているようだ。
この魔法はレアな魔法で、ここまで流れるように使いこなせるのであれば、熟練の域に達している。
この<空間魔法>と言うスキルも中級の制限がかかっているにもかかわらず、鮮やかな発動だ。
そして改めて元から持っていた二つ目の袋と新たに出した袋の中身を同じようにばらまいて風魔法を発動させている。
今回はばらまかれた粉はあまり飛び散っているようには見えない。
その間人族はもちろん見ているだけではない。瞬時に近接し攻撃を仕掛けたのだ。
だが、人族の炎を宿した剣の攻撃は狐獣人に届かなかった。
狐獣人の足元から何やら甲羅で覆われている魔獣が出てきたのだ。
これはスキルの<召喚術>だろうか・・。
俺はスキル<テイマー>と、地下迷宮の管理者になることで<召喚>と<契約>を行ったが、<召喚術>を持っている人は初めて見た。
成程、俺の管理者権限での召喚とは違うようだな。
きっと、あの粉を媒体にして魔獣を召喚したのだろう。
その魔獣に斬撃を防がれた人族は、大きく距離を取った。
ステータスの制限がかかっている以上、あの魔獣は<B:中級>以下であることは間違いないのだが、攻めている方の人族も<B:中級>の制限があるのだから、一気に攻めるのは危険だと判断したのだろう。
いい判断だと思う。実質2対1になってしまうのに相手の能力を全く把握できていないのだ。闇雲に攻撃するのは悪手だ。
人族が距離を取ったことを確認すると、狐獣人はさらに袋を取り出した。
今度は袋を下に向けると・・・砂が袋から流れ出ているように見えるが、砂が地面につく前に流れが止まった。そう、袋を起点として地面に向かって一本の棒ができた状態になっているのだ。
狐獣人は袋を持ち直して棒を剣のように持つと、人族に向かって振るった。
人族も同じように炎の剣を振り、こちらは目に見える炎が狐獣人に襲い掛かったが、ちょうど中間地点で炎は爆散した。
狐獣人が振るった棒からも、不可視の攻撃があったのだろう。
それを感知して相殺した人族も素晴らしい。普通は剣から炎を飛ばすなど、中々できない。
ここまではやや狐獣人が有利か?
突然人族は魔法を連続で発動した。
中級の発動になってしまうので、詠唱が必要だ。その詠唱でどの様な系統の魔法科は判断することができる。
「<中風><中雷><中土><中炎>」
おいおい、この人族やはり普通の冒険者ではないな。一般的な冒険者であれば、こんなに多彩なスキルを持っているはずがない。
これらの攻撃を受けても狐獣人はその場を動くことなく、召喚した魔獣が全て受け切ってしまった。
こうなると、両者ともに次の一手を出してくるのではないだろうか。
狐獣人の方は召喚した魔獣はまだ攻撃を行っていないし、別の効果を持つ不思議な粉を出してくるかもしれない。
人族も、魔法や剣術と多彩な攻撃を持っており、状況判断も適切だ。
ここで人族に動きがあった。剣にまとわせていた炎が解除され、代わりに水をまとわせているようだ。
武具に魔法を付与するのはかなりの力量を有するのだが、複数の魔法を自在に付与できるとなると・・何か付与系のスキルを持っているのかもしれないな。
それに対して狐獣人は、やはり新たな袋を取り出して中身をまいた。
即人族は水の剣を数回振るい、その軌跡上にいる狐獣人の召喚魔獣が一瞬で水に飲まれた。
召喚魔獣は呼吸を必要としていないようだが、水の中からは出られないようで水中で暴れている。
そして狐獣人がまいた粉は、召喚魔獣が水に取り込まれてしまった時に狐獣人が若干動揺した為に隙ができ、その短い時間の中で人族が発動した<水魔法>によって、全て召喚魔獣と同じように水の中に取り込まれてしまっている。
やはりこの人族はとてつもない使い手だな。
と思ったら、粉を取り込んだ水が人族の方に向かって飛んで行き、人族がその水を迎撃しだしたのだ。
これは、狐獣人が水魔法の水を支配下に置いたのか?
魔法を支配下に置くなど・・・そんなことができるのか。
いや、実際は違うかもしれないが、見た目では人族の魔法を完全に乗っ取っているように見えるのだ。
となると、召喚魔獣が捕らわれた時にできた隙はわざとで、<水魔法>に粉を取り込ませるために見せた物かもしれない。
一進一退の攻防だ。
人族は自らが放った<水魔法>を<炎魔法>で相殺した後に、魔法の発動をやめた。きっとこれ以上魔法を発動して、狐獣人に乗っ取られる事を懸念したようだ。
遠距離攻撃は不利になると判断したであろう人族は、一気に狐獣人に肉薄する為に狐獣人に向かって突進した。
狐獣人は、人族を迎撃するために右手に持ち続けている袋から作った棒を、両手で持ち直して数回振るった。
人族は、狐獣人が棒を振るった方向から大きく避けながら突進を続けている。が、何と背後から見えない刃が人族を襲い、大きなダメージを受けた。
それを好機と見た狐獣人が人族に向かって棒を投げた。
ダメージを受けている人族はとても避けられるようには見えない。
見えないのだが・・・棒が当たったかと思った瞬間に人族は視界から消えた。<影魔法>を使用して陰に潜ったのだ。
その後は狐獣人の背後に出現して背後から切りつけた。
狐獣人は避けることができずに背中にダメージを負ってしまった。
召喚魔獣は未だ水魔法に囚われているままだ。
これでお互いかなり深いダメージを負っている状態になる。
一旦両者は離れ、仕切り直しかと思った所、突然人族が倒れた。
そして・・・狐獣人の勝利が宣告された。
大変見ごたえのある攻防であったが、最後は何とも言えない結果になった。
決定打となった見えない斬撃は魔道具の表示では可視化されて表示されている。更に!!そこに睡眠付与がなされている旨表示されたのだ。
ガジム隊長!素晴らしい。こんな展開を想像していたかどうかはわからないが、なんて素晴らしい対応だ。
こうなると、制限無しの戦いについても一般の観客がわかるような工夫がなされているのだろう。
しかし今回の試合は見ごたえがあった。
あの人族は状況判断も良くスキルも多彩だ。
今回は制限有の大会に出ているため本来のLvがわからないが、高いステータスを持つ者ならば<アルダ王国>に移住してもらう事を検討しても良いかもしれない。
そんな事を考えつつ第2試合について皆と話を続けた。
いよいよ第二試合の準備が整ったようだ。
第二試合に出場する二人がステージに上がってきた。
<エフソデア王国>の人族と<フラウス王国>の獣人族・・・おそらく狐系獣人に見えるが・・・お互いステージ中央で握手し、その後観客に向かって一礼している。
やがてある程度お互いに距離をとり、人族はオーソドックスに剣を、狐獣人は魔道具の袋を取り出した。予選とは違い、二つの袋を持っている。
あの魔道具の中身が厄介だ。予選ではあの袋からまき散らした粉?のような物に触れたか吸い込んだかした者が、狐獣人に完全に操作されてしまったのだ。
もし同じ物を使用するなら、人族は開始直後に近接で戦うか、何かしら粉に接触しない方法を取る必要がある。
そうでなければ、狐獣人に操作されて自らステージを下りた瞬間に負けが確定する。
ぱっと見では、人族は引き締まった体をしていて、地力は十分にあるだろう。対して狐獣人の方は、線が細く力があるようには見えない。
見たままで判断すれば魔法や魔道具を駆使して戦うタイプに見える。
予選を見ていなければ人族が圧倒的に有利だが、予選通過の状況を知っていると評価は全く逆になるだろう。
いよいよ試合開始のドラムがなった。
予想通り、狐獣人は一つの袋の握りを変えて中身をばらまき始めた。
と共に、風魔法を使ってステージ中にその中身がばらまかれるようにしたのだ。
これは既に決まったな・・・と飲み物を飲みながら楽しく観戦していると、何と、人族が<炎魔法>を使用して撒き散らされた粉を全て燃やし尽くしてしまった。
更に、剣に魔法の炎を付与し炎の剣として使い始めたのだ。
あれ?彼って実はとてつもなく強いんじゃ・・・
だとすると、彼ほど手の内を晒していない者はこの中でいないだろう。
なんて言ったって、ただボーッと立っていただけなのだから。
しかし、本当に強者だったとするならば相当な使い手だ。
ウェインの攻撃が最後に来るように立ち回っていたことになるからだ。
あの高速で動くウェインの立ち回りが完全に見えており、更に次の攻撃の順番も把握した上で絶妙な位置取りを、ウェインや俺を含めて全員にばれないようにしていたことになるからな。
これはひょっとするとウェインとの決勝はこの人族かもしれないな・・
なかなかこの闘技大会も楽しいじゃないか。色々勉強になるし。
すると、狐獣人は一回目に使った袋ではない袋を取り出した。急に手のひらに現れたように見える事から、<空間魔法>を使っているようだ。
この魔法はレアな魔法で、ここまで流れるように使いこなせるのであれば、熟練の域に達している。
この<空間魔法>と言うスキルも中級の制限がかかっているにもかかわらず、鮮やかな発動だ。
そして改めて元から持っていた二つ目の袋と新たに出した袋の中身を同じようにばらまいて風魔法を発動させている。
今回はばらまかれた粉はあまり飛び散っているようには見えない。
その間人族はもちろん見ているだけではない。瞬時に近接し攻撃を仕掛けたのだ。
だが、人族の炎を宿した剣の攻撃は狐獣人に届かなかった。
狐獣人の足元から何やら甲羅で覆われている魔獣が出てきたのだ。
これはスキルの<召喚術>だろうか・・。
俺はスキル<テイマー>と、地下迷宮の管理者になることで<召喚>と<契約>を行ったが、<召喚術>を持っている人は初めて見た。
成程、俺の管理者権限での召喚とは違うようだな。
きっと、あの粉を媒体にして魔獣を召喚したのだろう。
その魔獣に斬撃を防がれた人族は、大きく距離を取った。
ステータスの制限がかかっている以上、あの魔獣は<B:中級>以下であることは間違いないのだが、攻めている方の人族も<B:中級>の制限があるのだから、一気に攻めるのは危険だと判断したのだろう。
いい判断だと思う。実質2対1になってしまうのに相手の能力を全く把握できていないのだ。闇雲に攻撃するのは悪手だ。
人族が距離を取ったことを確認すると、狐獣人はさらに袋を取り出した。
今度は袋を下に向けると・・・砂が袋から流れ出ているように見えるが、砂が地面につく前に流れが止まった。そう、袋を起点として地面に向かって一本の棒ができた状態になっているのだ。
狐獣人は袋を持ち直して棒を剣のように持つと、人族に向かって振るった。
人族も同じように炎の剣を振り、こちらは目に見える炎が狐獣人に襲い掛かったが、ちょうど中間地点で炎は爆散した。
狐獣人が振るった棒からも、不可視の攻撃があったのだろう。
それを感知して相殺した人族も素晴らしい。普通は剣から炎を飛ばすなど、中々できない。
ここまではやや狐獣人が有利か?
突然人族は魔法を連続で発動した。
中級の発動になってしまうので、詠唱が必要だ。その詠唱でどの様な系統の魔法科は判断することができる。
「<中風><中雷><中土><中炎>」
おいおい、この人族やはり普通の冒険者ではないな。一般的な冒険者であれば、こんなに多彩なスキルを持っているはずがない。
これらの攻撃を受けても狐獣人はその場を動くことなく、召喚した魔獣が全て受け切ってしまった。
こうなると、両者ともに次の一手を出してくるのではないだろうか。
狐獣人の方は召喚した魔獣はまだ攻撃を行っていないし、別の効果を持つ不思議な粉を出してくるかもしれない。
人族も、魔法や剣術と多彩な攻撃を持っており、状況判断も適切だ。
ここで人族に動きがあった。剣にまとわせていた炎が解除され、代わりに水をまとわせているようだ。
武具に魔法を付与するのはかなりの力量を有するのだが、複数の魔法を自在に付与できるとなると・・何か付与系のスキルを持っているのかもしれないな。
それに対して狐獣人は、やはり新たな袋を取り出して中身をまいた。
即人族は水の剣を数回振るい、その軌跡上にいる狐獣人の召喚魔獣が一瞬で水に飲まれた。
召喚魔獣は呼吸を必要としていないようだが、水の中からは出られないようで水中で暴れている。
そして狐獣人がまいた粉は、召喚魔獣が水に取り込まれてしまった時に狐獣人が若干動揺した為に隙ができ、その短い時間の中で人族が発動した<水魔法>によって、全て召喚魔獣と同じように水の中に取り込まれてしまっている。
やはりこの人族はとてつもない使い手だな。
と思ったら、粉を取り込んだ水が人族の方に向かって飛んで行き、人族がその水を迎撃しだしたのだ。
これは、狐獣人が水魔法の水を支配下に置いたのか?
魔法を支配下に置くなど・・・そんなことができるのか。
いや、実際は違うかもしれないが、見た目では人族の魔法を完全に乗っ取っているように見えるのだ。
となると、召喚魔獣が捕らわれた時にできた隙はわざとで、<水魔法>に粉を取り込ませるために見せた物かもしれない。
一進一退の攻防だ。
人族は自らが放った<水魔法>を<炎魔法>で相殺した後に、魔法の発動をやめた。きっとこれ以上魔法を発動して、狐獣人に乗っ取られる事を懸念したようだ。
遠距離攻撃は不利になると判断したであろう人族は、一気に狐獣人に肉薄する為に狐獣人に向かって突進した。
狐獣人は、人族を迎撃するために右手に持ち続けている袋から作った棒を、両手で持ち直して数回振るった。
人族は、狐獣人が棒を振るった方向から大きく避けながら突進を続けている。が、何と背後から見えない刃が人族を襲い、大きなダメージを受けた。
それを好機と見た狐獣人が人族に向かって棒を投げた。
ダメージを受けている人族はとても避けられるようには見えない。
見えないのだが・・・棒が当たったかと思った瞬間に人族は視界から消えた。<影魔法>を使用して陰に潜ったのだ。
その後は狐獣人の背後に出現して背後から切りつけた。
狐獣人は避けることができずに背中にダメージを負ってしまった。
召喚魔獣は未だ水魔法に囚われているままだ。
これでお互いかなり深いダメージを負っている状態になる。
一旦両者は離れ、仕切り直しかと思った所、突然人族が倒れた。
そして・・・狐獣人の勝利が宣告された。
大変見ごたえのある攻防であったが、最後は何とも言えない結果になった。
決定打となった見えない斬撃は魔道具の表示では可視化されて表示されている。更に!!そこに睡眠付与がなされている旨表示されたのだ。
ガジム隊長!素晴らしい。こんな展開を想像していたかどうかはわからないが、なんて素晴らしい対応だ。
こうなると、制限無しの戦いについても一般の観客がわかるような工夫がなされているのだろう。
しかし今回の試合は見ごたえがあった。
あの人族は状況判断も良くスキルも多彩だ。
今回は制限有の大会に出ているため本来のLvがわからないが、高いステータスを持つ者ならば<アルダ王国>に移住してもらう事を検討しても良いかもしれない。
そんな事を考えつつ第2試合について皆と話を続けた。
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