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日本から
日本・・(4)
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俺は非常に危険な状態に陥ってしまったのではないだろうか。
能力を発動しているのに見破られる程の力を持ったものがこちらを見つめている。
そう思って、どの様にこの場を離脱するか考えていると、向こうから話しかけてきた。
「あの、ひょっとして<アルダ王国>の温泉のファンの方ですか?」
はい?なんだか必要なキーワードが出てきた気がする。三度俺の第六感がこの人は俺には無害だと訴えている。
だが、能力を解除するのは危険だ。しかしこのままだと、この人は何もない空間に話しかけているとても危ない人になる。
俺はかなり危険な橋を渡ることになるのを承知でお願いしてみた。
「申し訳ないです。ちょっと事情があって周りの目がある状態ではあまり話ができません。聞きたい事も有るので、良ければ人気のない所で少し質問させて頂けませんか?」
もちろんなるべく小さい声で話しかけさせてもらった。
「いいですよ。不思議な力で視認できないようにしているところから、事情がおありでしょう。それにもし・・いえこれは場所を移して話しましょう」
やっぱりこの人は、俺の能力を見破っていたのだ・・・
ここまで来てしまっては、この人があの王の手先ではない事、そしてこの先に行く場所が俺にとって危険がないことを祈るだけだ。
頼むぞ第六感。
俺はその人の後ろを、能力を使用したままついて行く。
王城からは離れる方向に移動してくれているようだ。
そして門にたどり着き門番に話しかけられている。
ここも鬼門になる。もしあの人が俺の事を門番に伝えれば、俺はまだ馴染んでいないが<光術>を駆使して攻撃と逃亡をするしかなくなる。
冷や汗をかきながら会話を聞いてみる。
「よう、今日は早いな。こんな早くから食料調達か?」
「はい。少し多めにとってこようかと思いまして。うまく行ったら少し御裾分けしますよ」
「いつも悪いな。無理しない程度に頼むぞ。もうこの国には力を持っている者がほとんどいないから、安定して魔獣を討伐してくれるやつは貴重だからな」
そう会話をすると、その人は門番に一礼して外に出て行った。
俺も慌てて後について行く。もちろん門番は俺に気が付かない。
そして門から出て暫くすると、人気がないことを確認するように周りを見回して、
「もう大丈夫です。心配でしたらその不思議な力は解除していただかなくても良いですよ」
俺は、誠意を見せる意味でも能力を解除した。
「いえ、あなたは俺を無事に門の外に連れ出してくれたので、誠意として能力は解除します。ただ、もし危険が迫った場合には再度能力を発動するので、教えて頂けると助かります」
「わかりました。このあたりは魔獣もいませんし、ここまで来られる<シータ王国>の者もいないので安心してください。だた・・・いえ、先ずは私の自己紹介をさせて頂きますが、その前に一つだけ確認させてください。今私の右手に持っているこの魔道具は、真否を判定する魔道具になりますので、この質問に関してだけは嘘をつかないでください。それ以降はこの魔道具は使用しませんので・・・申し訳ありませんがいいでしょうか?」
もちろん俺に選択肢はない。ないのだが、答えたくない質問が来たらどうしよう。
今まで彼女がいたことありますか?とか・・・一回もないですけどね!!!!
「はい、大丈夫です」
「では、質問させて頂きます。あなたは<アルダ王国>に敵意を持つもの、または害を与えようとする者ですか?」
「・・・いいえ」
なんだか拍子抜けな質問だ。ドキドキしてしまった俺の心を落ち着かせてくれ。
そう思っていると、その人・・いや、彼女はホッとしたように笑顔を見せて、魔道具をしまってくれた。
「失礼しました。実は私は詳細は申し上げられないのですが、<アルダ王国>を崇拝しておりまして・・・あの国に害をなす者であればこれ以降はお話しさせて頂くことはないと思っておりました」
「あ、いえいえ、大丈夫ですよ。ただ、信じて頂けるかはわかりませんが、俺、この世界に来たばっかりで、そもそも<アルダ王国>も良くわからないんですよ」
「・・・・・、重ね重ね申し訳ありませんが、もう一度だけ、魔道具を使用させて頂いても宜しいですか?」
「そうですよね、信じられないですよね。是非使ってください」
すると彼女は改めて魔道具を出した。
わざわざ断りを入れてくれるなんて、誠実な人だ。
「では改めまして、あなたはこの世界とは異なる世界から来たばかりの人なのでしょうか?」
「はい、そうです」
彼女はその魔道具をみつめて、少しの間黙ってしまった。
「本当の様ですね。ガジム隊長が作った魔道具が異常なわけがないですし・・・あ、ありがとうございました。もう今度こそこの魔道具は使用しませんので。それと、誠実に回答いただきましたので、私達も誠実に対応させて頂きます」
というと、彼女の横にもう一人、人が出てきた。
うぉい、目の前に人が出てくるって、ワープか?ワープなのか??なんだよこの世界、夢が広がるじゃないか。
親友がいれば二人でこの世界を満喫することができただろうな・・仁、俺は訳の分からない状態で異世界に来たぞ。お前は今どこにいるんだ?
少し涙目になってしまったが、とりあえず日本人として基本の挨拶をしておこう。
「こんにちは。初めまして。俺、斎藤 雄二って言います。あの、これから色々お伺いしたいと思うので、よろしくお願いします」
「ご丁寧にありがとうございます。私達は安全の為に基本的には二人一組で行動しているんです。なので、こちらの誠意・・と言うわけではないですが、見えない場所ではなく、お互い顔の見える位置で話をさせて頂きますね」
と俺を連れて来てくれた彼女が言うと、
「誠実な方ですね。魔道具によるチェックも問題ないようなので、答えられる範囲にはなりますが、質問にお答えしますよ」
突然現れたもう一人の女性がこのように言ってくれた。最早俺に対しての警戒はしていないようだ。ジャージに男!ハチマキだけど・・助かる。話がしやすい。
「まず最初に一つ確認なのですが、さっき温泉のファン?かどうか聞かれましたが、なぜそのように判断したのですか?」
最初から俺と話をしていた彼女が回答してくれる。
「実は、<アルダ王国>には多数の温泉がありまして、その入り口には必ず暖簾という布のようなものが設置されています。そこには私達には読めなかった・・・今は読めますが、男と女と言う文字が書かれているんですよ。温泉を作られた方の指示で男性は男、女性は女の温泉に間違いなく入れるようにする為に設置されたようなのですが、普通では読めない文字が書かれた物を持たれているので、よっぽと温泉が好きなのかと思いまして・・でもそのおかげで<アルダ王国>が好きな方なのかと思いお話させて頂こうと思ったんです」
仁の為に持っていたちょっとふざけたプレゼントだが、思わぬ所で役に立った。つまりは彼女達はこの文字を見たおかげで俺の話を聞いてくれているという事だな。
だが、その温泉を作るように指示をした者は、漢字を理解している地球人である可能性が極めて高い。
だが、あの王曰く・・前回の召喚は大昔に行われ、当時の召喚者は既に存命していないはずだ。
とすると??召喚者の知識が継承されていたか?だが今更なぜ急に漢字を使い始めた??よくわからない。
じゃあ次の質問だ。
「俺がこの世界に来たばかりであることは理解していただけたかと思います。その温泉を作成する事を指示した方・・またはそのご家族の方は俺と同じ異世界から来た方でしょうか?」
「いいえ、ジ・・そのお方は<アルダ王国>で産まれ育った方で、ご家族についても特にそのような話は聞いておりません。ただ・・あまりに昔のご先祖様の話になりますと我々ではわかりかねますが・・」
なるほどね・・・、伊達に異世界関連に嵌っているわけではないぞ。第六感と推理力が鍛えられているからな。
彼女はジ・・・と言った。つまりはその温泉を作らせたのは、あの王が言っていたジン・アルダで間違いないだろう。
だが、あえて伏せて伝えてきたために、ここは聞かない方が身のためだ。不信感を与えたくないのでね。
よし、じゃあ今後の俺の身の振り方を考えるために<アルダ王国>について聞いてみるか?
「あの、さっきも言いました通り、急にこの世界に来たために行く当ても、お恥ずかしながらお金?であっていますかね。物を買うための価値のある物も何も持っていないんですよ。正直この国、<シータ王国>にはあまりいい感情を持てないので、<アルダ王国>で生活できれば・・と思っているんですが、方向や距離、そして必要な準備など何もわからない状態でして・・少し助言頂けると助かるのですが・・」
そう、助言が何もないと正直俺は困ってしまうのだ。頼みますよ!!
能力を発動しているのに見破られる程の力を持ったものがこちらを見つめている。
そう思って、どの様にこの場を離脱するか考えていると、向こうから話しかけてきた。
「あの、ひょっとして<アルダ王国>の温泉のファンの方ですか?」
はい?なんだか必要なキーワードが出てきた気がする。三度俺の第六感がこの人は俺には無害だと訴えている。
だが、能力を解除するのは危険だ。しかしこのままだと、この人は何もない空間に話しかけているとても危ない人になる。
俺はかなり危険な橋を渡ることになるのを承知でお願いしてみた。
「申し訳ないです。ちょっと事情があって周りの目がある状態ではあまり話ができません。聞きたい事も有るので、良ければ人気のない所で少し質問させて頂けませんか?」
もちろんなるべく小さい声で話しかけさせてもらった。
「いいですよ。不思議な力で視認できないようにしているところから、事情がおありでしょう。それにもし・・いえこれは場所を移して話しましょう」
やっぱりこの人は、俺の能力を見破っていたのだ・・・
ここまで来てしまっては、この人があの王の手先ではない事、そしてこの先に行く場所が俺にとって危険がないことを祈るだけだ。
頼むぞ第六感。
俺はその人の後ろを、能力を使用したままついて行く。
王城からは離れる方向に移動してくれているようだ。
そして門にたどり着き門番に話しかけられている。
ここも鬼門になる。もしあの人が俺の事を門番に伝えれば、俺はまだ馴染んでいないが<光術>を駆使して攻撃と逃亡をするしかなくなる。
冷や汗をかきながら会話を聞いてみる。
「よう、今日は早いな。こんな早くから食料調達か?」
「はい。少し多めにとってこようかと思いまして。うまく行ったら少し御裾分けしますよ」
「いつも悪いな。無理しない程度に頼むぞ。もうこの国には力を持っている者がほとんどいないから、安定して魔獣を討伐してくれるやつは貴重だからな」
そう会話をすると、その人は門番に一礼して外に出て行った。
俺も慌てて後について行く。もちろん門番は俺に気が付かない。
そして門から出て暫くすると、人気がないことを確認するように周りを見回して、
「もう大丈夫です。心配でしたらその不思議な力は解除していただかなくても良いですよ」
俺は、誠意を見せる意味でも能力を解除した。
「いえ、あなたは俺を無事に門の外に連れ出してくれたので、誠意として能力は解除します。ただ、もし危険が迫った場合には再度能力を発動するので、教えて頂けると助かります」
「わかりました。このあたりは魔獣もいませんし、ここまで来られる<シータ王国>の者もいないので安心してください。だた・・・いえ、先ずは私の自己紹介をさせて頂きますが、その前に一つだけ確認させてください。今私の右手に持っているこの魔道具は、真否を判定する魔道具になりますので、この質問に関してだけは嘘をつかないでください。それ以降はこの魔道具は使用しませんので・・・申し訳ありませんがいいでしょうか?」
もちろん俺に選択肢はない。ないのだが、答えたくない質問が来たらどうしよう。
今まで彼女がいたことありますか?とか・・・一回もないですけどね!!!!
「はい、大丈夫です」
「では、質問させて頂きます。あなたは<アルダ王国>に敵意を持つもの、または害を与えようとする者ですか?」
「・・・いいえ」
なんだか拍子抜けな質問だ。ドキドキしてしまった俺の心を落ち着かせてくれ。
そう思っていると、その人・・いや、彼女はホッとしたように笑顔を見せて、魔道具をしまってくれた。
「失礼しました。実は私は詳細は申し上げられないのですが、<アルダ王国>を崇拝しておりまして・・・あの国に害をなす者であればこれ以降はお話しさせて頂くことはないと思っておりました」
「あ、いえいえ、大丈夫ですよ。ただ、信じて頂けるかはわかりませんが、俺、この世界に来たばっかりで、そもそも<アルダ王国>も良くわからないんですよ」
「・・・・・、重ね重ね申し訳ありませんが、もう一度だけ、魔道具を使用させて頂いても宜しいですか?」
「そうですよね、信じられないですよね。是非使ってください」
すると彼女は改めて魔道具を出した。
わざわざ断りを入れてくれるなんて、誠実な人だ。
「では改めまして、あなたはこの世界とは異なる世界から来たばかりの人なのでしょうか?」
「はい、そうです」
彼女はその魔道具をみつめて、少しの間黙ってしまった。
「本当の様ですね。ガジム隊長が作った魔道具が異常なわけがないですし・・・あ、ありがとうございました。もう今度こそこの魔道具は使用しませんので。それと、誠実に回答いただきましたので、私達も誠実に対応させて頂きます」
というと、彼女の横にもう一人、人が出てきた。
うぉい、目の前に人が出てくるって、ワープか?ワープなのか??なんだよこの世界、夢が広がるじゃないか。
親友がいれば二人でこの世界を満喫することができただろうな・・仁、俺は訳の分からない状態で異世界に来たぞ。お前は今どこにいるんだ?
少し涙目になってしまったが、とりあえず日本人として基本の挨拶をしておこう。
「こんにちは。初めまして。俺、斎藤 雄二って言います。あの、これから色々お伺いしたいと思うので、よろしくお願いします」
「ご丁寧にありがとうございます。私達は安全の為に基本的には二人一組で行動しているんです。なので、こちらの誠意・・と言うわけではないですが、見えない場所ではなく、お互い顔の見える位置で話をさせて頂きますね」
と俺を連れて来てくれた彼女が言うと、
「誠実な方ですね。魔道具によるチェックも問題ないようなので、答えられる範囲にはなりますが、質問にお答えしますよ」
突然現れたもう一人の女性がこのように言ってくれた。最早俺に対しての警戒はしていないようだ。ジャージに男!ハチマキだけど・・助かる。話がしやすい。
「まず最初に一つ確認なのですが、さっき温泉のファン?かどうか聞かれましたが、なぜそのように判断したのですか?」
最初から俺と話をしていた彼女が回答してくれる。
「実は、<アルダ王国>には多数の温泉がありまして、その入り口には必ず暖簾という布のようなものが設置されています。そこには私達には読めなかった・・・今は読めますが、男と女と言う文字が書かれているんですよ。温泉を作られた方の指示で男性は男、女性は女の温泉に間違いなく入れるようにする為に設置されたようなのですが、普通では読めない文字が書かれた物を持たれているので、よっぽと温泉が好きなのかと思いまして・・でもそのおかげで<アルダ王国>が好きな方なのかと思いお話させて頂こうと思ったんです」
仁の為に持っていたちょっとふざけたプレゼントだが、思わぬ所で役に立った。つまりは彼女達はこの文字を見たおかげで俺の話を聞いてくれているという事だな。
だが、その温泉を作るように指示をした者は、漢字を理解している地球人である可能性が極めて高い。
だが、あの王曰く・・前回の召喚は大昔に行われ、当時の召喚者は既に存命していないはずだ。
とすると??召喚者の知識が継承されていたか?だが今更なぜ急に漢字を使い始めた??よくわからない。
じゃあ次の質問だ。
「俺がこの世界に来たばかりであることは理解していただけたかと思います。その温泉を作成する事を指示した方・・またはそのご家族の方は俺と同じ異世界から来た方でしょうか?」
「いいえ、ジ・・そのお方は<アルダ王国>で産まれ育った方で、ご家族についても特にそのような話は聞いておりません。ただ・・あまりに昔のご先祖様の話になりますと我々ではわかりかねますが・・」
なるほどね・・・、伊達に異世界関連に嵌っているわけではないぞ。第六感と推理力が鍛えられているからな。
彼女はジ・・・と言った。つまりはその温泉を作らせたのは、あの王が言っていたジン・アルダで間違いないだろう。
だが、あえて伏せて伝えてきたために、ここは聞かない方が身のためだ。不信感を与えたくないのでね。
よし、じゃあ今後の俺の身の振り方を考えるために<アルダ王国>について聞いてみるか?
「あの、さっきも言いました通り、急にこの世界に来たために行く当ても、お恥ずかしながらお金?であっていますかね。物を買うための価値のある物も何も持っていないんですよ。正直この国、<シータ王国>にはあまりいい感情を持てないので、<アルダ王国>で生活できれば・・と思っているんですが、方向や距離、そして必要な準備など何もわからない状態でして・・少し助言頂けると助かるのですが・・」
そう、助言が何もないと正直俺は困ってしまうのだ。頼みますよ!!
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