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大陸の現状
各部隊の成長
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まずは父さんが状況報告をしてくれるようだ。
「以前<アルダ王国>で祭りを実施した際の闘技大会に参加していた魔族の兄弟を覚えているか?」
あの兄弟は、レベルの上限を強制的に制限する条件付きの大会に出場していた魔族だ。
当時の<アルダ王国>は忠誠心が高く、そして戦闘能力や特殊能力を持つ者を必要としており、大会に出場していたメンバーをスカウトして各部隊に配属しようとしていた。
実際に各部隊の副隊長は殆どがその大会の出場者だ。
当然魔族の兄弟にも声を掛けようと思っていたのだが、彼らは敗退後に即この<アルダ王国>から出国していた為に声を掛けられなかった経緯がある。
殆どの副隊長は同じ大会に出ていた出場者なので、当然覚えているだろう。
そして、王族、幹部も観戦や闘技場の保全などで現場にいたので魔族の兄弟については覚えているはずだ。
「その兄弟がドルロイを始末した旨の書状については以前貰っており、今回彼らが所属する国家から再度書状を受け取った」
その書状の中身をかいつまんで説明してくれた。
・<アルダ王国>のある大陸を含めて、この世界には七大陸が存在する
・各大陸の代表が必要に応じて会議を実施していたので、今回は<アルダ王国>に参加してもらいたい
・以前のドルロイの扱いについてはその場で具体的に説明する
・今回は<アルダ王国>にて会議を実施したい
・七大陸の内、<アルダ王国>を含んで三大陸の代表のみ今回は参加する
・理由は会議で具体的に説明する
・<アルダ王国>に来た魔族の二人は、<フロイライ王国>の近衛騎士である
この<フロイライ王国>と言うのが、ドルロイを始末してくれた国であり、あの魔族が本来所属していら国家なのだ。
今後の動きをある程度確認する必要があるが、俺達<SSS:神級>のメンバーの中で、俺、そして神獣達はなるべく話をしないようにしている。
と言うのも、特殊能力を持っている主要メンバーの中に<未来視>を持つ者がいて、当然俺達もそのスキルを使用できてしまう。
起こり得る未来をかなりの精度で複数見ることができるのだが、それを俺達が言ってしまうとこの会議が成り立たない。
全員が意見を出し合って、より良い方向に進む・・・時によっては悪い方向に進んでしまう場合もあるだろうが、それを含めて成長するべきだ。
と、俺ではなく父さんが言っていたので、納得した俺はその通りにしている。
もちろん幻獣部隊の各隊長もその力を使えるが、彼らは<未来視>については今は封印しているそうだ。しかし、父さんの意図を酌んで当人達もあまり発言はしていない。その代わりとして、各隊の副隊長が発言を行っている。
なので、この場で<未来視>を使えるのは、【管理部隊】所属である兎獣人のロメだけとなる。
彼女のレベルは俺達と比べるとかなり低いので、その力を必死で活用しつつ会議に臨んでいる所だ。
こういった必死さも、父さんが求めている物なのだろう。
「この大陸代表会議には、参加させてもらう事、そして開催場所の提供については問題ない旨回答しようと思っている。【管理部隊】と【遊撃部隊】、そして必要に応じて【技術開発部隊】も加えて会議場の建設を行って欲しい。今の会議室は防衛や情報漏洩の観点からあまり良い場所ではないからな。建設場所は必ずしも王都である必要はない。だがその場合は、王都から転移門を使用して即現地に行けるように配慮が必要になる。これまでのところで何か意見はあるか?」
名前が出ていた【管理部隊】の副隊長で人族あるキャンデル副隊長が発言する。
「私もこの会議場については王都以外に建設する方が良いと思います。ここでは万が一の時の対応を行う場合、国民の数が多すぎます」
続けて【技術開発部隊】のドワーフ族、ノレンド副隊長、ランドル副隊長も発言する。
この二人は、<アルダ王国>に統合される前、隣国であった<フラウス王国>の重鎮だった者達だ。当時は目も当てられない程騒がしい人達だったが、今は落ち着いており、頼りになる幹部だ。
「そうすると、各地方の出入り口、そしてダンジョンの町に繋がっている手良い門とは全く別の、王都から会議場までのみつながる転移門が良いでしょうな」
「その通り。他の転移門とつなげてしまうと、任意の位置に行かれてしまうので後々困るでしょう」
【防衛部隊】副隊長、狐獣人のイノザも続けて発言してきた。
「現時点で考えられる事態は、ロメ、何か見えているのかしら?」
「いいえ、今のところはモヤモヤしていて、何も見ることができていません」
【諜報部隊】副隊長である猫獣人のグリフが言う。
「ダン王、万が一の事を考えて我ら部隊が<フロイライ王国>に侵入して情報を集めますか?残念ながら我が部隊はこの大陸には情報網がありますが、ここから外には誰一人として配置できていないため、良い足掛かりにはなると思いますが?」
「うむ、万が一発見されてしまった場合相手からの心証が悪くなる。だが、何れは各大陸にも情報を得る隊員を配置する必要はあるだろう。今すぐ配置はしないが、大陸代表会議後には即検討する必要があるな。今から【諜報部隊】については増員とレベルアップを開始してくれ。しかし、この大陸以外にも生存可能な領域があったとは、ドルロイのやつこんな大切な情報を秘匿するとはやはり愚王だな」
【遊撃部隊】副隊長、人族のリゲルガ副隊長が、
「万が一緊急性の高い配置が必要になる場合は、我ら部隊から一時的に異動させましょう。特に隠密系統を持つ者を優先的に配置させます」
【攻撃部隊】副隊長、ドワーフ族のホープも同調する。
「我らの部隊からも人を出しましょう。当然隠密系を優先します」
【治安維持部隊】副隊長、人族のワイムは、
「我らの部隊は、<アルダ王国>の各地方の隅々まで担当しているところで、申し訳ないが人員は割けない。だが、会議場と王都周辺の治安については任せて貰おう」
そうして話が進んでいる。
そんな中、俺は当たり前のように膝の上に乗るモモとソラ、そして左右から俺にしがみついているトーカとシロに<念話>で話をする。
幹部たちはこんな状態を会議の度に見ているので、最早何も言ってこない。
特にモモは、<シータ王国>とのいざこざがあってから特に甘えん坊になっているので、前までは膝の上と横から抱き着く場所はローテーションになっていたのだが、モモのみ固定の位置になっている。
と、どうでも良いことを説明してしまった。話を進めよう。
『皆、水晶さんの話を確認しておきたい。今回の大陸会議で七大陸の内ここを含む三大陸しか会議に出てこない、いや、来られないのはきっとこの件だと思うんだ』
『私もそう思います、ご主人様』 とモモ。
『まさか、あの水晶さんがこの大陸の神だったとは思わなかったわ』 とソラ。
『そうね、でも大陸中の全ダンジョンを管理下に置いたら力を取り戻せるなんて、これを実施した人は相当陰険ね』 とトーカ。
『この大陸の神たちにも不穏な空気が流れていますね。でも幻獣部隊が<SSS:神級>になれたのは水晶さんのおかげなのですね』 とはソラだ。
そう、あの水晶さんはこの世界の神の一柱で、何やら過去のトラブルでダンジョンの管理室にある水晶に力を分散されてしまっていたようなのだ。
もちろん記憶も消去されてしまっており、力を取り戻しつつある今でも神であることは思い出せても以前の記憶は思い出せないらしい。
しかし、大陸の全ダンジョンを一人で全て管理できる状態まで完全攻略するなど、できる物ではない。
俺は特殊な事情でできてしまったが、はっきり言って永遠に封印されたままでもおかしくない状況だったのだ。かなりの悪意が働いているのではないだろうか?
でも、情報として得られる事も有った。
この世界の神は、何かに憑依するイメージであり定型の形を必ずしも持っていない。水晶さんも万が一水晶が破壊されたとしても別の物質に憑依することができる。
人の形をしている神は、人に憑依しているのだそうだ。
そして、幻獣部隊のレベルアップに関しては、何故かできてしまったとの事。他の隊長にも同じように<SSS:神級>にしようとしても、残念ながらできていない。
他の大陸にも当然神達はおり、水晶さんを含めて七人、丁度大陸の数と同じだけいるようで、それぞれが各大陸を管理しているようなのだ。
更に残念な情報としては、神がいれば魔神もいる。
朧げな記憶と前置きはあったが、他の神々と協力して魔神と一戦交えたようなのだ。
今回の水晶さんが封印されていた事実、そして各大陸には神と魔神がいる。
そんな状況であるから、今回の大陸代表会議ではこの話に繋がるような気がしてならない。
この情報はもちろん幹部には共有している。
しかし、いきなり大陸代表会議でこの話をするわけにはいかないので、先ずは会議に参加して状況を確認することにしているのだ。
「以前<アルダ王国>で祭りを実施した際の闘技大会に参加していた魔族の兄弟を覚えているか?」
あの兄弟は、レベルの上限を強制的に制限する条件付きの大会に出場していた魔族だ。
当時の<アルダ王国>は忠誠心が高く、そして戦闘能力や特殊能力を持つ者を必要としており、大会に出場していたメンバーをスカウトして各部隊に配属しようとしていた。
実際に各部隊の副隊長は殆どがその大会の出場者だ。
当然魔族の兄弟にも声を掛けようと思っていたのだが、彼らは敗退後に即この<アルダ王国>から出国していた為に声を掛けられなかった経緯がある。
殆どの副隊長は同じ大会に出ていた出場者なので、当然覚えているだろう。
そして、王族、幹部も観戦や闘技場の保全などで現場にいたので魔族の兄弟については覚えているはずだ。
「その兄弟がドルロイを始末した旨の書状については以前貰っており、今回彼らが所属する国家から再度書状を受け取った」
その書状の中身をかいつまんで説明してくれた。
・<アルダ王国>のある大陸を含めて、この世界には七大陸が存在する
・各大陸の代表が必要に応じて会議を実施していたので、今回は<アルダ王国>に参加してもらいたい
・以前のドルロイの扱いについてはその場で具体的に説明する
・今回は<アルダ王国>にて会議を実施したい
・七大陸の内、<アルダ王国>を含んで三大陸の代表のみ今回は参加する
・理由は会議で具体的に説明する
・<アルダ王国>に来た魔族の二人は、<フロイライ王国>の近衛騎士である
この<フロイライ王国>と言うのが、ドルロイを始末してくれた国であり、あの魔族が本来所属していら国家なのだ。
今後の動きをある程度確認する必要があるが、俺達<SSS:神級>のメンバーの中で、俺、そして神獣達はなるべく話をしないようにしている。
と言うのも、特殊能力を持っている主要メンバーの中に<未来視>を持つ者がいて、当然俺達もそのスキルを使用できてしまう。
起こり得る未来をかなりの精度で複数見ることができるのだが、それを俺達が言ってしまうとこの会議が成り立たない。
全員が意見を出し合って、より良い方向に進む・・・時によっては悪い方向に進んでしまう場合もあるだろうが、それを含めて成長するべきだ。
と、俺ではなく父さんが言っていたので、納得した俺はその通りにしている。
もちろん幻獣部隊の各隊長もその力を使えるが、彼らは<未来視>については今は封印しているそうだ。しかし、父さんの意図を酌んで当人達もあまり発言はしていない。その代わりとして、各隊の副隊長が発言を行っている。
なので、この場で<未来視>を使えるのは、【管理部隊】所属である兎獣人のロメだけとなる。
彼女のレベルは俺達と比べるとかなり低いので、その力を必死で活用しつつ会議に臨んでいる所だ。
こういった必死さも、父さんが求めている物なのだろう。
「この大陸代表会議には、参加させてもらう事、そして開催場所の提供については問題ない旨回答しようと思っている。【管理部隊】と【遊撃部隊】、そして必要に応じて【技術開発部隊】も加えて会議場の建設を行って欲しい。今の会議室は防衛や情報漏洩の観点からあまり良い場所ではないからな。建設場所は必ずしも王都である必要はない。だがその場合は、王都から転移門を使用して即現地に行けるように配慮が必要になる。これまでのところで何か意見はあるか?」
名前が出ていた【管理部隊】の副隊長で人族あるキャンデル副隊長が発言する。
「私もこの会議場については王都以外に建設する方が良いと思います。ここでは万が一の時の対応を行う場合、国民の数が多すぎます」
続けて【技術開発部隊】のドワーフ族、ノレンド副隊長、ランドル副隊長も発言する。
この二人は、<アルダ王国>に統合される前、隣国であった<フラウス王国>の重鎮だった者達だ。当時は目も当てられない程騒がしい人達だったが、今は落ち着いており、頼りになる幹部だ。
「そうすると、各地方の出入り口、そしてダンジョンの町に繋がっている手良い門とは全く別の、王都から会議場までのみつながる転移門が良いでしょうな」
「その通り。他の転移門とつなげてしまうと、任意の位置に行かれてしまうので後々困るでしょう」
【防衛部隊】副隊長、狐獣人のイノザも続けて発言してきた。
「現時点で考えられる事態は、ロメ、何か見えているのかしら?」
「いいえ、今のところはモヤモヤしていて、何も見ることができていません」
【諜報部隊】副隊長である猫獣人のグリフが言う。
「ダン王、万が一の事を考えて我ら部隊が<フロイライ王国>に侵入して情報を集めますか?残念ながら我が部隊はこの大陸には情報網がありますが、ここから外には誰一人として配置できていないため、良い足掛かりにはなると思いますが?」
「うむ、万が一発見されてしまった場合相手からの心証が悪くなる。だが、何れは各大陸にも情報を得る隊員を配置する必要はあるだろう。今すぐ配置はしないが、大陸代表会議後には即検討する必要があるな。今から【諜報部隊】については増員とレベルアップを開始してくれ。しかし、この大陸以外にも生存可能な領域があったとは、ドルロイのやつこんな大切な情報を秘匿するとはやはり愚王だな」
【遊撃部隊】副隊長、人族のリゲルガ副隊長が、
「万が一緊急性の高い配置が必要になる場合は、我ら部隊から一時的に異動させましょう。特に隠密系統を持つ者を優先的に配置させます」
【攻撃部隊】副隊長、ドワーフ族のホープも同調する。
「我らの部隊からも人を出しましょう。当然隠密系を優先します」
【治安維持部隊】副隊長、人族のワイムは、
「我らの部隊は、<アルダ王国>の各地方の隅々まで担当しているところで、申し訳ないが人員は割けない。だが、会議場と王都周辺の治安については任せて貰おう」
そうして話が進んでいる。
そんな中、俺は当たり前のように膝の上に乗るモモとソラ、そして左右から俺にしがみついているトーカとシロに<念話>で話をする。
幹部たちはこんな状態を会議の度に見ているので、最早何も言ってこない。
特にモモは、<シータ王国>とのいざこざがあってから特に甘えん坊になっているので、前までは膝の上と横から抱き着く場所はローテーションになっていたのだが、モモのみ固定の位置になっている。
と、どうでも良いことを説明してしまった。話を進めよう。
『皆、水晶さんの話を確認しておきたい。今回の大陸会議で七大陸の内ここを含む三大陸しか会議に出てこない、いや、来られないのはきっとこの件だと思うんだ』
『私もそう思います、ご主人様』 とモモ。
『まさか、あの水晶さんがこの大陸の神だったとは思わなかったわ』 とソラ。
『そうね、でも大陸中の全ダンジョンを管理下に置いたら力を取り戻せるなんて、これを実施した人は相当陰険ね』 とトーカ。
『この大陸の神たちにも不穏な空気が流れていますね。でも幻獣部隊が<SSS:神級>になれたのは水晶さんのおかげなのですね』 とはソラだ。
そう、あの水晶さんはこの世界の神の一柱で、何やら過去のトラブルでダンジョンの管理室にある水晶に力を分散されてしまっていたようなのだ。
もちろん記憶も消去されてしまっており、力を取り戻しつつある今でも神であることは思い出せても以前の記憶は思い出せないらしい。
しかし、大陸の全ダンジョンを一人で全て管理できる状態まで完全攻略するなど、できる物ではない。
俺は特殊な事情でできてしまったが、はっきり言って永遠に封印されたままでもおかしくない状況だったのだ。かなりの悪意が働いているのではないだろうか?
でも、情報として得られる事も有った。
この世界の神は、何かに憑依するイメージであり定型の形を必ずしも持っていない。水晶さんも万が一水晶が破壊されたとしても別の物質に憑依することができる。
人の形をしている神は、人に憑依しているのだそうだ。
そして、幻獣部隊のレベルアップに関しては、何故かできてしまったとの事。他の隊長にも同じように<SSS:神級>にしようとしても、残念ながらできていない。
他の大陸にも当然神達はおり、水晶さんを含めて七人、丁度大陸の数と同じだけいるようで、それぞれが各大陸を管理しているようなのだ。
更に残念な情報としては、神がいれば魔神もいる。
朧げな記憶と前置きはあったが、他の神々と協力して魔神と一戦交えたようなのだ。
今回の水晶さんが封印されていた事実、そして各大陸には神と魔神がいる。
そんな状況であるから、今回の大陸代表会議ではこの話に繋がるような気がしてならない。
この情報はもちろん幹部には共有している。
しかし、いきなり大陸代表会議でこの話をするわけにはいかないので、先ずは会議に参加して状況を確認することにしているのだ。
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