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異大陸
現状
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今までの報告で、魔神に抑えられている各大陸に召喚の犠牲になる人々が集められていたとの事だが、一度偵察に行った際の探索では、隊長クラスの探索に引っかかっていなかった現実がある。
これは、敵も<SSS:神級>を持っている事が判明したので、その力で妨害されたが、実際に移動してしまい本当にいないか・・・判断の難しいところだ。
<ブロス大陸>と<カリム大陸>については、今の拮抗状態を維持するだけならば一般隊員達だけで全く問題ない状況になっている。
その為、優先順位の一番高い探索・救出に関して、【近衛部隊】が魔神のいる可能性が高い<ジロム大陸>を担当し、その他の大陸は隊長・副隊長で一気に調査・救出を行ってしまうことになった。
初回の調査では、避難民は把握できていなかったが・・・
早速作戦実行となったのだが、ここで問題が発生した。
<ジロム大陸>以外を担当した各隊長・副隊長からの<念話>によれば、大陸に敵の魔獣はいるが、救出対象者は見つけられないと報告が来たのだ。
前回の簡易的な調査と同様の結果になっている。
この探索では、敵の排除を目的とはしていないため、瘴気の除去も完全ではないから、探索に関しても100%とは言えないかもしれない。
しかし、全員から同様の回答が来ている以上、既に召喚術が行われてしまったか移動されたかになる。
確かな情報を得る為に、辺りで一番情報を持っていそうな魔獣をそれぞれ捕縛するように指示を出した。
前回と同様に、<神狼>の町にある鍛錬場に連行し、情報を抜いた。
この魔獣達も<SS:聖級>ではあるが、<SSS:神級>ではない。
隊長・副隊長揃ってこの魔獣が一番レベルが高かったというのだから、<SSS:神級>の魔獣は既に救出対象者と共に移動してしまった可能性が高いだろう。
行き先が<ジロム大陸>だとすると、<SSS:神級>が何匹いるかわからないが、【近衛部隊】としては厳しいか?
万が一にも人質のような形で救出対象者を使われてしまうと、彼らも本気を出せない。
早速<神の権能>で記憶を抜いて調べてみたところ、やはり救出対象者は移動してしまったようだ。
だが、この魔獣達ではそれ以上の情報は無く、移動先も不明なのだが、間違いなく<ジロム大陸>だろう。
そうすると、拮抗状態にある<ブロス大陸>と<カリム大陸>についても救出が間に合わなくなる可能性があるので、隊長・副隊長が単独で救出作戦を行うことにした。
更に、他の大陸について今後の動きを即キャンデル副隊長とジュリで検討してもらうことにしたのだが、丁度【近衛部隊】より連絡が来た。
『こちら【近衛部隊】隊長二コラです。現在<ジロム大陸>沿岸の瘴気を除去して<念話>を実施しています。ここの瘴気は思いのほか濃く、探索に時間が必要になりそうな状況です。そして、悪い知らせですが・・・何やら大きな術を起動したような波動を全員が感知しました』
『二コラ隊長、キャンデルです。現在の状況は、隊長のいる<ジロム大陸>に<SSS:神級>を持つ魔獣達が集結、そして召喚術起動の為に拉致された人々もおそらく全員移動されている状況です。このまま探索を続けた場合、問題が発生する可能性が高いため、一旦至急帰還願います』
『承知した』
彼らは異常なほど実戦に飢えてはいるが、国の作戦に文句を言ってくるような部隊ではない。文句の一言もなく帰還してきた。
そして、状況的に既に召喚術は実施されてしまった可能性が極めて高い。
更に悪い報告は続く。
<ブロス大陸>と<カリム大陸>についても、魔神軍が掌握している地域には救出対象者はおらず、更に<アルダ王国>に所属する隊員以外はスキルが使用できなくなってしまったようなのだ。
ただ、不幸中の幸いと言っては何だが、<アルダ王国>の戦力は強大であるために、拮抗状態を維持するのには何の問題もない。
なので、現時点で俺達が救えたのは、<コビア大陸>の全員と、<ブロス大陸>と<カリム大陸>にいる現在戦闘中の国家のみとなってしまっている。
<神龍>の町にある会議場で、再度幹部が集結した。
ジュリの見解によれば、召喚術は起動され、人口から想定すると10000人以上が召喚されていることになる。
だが、俺達の知っている召喚術ではない場合、例えば能力が異常に高いために犠牲が多大である・・等の可能性もある為に、あくまで想定だとの事。
そして、<ブロス大陸>と<カリム大陸>については、神が封印されてしまい、封印された神達の力については剥奪されている。そう考えると、敵側の<SSS:神級>については、既に神が封印されてしまっている六大陸分、つまり六匹だそうだ。
既に奪還した<コビア大陸>の神は未だ解放できていないが、その神に情報を得られれば、この件の精度は増すらしい。
ここまで来てしまうと、現在戦闘中の二大陸については全力で敵を排除し、並行して地下迷宮に封印されている<コビア大陸>の神解放を行う作戦に切り替えると指示が出た。
この作戦は、【諜報部隊】ウェイン隊長、グリフ副隊長、【遊撃部隊】リゲルガ副隊長、【防衛部隊】イノザ副隊長
で行われる。
超広範囲の探索があまり得意ではない【近衛部隊】には、<ブロス大陸>と<カリム大陸>にいる敵を全力で排除するように、但しその後に人々が住めるよう、大きすぎる地形変動は起こさない程度にしてくれと注意を受けていた。
ジュリも<アルダ王国>各部隊の力をきちんと認識しているようだ。
そして、<ジロム大陸>を除いた残りの二大陸については、魔獣の排除はもちろんだが、こちらも神の開放を最優先にするような指示だった。
<ドツマ大陸>を【攻撃部隊】マーニカ隊長、ホープ副隊長、【遊撃部隊】エレノア隊長、 <リハク大陸>を【管理部隊】セリア隊長、キャンデル副隊長、【防衛部隊】ユフロ隊長
で遂行する。
<アルダ王国>に残る部隊の隊長・副隊長は、【治安維持部隊】【技術開発部隊】だけになってしまうが、全く問題ないだろう。
水晶さんによれば、神は何かに憑依している状態ではあるが、移動に制限はないようなので、解放することができた神々には<アルダ王国>に来てもらう事にしている。
受け入れ先については、<魔界森>でお願いされたので、了承しておいた。
そこなら水晶さんとも話ができるので、水晶さんの記憶が完全に戻るきっかけになるかもしれない事を期待している。
救えなかった命が多数あることが心残りだが、今悔やんでいても仕方がない。俺達<アルダ王国>の精鋭たちは即作戦を開始した。
そして、父さんは我らに助力を求めてきたジョルナス王子とレークト王子に現状を包み隠さずに報告するようだ。
二人は今は自国にいるので、<アルダ王国>の部隊を通して報告する準備をしている。
その内容には、助けを求めて来てくれたのに全員助けられていない現状を詫びる内容になっていた。
そうして、俺達の本格的な戦いは始まった。
これは、敵も<SSS:神級>を持っている事が判明したので、その力で妨害されたが、実際に移動してしまい本当にいないか・・・判断の難しいところだ。
<ブロス大陸>と<カリム大陸>については、今の拮抗状態を維持するだけならば一般隊員達だけで全く問題ない状況になっている。
その為、優先順位の一番高い探索・救出に関して、【近衛部隊】が魔神のいる可能性が高い<ジロム大陸>を担当し、その他の大陸は隊長・副隊長で一気に調査・救出を行ってしまうことになった。
初回の調査では、避難民は把握できていなかったが・・・
早速作戦実行となったのだが、ここで問題が発生した。
<ジロム大陸>以外を担当した各隊長・副隊長からの<念話>によれば、大陸に敵の魔獣はいるが、救出対象者は見つけられないと報告が来たのだ。
前回の簡易的な調査と同様の結果になっている。
この探索では、敵の排除を目的とはしていないため、瘴気の除去も完全ではないから、探索に関しても100%とは言えないかもしれない。
しかし、全員から同様の回答が来ている以上、既に召喚術が行われてしまったか移動されたかになる。
確かな情報を得る為に、辺りで一番情報を持っていそうな魔獣をそれぞれ捕縛するように指示を出した。
前回と同様に、<神狼>の町にある鍛錬場に連行し、情報を抜いた。
この魔獣達も<SS:聖級>ではあるが、<SSS:神級>ではない。
隊長・副隊長揃ってこの魔獣が一番レベルが高かったというのだから、<SSS:神級>の魔獣は既に救出対象者と共に移動してしまった可能性が高いだろう。
行き先が<ジロム大陸>だとすると、<SSS:神級>が何匹いるかわからないが、【近衛部隊】としては厳しいか?
万が一にも人質のような形で救出対象者を使われてしまうと、彼らも本気を出せない。
早速<神の権能>で記憶を抜いて調べてみたところ、やはり救出対象者は移動してしまったようだ。
だが、この魔獣達ではそれ以上の情報は無く、移動先も不明なのだが、間違いなく<ジロム大陸>だろう。
そうすると、拮抗状態にある<ブロス大陸>と<カリム大陸>についても救出が間に合わなくなる可能性があるので、隊長・副隊長が単独で救出作戦を行うことにした。
更に、他の大陸について今後の動きを即キャンデル副隊長とジュリで検討してもらうことにしたのだが、丁度【近衛部隊】より連絡が来た。
『こちら【近衛部隊】隊長二コラです。現在<ジロム大陸>沿岸の瘴気を除去して<念話>を実施しています。ここの瘴気は思いのほか濃く、探索に時間が必要になりそうな状況です。そして、悪い知らせですが・・・何やら大きな術を起動したような波動を全員が感知しました』
『二コラ隊長、キャンデルです。現在の状況は、隊長のいる<ジロム大陸>に<SSS:神級>を持つ魔獣達が集結、そして召喚術起動の為に拉致された人々もおそらく全員移動されている状況です。このまま探索を続けた場合、問題が発生する可能性が高いため、一旦至急帰還願います』
『承知した』
彼らは異常なほど実戦に飢えてはいるが、国の作戦に文句を言ってくるような部隊ではない。文句の一言もなく帰還してきた。
そして、状況的に既に召喚術は実施されてしまった可能性が極めて高い。
更に悪い報告は続く。
<ブロス大陸>と<カリム大陸>についても、魔神軍が掌握している地域には救出対象者はおらず、更に<アルダ王国>に所属する隊員以外はスキルが使用できなくなってしまったようなのだ。
ただ、不幸中の幸いと言っては何だが、<アルダ王国>の戦力は強大であるために、拮抗状態を維持するのには何の問題もない。
なので、現時点で俺達が救えたのは、<コビア大陸>の全員と、<ブロス大陸>と<カリム大陸>にいる現在戦闘中の国家のみとなってしまっている。
<神龍>の町にある会議場で、再度幹部が集結した。
ジュリの見解によれば、召喚術は起動され、人口から想定すると10000人以上が召喚されていることになる。
だが、俺達の知っている召喚術ではない場合、例えば能力が異常に高いために犠牲が多大である・・等の可能性もある為に、あくまで想定だとの事。
そして、<ブロス大陸>と<カリム大陸>については、神が封印されてしまい、封印された神達の力については剥奪されている。そう考えると、敵側の<SSS:神級>については、既に神が封印されてしまっている六大陸分、つまり六匹だそうだ。
既に奪還した<コビア大陸>の神は未だ解放できていないが、その神に情報を得られれば、この件の精度は増すらしい。
ここまで来てしまうと、現在戦闘中の二大陸については全力で敵を排除し、並行して地下迷宮に封印されている<コビア大陸>の神解放を行う作戦に切り替えると指示が出た。
この作戦は、【諜報部隊】ウェイン隊長、グリフ副隊長、【遊撃部隊】リゲルガ副隊長、【防衛部隊】イノザ副隊長
で行われる。
超広範囲の探索があまり得意ではない【近衛部隊】には、<ブロス大陸>と<カリム大陸>にいる敵を全力で排除するように、但しその後に人々が住めるよう、大きすぎる地形変動は起こさない程度にしてくれと注意を受けていた。
ジュリも<アルダ王国>各部隊の力をきちんと認識しているようだ。
そして、<ジロム大陸>を除いた残りの二大陸については、魔獣の排除はもちろんだが、こちらも神の開放を最優先にするような指示だった。
<ドツマ大陸>を【攻撃部隊】マーニカ隊長、ホープ副隊長、【遊撃部隊】エレノア隊長、 <リハク大陸>を【管理部隊】セリア隊長、キャンデル副隊長、【防衛部隊】ユフロ隊長
で遂行する。
<アルダ王国>に残る部隊の隊長・副隊長は、【治安維持部隊】【技術開発部隊】だけになってしまうが、全く問題ないだろう。
水晶さんによれば、神は何かに憑依している状態ではあるが、移動に制限はないようなので、解放することができた神々には<アルダ王国>に来てもらう事にしている。
受け入れ先については、<魔界森>でお願いされたので、了承しておいた。
そこなら水晶さんとも話ができるので、水晶さんの記憶が完全に戻るきっかけになるかもしれない事を期待している。
救えなかった命が多数あることが心残りだが、今悔やんでいても仕方がない。俺達<アルダ王国>の精鋭たちは即作戦を開始した。
そして、父さんは我らに助力を求めてきたジョルナス王子とレークト王子に現状を包み隠さずに報告するようだ。
二人は今は自国にいるので、<アルダ王国>の部隊を通して報告する準備をしている。
その内容には、助けを求めて来てくれたのに全員助けられていない現状を詫びる内容になっていた。
そうして、俺達の本格的な戦いは始まった。
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