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焼納豆

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異大陸

大陸神解放(第三者視点)

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 <ドツマ大陸>を【攻撃部隊】マーニカ隊長、ホープ副隊長、【遊撃部隊】エレノア隊長、リゲルガ副隊長の四人、<リハク大陸>を【管理部隊】セリア隊長、キャンデル副隊長、【防衛部隊】ユフロ隊長、イノザ副隊長の四人で担当している。

 隊長格が二人で各大陸を担当するの布陣であり、強大な戦力になっている。
 しかし、タイナルによればこの<ドツマ大陸>と<リハク大陸>には、それぞれの大陸にいた神の力を奪った魔獣であり、魔神の腹心がいる可能性が高いとのことで、全員油断なく行動している。そして、この二大陸は他の大陸に比べて大きさが段違いに大きい。
 大陸中に瘴気がまん延しており、<念話>や<転移>、遠距離の<気配察知>など距離に関係するスキルに制限があるために連携も取り辛いことが災いして、戦力は強大ではあるものの、奪還作業は少々てこずっている。
 
 今までの所全ての個所で住民の気配はなく、夥しい数の魔獣の気配だけがある状況だ。

 大陸の大きさから考えると、若干時間が必要になりそうなため、瘴気を完全に除去した箇所から<念話>で調整し、二つに分けていた部隊をいったん合流させ、<ドツマ大陸>を奪還後、<リハク大陸>の作業を行うことに変更された。

 <ドツマ大陸>で待機しているマーニカ隊長、エレノア隊長、ホープ副隊長、リゲルが副隊長は、その間に今までの攻略について話している。

「マーニカ隊長、思った以上にこの大陸は広く、スキルの範囲も制限されているためになかなか探索が進みませんね」
「ええ、そうね。本当は一気に瘴気を浄化して住民の探索も実施したいのだけれど、あまり大きな力を使ってしまうと、避難している方々がいた場合に影響があるかもしれないからしょうがないわね。でもあなたの動きはよくなっているわよ、ホープ副隊長」
「ありがとうございます隊長。ちょっと提案なんですが、まず上空の瘴気だけを除去するのはどうですか?」
「そうね、でも浄化後に瘴気が再びまん延しないように防御膜を張る作業が大変ね」
「マーニカ、これからセリアとユフロも来るから、四人の<神の権能>で上空を浄化して、徐々に地上に領域を広げていくのはいいかもしれないわよ」
 
 ホープ副隊長の案に、エレノア隊長が乗ってきた。

「私もその案はいい案だと思います。そうすると我々副隊長は今と同様に地上の探索を行いつつ魔獣の排除を行うということでいいですか?」
 
 最終的には、リゲルが副隊長がまとめて新たな方針は決定した。

 彼らは大陸の端から瘴気の除去を行っていたが、何もしないままだと再び他の領域から瘴気が流れ込むため、防御膜を張っている。
 この作業ができるだけでもとてつもない力を持っていることがわかるのだが・・・これ以上の事を普通に実施しようとしている。この場にいる四人は、自らの周りにいる同列の隊長格が同じような力を持っているために、少し感覚が麻痺している。
 
「お待たせしました。皆さん」

 セリア隊長、ユフロ隊長、キャンデル副隊長、イノザ副隊長が到着した。

「ねえ、マーニカ、エレノア、私たちの担当していた<リハク大陸>だけど、前回の調査の情報と違って瘴気濃度が異常に濃くなっていたの。ここもそうみたいね」
「やっぱりそうだったの?ということは、ここと<リハク大陸>には神の力を得た魔獣がいる可能性が高いわね」

 セリア隊長の問いかけにマーニカ隊長が答え、全員が頷いている。
 そう、以前の調査時にはこれほどの瘴気は発生していなかったので、状態を把握するのは比較的容易にできたのだが、現在は瘴気濃度が比べ物にならないほど濃くなっているので、作業が思う程進んでいない。
 一気に浄化するには、相当強い力を必要になるために、マーニカ隊長はその力の影響で何が起こるかわからないため実施しなかったのだ。
 
「そうすると、念のため上空の瘴気除去はセリア、ユフロ、エレノアでいいかしら?私は地上のフォローに入るわ」

 マーニカ隊長は、<SSS:神級>の魔獣がいた場合に備えて副隊長と共に地上の除去組に入ることを宣言した。
 この瘴気濃度、そしてタイナルの情報から考えると妥当な判断である為、その提案は問題なく受け入れられた。

「マーニカ隊長、申し訳ありません。我々の力が足りないばかりに・・・」

 副隊長を代表するかのようにリゲルガ副隊長が謝罪をしている。

「いいんですよ。皆さんの<アルダ王国>に対する思いは伝わっていますのし、普段の鍛錬状況も見ていますからね。でも、ここから油断はしないでください。ホープ副隊長も大丈夫よね?」

 さりげなく自らの部隊に所属するホープ副隊長の心配をする優しい心も持っているマーニカ隊長。いや、<アルダ王国>に所属している部隊の全ての隊長は、自らの部隊に所属する隊員の母であり父である。
 この状況が<アルダ王国>に対する絶対の忠誠心、そして高い練度を誇る最強部隊の基本なのかもしれない。

 更にマーニカ隊長は続ける。

「すでに話している通り、<SSS:神級>の魔獣がいる可能性があります。いえ、可能性は高いので、いることを前提に動きます。今の情報ですと、魔神、そして各大陸の神の力を奪った六匹の魔獣が<SSS:神級>を持っている可能性が高いです。この大陸に何匹いるかは分かりませんが、複数いる物としてください。そのため、皆さんの力は制御せずに、最初から全力でお願いします」

 再度中断していた大陸奪還の作業が開始される。
 空中に浮遊し、三方に散ったセリア隊長、ユフロ隊長、エレノア隊長が<神の権能>を使用して空中にある瘴気の浄化を行い、浄化後即防御膜を作成している。

 意識を全て空中に向けているために、作業スピードは速い。
 しかし、瘴気の濃さが<神の権能>を相殺しているために、想定よりも進みは遅いようだ。

 地上では、ホープ副隊長、リゲルガ副隊長、キャンデル副隊長、イノザ副隊長、そしてフォローにマーニカ隊長が入り瘴気の除去を行うとともに避難民の探索を行っている。
 こちらは、避難民がいた場合の影響を考えて力は抑え気味であるため、上空よりも進みははるかに遅い。

 時折現れる魔獣は即討伐して、徐々に瘴気のあるエリアを浄化しつつ歩を進める。
 副隊長は既に各武具を手に持ち、イノザ副隊長は召喚魔獣もすでに召喚済みだ。

 副隊長といえど、<アルダ王国>の誇る最強部隊の副隊長達がこの場にいる<S:帝級>や<SS:聖級>程度の魔獣を相手に苦戦するわけもない。
 ひたすらに膨大な地域を浄化しつつ歩を進め、瘴気のおおかげでスキルによって探知し辛い状況下でも強大な力を発している領域を残して、浄化が完了した。

 その領域は、王城のような城が城壁に囲われてそびえたっている。
 しかし、幻獣である隊長にかかればそのような力を感知しようがお構いなしに上空の浄化を終えてしまった。

 つまし、この<ドツマ大陸>で瘴気がある場所、そして探索が終了していない場所はこの城壁に囲われたわずかなエリアだけになる。
 今までの探索では、残念ながら避難民は一切見つけることができていない。

 上空にいた三隊長も地上に降り、合計八人で城壁を均等に囲んだ。
 すでに浄化が住んでいる領域で城壁を囲んでいるため、スキルに制限はなく、<念話>で調整ができる。

『皆さん、こちらマーニカです。とりあえず上空から魔法を放ってあの城を破壊するので、魔獣の逃亡や攻撃の余波が来ないように城壁を境に地下も含めて結界をお願いします。魔法については、一割位の力で行く予定です』

 この言葉を聞いて、隊長達は冷静であったが副隊長は内心かなり焦っていた。

 というのも、隊長クラスの攻撃をいくら一割の力で放つといえども、自分たち程度が作成する結界程度で防げるのか・・・と。
 <神の権能>を持ち、能力の制限がなくなっている隊長達には、その不安な心中はお見通しであったようで、ユフロ隊長から各副隊長に<念話>が飛ぶ。

『皆さん、大丈夫ですよ。基本的に結界は我ら隊長が張りますから、皆さんは万が一逃げ出そうとしている魔獣がいた場合のフォローをお願いしますね』

 副隊長達は、心の底から安堵した。
 どのレベルの魔獣が隠れているか知らないが、マーニカ隊長が一割の力で放つ魔法を防ぐ結界を作成するより、魔獣を相手にしたほうがはるかに楽だ・・と。
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