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異大陸
<SSS:神級>との戦い 二コラ隊長視点
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この魔獣のスキルは理解した。
基本的な魔術や武術、防御系統の力は当然あるようだがここは問題ではない。
見た攻撃を再現できるスキル・・・そういえばウェイン隊長が<複写>を持っていたが、それと似たような力だろうか?このスキルが問題だ。
ウェイン隊長のそれは、正に見た物をそのまま複写するスキルだったが、この魔獣が使っているスキルは条件が判明していない。しかし、自らの力を超える力を模倣することができないのは自明の理。
仮に似た形で模倣できたとしても、力自体はオリジナルからはかけ離れているはずだ。
その証拠に、奴が手にしている私の武具を模倣した剣だが、正直力を感じない。
飛ばしてきた斬撃は、腐っても<SSS:神級>であるためそこそこの攻撃力ではあったのだが、それだけだ。
更に付け加えると、スキルのみに依存した戦いをする相手は非常に容易く撃破することができる。
もちろん強大なスキルであればその限りではないが、スキルに頼り切りの者は基礎ができていない為、動きも読み易い。
とすると、ジン様のご要望である生け捕りも難なくできそうだな。
「そこの魔獣、お前の力は凡そ把握することができた。これからお前は私に蹂躙されるわけだが、もしまだ見せていない力があるならば早めに見せておいた方が良い」
「それはこちらのセリフだ。不甲斐ない部下共はそこの魔族にやられたようだが、この俺をあいつらと同じと思うなよ」
奴は、分身体を作成して魔方陣を準備する者、私に向かって直接戦闘を仕掛ける者とに分かれた。
気配から、残像ではなく明らかに分身体だ。
あの魔方陣は・・・雷系統だな。実は散々マーニカ隊長との鍛錬で痛い目を見ているので魔方陣の解析はお手の物だ。
まぁ、マーニカ隊長始め幻獣部隊の方々の魔方陣は、解析できても避けられないのだがな・・・
ただ、この魔獣の作成している魔方陣ならば話は別だ。
一般的な魔方陣から比べるとそこそこの強度があるのだろうが、我らにとっては児戯に等しい。
こちらに向かってきている分身と同時に魔方陣も破壊してやろう。
この程度であれば、武具の更なる解放は不要だろう。万が一<模倣>される危険性もあるが、この第一段階を開放した剣すら<模倣>できていないので、あまり心配はしていない。
早速、武具の性能を生かした光の斬撃を放った。
この攻撃は敵の防御を破壊する力があるので、便利な能力だ。
こちらに向かっている複数の分身体も同じように斬撃を放ってきたが、ただの斬撃だ。
当然そんな攻撃で相殺できるわけもなく、奴の分身体と魔方陣は破壊された。
と同時に、私は不安になってきた。
ダン様、ヤリス様、ジン様のご厚意により再度このような鍛錬の場を設けて頂いた上に、ようやく<SSS:神級>という格上の相手と実践を行えることになったのだ。
なったのだが・・・この魔獣・・・まさか弱いなんてことはないだろうな?
こんな小手調べの一撃で破壊される分身体と魔方陣・・・これが幻獣部隊の隊長相手であったらどうなるか・・・きっと、この様な弱い攻撃をしてきた私はいつの間にか吹き飛ばされている事だろう。
だが、仮にも<SSS:神級>だ。きっとあの魔獣もまだ私の力がどの程度かを知ろうとしている最中であるはずだ。
分身体で攻撃を受ける事で、より力の詳細を得ることができるのは誰が見ても明らかだ。そうまでして私の攻撃力を量ろうとしているという事は、知略に長けているのかもしれない。
くそ、私としたことがあまりにあの魔獣の攻撃がお粗末であったので、慢心してしまったようだ。
まさか、ここまで読んでの攻撃だとすると、奴のスキルに<未来視>のような物もあるのかもしれない。
一気に攻撃をしてしまおうと思ったが、一旦距離を置いた。
よし、今までの幻獣部隊隊長との鍛錬が生きている。あの死ぬような・・・いや、鍛錬場の機能が無ければ何回死んだがわからない鍛錬によって培われた経験がここで生きているぞ。
闇雲に攻撃してもダメだという事を忘れる所だった。そもそも私はこの魔獣を生け捕りにしなくてはならない。討伐よりもより難易度が高い事を要求されているのだ。
よし、再度仕切り直しだ。
丁度魔獣の方も、私が全ての魔方陣と近接してきた分身体を一撃で破壊したので、こちらの様子をうかがっている状態だ。
成程、この隙に私の放った攻撃の力を詳細に分析しているのだろう。
だが、私もこのままでいるわけにはいかない。
剣を正面に構え、武具の二段目の開放を行う。
一段目の開放で先端のみが銀色に変色していた剣が、全体的に銀色に変色する。
この解放を行うと、私の基礎能力が大幅に上昇することはもちろん、斬撃に付与できる属性の力も上昇する。
まずは、斬撃を使用せずに近接戦闘とすれば、あの魔方陣の攻撃はできないだろう。
すかさず魔獣に近接しようとしたが、やはり<未来視>を持っているのか、先程とは比べ物にならない数の分身体を作成していた。
とすると、残念ながら近接戦闘などと言っている場合ではない。
第二段階解放の力を使って、新たな斬撃を複数作成して私の後方に待機させた。
第一段階では斬撃は保持できないが、第二段階ではそれを可能にしている。
付与する力も、斬撃を待機している状態で付与する事もできるので、相手の攻撃が来ている最中で的確な付与に変更することも可能だ。
あの数の分身体を破壊するとなると・・・単純に強化系統の付与をしておけばいいだろう。
この段階で、隊長達が張ってくれている結界強度が上がった気がするが・・・いかんな。ここは魔獣に意識をもっていかないと。集中力が足りていないようだ。
よく見ると、一匹だけやけに後方に退避しているような魔獣がいるが・・・アレが本体だな。
退避しているように見せかけて油断を誘って距離を取り、極大魔法の準備でもするのだろう。
だが、そうはいかない。私はすかさず待機状態の斬撃を前方に展開した。
強化済みの斬撃はいとも簡単に分身体を切断し、攻撃の余波で一部は原型を留めていない状態だ。
さらに斬撃は衰えることなく最後尾にいる魔獣にその全てが襲いかかる。
魔獣は結界のある位置にまで下がっていたようで、それ以上は退避できない位置にいる。
焦っているように見えるが、油断を誘う行動であるのは見え見えだ。
私は油断なく斬撃の行方を確認していると、攻撃が当たるかと思った瞬間に魔獣は<転移>を使ったようで、斬撃は補正する間もなく結界に衝突して消えてしまった。
くっ、これが狙いか。確かに幻獣部隊の隊長が作っている結界であれば、私の攻撃も難なく防いでしまうだろう。
しかも、斬撃の向きを変える隙を与えないギリギリで<転移>するとは・・・
もちろん<転移>であれば、魔力の揺らぎで転移先は把握できている。
油断なくその位置を見ると、肩を揺らして息をしている魔獣が表れた。いい加減に油断を誘う行動は私には効果がないと知るべきだ。
「そこの魔獣、なかなかの知略だ。まさか結界を使って攻撃をしのがれるとは思っていなかった。だが、私にはそんな演技で油断を誘おうとしても無駄だ。次はこれだ!」
「ま、まて・・・演技とは何を言っているんだ?」
何やら訳の分からない事を言っているが、耳を貸さない方が良いだろう。
すかさず斬撃を二倍程作成して、強化系統と更には各種魔法を付与した。
斬撃から怪しい光や振動音がしているが、適切に付与された証拠だ。
魔獣は何かを叫びながら私から距離を取っているが、最早私に油断はない。すかさず攻撃を仕掛けた。
攻撃が着弾する直前、<転移>で回避を図ったようだがそんなことは織り込み済みで、転移先の近くにある斬撃が魔獣出現と同時に襲い掛かった。
残念なことに、この結界内部にある程度満遍なく斬撃を配置していたので、攻撃に入った斬撃は一つだけであったのだが・・・当然魔獣は回避することができずに、かろうじて両手で防御態勢をとった。
爆音の後に残ったのは、両手を失い満身創痍の魔獣が、膝をついて今にも倒れそうな状態になっていたのだ。
え??まさかこれで終わり???まさか死んでないよな?
基本的な魔術や武術、防御系統の力は当然あるようだがここは問題ではない。
見た攻撃を再現できるスキル・・・そういえばウェイン隊長が<複写>を持っていたが、それと似たような力だろうか?このスキルが問題だ。
ウェイン隊長のそれは、正に見た物をそのまま複写するスキルだったが、この魔獣が使っているスキルは条件が判明していない。しかし、自らの力を超える力を模倣することができないのは自明の理。
仮に似た形で模倣できたとしても、力自体はオリジナルからはかけ離れているはずだ。
その証拠に、奴が手にしている私の武具を模倣した剣だが、正直力を感じない。
飛ばしてきた斬撃は、腐っても<SSS:神級>であるためそこそこの攻撃力ではあったのだが、それだけだ。
更に付け加えると、スキルのみに依存した戦いをする相手は非常に容易く撃破することができる。
もちろん強大なスキルであればその限りではないが、スキルに頼り切りの者は基礎ができていない為、動きも読み易い。
とすると、ジン様のご要望である生け捕りも難なくできそうだな。
「そこの魔獣、お前の力は凡そ把握することができた。これからお前は私に蹂躙されるわけだが、もしまだ見せていない力があるならば早めに見せておいた方が良い」
「それはこちらのセリフだ。不甲斐ない部下共はそこの魔族にやられたようだが、この俺をあいつらと同じと思うなよ」
奴は、分身体を作成して魔方陣を準備する者、私に向かって直接戦闘を仕掛ける者とに分かれた。
気配から、残像ではなく明らかに分身体だ。
あの魔方陣は・・・雷系統だな。実は散々マーニカ隊長との鍛錬で痛い目を見ているので魔方陣の解析はお手の物だ。
まぁ、マーニカ隊長始め幻獣部隊の方々の魔方陣は、解析できても避けられないのだがな・・・
ただ、この魔獣の作成している魔方陣ならば話は別だ。
一般的な魔方陣から比べるとそこそこの強度があるのだろうが、我らにとっては児戯に等しい。
こちらに向かってきている分身と同時に魔方陣も破壊してやろう。
この程度であれば、武具の更なる解放は不要だろう。万が一<模倣>される危険性もあるが、この第一段階を開放した剣すら<模倣>できていないので、あまり心配はしていない。
早速、武具の性能を生かした光の斬撃を放った。
この攻撃は敵の防御を破壊する力があるので、便利な能力だ。
こちらに向かっている複数の分身体も同じように斬撃を放ってきたが、ただの斬撃だ。
当然そんな攻撃で相殺できるわけもなく、奴の分身体と魔方陣は破壊された。
と同時に、私は不安になってきた。
ダン様、ヤリス様、ジン様のご厚意により再度このような鍛錬の場を設けて頂いた上に、ようやく<SSS:神級>という格上の相手と実践を行えることになったのだ。
なったのだが・・・この魔獣・・・まさか弱いなんてことはないだろうな?
こんな小手調べの一撃で破壊される分身体と魔方陣・・・これが幻獣部隊の隊長相手であったらどうなるか・・・きっと、この様な弱い攻撃をしてきた私はいつの間にか吹き飛ばされている事だろう。
だが、仮にも<SSS:神級>だ。きっとあの魔獣もまだ私の力がどの程度かを知ろうとしている最中であるはずだ。
分身体で攻撃を受ける事で、より力の詳細を得ることができるのは誰が見ても明らかだ。そうまでして私の攻撃力を量ろうとしているという事は、知略に長けているのかもしれない。
くそ、私としたことがあまりにあの魔獣の攻撃がお粗末であったので、慢心してしまったようだ。
まさか、ここまで読んでの攻撃だとすると、奴のスキルに<未来視>のような物もあるのかもしれない。
一気に攻撃をしてしまおうと思ったが、一旦距離を置いた。
よし、今までの幻獣部隊隊長との鍛錬が生きている。あの死ぬような・・・いや、鍛錬場の機能が無ければ何回死んだがわからない鍛錬によって培われた経験がここで生きているぞ。
闇雲に攻撃してもダメだという事を忘れる所だった。そもそも私はこの魔獣を生け捕りにしなくてはならない。討伐よりもより難易度が高い事を要求されているのだ。
よし、再度仕切り直しだ。
丁度魔獣の方も、私が全ての魔方陣と近接してきた分身体を一撃で破壊したので、こちらの様子をうかがっている状態だ。
成程、この隙に私の放った攻撃の力を詳細に分析しているのだろう。
だが、私もこのままでいるわけにはいかない。
剣を正面に構え、武具の二段目の開放を行う。
一段目の開放で先端のみが銀色に変色していた剣が、全体的に銀色に変色する。
この解放を行うと、私の基礎能力が大幅に上昇することはもちろん、斬撃に付与できる属性の力も上昇する。
まずは、斬撃を使用せずに近接戦闘とすれば、あの魔方陣の攻撃はできないだろう。
すかさず魔獣に近接しようとしたが、やはり<未来視>を持っているのか、先程とは比べ物にならない数の分身体を作成していた。
とすると、残念ながら近接戦闘などと言っている場合ではない。
第二段階解放の力を使って、新たな斬撃を複数作成して私の後方に待機させた。
第一段階では斬撃は保持できないが、第二段階ではそれを可能にしている。
付与する力も、斬撃を待機している状態で付与する事もできるので、相手の攻撃が来ている最中で的確な付与に変更することも可能だ。
あの数の分身体を破壊するとなると・・・単純に強化系統の付与をしておけばいいだろう。
この段階で、隊長達が張ってくれている結界強度が上がった気がするが・・・いかんな。ここは魔獣に意識をもっていかないと。集中力が足りていないようだ。
よく見ると、一匹だけやけに後方に退避しているような魔獣がいるが・・・アレが本体だな。
退避しているように見せかけて油断を誘って距離を取り、極大魔法の準備でもするのだろう。
だが、そうはいかない。私はすかさず待機状態の斬撃を前方に展開した。
強化済みの斬撃はいとも簡単に分身体を切断し、攻撃の余波で一部は原型を留めていない状態だ。
さらに斬撃は衰えることなく最後尾にいる魔獣にその全てが襲いかかる。
魔獣は結界のある位置にまで下がっていたようで、それ以上は退避できない位置にいる。
焦っているように見えるが、油断を誘う行動であるのは見え見えだ。
私は油断なく斬撃の行方を確認していると、攻撃が当たるかと思った瞬間に魔獣は<転移>を使ったようで、斬撃は補正する間もなく結界に衝突して消えてしまった。
くっ、これが狙いか。確かに幻獣部隊の隊長が作っている結界であれば、私の攻撃も難なく防いでしまうだろう。
しかも、斬撃の向きを変える隙を与えないギリギリで<転移>するとは・・・
もちろん<転移>であれば、魔力の揺らぎで転移先は把握できている。
油断なくその位置を見ると、肩を揺らして息をしている魔獣が表れた。いい加減に油断を誘う行動は私には効果がないと知るべきだ。
「そこの魔獣、なかなかの知略だ。まさか結界を使って攻撃をしのがれるとは思っていなかった。だが、私にはそんな演技で油断を誘おうとしても無駄だ。次はこれだ!」
「ま、まて・・・演技とは何を言っているんだ?」
何やら訳の分からない事を言っているが、耳を貸さない方が良いだろう。
すかさず斬撃を二倍程作成して、強化系統と更には各種魔法を付与した。
斬撃から怪しい光や振動音がしているが、適切に付与された証拠だ。
魔獣は何かを叫びながら私から距離を取っているが、最早私に油断はない。すかさず攻撃を仕掛けた。
攻撃が着弾する直前、<転移>で回避を図ったようだがそんなことは織り込み済みで、転移先の近くにある斬撃が魔獣出現と同時に襲い掛かった。
残念なことに、この結界内部にある程度満遍なく斬撃を配置していたので、攻撃に入った斬撃は一つだけであったのだが・・・当然魔獣は回避することができずに、かろうじて両手で防御態勢をとった。
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