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異大陸
<SSS:神級>との戦い 二コラ隊長視点(2)
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この魔獣は、きっとこれから奥の手を出してくるに違いない。
わざとあの程度の攻撃で重症を受けたように見せかけて私の隙を突こうとしているのだ。
ある意味命がけで私を騙しに来ている強者なので、決して油断してはならない。
油断なく私の武具を構えて、魔獣との距離を詰めて行く。
すると、結界を外から張っていたはずのセリア隊長が結界内部に入ってきた。
「二コラ隊長、お疲れさまでした。流石ですね。最早<SS:聖級>の枠に収まっていないことは分かっていたのですが、実際に実践を見てみると改めて【近衛部隊】の皆さんの強さがわかります。オルド殿も<SS:聖級>程度では準備運動にもなっていないようでした。やはり今までの鍛練の賜物ですね。次の合同鍛練が楽しみです」
「あ、ありがとうございます。まさかこれで終わり・・なんですかね?もう少しこう、お互いを高めあえるような、身を切る実戦が出来ると思っていたのですが」
少々困惑して周りを見ると、イノザ副隊長が、
「二コラ隊長、とても我らと同じ<SS:聖級>とは思えません。流石です。是非我らとも今後鍛錬をお願いいたします」
そうか、これで実戦は終了か。やはり極限状態まで自らを高める戦いとなると、同じ【近衛部隊】の隊員達や幻獣部隊の隊長達との鍛錬以外には無いのだろうか。
少々気落ちして肩が下がっているのが自分でもわかってしまう。
「隊長!流石じゃないですか。正直<SSS:神級>であればもう少し多彩な技なり技術なり見せてくるかと思ったのですが、がっかりですね」
私と同じ感想を持った同僚のオルドが、いつの間にか幻獣部隊隊長達に囲われた状態になっている<SSS:神級>の魔獣を見ながら話しかけてきた。
「ああ、私も同じ事を思っていた。その様子だと、そっちも手ごたえは?」
「もちろん雑魚でしたよ」
こうなると、さっき鍛錬を提案して下さったセリア隊長との戦いを楽しみにしておこう。
といっても、良い戦いができるようになっては来たが、今だ勝利できたことはないのだが・・・
「ところで、あの魔獣はそのまま捕縛することになるのだが、このまま<転移>すればいいのだろうか?」
悩んでいると、セリア隊長が話をしてくれた。
「二コラ隊長、あの魔獣については情報を引き出し<SSS:神級>の力も剥奪しておきました。この力は運よくすでに解放した神から奪った力のようなので、帰還した後に力を戻すことにします」
「それは何よりです。この魔獣自体はどの様に?」
「実は、ガジム隊長から既に捕縛した<SS:聖級>の魔獣以外にも捕縛できる魔獣がいたら鍛錬に使用するので、ジン様の了解が得られれば連れてくるように言われているんです」
「そうですか。その魔獣・・・地力は<SS:聖級>のようですね。それならガジム隊長も喜ぶでしょう」
実際ガジム隊長も、実は我ら【近衛部隊】と良い戦いをする。
とすると、ガジム隊長自体も<SS:聖級>程度では相手にならないのだが、若手の育成に必要なターゲットも多種多様であればあるほど臨機応変に対応できる力を得る事ができる。
そう考えて、【技術開発部隊】の面々は<アルダ王国>戦力底上げのために常日頃考えを巡らせてくれている。
その思いに応えるのは、自らの甘えを完全に消し去り身を切る鍛錬以外にないと思い、今まで走り続けてきた。
その結果が、<SSS:神級>の魔獣相手でも手ごたえを感じなくなってしまった強さであるのだろうか?
それはそれで嬉しいことではあるが、初実戦、いや二回目の実戦もあっけなく終わってしまい少々拍子抜けだ。
しかし、現時点で解放できた神は<コビア大陸>の神のみだ。
そして、力はここ<ドツマ大陸>にいた魔獣から取り返している。
とすると、現時点では、
<ブロス大陸> 敵の排除中。
<カムリ大陸> 敵の排除中。
<コビア大陸> 神の解放済み。力も奪取済み。
<ドツマ大陸> 敵の排除完了。神の探索開始。
<リハク大陸> 未実施。
<ジロム大陸> 未実施。
となっている。
最終的には<ジロム大陸>にいるはずの元凶である魔神を排除する必要があるので、まだまだ我らの活躍の場は残されているはずだ。
「二コラ隊長、この魔獣は<SSS:神級>でしたが、十全に能力を使う事ができていなかったようですね。私たちの中では力が馴染むと言っていますが、能力が強大であればあるほど、体になじむまで時間を必要とするんですよ。まあ、例外もあるにはありますが・・つまり、今後の魔獣については、この魔獣よりもさらに強くなっていることは間違いないと思います。これからも二コラ隊長始めとした【近衛部隊】の方々の活躍を期待させて頂きますね」
「ありがとうございます。セリア隊長」
きっとセリア隊長は、二回の実戦が不完全燃焼になっている私に対して気を使ってくださったのだ。
ジン様も力が馴染むには時間が必要とおっしゃってはいたが・・・
確かに私の武具解放の力も、実際の所今の最終形態である三段階目の開放の力は正直使いこなせていない。
【近衛部隊】の面々も三段階目の開放時の力は持て余している。
そういう事だろう。
よし、気持ちを切り替えて我が<アルダ王国>に帰還するか。
そういえばこの魔獣、両腕を切断してしまったが既に治癒されているので五体満足な状態だ。
当然、自らの力である<SS:聖級>の力は剥奪していないので、何らかの反撃や逃亡について警戒する必要はあるのだが、魔獣の周りを囲っているのは紛れもない本物の<SSS:神級>の隊長達だ。
見た目は麗しいのだが、その力は強大と言う言葉では表せない。
その程度は魔獣もわかっているのだろう。逃亡や反撃の気配は一切ない。
逆に当初の態度は鳴りを潜めておどおどしている。
しかし、一応釘を刺しておくか。
「おい、お前をこれから<アルダ王国>に<転移>で連行する。逃げようとしても構わないが、その時は容赦はしない」
「ひぃ・・」
ちょっと情けなくないですか?
あれだけ強がっていたのに・・・もしや隔絶した力を急に得た者が陥りやすい、自分が天下を取ったと勘違いしてたパターンか?
こんな状態の魔獣が、鍛錬場の目標となり得るのだろうか?
この辺りはガジム隊長がうまく調整してくれるだろう。
このまま王都に連れて行くわけにはいかないので、<神狼>の町にある鍛錬場に連れて行く。
オルドと、幻獣部隊の隊長の面々はセリア隊長を除いて王都に帰還する。
一応鍛錬場の新たな目標となっていた<SS:聖級>の魔獣とご対面だ。
北野は別のエリアにいるので、面通しは不要だろう。
「俺をこんなところに連れてきてどうするつもりだ。いいか、お前らの強さは確かに異常だ。だが俺にも意地がある。魔神様の情報は一切喋らんぞ」
「意気込みは評価しよう。だがお前程度であれば口を開かずとも記憶を調べることなど容易い。と言うよりも、既に他の隊長達が調査済みだ。調べられたことすらわからないとは滑稽だな」
「な・・・くっ。俺をどうするつもりだ?」
「喜べ。お前は命を取られることはない。どういう風に生活すればいいかは、ホラ、そこにお前のお仲間がいるだろう。一時間程時間をやるから、奴から話を聞いてこい」
この魔獣は、同僚?がいる事に驚きはしていたが、最早なす術がないのを理解してるのか、私の指示通り話を聞きに行っている。
そこに、鍛錬場のメンテナンスをしていたのかガジム隊長が表れた。
「二コラ隊長、今回もその様子を見るに不完全燃焼と言った所でしょうかな?ただ、この鍛錬場の充実には大きく寄与できたと思って、なんとかうまく消化してください。セリア隊長もお疲れさまでした」
「お気遣いありがとうございます。オルドも同じように不完全燃焼だったのですが、ガジム隊長のおかげでこの鍛錬場で身を引き締めることができますからね」
「そうですよ二コラ隊長。その武具も三段階解放に至っているのでしょう?私との模擬戦で、使ってみますか?」
セリア隊長は、何気に戦闘好きだ。
しかし、近衛として私は任務に戻る必要がある。
非常に魅力的なお誘いではあるが、一旦保留とさせて頂こう。
「セリア隊長、大変申し訳ありません。ダン様の護衛任務に戻ります故、非常に魅力的な提案ではありますが、又の機会とさせてください」
ガジム隊長とセリア隊長が何故か微笑んでいたような気がするが・・・
どんな意味だろうか?
そんな事を考えつつ、私は主君の待つ王都に<転移>し、護衛任務に就くことにした。
わざとあの程度の攻撃で重症を受けたように見せかけて私の隙を突こうとしているのだ。
ある意味命がけで私を騙しに来ている強者なので、決して油断してはならない。
油断なく私の武具を構えて、魔獣との距離を詰めて行く。
すると、結界を外から張っていたはずのセリア隊長が結界内部に入ってきた。
「二コラ隊長、お疲れさまでした。流石ですね。最早<SS:聖級>の枠に収まっていないことは分かっていたのですが、実際に実践を見てみると改めて【近衛部隊】の皆さんの強さがわかります。オルド殿も<SS:聖級>程度では準備運動にもなっていないようでした。やはり今までの鍛練の賜物ですね。次の合同鍛練が楽しみです」
「あ、ありがとうございます。まさかこれで終わり・・なんですかね?もう少しこう、お互いを高めあえるような、身を切る実戦が出来ると思っていたのですが」
少々困惑して周りを見ると、イノザ副隊長が、
「二コラ隊長、とても我らと同じ<SS:聖級>とは思えません。流石です。是非我らとも今後鍛錬をお願いいたします」
そうか、これで実戦は終了か。やはり極限状態まで自らを高める戦いとなると、同じ【近衛部隊】の隊員達や幻獣部隊の隊長達との鍛錬以外には無いのだろうか。
少々気落ちして肩が下がっているのが自分でもわかってしまう。
「隊長!流石じゃないですか。正直<SSS:神級>であればもう少し多彩な技なり技術なり見せてくるかと思ったのですが、がっかりですね」
私と同じ感想を持った同僚のオルドが、いつの間にか幻獣部隊隊長達に囲われた状態になっている<SSS:神級>の魔獣を見ながら話しかけてきた。
「ああ、私も同じ事を思っていた。その様子だと、そっちも手ごたえは?」
「もちろん雑魚でしたよ」
こうなると、さっき鍛錬を提案して下さったセリア隊長との戦いを楽しみにしておこう。
といっても、良い戦いができるようになっては来たが、今だ勝利できたことはないのだが・・・
「ところで、あの魔獣はそのまま捕縛することになるのだが、このまま<転移>すればいいのだろうか?」
悩んでいると、セリア隊長が話をしてくれた。
「二コラ隊長、あの魔獣については情報を引き出し<SSS:神級>の力も剥奪しておきました。この力は運よくすでに解放した神から奪った力のようなので、帰還した後に力を戻すことにします」
「それは何よりです。この魔獣自体はどの様に?」
「実は、ガジム隊長から既に捕縛した<SS:聖級>の魔獣以外にも捕縛できる魔獣がいたら鍛錬に使用するので、ジン様の了解が得られれば連れてくるように言われているんです」
「そうですか。その魔獣・・・地力は<SS:聖級>のようですね。それならガジム隊長も喜ぶでしょう」
実際ガジム隊長も、実は我ら【近衛部隊】と良い戦いをする。
とすると、ガジム隊長自体も<SS:聖級>程度では相手にならないのだが、若手の育成に必要なターゲットも多種多様であればあるほど臨機応変に対応できる力を得る事ができる。
そう考えて、【技術開発部隊】の面々は<アルダ王国>戦力底上げのために常日頃考えを巡らせてくれている。
その思いに応えるのは、自らの甘えを完全に消し去り身を切る鍛錬以外にないと思い、今まで走り続けてきた。
その結果が、<SSS:神級>の魔獣相手でも手ごたえを感じなくなってしまった強さであるのだろうか?
それはそれで嬉しいことではあるが、初実戦、いや二回目の実戦もあっけなく終わってしまい少々拍子抜けだ。
しかし、現時点で解放できた神は<コビア大陸>の神のみだ。
そして、力はここ<ドツマ大陸>にいた魔獣から取り返している。
とすると、現時点では、
<ブロス大陸> 敵の排除中。
<カムリ大陸> 敵の排除中。
<コビア大陸> 神の解放済み。力も奪取済み。
<ドツマ大陸> 敵の排除完了。神の探索開始。
<リハク大陸> 未実施。
<ジロム大陸> 未実施。
となっている。
最終的には<ジロム大陸>にいるはずの元凶である魔神を排除する必要があるので、まだまだ我らの活躍の場は残されているはずだ。
「二コラ隊長、この魔獣は<SSS:神級>でしたが、十全に能力を使う事ができていなかったようですね。私たちの中では力が馴染むと言っていますが、能力が強大であればあるほど、体になじむまで時間を必要とするんですよ。まあ、例外もあるにはありますが・・つまり、今後の魔獣については、この魔獣よりもさらに強くなっていることは間違いないと思います。これからも二コラ隊長始めとした【近衛部隊】の方々の活躍を期待させて頂きますね」
「ありがとうございます。セリア隊長」
きっとセリア隊長は、二回の実戦が不完全燃焼になっている私に対して気を使ってくださったのだ。
ジン様も力が馴染むには時間が必要とおっしゃってはいたが・・・
確かに私の武具解放の力も、実際の所今の最終形態である三段階目の開放の力は正直使いこなせていない。
【近衛部隊】の面々も三段階目の開放時の力は持て余している。
そういう事だろう。
よし、気持ちを切り替えて我が<アルダ王国>に帰還するか。
そういえばこの魔獣、両腕を切断してしまったが既に治癒されているので五体満足な状態だ。
当然、自らの力である<SS:聖級>の力は剥奪していないので、何らかの反撃や逃亡について警戒する必要はあるのだが、魔獣の周りを囲っているのは紛れもない本物の<SSS:神級>の隊長達だ。
見た目は麗しいのだが、その力は強大と言う言葉では表せない。
その程度は魔獣もわかっているのだろう。逃亡や反撃の気配は一切ない。
逆に当初の態度は鳴りを潜めておどおどしている。
しかし、一応釘を刺しておくか。
「おい、お前をこれから<アルダ王国>に<転移>で連行する。逃げようとしても構わないが、その時は容赦はしない」
「ひぃ・・」
ちょっと情けなくないですか?
あれだけ強がっていたのに・・・もしや隔絶した力を急に得た者が陥りやすい、自分が天下を取ったと勘違いしてたパターンか?
こんな状態の魔獣が、鍛錬場の目標となり得るのだろうか?
この辺りはガジム隊長がうまく調整してくれるだろう。
このまま王都に連れて行くわけにはいかないので、<神狼>の町にある鍛錬場に連れて行く。
オルドと、幻獣部隊の隊長の面々はセリア隊長を除いて王都に帰還する。
一応鍛錬場の新たな目標となっていた<SS:聖級>の魔獣とご対面だ。
北野は別のエリアにいるので、面通しは不要だろう。
「俺をこんなところに連れてきてどうするつもりだ。いいか、お前らの強さは確かに異常だ。だが俺にも意地がある。魔神様の情報は一切喋らんぞ」
「意気込みは評価しよう。だがお前程度であれば口を開かずとも記憶を調べることなど容易い。と言うよりも、既に他の隊長達が調査済みだ。調べられたことすらわからないとは滑稽だな」
「な・・・くっ。俺をどうするつもりだ?」
「喜べ。お前は命を取られることはない。どういう風に生活すればいいかは、ホラ、そこにお前のお仲間がいるだろう。一時間程時間をやるから、奴から話を聞いてこい」
この魔獣は、同僚?がいる事に驚きはしていたが、最早なす術がないのを理解してるのか、私の指示通り話を聞きに行っている。
そこに、鍛錬場のメンテナンスをしていたのかガジム隊長が表れた。
「二コラ隊長、今回もその様子を見るに不完全燃焼と言った所でしょうかな?ただ、この鍛錬場の充実には大きく寄与できたと思って、なんとかうまく消化してください。セリア隊長もお疲れさまでした」
「お気遣いありがとうございます。オルドも同じように不完全燃焼だったのですが、ガジム隊長のおかげでこの鍛錬場で身を引き締めることができますからね」
「そうですよ二コラ隊長。その武具も三段階解放に至っているのでしょう?私との模擬戦で、使ってみますか?」
セリア隊長は、何気に戦闘好きだ。
しかし、近衛として私は任務に戻る必要がある。
非常に魅力的なお誘いではあるが、一旦保留とさせて頂こう。
「セリア隊長、大変申し訳ありません。ダン様の護衛任務に戻ります故、非常に魅力的な提案ではありますが、又の機会とさせてください」
ガジム隊長とセリア隊長が何故か微笑んでいたような気がするが・・・
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そんな事を考えつつ、私は主君の待つ王都に<転移>し、護衛任務に就くことにした。
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