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異大陸
鍛錬の視察
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既に夕食会で報告されてはいるが、コビアさんの力を奪っていた魔獣の持っている記憶は一点を除いて大した情報は無かった。
大した事がない情報とは、魔神は二コラ隊長の推測通り戦闘狂であること、依り代になっている鬼族も戦闘が好きであったため、力を馴染ませやすい状態となり、おそらく既に完全に力を取り戻していること、神から奪った力を<SS:聖級>の魔獣に譲渡しているが、魔獣が消滅すると神に力が自動的に戻ってしまう事などだ。
そして重要な情報は、やはり各大陸から行方不明になっていた人々は術開発の生贄になっており、既にこの世にはいない事、そしてその術とは今まで封印するしか方法がなかった神を滅することができる術である事だ。
ここまで危険な術であれば、生贄の数も相当になったのだろう。更には術の発動に対する条件すらありそうだが、その辺りは情報を持っていなかった。
こうなると、マーニカ隊長も今のままでやつらと戦闘を行うわけにはいかない。
もうあんな思いをするのは嫌なんだ。
特に、この報告を聞いた際にレイラ隊長も俺と同じことを強く思ったらしい。以前彼女は幻獣の中で一人だけ生き残ったので、あの悲しい状態を思い出してしまったのだろうか。
当然俺だけではなく、幹部全員の危機意識が上昇したのは言うまでもない。
少々浮かれていた【近衛部隊】も意識を完全に切り替えたようだ。
そしてガジム隊長がこう提案してきた。
「短い期間と言えど、敵の情報を得た以上は対応すべく鍛錬を実施するべきだ。それも今まで通りの鍛練ではなく、より厳しい鍛錬を提案したい」
「承知した。いつも通り夜中に<神狼>の町の鍛錬場に集合でよろしいか?」
二コラ隊長が、自らの任務を考えた発言をしてきた。
「二コラ隊長、今回の戦いはこの大陸のみならず全ての大陸の命運がかかっています。なので、この短い期間の内更に時間まで制約をかけるわけにはいきませんな。護衛は【遊撃部隊】と【防衛部隊】から選出させて頂きたいと思いますが、如何でしょうかダン王?」
「全く問題ない。むしろ前にも言ったが、王都にいる限り過剰すぎる護衛だと思っているのだが・・・」
俺も父さんと同じ事を常に思っていた。しかし、俺達王族以外はそう思っていないようで、ガジム隊長は反論してきた。
「いえ、万が一を考えると過剰でも問題ありません。ですが、ご英断ありがとうございます」
【近衛部隊】の面々も、右手を左胸に置き深く礼をしている。
彼らもガジム隊長の大陸の命運がかかっているという発言から、護衛中のように真剣な表情が戻った。
「では、早速まいりましょうか。既に防壁の強化、そして仮想敵となる疑似的なスキルの模倣による自動反撃の魔道具の設置などは終わっています。この状態で模擬戦を実施していただきますが、当然互いのスキルは魔道具に記録され、任意に魔道具より攻撃されます。魔道具は隠蔽済みで、自動で<転移>するのでより練度の高い鍛錬が実施できますぞ」
なんともとんでもない環境を既に【技術開発部隊】は作り終わっているようだ。
自分の攻撃や相手の攻撃が、任意の位置から任意のタイミングでこちらに向かってくる。当然相手の攻撃も来るので、相当な集中力が必要になるだろう。
ガジム隊長の意気込みが感じられる・・・いや、いつも通りか?
「神獣の皆様、申し訳ありませんが今回の鍛練には是非ともご参加頂きたい」
相手の力がかなり上であるので、ガジム隊長はモモを始めとした神獣達の参加を要求してきた。
同じ<SSS:神級>でも、その中で強さが分かれているので、当然の判断と言えるだろう。
神獣達は俺の方を見てきた。
判断をしろという事だろう。
「皆、頼むよ」
そういうと、代表してモモがガジム隊長に了解の意を伝えた。
「承知しました。より良い鍛錬となるように微力ながら我ら神獣一同協力させて頂きます」
こうして、俺は以前から決めていた彼らの異常な強さの上昇を確認するための鍛練の視察を行うことになった。
食事会が終了した後、【近衛部隊】、【幻獣部隊】、神獣達、俺、【技術開発部隊】の面々が、<神狼>の町にある鍛錬場に<転移>した。
鍛錬場は拡張されており、それぞれに強固な結界が張られている。
ガジム隊長は、鍛錬に参加する面々にネックレスのような者を渡している。
「この魔道具を首につけると自動で大きさは調整されます。戦闘時に邪魔にはなりませんのでご安心を。当然この結界内であればいかなる攻撃を受けても破壊される事も有りません。この魔道具をつけていれば、結界内で万が一命が無くなっても、この魔道具を結界の外に持っていけば完全に復活することができます」
とんでもない物作ってました!!
一応俺が知っていた情報では、結界の外に出れば怪我については完全復活だったはずだ。なので、万が一とんでもない攻撃を受けてしまって即死の場合は助からなかったような・・・
だから、北野の周りにはLvの高い者達が、鍛錬している者達の攻撃をある意味選別していたはずなのだが・・・
でもガジム隊長率いる【技術開発部隊】だからな。これくらいはやってのけるだろう。
「ジン様、ゆくゆくは王都をこの結界で囲って、王族の皆様にはこの魔道具を使っていただこうと思っております。しかし、今の我らの技術ではこの範囲が精一杯なので、もう少々お待ちください。ただ残念ながら今結界を戦場に設置するのには時間が無さ過ぎてできません」
どうやらこの結界は、王都に使用している結界とは種類が違うようだ。
今まで同じだと思っていたのだが、この鍛錬場の範囲で改良を加えていたのだろう。
「ありがとう。無理しないようにね」
なんだか驚きすぎて普通の返事をしてしまった。
「では早速鍛錬を開始しましょうか。近衛の方々とマーニカ隊長はそれぞれの結界内に入ってください。どこも同じ状態なのでどこでも問題ありません。対戦相手は、神獣の皆様と、幻獣部隊の持ち回りでお願いします」
全員が結界内に入って行った。
最初の対戦相手はマーニカ以外は幻獣となり、マーニカにはモモが対戦することになった。
と、あまりこの対戦について感想を述べてもしょうがないかもしれないが、これなら<SS:聖級>と言う枠にいながらも<SSS:神級>と平気で対戦できるわけだ・・・という内容だった。
そう、はっきり言って命を捨てて技術を磨いている状態なのだ。
そして【近衛部隊】の武具第三解放もこの目で見たが、はっきり言って異常だ。
実は俺も神の力が馴染みつつあり、鍛錬をしていなくても日々強くなっている実感がある。
そんな俺も、今の彼らと戦ったら本気で戦ってようやく勝てるか?と言う強さだと感じた。
そして、マーニカを含め対戦相手として鍛錬をした幻獣部隊もこの鍛錬で大幅に強化された。
モモ達神獣達についても、少々だが強くなったようだ。
ただ、残念ながら彼女達は強すぎて、今回の鍛練での強化は微々たる物だったのだが・・・それでも有益な鍛錬が実施できたのではないだろうか。
いつの間にかガジム隊長も鍛錬していたのには驚いたが、いつもの事らしい。それでガジム隊長も相当な強さになったのだろう。
そんな鍛練を続けて、<アルダ王国>の面々は監視部隊が常駐してい<リハク大陸>に<転移>した。
戦闘対象者のほかに、俺、神獣達全員がこの大陸にやってきた。
他の隊長達や隊員は、万が一に備えて<アルダ王国>を含めた他の大陸に配置している。いよいよだ。
大した事がない情報とは、魔神は二コラ隊長の推測通り戦闘狂であること、依り代になっている鬼族も戦闘が好きであったため、力を馴染ませやすい状態となり、おそらく既に完全に力を取り戻していること、神から奪った力を<SS:聖級>の魔獣に譲渡しているが、魔獣が消滅すると神に力が自動的に戻ってしまう事などだ。
そして重要な情報は、やはり各大陸から行方不明になっていた人々は術開発の生贄になっており、既にこの世にはいない事、そしてその術とは今まで封印するしか方法がなかった神を滅することができる術である事だ。
ここまで危険な術であれば、生贄の数も相当になったのだろう。更には術の発動に対する条件すらありそうだが、その辺りは情報を持っていなかった。
こうなると、マーニカ隊長も今のままでやつらと戦闘を行うわけにはいかない。
もうあんな思いをするのは嫌なんだ。
特に、この報告を聞いた際にレイラ隊長も俺と同じことを強く思ったらしい。以前彼女は幻獣の中で一人だけ生き残ったので、あの悲しい状態を思い出してしまったのだろうか。
当然俺だけではなく、幹部全員の危機意識が上昇したのは言うまでもない。
少々浮かれていた【近衛部隊】も意識を完全に切り替えたようだ。
そしてガジム隊長がこう提案してきた。
「短い期間と言えど、敵の情報を得た以上は対応すべく鍛錬を実施するべきだ。それも今まで通りの鍛練ではなく、より厳しい鍛錬を提案したい」
「承知した。いつも通り夜中に<神狼>の町の鍛錬場に集合でよろしいか?」
二コラ隊長が、自らの任務を考えた発言をしてきた。
「二コラ隊長、今回の戦いはこの大陸のみならず全ての大陸の命運がかかっています。なので、この短い期間の内更に時間まで制約をかけるわけにはいきませんな。護衛は【遊撃部隊】と【防衛部隊】から選出させて頂きたいと思いますが、如何でしょうかダン王?」
「全く問題ない。むしろ前にも言ったが、王都にいる限り過剰すぎる護衛だと思っているのだが・・・」
俺も父さんと同じ事を常に思っていた。しかし、俺達王族以外はそう思っていないようで、ガジム隊長は反論してきた。
「いえ、万が一を考えると過剰でも問題ありません。ですが、ご英断ありがとうございます」
【近衛部隊】の面々も、右手を左胸に置き深く礼をしている。
彼らもガジム隊長の大陸の命運がかかっているという発言から、護衛中のように真剣な表情が戻った。
「では、早速まいりましょうか。既に防壁の強化、そして仮想敵となる疑似的なスキルの模倣による自動反撃の魔道具の設置などは終わっています。この状態で模擬戦を実施していただきますが、当然互いのスキルは魔道具に記録され、任意に魔道具より攻撃されます。魔道具は隠蔽済みで、自動で<転移>するのでより練度の高い鍛錬が実施できますぞ」
なんともとんでもない環境を既に【技術開発部隊】は作り終わっているようだ。
自分の攻撃や相手の攻撃が、任意の位置から任意のタイミングでこちらに向かってくる。当然相手の攻撃も来るので、相当な集中力が必要になるだろう。
ガジム隊長の意気込みが感じられる・・・いや、いつも通りか?
「神獣の皆様、申し訳ありませんが今回の鍛練には是非ともご参加頂きたい」
相手の力がかなり上であるので、ガジム隊長はモモを始めとした神獣達の参加を要求してきた。
同じ<SSS:神級>でも、その中で強さが分かれているので、当然の判断と言えるだろう。
神獣達は俺の方を見てきた。
判断をしろという事だろう。
「皆、頼むよ」
そういうと、代表してモモがガジム隊長に了解の意を伝えた。
「承知しました。より良い鍛錬となるように微力ながら我ら神獣一同協力させて頂きます」
こうして、俺は以前から決めていた彼らの異常な強さの上昇を確認するための鍛練の視察を行うことになった。
食事会が終了した後、【近衛部隊】、【幻獣部隊】、神獣達、俺、【技術開発部隊】の面々が、<神狼>の町にある鍛錬場に<転移>した。
鍛錬場は拡張されており、それぞれに強固な結界が張られている。
ガジム隊長は、鍛錬に参加する面々にネックレスのような者を渡している。
「この魔道具を首につけると自動で大きさは調整されます。戦闘時に邪魔にはなりませんのでご安心を。当然この結界内であればいかなる攻撃を受けても破壊される事も有りません。この魔道具をつけていれば、結界内で万が一命が無くなっても、この魔道具を結界の外に持っていけば完全に復活することができます」
とんでもない物作ってました!!
一応俺が知っていた情報では、結界の外に出れば怪我については完全復活だったはずだ。なので、万が一とんでもない攻撃を受けてしまって即死の場合は助からなかったような・・・
だから、北野の周りにはLvの高い者達が、鍛錬している者達の攻撃をある意味選別していたはずなのだが・・・
でもガジム隊長率いる【技術開発部隊】だからな。これくらいはやってのけるだろう。
「ジン様、ゆくゆくは王都をこの結界で囲って、王族の皆様にはこの魔道具を使っていただこうと思っております。しかし、今の我らの技術ではこの範囲が精一杯なので、もう少々お待ちください。ただ残念ながら今結界を戦場に設置するのには時間が無さ過ぎてできません」
どうやらこの結界は、王都に使用している結界とは種類が違うようだ。
今まで同じだと思っていたのだが、この鍛錬場の範囲で改良を加えていたのだろう。
「ありがとう。無理しないようにね」
なんだか驚きすぎて普通の返事をしてしまった。
「では早速鍛錬を開始しましょうか。近衛の方々とマーニカ隊長はそれぞれの結界内に入ってください。どこも同じ状態なのでどこでも問題ありません。対戦相手は、神獣の皆様と、幻獣部隊の持ち回りでお願いします」
全員が結界内に入って行った。
最初の対戦相手はマーニカ以外は幻獣となり、マーニカにはモモが対戦することになった。
と、あまりこの対戦について感想を述べてもしょうがないかもしれないが、これなら<SS:聖級>と言う枠にいながらも<SSS:神級>と平気で対戦できるわけだ・・・という内容だった。
そう、はっきり言って命を捨てて技術を磨いている状態なのだ。
そして【近衛部隊】の武具第三解放もこの目で見たが、はっきり言って異常だ。
実は俺も神の力が馴染みつつあり、鍛錬をしていなくても日々強くなっている実感がある。
そんな俺も、今の彼らと戦ったら本気で戦ってようやく勝てるか?と言う強さだと感じた。
そして、マーニカを含め対戦相手として鍛錬をした幻獣部隊もこの鍛錬で大幅に強化された。
モモ達神獣達についても、少々だが強くなったようだ。
ただ、残念ながら彼女達は強すぎて、今回の鍛練での強化は微々たる物だったのだが・・・それでも有益な鍛錬が実施できたのではないだろうか。
いつの間にかガジム隊長も鍛錬していたのには驚いたが、いつもの事らしい。それでガジム隊長も相当な強さになったのだろう。
そんな鍛練を続けて、<アルダ王国>の面々は監視部隊が常駐してい<リハク大陸>に<転移>した。
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