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異大陸
決戦
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向こうには、魔神サイドの偵察部隊が見える。
そして、暫くすると強大な力が溢れ出てきたので、<転移>で魔神と五匹が到着したのだろう。
程無くして、魔神サイドの偵察部隊が一つの道を作り出すように左右に分かれ、その道から六体の魔獣がこちらに向かってきた。
当然俺達も向こうに歩み始める。
近衛の二コラ、オルド、ハルド、ラム、ミーナ、幻獣のマーニカ、神獣のモモ、ソラ、シロ、トーカ、そして俺だ。
両者が陣取っていた場所の丁度中央部分にて相対したが、魔神含む魔獣は俺達よりも頭二つ程大きな体躯をしている。
既に捕獲した<SSS:神級>を持っていた魔獣はそんなことはなかったのだが、力が馴染んだために変異したのかもしれない。
そんな事を考えていると、明らかに別格の強さを持つ鬼族の外見をした魔神が俺達を見回して鼻を鳴らす。
「おいおい、吹けば飛ぶような雑魚しかいないようだな。六人が<SSS:神級>で、五人が<SS:聖級>か。必死で最高戦力を集めたか?精々俺達を楽しませてくれ。それで、どうするんだ?全員で戦うのか?」
俺達の力は当然隠蔽している。敵に情報を安易に開示するなんて愚の骨頂だからな。
だが、隠蔽してはいるのだが腐っても敵の力も<SSS:神級>だ。ある程度の力は看破してしまうだろう。しかし、今のセリフから判断すると、完全に力を把握できているわけではなさそうだ。
魔神の若干挑発とも取れる問いに、二コラ隊長が冷静に回答する。
「我ら<アルダ王国>は、私を含むこの六名でお相手する。こちらにいらっしゃるジン様と四名は戦闘しない」
「フハハハ、なんだ既に勝負を投げたか?<SS:聖級>と、かろうじて<SSS:神級>一人か?良いだろう、我らを侮辱した罪、存分にその身に刻み込んでやる。とすると・・・お前らの仲間が無様に命をを散らしている所をしっかり見せつける必要があるな。フム、互いに同じ場所に結界を張ってその中で一対一でどうだ。当然互いに結界を張るので味方の援助をしようとしても相手方の結界が邪魔をして援助できないという事だ」
「全く問題ない。結界を張るのは誰が張るんだ?偵察部隊程度が張った結界ならあってもなくても同じだぞ?」
「安心しろ、戦闘に参加していないここにいるメンバーで結界を張ればいいだろう。まあ、ハンデとして魔力温存のためにお前らは張らなくても良いがな。だが、その場合我らの補助魔法等が無意識に味方にかかってしまうかもしれないがな・・・フハハ」
「いや、それについても問題ない。勝負はどの様に決する?」
「言うまでもないだろう。どちらかの命が消えるまでだ。降参すれば助かるなど腑抜けた事を言うやつは我ら魔神軍にはいない」
魔神は<SS:聖級>である二コラ隊長を始めとした五人の近衛を完全に下に見ている。
しかし二コラ隊長は冷静なのか、相手を煽って見せた。
「まあそちらが良いなら良いだろう。だが我ら<アルダ王国>としては鍛錬の的として魔獣を欲しているのでな。場合によっては降参した段階で助けてやらない事もない。覚えておけ」
二コラ隊長のこのセリフに、魔神と共にいる五匹の魔獣達は露骨に顔色を変えた。
「貴様、いや、貴様ら楽に死ねると思うなよ。お前らが先走った<SSS:神級>の魔獣一匹を倒したことは知っている。その成果からか何だか知らんが、少々驕りが過ぎるようだな。あんな雑魚と我らを同一視しない事だ。それと、戦闘に参加しないと言っているそこのお前ら、こいつらを始末した後に寂しくないように同じ場所に送ってやるからな。感謝しろ!!」
そのセリフを聞いた近衛と二コラは必死で殺気を抑えている。
俺を害すると言った事が彼らの琴線に大きく触れたのだ。
一呼吸して何とか落ち着いた二コラ隊長が、
「おい、そのセリフそっくり返してやる。最早会話をするのも腹が立つ。早速始めるぞ」
「勢いだけは誉めてやる。そうだ、一つだけ伝えておこう。こちらは当然全員<SSS:神級>なので、貴様らは明らかに役不足だ。我も配下の要望を叶えねばならん立場なのでな、配下が雑魚を踏みつぶしても戦闘欲求が満足できないので、連戦するかもしれんな。フハハハ、有り得ん事だが、貴様らも連戦しても構わんぞ!ククク、この短い時間に仲間と今生の別れを済ませておけ」
二コラ隊長はそんなセリフを意にも介さずに踵を返し、戦闘を行うメンバーの方に向かってきた。
しかし、その表情は何故かにやけている。
煽られすぎておかしくなったか?
ふと周りを見ると、近衛は全員二コラ隊長と同じ顔をしており、マーニカはやれやれ・・・という感じの表情だ。
若干小走りに戻ってきた二コラ隊長は、開口一番こう言った。
「おい、聞いたか?聞いたな?連戦可能だそうだ。あの魔神も唯一いい事を言ったな。どうするか?例えば、俺が最初の魔獣を倒してそのまま連戦するなんて良い案じゃないだろうか?」
「また始まった。このエセ隊長。そんなことを言うならこのオルドが連戦だ」
まずい、本来緊迫したこの状況でいつもの病気が始まった。
「まてまて、落ち着け。全くお前ら最近豹変しすぎだ。どうするかな。良い落としどころは・・・」
俺は祈る気持ちでモモ達の方を見た。
彼女達も困った表情をしているが、俺なんかと違って完全に馴染んでいる<神の権能>を使用できるんだ。<並列思考>的な物で解決策を考えてくれないだろうか?
「そうですね、大変申し訳ありませんがマーニカ隊長、魔神の対戦を譲っていただくことはできないでしょうか?」
モモの問いかけにマーニカ隊長は問題ない旨返事をしてくれる。
「全く問題ございません、モモ様」
近衛もこんな感じに大人の対応をしてくれればいいのだが・・・と若干呆れながらモモの続きを待つ。
「では近衛の方々、当初の予定通り一人一殺でお願いします。その戦いの内容をジン様を始めとして我ら神獣およびマーニカ隊長が採点させて頂きます。採点方法は私達それぞれの基準となる為、例えばそうですね、圧倒的に相手をねじ伏せるか、または相手の全力を如何に引き出したうえでねじ伏せるか、等になるかと思います。そして点数の高い者がマーニカ隊長に譲っていただいた魔神と対戦する権利を得るという事でいかがでしょうか?」
「「「「「承知した(にゃ)」」」」」
近衛の五人がこんな時には心を一つにして返事をしてくる。
ホントにこの連中は・・・
モモは最後に一つ付け加えた。
「採点基準はそれぞれの判断になりますが、相手の攻撃でダメージを負った場合に減点することは全員共通とさせてください」
暴走気味の近衛の身を案じる意味でもこの最後の注意は必要な要素だな。
採点担当の神獣達、マーニカ隊長、俺は頷いて同意の意を示す。
当然近衛達も頷いている。
よしよし、急に訳の分からない問題が発生したがモモのおかげで無事?に解決することができた。
こんな内輪もめみたいな事をしてしまっている内に、魔神側から一匹の大きな体躯の魔獣が互いの陣地の中央に進み出た。
「おい、この俺様の相手は誰だ?早く来い」
見るからに筋肉モリモリで、持っている武器も両手に斧を持っている。
禍々しい瘴気を発生する斧であり、まともな武具ではないのは明らかだ。
<SSS:神級>の力を持っているのだから当然と言えば当然か。
そんな相手に対して進み出る<アルダ王国>の対戦相手は相変わらずの小競り合いがあったが、当初の予定通り初戦はラムが行くようだ。
完璧に近いプロポーションを持つ女性のラムをみて、魔獣は舌なめずりをした。
「お前が俺様の相手か。いいな、良い感じだ。適当に四肢を捥いで暫くは玩具にしてやる」
深いな目つきとセリフを受けても、ラムは凛としている。
「あら残念。私はジン様の物なので丁重にお断りさせて頂きます。そもそも自分の姿を見たことあるのかしらあなた?フフフ」
おいおい、無駄に煽るなよ。そして、いつの間にか俺の物になっているんだラム?
そして、暫くすると強大な力が溢れ出てきたので、<転移>で魔神と五匹が到着したのだろう。
程無くして、魔神サイドの偵察部隊が一つの道を作り出すように左右に分かれ、その道から六体の魔獣がこちらに向かってきた。
当然俺達も向こうに歩み始める。
近衛の二コラ、オルド、ハルド、ラム、ミーナ、幻獣のマーニカ、神獣のモモ、ソラ、シロ、トーカ、そして俺だ。
両者が陣取っていた場所の丁度中央部分にて相対したが、魔神含む魔獣は俺達よりも頭二つ程大きな体躯をしている。
既に捕獲した<SSS:神級>を持っていた魔獣はそんなことはなかったのだが、力が馴染んだために変異したのかもしれない。
そんな事を考えていると、明らかに別格の強さを持つ鬼族の外見をした魔神が俺達を見回して鼻を鳴らす。
「おいおい、吹けば飛ぶような雑魚しかいないようだな。六人が<SSS:神級>で、五人が<SS:聖級>か。必死で最高戦力を集めたか?精々俺達を楽しませてくれ。それで、どうするんだ?全員で戦うのか?」
俺達の力は当然隠蔽している。敵に情報を安易に開示するなんて愚の骨頂だからな。
だが、隠蔽してはいるのだが腐っても敵の力も<SSS:神級>だ。ある程度の力は看破してしまうだろう。しかし、今のセリフから判断すると、完全に力を把握できているわけではなさそうだ。
魔神の若干挑発とも取れる問いに、二コラ隊長が冷静に回答する。
「我ら<アルダ王国>は、私を含むこの六名でお相手する。こちらにいらっしゃるジン様と四名は戦闘しない」
「フハハハ、なんだ既に勝負を投げたか?<SS:聖級>と、かろうじて<SSS:神級>一人か?良いだろう、我らを侮辱した罪、存分にその身に刻み込んでやる。とすると・・・お前らの仲間が無様に命をを散らしている所をしっかり見せつける必要があるな。フム、互いに同じ場所に結界を張ってその中で一対一でどうだ。当然互いに結界を張るので味方の援助をしようとしても相手方の結界が邪魔をして援助できないという事だ」
「全く問題ない。結界を張るのは誰が張るんだ?偵察部隊程度が張った結界ならあってもなくても同じだぞ?」
「安心しろ、戦闘に参加していないここにいるメンバーで結界を張ればいいだろう。まあ、ハンデとして魔力温存のためにお前らは張らなくても良いがな。だが、その場合我らの補助魔法等が無意識に味方にかかってしまうかもしれないがな・・・フハハ」
「いや、それについても問題ない。勝負はどの様に決する?」
「言うまでもないだろう。どちらかの命が消えるまでだ。降参すれば助かるなど腑抜けた事を言うやつは我ら魔神軍にはいない」
魔神は<SS:聖級>である二コラ隊長を始めとした五人の近衛を完全に下に見ている。
しかし二コラ隊長は冷静なのか、相手を煽って見せた。
「まあそちらが良いなら良いだろう。だが我ら<アルダ王国>としては鍛錬の的として魔獣を欲しているのでな。場合によっては降参した段階で助けてやらない事もない。覚えておけ」
二コラ隊長のこのセリフに、魔神と共にいる五匹の魔獣達は露骨に顔色を変えた。
「貴様、いや、貴様ら楽に死ねると思うなよ。お前らが先走った<SSS:神級>の魔獣一匹を倒したことは知っている。その成果からか何だか知らんが、少々驕りが過ぎるようだな。あんな雑魚と我らを同一視しない事だ。それと、戦闘に参加しないと言っているそこのお前ら、こいつらを始末した後に寂しくないように同じ場所に送ってやるからな。感謝しろ!!」
そのセリフを聞いた近衛と二コラは必死で殺気を抑えている。
俺を害すると言った事が彼らの琴線に大きく触れたのだ。
一呼吸して何とか落ち着いた二コラ隊長が、
「おい、そのセリフそっくり返してやる。最早会話をするのも腹が立つ。早速始めるぞ」
「勢いだけは誉めてやる。そうだ、一つだけ伝えておこう。こちらは当然全員<SSS:神級>なので、貴様らは明らかに役不足だ。我も配下の要望を叶えねばならん立場なのでな、配下が雑魚を踏みつぶしても戦闘欲求が満足できないので、連戦するかもしれんな。フハハハ、有り得ん事だが、貴様らも連戦しても構わんぞ!ククク、この短い時間に仲間と今生の別れを済ませておけ」
二コラ隊長はそんなセリフを意にも介さずに踵を返し、戦闘を行うメンバーの方に向かってきた。
しかし、その表情は何故かにやけている。
煽られすぎておかしくなったか?
ふと周りを見ると、近衛は全員二コラ隊長と同じ顔をしており、マーニカはやれやれ・・・という感じの表情だ。
若干小走りに戻ってきた二コラ隊長は、開口一番こう言った。
「おい、聞いたか?聞いたな?連戦可能だそうだ。あの魔神も唯一いい事を言ったな。どうするか?例えば、俺が最初の魔獣を倒してそのまま連戦するなんて良い案じゃないだろうか?」
「また始まった。このエセ隊長。そんなことを言うならこのオルドが連戦だ」
まずい、本来緊迫したこの状況でいつもの病気が始まった。
「まてまて、落ち着け。全くお前ら最近豹変しすぎだ。どうするかな。良い落としどころは・・・」
俺は祈る気持ちでモモ達の方を見た。
彼女達も困った表情をしているが、俺なんかと違って完全に馴染んでいる<神の権能>を使用できるんだ。<並列思考>的な物で解決策を考えてくれないだろうか?
「そうですね、大変申し訳ありませんがマーニカ隊長、魔神の対戦を譲っていただくことはできないでしょうか?」
モモの問いかけにマーニカ隊長は問題ない旨返事をしてくれる。
「全く問題ございません、モモ様」
近衛もこんな感じに大人の対応をしてくれればいいのだが・・・と若干呆れながらモモの続きを待つ。
「では近衛の方々、当初の予定通り一人一殺でお願いします。その戦いの内容をジン様を始めとして我ら神獣およびマーニカ隊長が採点させて頂きます。採点方法は私達それぞれの基準となる為、例えばそうですね、圧倒的に相手をねじ伏せるか、または相手の全力を如何に引き出したうえでねじ伏せるか、等になるかと思います。そして点数の高い者がマーニカ隊長に譲っていただいた魔神と対戦する権利を得るという事でいかがでしょうか?」
「「「「「承知した(にゃ)」」」」」
近衛の五人がこんな時には心を一つにして返事をしてくる。
ホントにこの連中は・・・
モモは最後に一つ付け加えた。
「採点基準はそれぞれの判断になりますが、相手の攻撃でダメージを負った場合に減点することは全員共通とさせてください」
暴走気味の近衛の身を案じる意味でもこの最後の注意は必要な要素だな。
採点担当の神獣達、マーニカ隊長、俺は頷いて同意の意を示す。
当然近衛達も頷いている。
よしよし、急に訳の分からない問題が発生したがモモのおかげで無事?に解決することができた。
こんな内輪もめみたいな事をしてしまっている内に、魔神側から一匹の大きな体躯の魔獣が互いの陣地の中央に進み出た。
「おい、この俺様の相手は誰だ?早く来い」
見るからに筋肉モリモリで、持っている武器も両手に斧を持っている。
禍々しい瘴気を発生する斧であり、まともな武具ではないのは明らかだ。
<SSS:神級>の力を持っているのだから当然と言えば当然か。
そんな相手に対して進み出る<アルダ王国>の対戦相手は相変わらずの小競り合いがあったが、当初の予定通り初戦はラムが行くようだ。
完璧に近いプロポーションを持つ女性のラムをみて、魔獣は舌なめずりをした。
「お前が俺様の相手か。いいな、良い感じだ。適当に四肢を捥いで暫くは玩具にしてやる」
深いな目つきとセリフを受けても、ラムは凛としている。
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おいおい、無駄に煽るなよ。そして、いつの間にか俺の物になっているんだラム?
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