11 / 30
2章~新都市へ~
第7話 迷宮探索
しおりを挟む迷宮は街の南にあるらしい、宿屋が集合しているのも納得だ。
迷宮は24時間いつでも入れるとのことだったので、空いているであろう朝早くに行ったのだが
「すごいな・・・」
迷宮前には既にいくらかの冒険者がいた。
パーティで点呼をとっている者や円陣を組んでいるもの、もちろん中には一人の冒険者もいる。
ユウは、さて行くか!と意気込んで迷宮へと足を踏み入れた。
魔法だろうか迷宮の中には仄かな明かりがあった。
少し歩いて行くと前方から二体のゴブリンが走って襲いかかってきた。
弓を構える時間はないか・・・!
とっさに水魔法ウォーターバレットを放ちゴブリン一体の頭を弾き、剣を構える。
そこからは一瞬だった。
ゴブリンが振りかざした剣を弾き飛ばし、頭に向けて剣を一閃した。
5,6体ならば魔法で一気に倒すことはできる。
しかし、それでは剣術は上達しない。
だからこそ、ユウはできる限りは剣で倒すことにしていた。
短剣で魔石を取り除いているとゴブリンの腰に
薄汚い皮の袋があるのを見つけた。
中には、数枚の鉄貨と銅貨が入っていた。
____________________
これは迷宮に限ったことではない。
人間を襲った魔物のたちが略奪した銭貨や武器防具などを持っていることはよくあることなのだ。
____________________
「鉄貨3枚に銅貨5枚か・・・」
大した量ではないがこれも立派な利益だ。
さあ、続けて行こう
30分後
「くそっまじか!」
ゴブリン6名に追われているユウの姿がそこにあった。
ただのゴブリンなら、どうにかできただろうが今回のは違う。剣を持ち今にも切りかからんとする者に弓を持つ者、そして魔法を使う者!
(なんでゴブリンメイジが一階層にいる!あれは、二階層からのはずじゃ)
ユウは逃げながら一つの事を思い出した。
稀に起こる階層を超えた魔物の出現。
だが、ゴブリンメイジならまだ運が良いほうだ。
オークやミノタウロスに比べれば・・・
(とにかく距離をとるか)
ゴブリンの走る速度はそう速くない。
全力で走れば簡単に差をつけることはできる。
(これくらいか・・・)
差は約20mくらいだろうか
まずは矢をゴブリンメイジの頭部に狙いを定め、一気に矢を放つ!
(まずはメイジ、次はゴブリンアーチャー!)
素早く矢を番えアーチャーへと矢を放った。
矢はアーチャーの眉間へと吸い込まれるように突き刺さった。
残りはノーマルゴブリン4体
(一気にやるか)
「ファイヤーウェーブ! 」
フィルから貰った魔法書に載っていた火の範囲魔法を唱えた。
ユウが唱えた火魔法はゴブリン達を飲み込み、
その後には灰魔石のみが残っていた。
「はぁ・・・はぁ・・・、こんな所にしとくか・・・」
怪我もないしやろう思えばまだ行ける、しかしさっきのようなこともある。
その時また対応できるだろうか
ユウの初めての迷宮探索をこれで終わりを告げる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃6階層
「なんでだ!なんで・・・なんでここにミノタウロスとオークが・・・!」
仲間たちの屍を抱きながら震えた声で訴える男の姿がそこにはあった。
「ウォォォォォ!」「ヴルォォォォォォォ!」
後ろから恐ろしい咆吼が聞こえる。
振り返った冒険者の目に見えたのは、大剣を振りかぶるオークと大斧を横へと一閃するミノタウロスの姿。
冒険者たちは、たまたま階層を超えて現れたオークとミノタウロスの闘争に巻き込まれたのだ。
ただ一人生き残った男は、冒険者の屍をそこに下ろし一目散に逃げた。
(ごめん!ごめん!)
仲間の遺品を持ち帰る暇もなかった。
いつ怒りの矛先がこちらに向くか分からない。
とにかく生きたい、男の心にはその思いしかなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ユウは冒険者ギルドでゴブリンと魔石の報酬を受け取り、メイジが一階層に現れたことを報告していた。
____________________
冒険者には、例えそれがゴブリンメイジ程度であれ階層超えの魔物が出た場合、早急に冒険者ギルドへ報告することが義務づけられている。
____________________
「おい!誰か手を貸してくれ!」
血まみれの男が数人の冒険者に担ぎ込まれてきた。
服は血でまみれているが傷は見当たらない。
おそらく、誰かが既に回復魔法をかけたのだろう。
冒険者ギルドの中はとてつもない喧騒に包まれていた。
数分後、男が目を覚ました。
パニック状態なのだろう喚きながら暴れるのを数人の冒険者たちが押さえ込んでいた。
それからまた数分男は徐々に落ち着いたようだ。
「俺は、俺たちは6階層にいたんだ。
そしたら、オークとミノタウロスが・・・」
男がそう言った瞬間、冒険者ギルドは再び喧騒に包まれた。
「そんな馬鹿な!」 「こういう時はどうするんだ!」「おちおち迷宮にも入れなくなる!」
冒険者たちもパニック状態だ。
ユウ自身もこれからどうすればいいのか
そして、フィルとレガン、『シラネリア』の心配もしていた。
「落ち着け!!!」
ギルド二階から大男が叫ぶと、途端にギルドは静まり返った。
この男こそが、迷宮都市ヴルテンの冒険者ギルドマスター『フェルナンド』元Sランク冒険者であり迷宮最奥探索に参加した男でもある。
「まずは、A,Bランクを招集!近隣にSランクがいるかも確認、できる限りの冒険者を集めろ!」
階層超えをした魔物は他にいるかもしれない。
それを踏まえての招集なのだろう。
「通信魔法を使って迷宮内の冒険者にも協力要請及び警告を発せ」
続けてフェルナンドがギルド職員に呼びかける
____________________
迷宮には、最奥の各階層全てに通信魔法の際に使われる貴重な魔石が埋め込まれている。
呼びかけを行えるのは各ギルドのみ、そしてその権限は各ギルド長と副長にのみ与えられている。
____________________
ユウ自身、この後どうなるかを見たい気もあった。
しかし、明日のことも考えて今日は宿に帰り寝ることにした。
こうして、迷宮探索一日目は終わっていく
0
あなたにおすすめの小説
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。
夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる