異世界冒険活劇 ~チートなしでも英雄になれますか?~

飛騨 栄治

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2章~新都市へ~

第7話 迷宮探索

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迷宮は街の南にあるらしい、宿屋が集合しているのも納得だ。

迷宮は24時間いつでも入れるとのことだったので、空いているであろう朝早くに行ったのだが

「すごいな・・・」

迷宮前には既にいくらかの冒険者がいた。
パーティで点呼をとっている者や円陣を組んでいるもの、もちろん中には一人の冒険者もいる。

ユウは、さて行くか!と意気込んで迷宮へと足を踏み入れた。

魔法だろうか迷宮の中には仄かな明かりがあった。

少し歩いて行くと前方から二体のゴブリンが走って襲いかかってきた。

弓を構える時間はないか・・・!

とっさに水魔法ウォーターバレットを放ちゴブリン一体の頭を弾き、剣を構える。

そこからは一瞬だった。
ゴブリンが振りかざした剣を弾き飛ばし、頭に向けて剣を一閃した。

5,6体ならば魔法で一気に倒すことはできる。
しかし、それでは剣術は上達しない。
だからこそ、ユウはできる限りは剣で倒すことにしていた。

短剣で魔石を取り除いているとゴブリンの腰に
薄汚い皮の袋があるのを見つけた。
中には、数枚の鉄貨と銅貨が入っていた。

____________________

これは迷宮に限ったことではない。
人間を襲った魔物のたちが略奪した銭貨や武器防具などを持っていることはよくあることなのだ。

____________________

「鉄貨3枚に銅貨5枚か・・・」
大した量ではないがこれも立派な利益だ。

さあ、続けて行こう

30分後

「くそっまじか!」
ゴブリン6名に追われているユウの姿がそこにあった。

ただのゴブリンなら、どうにかできただろうが今回のは違う。剣を持ち今にも切りかからんとする者に弓を持つ者、そして魔法を使う者!

(なんでゴブリンメイジが一階層にいる!あれは、二階層からのはずじゃ)

ユウは逃げながら一つの事を思い出した。
稀に起こる階層を超えた魔物の出現。
だが、ゴブリンメイジならまだ運が良いほうだ。
オークやミノタウロスに比べれば・・・


(とにかく距離をとるか)
ゴブリンの走る速度はそう速くない。
全力で走れば簡単に差をつけることはできる。


(これくらいか・・・)

差は約20mくらいだろうか

まずは矢をゴブリンメイジの頭部に狙いを定め、一気に矢を放つ!

(まずはメイジ、次はゴブリンアーチャー!)
素早く矢を番えアーチャーへと矢を放った。

矢はアーチャーの眉間へと吸い込まれるように突き刺さった。

残りはノーマルゴブリン4体

(一気にやるか)

「ファイヤーウェーブ! 」
フィルから貰った魔法書に載っていた火の範囲魔法を唱えた。

ユウが唱えた火魔法はゴブリン達を飲み込み、
その後には灰魔石のみが残っていた。


「はぁ・・・はぁ・・・、こんな所にしとくか・・・」

怪我もないしやろう思えばまだ行ける、しかしさっきのようなこともある。
その時また対応できるだろうか

ユウの初めての迷宮探索をこれで終わりを告げる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その頃6階層

「なんでだ!なんで・・・なんでここにミノタウロスとオークが・・・!」

仲間たちの屍を抱きながら震えた声で訴える男の姿がそこにはあった。

「ウォォォォォ!」「ヴルォォォォォォォ!」

後ろから恐ろしい咆吼が聞こえる。
振り返った冒険者の目に見えたのは、大剣を振りかぶるオークと大斧を横へと一閃するミノタウロスの姿。

冒険者たちは、たまたま階層を超えて現れたオークとミノタウロスの闘争に巻き込まれたのだ。

ただ一人生き残った男は、冒険者の屍をそこに下ろし一目散に逃げた。
(ごめん!ごめん!)

仲間の遺品を持ち帰る暇もなかった。
いつ怒りの矛先がこちらに向くか分からない。
とにかく生きたい、男の心にはその思いしかなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ユウは冒険者ギルドでゴブリンと魔石の報酬を受け取り、メイジが一階層に現れたことを報告していた。

____________________

冒険者には、例えそれがゴブリンメイジ程度であれ階層超えの魔物が出た場合、早急に冒険者ギルドへ報告することが義務づけられている。

____________________

「おい!誰か手を貸してくれ!」
血まみれの男が数人の冒険者に担ぎ込まれてきた。
服は血でまみれているが傷は見当たらない。
おそらく、誰かが既に回復魔法をかけたのだろう。

冒険者ギルドの中はとてつもない喧騒に包まれていた。

数分後、男が目を覚ました。
パニック状態なのだろう喚きながら暴れるのを数人の冒険者たちが押さえ込んでいた。

それからまた数分男は徐々に落ち着いたようだ。
「俺は、俺たちは6階層にいたんだ。
そしたら、オークとミノタウロスが・・・」

男がそう言った瞬間、冒険者ギルドは再び喧騒に包まれた。

「そんな馬鹿な!」 「こういう時はどうするんだ!」「おちおち迷宮にも入れなくなる!」

冒険者たちもパニック状態だ。
ユウ自身もこれからどうすればいいのか
そして、フィルとレガン、『シラネリア』の心配もしていた。

「落ち着け!!!」
ギルド二階から大男が叫ぶと、途端にギルドは静まり返った。

この男こそが、迷宮都市ヴルテンの冒険者ギルドマスター『フェルナンド』元Sランク冒険者であり迷宮最奥探索に参加した男でもある。

「まずは、A,Bランクを招集!近隣にSランクがいるかも確認、できる限りの冒険者を集めろ!」

階層超えをした魔物は他にいるかもしれない。
それを踏まえての招集なのだろう。

「通信魔法を使って迷宮内の冒険者にも協力要請及び警告を発せ」

続けてフェルナンドがギルド職員に呼びかける

____________________

迷宮には、最奥の各階層全てに通信魔法の際に使われる貴重な魔石が埋め込まれている。

呼びかけを行えるのは各ギルドのみ、そしてその権限は各ギルド長と副長にのみ与えられている。

____________________

ユウ自身、この後どうなるかを見たい気もあった。

しかし、明日のことも考えて今日は宿に帰り寝ることにした。

こうして、迷宮探索一日目は終わっていく


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