【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】

リコピン

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ロカール日常シリーズ ▶️50話

【Mニュートの皮の納品】#1 まさかの降格取消、あるかもS級試験

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「どうもー、最近は、家庭菜園にハマり中!呪術師のシオンです!」

「…最近はまっているのは、観察…?魔導師のセリです。」

「パン屋系もスイーツ系も全部制覇したい!マリトッツォに大ハマり中のヒーラー、エルちゃんです!」

「最近ってか、この季節はやっぱ波乗りしたくなる!シーフのルキです!」

「「「「四人合わせて、『深淵をのぞく四翼しよくの風』です!」」」」

「あー、はいはい。うん、分かってる、知ってるよ?毎回、叫ばなくていいからねー。」

「いや!でも、イグナーツさんには冒険者デビューの時からお世話になってるから!俺達の成長を知ってもらいたいっていうか、」

「うん、そう、ありがとうね。でも、ギルドの受付で毎回それやられるのは、正直、めいわ、…僕にはもう必要ないかなーって思うから。」

「えー!そんなこと言わないでくださいよー。最初にパーティ挨拶見てくれたのも、『いいんじゃない?』って言ってくれたのも、イグナーツさんなんですからー。」

「…失敗したな。」

小さく舌打ちが聞こえた。兄のダルい絡みに辟易してらっしゃるのは、ギルド受付のイグナーツさん。ギルドで一番仕事の出来る三十路後半?のお兄さん。次期、ギルマス候補なんだそう。

「…イグナーツさん、すみません。兄は放っておいて頂いて、あの、今日、私達が呼ばれたのって…?」

「ああ、うん、そうだね。えっと、結論から言うと、君たちのパーティランク降格、あれが無くなりました。」

「えっ!?」

「…無くなった、というのは?」

「うん。降格の原因だった依頼受注後の冒険者都合による取り消しね、あれ、依頼者さんの方から申し出があって、『依頼者都合』に修正されたから。」

「依頼者って、あの、聖職者さん…?」

もう、ぼんやりとしか顔も思い出せない、嫌なおじさん、だったのだけれど。

「確か、コークスさん、でしたっけ?あの人がそう言ってくれた、ってことですか?」

「ああ、そうだ。君たちに『申し訳なかった』との伝言もある。」

「へー。」

「んなこと、あんだな。」

(…これは、ちょっと予想外。)

私が無理やり頭を下げさせた人。頭を下げてそれで終わり、だと思ってたのに─

「…コークスさんに、失礼なことをしてしまいました。」

「だね?セリちゃん、かなりあの人追い詰めてたしー☆」

「…」

反省。人を、見た目や最初の印象だけで判断しちゃいけない、思い込んじゃいけないって、当たり前のことなのに、忘れてた。

(私は、まだまだ、ガキ。)

エルの方がやっぱり、ずっと大人だった。それに、勿論、コークスさんも─

(…反省しよう、ちゃんと。)

もう、同じ失敗はしないように。そう決めて、顔を上げる。イグナーツさんと目が合った。

「うん…。それで、本題はここからなんだけど。ランク降格が取り消しになったことで、今日付けで君たちのパーティランクはBに戻ります。で、降格後に受けてた依頼の成果を加えると、パーティランク、もうすぐAに上がるから。」

「!マジですか!?」

「えー!すごい☆やったじゃん、セリちゃん、ルキ!今年の試験間に合うんじゃない?」

「おー、ホントだな。」

「…」

驚いた。驚いて、ちょっと、怖くなった。パーティランクがAになったら出来ること。所属するメンバーの内、冒険者ランクがAの者には「S級試験」を受ける資格が与えられる。

(…今年は、間に合わないと思ってた。)

だから、残念半分、安堵半分、だったんだけれど。

(…ルキは、嬉しい?よね?)

S級冒険者はルキの夢、目標、だから。




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