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【サプライズ】好きな人の誕生日に全力でプレゼントを用意しました ▶10話
#1 いつも一緒にいたいけど
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「…じゃ、また明日な、セリ。」
「はい。…また明日。」
ここひと月近く、毎日のように繰り返しているルキとの挨拶。朝の「おはよう」から、夕方の「またな」まで、半日以上をルキと二人で過ごしている。依頼をこなしていることが大半とはいえ、二人で買い物に出かけたり、お弁当を持って遠出したり、恋人らしい時間も過ごせることがとても幸せ、ではあるんだけれど─
(…困った。)
贅沢な悩み、だとは重々承知の上で、でも、困った。自分一人の時間が全然取れない。いつもなら、それで全く問題ないのだけれど、今は、一週間後に迫ったイベント、ルキの誕生日に向けた準備が─
(…一緒にお買い物しながら欲しいものリサーチ作戦は、失敗。)
逆に、「コレ、セリに似合う」攻撃で、私がプレゼント攻めに合うところだった。
(…消えもの、…お酒は去年、あげたし。)
ただのパーティ仲間でなく恋人同士になれた今年は、何か形に残るものをあげたい。
(やっぱり、剣…?)
元々、物欲の薄いルキ。自分が使う武器にだけは拘りがあるようだけれど、そうなると、逆にどんなものなら喜ぶのかが分からずに二の足を踏んでいた。
(…でも、もう、時間が無いし。)
一つだけ、考えていたアイデア。時間がかかるし、運頼りなところもあるけれど─
「…よし。」
気合を入れる。ルキに送ってもらった自宅を出て、ひと月前に何度かお邪魔した家に向かう。
(…今日は、在宅、かな?)
アポなし訪問に不安はあったものの、たどり着いてノックした扉の向こう、聞きなれた声が返ってきたことにホッとする。開く扉に頭を下げて、
「…突然、すみません。」
「セリ君?」
「あの、ザーラさん、お願い、…依頼を、受けてもらえませんか?」
「…というわけで、明日から暫く、ザーラさんと、」
「なんで?」
「…その、色々、魔導師として教えてもらいたいことが、」
「それなら、別にダンジョン潜る必要ねぇだろ?」
「…実地でモンスターと戦闘した方が、身に着くので。」
「…」
ザーラさんに「一週間、一緒にダンジョンに潜って欲しい」という依頼を出したところ、ザーラさんは快く引き受けてくれた。「セリ君とお仕事するの楽しみ」とまで言ってもらえて。
反対に、ルキに「一週間ほど別行動したいので、お迎えは要らない」と伝えたところ、ここ最近は全く目にしなかったほどの鋭い視線を向けられてしまった。理由を聞かれ、ザーラさんとダンジョンに行くのだと伝えれば、
「…危ねぇだろ?ザーラと二人でダンジョンとか。せめて、俺も一緒に、」
「駄目なんです…」
「…なんで?」
「…えっと、ルキと一緒だと、私が甘えてしまって訓練にならないので…」
「…」
理由はそれだけではない、というか、本当の理由は言えないけれど、ルキに甘えてしまうというのも本音。ルキもそれを否定は出来ないらしく、黙り込んでしまった。
「…ルキ、あの、ごめんなさい。でも、お願いします。」
「…」
一瞬、凄く嫌そうな顔をしたルキ。それから、自分の髪をかき上げるようにして、
「あー、クッソ。…悪ぃ、セリ、謝んな。てか、分かってんだよ。セリが謝るようなことでも、お願いするようなことでもないってのは。」
「…でも、」
「いや、ホントに。どう考えても、俺の我儘ってか、俺が悪い。…セリの行動、縛るようなこと言った。俺の許可なんて、本当は要らねぇのにさ…」
「…」
「…一週間、な。オッケ、分かった。待ってるわ。」
言って、ルキが大きくため息をついた。
「…あー、あと、クソださいこと言うけど、…セリがザーラと、ってか、俺以外の奴と一緒にってのは、正直、面白くないと思ってっから。」
「はい…」
「けど、まぁ、邪魔してセリにウザがられんのはもっと嫌だから、我慢する。…我慢するからさ、セリも知っとけ?セリが居なくて、俺が凹んでんの。」
「ルキ…?」
「んで、俺がいない間も、ずっと俺のこと気にしとけよ?」
「…」
「俺は、セリが居ない間、ずっとセリのことばっか考えてっから。…セリも、ちょっとは俺の事気にしろ、な?」
「…」
どうしよう─
犬をお留守番させる時の飼い主の気持ちが分かってしまった。
断ることも出来ず、ルキの「お願い」には精一杯頷いて、絶対に「ルキのことを考える」と約束した。
「はい。…また明日。」
ここひと月近く、毎日のように繰り返しているルキとの挨拶。朝の「おはよう」から、夕方の「またな」まで、半日以上をルキと二人で過ごしている。依頼をこなしていることが大半とはいえ、二人で買い物に出かけたり、お弁当を持って遠出したり、恋人らしい時間も過ごせることがとても幸せ、ではあるんだけれど─
(…困った。)
贅沢な悩み、だとは重々承知の上で、でも、困った。自分一人の時間が全然取れない。いつもなら、それで全く問題ないのだけれど、今は、一週間後に迫ったイベント、ルキの誕生日に向けた準備が─
(…一緒にお買い物しながら欲しいものリサーチ作戦は、失敗。)
逆に、「コレ、セリに似合う」攻撃で、私がプレゼント攻めに合うところだった。
(…消えもの、…お酒は去年、あげたし。)
ただのパーティ仲間でなく恋人同士になれた今年は、何か形に残るものをあげたい。
(やっぱり、剣…?)
元々、物欲の薄いルキ。自分が使う武器にだけは拘りがあるようだけれど、そうなると、逆にどんなものなら喜ぶのかが分からずに二の足を踏んでいた。
(…でも、もう、時間が無いし。)
一つだけ、考えていたアイデア。時間がかかるし、運頼りなところもあるけれど─
「…よし。」
気合を入れる。ルキに送ってもらった自宅を出て、ひと月前に何度かお邪魔した家に向かう。
(…今日は、在宅、かな?)
アポなし訪問に不安はあったものの、たどり着いてノックした扉の向こう、聞きなれた声が返ってきたことにホッとする。開く扉に頭を下げて、
「…突然、すみません。」
「セリ君?」
「あの、ザーラさん、お願い、…依頼を、受けてもらえませんか?」
「…というわけで、明日から暫く、ザーラさんと、」
「なんで?」
「…その、色々、魔導師として教えてもらいたいことが、」
「それなら、別にダンジョン潜る必要ねぇだろ?」
「…実地でモンスターと戦闘した方が、身に着くので。」
「…」
ザーラさんに「一週間、一緒にダンジョンに潜って欲しい」という依頼を出したところ、ザーラさんは快く引き受けてくれた。「セリ君とお仕事するの楽しみ」とまで言ってもらえて。
反対に、ルキに「一週間ほど別行動したいので、お迎えは要らない」と伝えたところ、ここ最近は全く目にしなかったほどの鋭い視線を向けられてしまった。理由を聞かれ、ザーラさんとダンジョンに行くのだと伝えれば、
「…危ねぇだろ?ザーラと二人でダンジョンとか。せめて、俺も一緒に、」
「駄目なんです…」
「…なんで?」
「…えっと、ルキと一緒だと、私が甘えてしまって訓練にならないので…」
「…」
理由はそれだけではない、というか、本当の理由は言えないけれど、ルキに甘えてしまうというのも本音。ルキもそれを否定は出来ないらしく、黙り込んでしまった。
「…ルキ、あの、ごめんなさい。でも、お願いします。」
「…」
一瞬、凄く嫌そうな顔をしたルキ。それから、自分の髪をかき上げるようにして、
「あー、クッソ。…悪ぃ、セリ、謝んな。てか、分かってんだよ。セリが謝るようなことでも、お願いするようなことでもないってのは。」
「…でも、」
「いや、ホントに。どう考えても、俺の我儘ってか、俺が悪い。…セリの行動、縛るようなこと言った。俺の許可なんて、本当は要らねぇのにさ…」
「…」
「…一週間、な。オッケ、分かった。待ってるわ。」
言って、ルキが大きくため息をついた。
「…あー、あと、クソださいこと言うけど、…セリがザーラと、ってか、俺以外の奴と一緒にってのは、正直、面白くないと思ってっから。」
「はい…」
「けど、まぁ、邪魔してセリにウザがられんのはもっと嫌だから、我慢する。…我慢するからさ、セリも知っとけ?セリが居なくて、俺が凹んでんの。」
「ルキ…?」
「んで、俺がいない間も、ずっと俺のこと気にしとけよ?」
「…」
「俺は、セリが居ない間、ずっとセリのことばっか考えてっから。…セリも、ちょっとは俺の事気にしろ、な?」
「…」
どうしよう─
犬をお留守番させる時の飼い主の気持ちが分かってしまった。
断ることも出来ず、ルキの「お願い」には精一杯頷いて、絶対に「ルキのことを考える」と約束した。
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