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5.彼氏じゃありません!
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「本当に入ってくれるの⁉ めっちゃ助かる~! ありがとう‼」
二年生のマネージャーの梅宮千明先輩に、がしっと両手をつかまれ、身動きが取れません……。
二個上の先輩が卒業してから、梅宮先輩一人でずっとがんばっていたらしく、人をほしがってるっていう和真の情報は、間違ってなかったみたい。
「い、いえ、まだ入部を決めたわけでは……」
「でも、入ってくれるんだよね⁉」
「け、検討させていただいてもよろしいでしょうか?」
「今年は特に新入部員がたくさん入ったから、一人じゃすっごく大変だったの。わたしにもついに後輩ができるなんて、感激だわぁ。あ、そうだ。わたしのことは、千明って呼んでね。みんなそう呼んでくれてるから。三年生の兄が今キャプテンをしているから、『梅宮』じゃ紛らわしいのよね」
千明先輩、興奮しすぎて、わたしの話、全然聞いてくれない。
だ、大丈夫かなぁ……なんだかいろいろ心配になってきちゃったよ。
そうこうしているうちに、バッティング練習に入ったみたいで、ボールが外野に向かって次々と飛んでいく。
うわっ、今の大きい!
……と思ってバッターの方を見ると、「え、今の和真?」と思わず声がもれた。
「彼ね~、すっごくいいわよね。一年生の中では、今のところレギュラーに一番近いんじゃないかしら」
素振りは毎日のように見ているけど、こんなふうにボールを実際に打っているところを見るのは、実ははじめてかもしれない。
水分補給に戻ってきた和真が、「どう? マネージャーの仕事、できそう?」と、水筒をあおりながら聞いてくる。
「うーん、どうかなあ。今、千明先輩のお話を聞いてるところなんだけど」
「なになに? 二人ってどういう関係なわけ?」
和真としゃべっていたら、千明先輩がニヤニヤしながらわたしたちを交互に見比べた。
「おいおい。彼氏を追っかけての入部は勘弁してくれよー」
少し離れたところから、そんな野太い声もかかる。
「ち、違いますっ!」
「違いますよ、梅宮先輩!」
わたしが慌てて否定すると、それに続いて和真も否定する。
梅宮先輩――ってことは。そっか、あの人が千明先輩のお兄さんなんだ。
部員の中でも、ひと際がっしりとした大きな体格をしている。
「こいつは、幼なじみっつーか、妹みたいなもんで」
和真の言い訳に、うんうんとうなずきながらも、胸がちくっと小さく痛む。
わかってるよ。わたしが和真にとって、妹みたいな存在だってことくらい。
でも、こうやって実際に和真の口から聞かされると、思ったよりダメージが大きいみたいで、だんだん顔がうつむいていく。
そんなわたしたちを見ていた千明先輩が、
「はいはい。二人の追及はそのくらいにして。ほら、練習、練習!」
と言いながら、パンパンッと手を叩く。
「よし。そんじゃ、次、守備練習はじめるぞー」
「「「はい!」」」
梅宮先輩のかけ声とともに、休憩していた部員たちが、それぞれの場所へと散っていった。
二年生のマネージャーの梅宮千明先輩に、がしっと両手をつかまれ、身動きが取れません……。
二個上の先輩が卒業してから、梅宮先輩一人でずっとがんばっていたらしく、人をほしがってるっていう和真の情報は、間違ってなかったみたい。
「い、いえ、まだ入部を決めたわけでは……」
「でも、入ってくれるんだよね⁉」
「け、検討させていただいてもよろしいでしょうか?」
「今年は特に新入部員がたくさん入ったから、一人じゃすっごく大変だったの。わたしにもついに後輩ができるなんて、感激だわぁ。あ、そうだ。わたしのことは、千明って呼んでね。みんなそう呼んでくれてるから。三年生の兄が今キャプテンをしているから、『梅宮』じゃ紛らわしいのよね」
千明先輩、興奮しすぎて、わたしの話、全然聞いてくれない。
だ、大丈夫かなぁ……なんだかいろいろ心配になってきちゃったよ。
そうこうしているうちに、バッティング練習に入ったみたいで、ボールが外野に向かって次々と飛んでいく。
うわっ、今の大きい!
……と思ってバッターの方を見ると、「え、今の和真?」と思わず声がもれた。
「彼ね~、すっごくいいわよね。一年生の中では、今のところレギュラーに一番近いんじゃないかしら」
素振りは毎日のように見ているけど、こんなふうにボールを実際に打っているところを見るのは、実ははじめてかもしれない。
水分補給に戻ってきた和真が、「どう? マネージャーの仕事、できそう?」と、水筒をあおりながら聞いてくる。
「うーん、どうかなあ。今、千明先輩のお話を聞いてるところなんだけど」
「なになに? 二人ってどういう関係なわけ?」
和真としゃべっていたら、千明先輩がニヤニヤしながらわたしたちを交互に見比べた。
「おいおい。彼氏を追っかけての入部は勘弁してくれよー」
少し離れたところから、そんな野太い声もかかる。
「ち、違いますっ!」
「違いますよ、梅宮先輩!」
わたしが慌てて否定すると、それに続いて和真も否定する。
梅宮先輩――ってことは。そっか、あの人が千明先輩のお兄さんなんだ。
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「こいつは、幼なじみっつーか、妹みたいなもんで」
和真の言い訳に、うんうんとうなずきながらも、胸がちくっと小さく痛む。
わかってるよ。わたしが和真にとって、妹みたいな存在だってことくらい。
でも、こうやって実際に和真の口から聞かされると、思ったよりダメージが大きいみたいで、だんだん顔がうつむいていく。
そんなわたしたちを見ていた千明先輩が、
「はいはい。二人の追及はそのくらいにして。ほら、練習、練習!」
と言いながら、パンパンッと手を叩く。
「よし。そんじゃ、次、守備練習はじめるぞー」
「「「はい!」」」
梅宮先輩のかけ声とともに、休憩していた部員たちが、それぞれの場所へと散っていった。
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