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1.ただいま修行中!
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「うわわっ!」
目の前で、ぶぉんっ! とひときわ大きくなった炎を慌ててぱたぱたと消すと、はぁー、と大きなため息をつく。
あーあ、また前髪が焦げちゃった。
いっぱい練習しても、なかなかうまくできるようにならないんだよね、狐火のコントロール。
わたしの気持ちを表すかのように、背中のしっぽがしょぼんと下を向く。
「大丈夫か、李胡?」
和真の心配そうな声に、頭の上の三角形の耳がピクリと反応する。
「うん。大丈夫、大丈夫!」
落ち込んだ気持ちを必死に押し込め、笑顔で和真に返すと、もう一度両方の手のひらを胸の前で合わせてからゆっくりと開いていく。
手のひらに熱をこめて……っと。
徐々に手のひらが温かくなるのと同時に、手と手の間に小さな炎が生まれる。
うふふっ。いつ見てもかわいいなぁ、狐火の赤ちゃん。
人間の世界で暮らしていくには変化の術は必要不可欠だけど、狐火はムリに練習しなくてもいいのよってお母さんには言われている。
けど、どうしてもちゃんとできるようになりたいんだ。
だから、毎日こうやってがんばって練習しているの。
実はね、わたし・春日李胡のお父さんは人間なんだけど、お母さんは妖狐――つまり、キツネの妖怪なの。
化けギツネっていうふうに言われることもあるのかな?
普段は人間の姿で、ちゃんとみんなと同じように学校にも通っているんだよ。
でも、こうやって狐火を使おうとすると、どうしてもキツネの耳としっぽが出ちゃうんだよね。
それに、突然大きくなったかと思ったら、いくら一生懸命力をこめても大きくならなかったり、右の方に飛ばしたいのに、左にいっちゃったり。全然うまくいかないんだ。
お母さんの作り出す狐火はわたしのとは大違いで、いくつもの狐火がお母さんの意のままに列をなして飛び回る様は、本当に幻想的で、思わず見入ってしまうくらいキレイなの。
わたしも、いつかあんなふうにできるようになりたいなって思って、毎日特訓しているんだけど……。
わたしは、首からかけた勾玉を、無意識のうちにきゅっと握りしめた。
これはね、妖力の弱いわたしの力を補うために、お母さんがくれた護符なんだ。
「なにがあっても絶対に手放さないように」ってきつく言われてる。
理由ははっきりとは聞いていないけど、たぶんこれがないと妖力が弱すぎて、耳やしっぽを隠すこともできなくなっちゃうんじゃないかな。
こんなものに頼らないと日常生活もまともに送れないなんてって、悔しい気持ちはもちろんあるけど。
でもね、お父さんのこともお母さんのことも大大大好きだから、二人の子どもでよかったって思ってるよ。
その気持ちは本当。
びゅんっ! びゅんっ!
少し離れたところから、和真が野球のバットを持って素振りをする音が、規則正しく聞こえてくる。
和真もがんばってるんだもんね。
わたしも落ち込んでばかりいないで、がんばらなくっちゃだよ。
ぐっと両方のこぶしを握りしめて、気合を入れ直す。
目の前で、ぶぉんっ! とひときわ大きくなった炎を慌ててぱたぱたと消すと、はぁー、と大きなため息をつく。
あーあ、また前髪が焦げちゃった。
いっぱい練習しても、なかなかうまくできるようにならないんだよね、狐火のコントロール。
わたしの気持ちを表すかのように、背中のしっぽがしょぼんと下を向く。
「大丈夫か、李胡?」
和真の心配そうな声に、頭の上の三角形の耳がピクリと反応する。
「うん。大丈夫、大丈夫!」
落ち込んだ気持ちを必死に押し込め、笑顔で和真に返すと、もう一度両方の手のひらを胸の前で合わせてからゆっくりと開いていく。
手のひらに熱をこめて……っと。
徐々に手のひらが温かくなるのと同時に、手と手の間に小さな炎が生まれる。
うふふっ。いつ見てもかわいいなぁ、狐火の赤ちゃん。
人間の世界で暮らしていくには変化の術は必要不可欠だけど、狐火はムリに練習しなくてもいいのよってお母さんには言われている。
けど、どうしてもちゃんとできるようになりたいんだ。
だから、毎日こうやってがんばって練習しているの。
実はね、わたし・春日李胡のお父さんは人間なんだけど、お母さんは妖狐――つまり、キツネの妖怪なの。
化けギツネっていうふうに言われることもあるのかな?
普段は人間の姿で、ちゃんとみんなと同じように学校にも通っているんだよ。
でも、こうやって狐火を使おうとすると、どうしてもキツネの耳としっぽが出ちゃうんだよね。
それに、突然大きくなったかと思ったら、いくら一生懸命力をこめても大きくならなかったり、右の方に飛ばしたいのに、左にいっちゃったり。全然うまくいかないんだ。
お母さんの作り出す狐火はわたしのとは大違いで、いくつもの狐火がお母さんの意のままに列をなして飛び回る様は、本当に幻想的で、思わず見入ってしまうくらいキレイなの。
わたしも、いつかあんなふうにできるようになりたいなって思って、毎日特訓しているんだけど……。
わたしは、首からかけた勾玉を、無意識のうちにきゅっと握りしめた。
これはね、妖力の弱いわたしの力を補うために、お母さんがくれた護符なんだ。
「なにがあっても絶対に手放さないように」ってきつく言われてる。
理由ははっきりとは聞いていないけど、たぶんこれがないと妖力が弱すぎて、耳やしっぽを隠すこともできなくなっちゃうんじゃないかな。
こんなものに頼らないと日常生活もまともに送れないなんてって、悔しい気持ちはもちろんあるけど。
でもね、お父さんのこともお母さんのことも大大大好きだから、二人の子どもでよかったって思ってるよ。
その気持ちは本当。
びゅんっ! びゅんっ!
少し離れたところから、和真が野球のバットを持って素振りをする音が、規則正しく聞こえてくる。
和真もがんばってるんだもんね。
わたしも落ち込んでばかりいないで、がんばらなくっちゃだよ。
ぐっと両方のこぶしを握りしめて、気合を入れ直す。
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