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1.ただいま修行中!
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お隣に住む幼なじみの岡林和真は、わたしが半妖だっていうことを唯一知っている人間の男の子。
実は幼稚園に通っていたときに、他の男の子にイジワルされて、びっくりした拍子にキツネの耳としっぽが出ちゃったことがあって。
その子がね、そのことをみんなに言いふらしたんだ。
「こいつ、キツネがばけてるぞ!」って。
結果的には、誰もその子の話を信じなかったんだけど、それから幼稚園に行くのが怖くなって、しばらくお休みしちゃったんだ。
そんなとき、「だいじょうぶ。なにかあったら、ボクがかならずリコちゃんをまもるから。だから、いっしょにようちえん、いこ」って言ってくれたのが、和真だった。
和真にも、あのときキツネの耳としっぽを見られちゃったんだけど、いくら「かずまもみてたよな⁉」ってあの男の子に迫られても、和真は「そんなもの、みてないよ」って言ってくれたの。
あのとき言ってくれた「まもるから」っていう言葉通り、わたしが気づかないうちに耳やしっぽが出ちゃったときは、いつもみんなから見えないようにそっと隠してくれるんだ。
だからね、和真には、感謝してもしきれないくらいの恩がある。
あのあと幼稚園に戻れたのも、和真のおかげ。
狐火をちょうどいい大きさまで膨らまし、そっと前の方へと送り出す。
同じようにいくつかの狐火を生み出すと、列をなしてふわふわと飛んでいった狐火は、見えない壁にぶつかって次々と消えた。
うんっ、わたしにしては上出来!
「李胡ー、そろそろ夕飯よー」
家の中から、お母さんの声がする。
「はーい」
「そんじゃ、俺もそろそろ帰るわ」
額から流れる汗を乱暴にぬぐうと、バットを肩に担ぐ和真。
「うん、また明日ね」
「おう。俺がいないからって、寝坊すんなよ」
ひらりと手を振ると、和真は門に向かって歩きだした。
「もうっ、わかってるってば!」
同じ中学一年生なのに、こうやって和真は、わたしのことをいっつも妹扱いしてくるの。
小学校のときは、お隣に住む和真とは同じ通学班で、毎日一緒に登校していた。
けど今は、和真は野球部の朝練があるから、一緒には行けない。
だから心配なのかもしれないけど……わたし、まだ一回も遅刻なんかしたことないから!
わたしが頼りなさすぎなのがいけないのかもだけど、それを言ったら、和真がしっかりしすぎなんだよ。
学校では、いつもクラス委員に選ばれて、クラスメイトからも先生からも信頼が厚い。
それに、いつだって笑顔で明るくて、たくさんの友だちに囲まれていて。
そんなだから、わたしのことを妹みたいに心配するのもわかるけど……。
「痛っ。李胡、結界の解除忘れてるぞ」
門を出ようとして、見えない壁におでこをぶつけた和真が、うらめしげにおでこをさすりながらわたしの方を振り返る。
「ごめんねー。ワザとだから」
和真にニコリと笑って見せてから、わたしは家の周りに張り巡らした結界を解除した。
ほら、暗くなってから庭で狐火の練習なんかしてたら、通りかかった人が不審に思うでしょ?
だから、外から見えないように、一応結界を張っているんだ。
結界のあった場所を慎重に人差し指でつついて確認すると、和真がもう一度わたしの方を振り返る。
「そうだ。明日、時間割変更で英語の授業があるの覚えてるか? 予習忘れんなよ」
「えぇっ、そうだっけ⁉」
慌てるわたしを見て苦笑いすると、今度こそ本当に和真は自分ちへと戻っていった。
実は幼稚園に通っていたときに、他の男の子にイジワルされて、びっくりした拍子にキツネの耳としっぽが出ちゃったことがあって。
その子がね、そのことをみんなに言いふらしたんだ。
「こいつ、キツネがばけてるぞ!」って。
結果的には、誰もその子の話を信じなかったんだけど、それから幼稚園に行くのが怖くなって、しばらくお休みしちゃったんだ。
そんなとき、「だいじょうぶ。なにかあったら、ボクがかならずリコちゃんをまもるから。だから、いっしょにようちえん、いこ」って言ってくれたのが、和真だった。
和真にも、あのときキツネの耳としっぽを見られちゃったんだけど、いくら「かずまもみてたよな⁉」ってあの男の子に迫られても、和真は「そんなもの、みてないよ」って言ってくれたの。
あのとき言ってくれた「まもるから」っていう言葉通り、わたしが気づかないうちに耳やしっぽが出ちゃったときは、いつもみんなから見えないようにそっと隠してくれるんだ。
だからね、和真には、感謝してもしきれないくらいの恩がある。
あのあと幼稚園に戻れたのも、和真のおかげ。
狐火をちょうどいい大きさまで膨らまし、そっと前の方へと送り出す。
同じようにいくつかの狐火を生み出すと、列をなしてふわふわと飛んでいった狐火は、見えない壁にぶつかって次々と消えた。
うんっ、わたしにしては上出来!
「李胡ー、そろそろ夕飯よー」
家の中から、お母さんの声がする。
「はーい」
「そんじゃ、俺もそろそろ帰るわ」
額から流れる汗を乱暴にぬぐうと、バットを肩に担ぐ和真。
「うん、また明日ね」
「おう。俺がいないからって、寝坊すんなよ」
ひらりと手を振ると、和真は門に向かって歩きだした。
「もうっ、わかってるってば!」
同じ中学一年生なのに、こうやって和真は、わたしのことをいっつも妹扱いしてくるの。
小学校のときは、お隣に住む和真とは同じ通学班で、毎日一緒に登校していた。
けど今は、和真は野球部の朝練があるから、一緒には行けない。
だから心配なのかもしれないけど……わたし、まだ一回も遅刻なんかしたことないから!
わたしが頼りなさすぎなのがいけないのかもだけど、それを言ったら、和真がしっかりしすぎなんだよ。
学校では、いつもクラス委員に選ばれて、クラスメイトからも先生からも信頼が厚い。
それに、いつだって笑顔で明るくて、たくさんの友だちに囲まれていて。
そんなだから、わたしのことを妹みたいに心配するのもわかるけど……。
「痛っ。李胡、結界の解除忘れてるぞ」
門を出ようとして、見えない壁におでこをぶつけた和真が、うらめしげにおでこをさすりながらわたしの方を振り返る。
「ごめんねー。ワザとだから」
和真にニコリと笑って見せてから、わたしは家の周りに張り巡らした結界を解除した。
ほら、暗くなってから庭で狐火の練習なんかしてたら、通りかかった人が不審に思うでしょ?
だから、外から見えないように、一応結界を張っているんだ。
結界のあった場所を慎重に人差し指でつついて確認すると、和真がもう一度わたしの方を振り返る。
「そうだ。明日、時間割変更で英語の授業があるの覚えてるか? 予習忘れんなよ」
「えぇっ、そうだっけ⁉」
慌てるわたしを見て苦笑いすると、今度こそ本当に和真は自分ちへと戻っていった。
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