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2.わたしでもなれる?
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その男の子のことがどうしても気になって、家に帰ってからお母さんに聞いたんだ。
そうしたら、「ああ。それは多分、康哉くんね」って、普段はほとんどなにも教えてくれないのに、ちゃんと教えてくれた。
「中学生になると、里の子たちも人間の学校に通うようになるから、きっとまた会うことになるわ。康哉くんは、わたしの妹の子。つまり、李胡のいとこよ」
「そっかあ。あの子、わたしのいとこなんだ」
お父さんはひとりっ子だから、わたしには、いとこはいないんだってずっと思ってた。
「お正月に、おばあちゃんちでいとこと遊んだんだー」っていう話をお友だちに聞くたびに、本当はすっごくうらやましかったんだよね。
そっかあ。里に行かなくても、来年の四月になれば、康哉くんにまた会えるんだ。
あ、でも……とてもじゃないけど、仲よくなれそうな雰囲気じゃなかったな。
それどころか、わたしやお母さんに、なんだかすごく怒ってなかった?
「そういえば康哉くんが、『長になれなかったら、一生許さないから』って言ってたんだけど。ねえ、長ってなんのこと?」
わたしの問いに、お母さんはしばらくの間目を泳がせたあと、小さくため息をついた。
「いい機会だから、ちゃんと話しておいた方がよさそうね」
そう言ってお母さんは、おばあちゃんのことや、今度ある里長の代替わりのことなんかを、はじめて教えてくれた。
「わたしは里を出てしまったから、妹の子の康哉くんが、きっと長の第一候補なのね。でも、わたしが人間と結婚してしまったせいで、反対の声も大きいんだと思うわ」
お母さんが、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ねえ、お母さん。それって、わたしもなれたりするの?」
「李胡……」
わたしが前に乗り出すようにして言うと、お母さんは困ったような表情を浮かべた。
「わたしが長になったら、お母さんが自由に里に入れるようにできる? そうしたら、おばあちゃんにも会いに行ける?」
「李胡。いつも言っているでしょ? あなたは、ここで人間として生きていくの。里と関わっても、あなたがツラい思いをするだけよ」
「でも……」
「ほら。夕飯の支度をするから、李胡も手伝ってちょうだい。今日は、お父さんの大好きなカレーライスよ」
「……うん。わたしもカレーライス大好き」
お母さんがにっこり笑って見せるから、わたしもにこっと笑って返した。
なんとなくごまかされた感じだったけど、お母さん、わたしが長になるのは絶対にムリだとは言わなかったよね?
っていうことは、可能性はゼロじゃないってこと?
半妖のわたしにでも、なれるかもしれないってことだよね?
そう思ったら、じっとしていられなくなって、和真が素振りをしているそばで、わたしもニガテな狐火の練習をするようになったの。
変化の術では、きっと康哉には敵わない。
だったら、別のことをがんばろうって。
そうしたら、「ああ。それは多分、康哉くんね」って、普段はほとんどなにも教えてくれないのに、ちゃんと教えてくれた。
「中学生になると、里の子たちも人間の学校に通うようになるから、きっとまた会うことになるわ。康哉くんは、わたしの妹の子。つまり、李胡のいとこよ」
「そっかあ。あの子、わたしのいとこなんだ」
お父さんはひとりっ子だから、わたしには、いとこはいないんだってずっと思ってた。
「お正月に、おばあちゃんちでいとこと遊んだんだー」っていう話をお友だちに聞くたびに、本当はすっごくうらやましかったんだよね。
そっかあ。里に行かなくても、来年の四月になれば、康哉くんにまた会えるんだ。
あ、でも……とてもじゃないけど、仲よくなれそうな雰囲気じゃなかったな。
それどころか、わたしやお母さんに、なんだかすごく怒ってなかった?
「そういえば康哉くんが、『長になれなかったら、一生許さないから』って言ってたんだけど。ねえ、長ってなんのこと?」
わたしの問いに、お母さんはしばらくの間目を泳がせたあと、小さくため息をついた。
「いい機会だから、ちゃんと話しておいた方がよさそうね」
そう言ってお母さんは、おばあちゃんのことや、今度ある里長の代替わりのことなんかを、はじめて教えてくれた。
「わたしは里を出てしまったから、妹の子の康哉くんが、きっと長の第一候補なのね。でも、わたしが人間と結婚してしまったせいで、反対の声も大きいんだと思うわ」
お母さんが、申し訳なさそうに目を伏せる。
「ねえ、お母さん。それって、わたしもなれたりするの?」
「李胡……」
わたしが前に乗り出すようにして言うと、お母さんは困ったような表情を浮かべた。
「わたしが長になったら、お母さんが自由に里に入れるようにできる? そうしたら、おばあちゃんにも会いに行ける?」
「李胡。いつも言っているでしょ? あなたは、ここで人間として生きていくの。里と関わっても、あなたがツラい思いをするだけよ」
「でも……」
「ほら。夕飯の支度をするから、李胡も手伝ってちょうだい。今日は、お父さんの大好きなカレーライスよ」
「……うん。わたしもカレーライス大好き」
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っていうことは、可能性はゼロじゃないってこと?
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そう思ったら、じっとしていられなくなって、和真が素振りをしているそばで、わたしもニガテな狐火の練習をするようになったの。
変化の術では、きっと康哉には敵わない。
だったら、別のことをがんばろうって。
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