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3.いざ、生徒会!
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「――こんなところでどうした?」
突然声をかけられ、ハッと我に返って声のする方を見ると、逢坂先輩が立っていた。
「え、あ、せ、逢坂先輩!? おおおおつかれさまですっ」
そう言って、わたわたと頭をさげる。
「まさか、道に迷ったわけでは――」
「だだだ大丈夫ですっ。ししし失礼しますっ!」
もう一度ぺこりと頭をさげると、横断歩道をダッシュで渡ろうとして――逢坂先輩に、ぐいっと腕をつかまれた。
「なにやってる! 赤信号だぞ」
「へ?」
間抜けな声とともに、信号機をあおぎ見る。
それと同時に、猛スピードで一台の車が目の前を通りすぎていった。
全身の血の気が、すーっと引いていく。
逢坂先輩が止めてくれてなかったら、あたし……絶対ひかれてた。
「おい。大丈夫か?」
へなへなとその場にくずおれるあたしに、先輩が慌てた声をあげる。
「ちょっとびっくりしただけなので、大丈夫です」
座りこんだままへらへら笑っていたら、先輩がため息をつきながらあたしに向かって手を差しだした。
戸惑いながらも手を伸ばすと、先輩がその手をぐいっと引いて立ちあがらせてくれる。
「あ……ありがとうございます」
「まったく。ひとりで本当に帰れるのか?」
「もちろんです。もう中学生なので、全然大丈夫です」
今度はちゃんと信号が青になるのを確認してから、「失礼します」と逢坂先輩に頭をさげて横断歩道を渡った。
びっっっっくりしたぁ。
まさか逢坂先輩に声をかけられるなんて思ってもみなかったから、すっごく油断した。
しかも、絶対にいろんな意味で『危ないヤツ』って思われた。
ああ、もう今日はなにをやってもダメダメだよ……。
「佐倉」
ずどーんと落ち込みながら歩いていたら、あたしの名前を呼ぶ声がして、思わず「ひゃぁっ!」と悲鳴をあげそうになった。
だって、推しに名前を呼ばれるなんて、妄想の世界でしかありえないことなんだから!
足を止めて振り向くと、逢坂先輩が走ってくるのが見えた。
妄想なんかじゃない。
逢坂先輩は、現実にちゃんと存在するんだ。
「せ、先輩、どうしたんですか?」
そんな幸せをかみしめながらも、あたしはできるだけ平静を装ってたずねた。
「はじめての集まりだったからな。いろいろ緊張して、疲れたんだろ」
「は、はあ」
「だからだなあ……心配だから、家まで送る」
「い、家!? いいです、いいです! ひとりで帰れますから」
全力で断ったにもかかわらず、「早く帰るぞ」と言って先輩があたしの前を歩きだした。
え、なんなの?
どうして逢坂先輩が目の前にいるの??
混乱したままぼーっと突っ立っていたら、しばらくして逢坂先輩が振り向いた。
「早く来ないと、道がわからんだろ」
立ち止まったままのあたしを見て、逢坂先輩が苛立った声をあげる。
「うわぁ、は、はいっ」
ちょっと待って。こんなキセキ、あり??
完全に混乱状態のまま、あたしは全速力で通学路を家に向かって歩いていった。
帰巣本能、恐るべし。
どうやって帰ってきたのか正直全然覚えていないんだけど、気づいたらあたしは制服のまま自分のベッドの上にへたり込んでいた。
……そういえばあたし、ちゃんと逢坂先輩にお礼言ったっけ?
公園で助けてもらったときのも言ってないのに。
ああ、もうっ。
どれだけ礼儀知らずなの、あたし!
突然声をかけられ、ハッと我に返って声のする方を見ると、逢坂先輩が立っていた。
「え、あ、せ、逢坂先輩!? おおおおつかれさまですっ」
そう言って、わたわたと頭をさげる。
「まさか、道に迷ったわけでは――」
「だだだ大丈夫ですっ。ししし失礼しますっ!」
もう一度ぺこりと頭をさげると、横断歩道をダッシュで渡ろうとして――逢坂先輩に、ぐいっと腕をつかまれた。
「なにやってる! 赤信号だぞ」
「へ?」
間抜けな声とともに、信号機をあおぎ見る。
それと同時に、猛スピードで一台の車が目の前を通りすぎていった。
全身の血の気が、すーっと引いていく。
逢坂先輩が止めてくれてなかったら、あたし……絶対ひかれてた。
「おい。大丈夫か?」
へなへなとその場にくずおれるあたしに、先輩が慌てた声をあげる。
「ちょっとびっくりしただけなので、大丈夫です」
座りこんだままへらへら笑っていたら、先輩がため息をつきながらあたしに向かって手を差しだした。
戸惑いながらも手を伸ばすと、先輩がその手をぐいっと引いて立ちあがらせてくれる。
「あ……ありがとうございます」
「まったく。ひとりで本当に帰れるのか?」
「もちろんです。もう中学生なので、全然大丈夫です」
今度はちゃんと信号が青になるのを確認してから、「失礼します」と逢坂先輩に頭をさげて横断歩道を渡った。
びっっっっくりしたぁ。
まさか逢坂先輩に声をかけられるなんて思ってもみなかったから、すっごく油断した。
しかも、絶対にいろんな意味で『危ないヤツ』って思われた。
ああ、もう今日はなにをやってもダメダメだよ……。
「佐倉」
ずどーんと落ち込みながら歩いていたら、あたしの名前を呼ぶ声がして、思わず「ひゃぁっ!」と悲鳴をあげそうになった。
だって、推しに名前を呼ばれるなんて、妄想の世界でしかありえないことなんだから!
足を止めて振り向くと、逢坂先輩が走ってくるのが見えた。
妄想なんかじゃない。
逢坂先輩は、現実にちゃんと存在するんだ。
「せ、先輩、どうしたんですか?」
そんな幸せをかみしめながらも、あたしはできるだけ平静を装ってたずねた。
「はじめての集まりだったからな。いろいろ緊張して、疲れたんだろ」
「は、はあ」
「だからだなあ……心配だから、家まで送る」
「い、家!? いいです、いいです! ひとりで帰れますから」
全力で断ったにもかかわらず、「早く帰るぞ」と言って先輩があたしの前を歩きだした。
え、なんなの?
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「うわぁ、は、はいっ」
ちょっと待って。こんなキセキ、あり??
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……そういえばあたし、ちゃんと逢坂先輩にお礼言ったっけ?
公園で助けてもらったときのも言ってないのに。
ああ、もうっ。
どれだけ礼儀知らずなの、あたし!
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