君の声が好き!

西出あや

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13.どうしてそんなことするの?

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「佐倉さん、今ちょっといい?」

 翌朝学校に行くと、校門のところで待ち伏せしていたらしい須藤さんに呼び止められた。

「……なに?」

 昨日のことを思い出して、思わず体がこわばる。

「ここじゃちょっと話しにくいから」

 ぶっきらぼうに言う須藤さんに促され、仕方なく須藤さんのうしろについて歩いていく。
 ひょっとして、昨日逢坂先輩のついたウソがさっそくバレたとか!?
 うぅっ、なんで素直についてきちゃったんだろ、あたし……。

 ひと気のない校舎裏に着くと、須藤さんがあたしの方を振り向いた。

「確認なんだけど――」
「……うん」
「佐倉さんは、生徒会長とお付き合いしてるってことなのよね?」
「い、一応……」

 ウソだけど。

「だったら、この前見た佐倉さんは一体なんだったの? まさか二股かけてるんじゃないでしょうね」
「あれはっ……先輩とちょっといろいろあって……そのことで泣いてるところを爽太くんに見つかって、それで……それに何度も言ってるけど、あたし、爽太くんのことはほんとに友だちとしか思ってないから」

 これはウソじゃない。

「じゃあ、会長と佐倉さんが付き合ってるってことは、逢坂くんも知ってるの?」 
「……うん」

 あたしの気持ちはバレてるから……半分はウソじゃない。

「それで……昨日はごめんなさい。あんなことして。ほんと……今思うと、どうかしてた」

 そう言うと、須藤さんはあたしに向かって頭をさげた。

「逢坂くんがね、小学校から片想いしてる子のことが、今でも好きらしいってウワサを聞いたの。それで、ひょっとして佐倉さんのことなのかなって勝手に勘ちがいして……。でも、よく考えたらそんなのありえないわよね。小学校がちがったんだから」

 これは……一応バレてないってことでいいんだよね?
 実はそれ、あたしのことでした、なんて知れたら次はなにをされるんだろ。

 恐怖でぶるっと身ぶるいすると、あたしはできるだけ平静を装って口を開いた。

「いいよ、もう。誤解だってわかってくれたら」
「うん……本当にごめんなさい」

 須藤さんは、顔をうつむかせたままあたしの横を通りすぎて足早に行ってしまった。
 とりあえず数々のウソはバレなかったし、誤解は解けたってことで……いいんだよね?

 ふぅーと詰めていた息を大きく吐く。
 ……ほんとは全然よくないけど。
 あんなことされて、傷つかないわけないよ。

 だけど、逢坂先輩がいつだってあたしの味方でいてくれる。
 そのことが、なによりも心強かった。
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