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11.体育祭本番!
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「若葉ちゃんはいいの? 行かなくて」
「な、なにがですか?」
気づいたら、なんだかニヤニヤ顔の未那先輩が、またわたしのそばに立っていた。
「あ、ひょっとして、知らなかった? あのね、告白するときに応援団のはちまきを渡してカップルが成立すると、そのカップルは長~く続くっていうジンクスがあるんだって」
「へ、へぇ~、そうなんですね~」
上ずりそうになる声を、必死にこらえて返す。
「団員同士なら、お互い交換しあったらカップル成立。団員に告白して、OKの証として、はちまきをもらう子もいるみたい。で、毎年特に人気なのが、団長のはちまきなんだって。倍率十倍以上だとか」
「十倍以上⁉ 団長さんって、やっぱりモテるんですね」
それじゃあ、さっきのって、ひょっとして……凛香ちゃん、佐治くんに『はちまきを交換しよ』って言いにいったってこと?
でも、佐治くん、断ってたっぽい、よね……?
その姿を思い出して、ホッと胸をなでおろす自分がいる。
いや別に、佐治くんのはちまきがほしいとかそんなんじゃ……。
そんなんじゃないはずなのに、誰か別の人が佐治くんのはちまきを持っているところを想像しただけで、なんだか胸が苦しくなってきた。
「ほらぁ、ほしいなら早くもらいに行かないと。きっと彼も倍率高いわよ~」
そう言いながら、未那先輩があたりをぐるりと見回す。
た、たしかに。
佐治くんの方をチラチラ見ている子や、「ほら、早く行きなよ~」って友だちに小突かれている子がたくさんいる!
このジンクスを知らなかったのって、ひょっとしてわたしだけですか⁉
「いえ、別にわたし、佐治くんのはちまきなんて、いりませんし」
必死に動揺を隠して未那先輩に返す。
そんなわたしを見て、さらにニヤニヤする未那先輩。
「え~、本当に? そうは見えないんだけどなぁ~」
「そう見えなくても、そうなんですってば」
だってわたしには、もらいに行く理由なんかないんだから。
なのに、佐治くんはいったい誰にはちまきをあげるんだろうって考えただけで、なんだか心が落ち着かない。
「えーっと、そろそろわたし、応援席の方に戻りますね。今までご指導ありがとうございました」
未那先輩に向かってぺこりと頭をさげると、わたしは逃げるようにして自分のクラスの応援席へと戻った。
「みんな、おつかれさまー」
「斗真くん、超カッコよかったよ!」
「須田も、まあまあがんばってたね」
「おい、オレの扱いヒドすぎじゃね⁉」
「あはは、ごめんごめん、ちゃんとカッコよかったってー」
応援席に戻ってきた団員たちを、クラスのみんなが笑顔で出迎えてくれる。
須田くんが、だれかれ構わずはちまきを押しつけようとして、全力で拒否られるのを横目で見つつ、佐治くんは、着ていた黒い法被をイスの背に引っかけ、タオルで汗を拭っている。
ほんと、暑かったよね。わたしも、汗だくだよ。
……あれっ、そういえば、はちまきは?
佐治くんが、さっきまで頭に巻いていたはずのはちまきが、なくなってる。
ひょっとして、ここに帰ってくる間に、誰かにあげたってこと?
……いや別に、あげたい人にあげればいいんだけどね?
そっか。もらってもらえたってことは……晴れて両想い、ってことなんだよね。
よ、よかったね。うん、よかった、よかった。
ほら、これなら佐治くんがこの学校に残る別の理由もできたわけだし?
ボディガードの仕事のためだけじゃ、ツラいだけだもんね。
彼女がいるなら、ここに残る大きな理由にもなるし。
むしろ、積極的に残りたいって思って当然だし。
きっと、わたしが転校してほしくないって言ったから、佐治くんも告白する決心がついたってことだよね?
うん。我ながらナイスアシストだったんじゃない?
これは絶対にリレーで翔くんに負けられないね、佐治くん。
だって、もし負けたりしたら、やっと両想いになれたのに、あっという間に遠距離恋愛になっちゃうんだよ?
そんなの、彼女さんがかわいそうすぎるよ。
イスに腰をおろし、水筒をあおっていた佐治くんが、なにげなくわたしの方をちらっと見る。
そんな佐治くんから、わたしはとっさに目をそらした。
だって、目が合ったりしたら、見ていたことがバレちゃうし。
きっと佐治くんは、わたしの無事を確認しただけにちがいない。
もうっ、本当に心配性なんだから。
なぜか鼻の奥がツンとして涙が出そうになったけど、わたしは必死に気づかないフリをした。
「な、なにがですか?」
気づいたら、なんだかニヤニヤ顔の未那先輩が、またわたしのそばに立っていた。
「あ、ひょっとして、知らなかった? あのね、告白するときに応援団のはちまきを渡してカップルが成立すると、そのカップルは長~く続くっていうジンクスがあるんだって」
「へ、へぇ~、そうなんですね~」
上ずりそうになる声を、必死にこらえて返す。
「団員同士なら、お互い交換しあったらカップル成立。団員に告白して、OKの証として、はちまきをもらう子もいるみたい。で、毎年特に人気なのが、団長のはちまきなんだって。倍率十倍以上だとか」
「十倍以上⁉ 団長さんって、やっぱりモテるんですね」
それじゃあ、さっきのって、ひょっとして……凛香ちゃん、佐治くんに『はちまきを交換しよ』って言いにいったってこと?
でも、佐治くん、断ってたっぽい、よね……?
その姿を思い出して、ホッと胸をなでおろす自分がいる。
いや別に、佐治くんのはちまきがほしいとかそんなんじゃ……。
そんなんじゃないはずなのに、誰か別の人が佐治くんのはちまきを持っているところを想像しただけで、なんだか胸が苦しくなってきた。
「ほらぁ、ほしいなら早くもらいに行かないと。きっと彼も倍率高いわよ~」
そう言いながら、未那先輩があたりをぐるりと見回す。
た、たしかに。
佐治くんの方をチラチラ見ている子や、「ほら、早く行きなよ~」って友だちに小突かれている子がたくさんいる!
このジンクスを知らなかったのって、ひょっとしてわたしだけですか⁉
「いえ、別にわたし、佐治くんのはちまきなんて、いりませんし」
必死に動揺を隠して未那先輩に返す。
そんなわたしを見て、さらにニヤニヤする未那先輩。
「え~、本当に? そうは見えないんだけどなぁ~」
「そう見えなくても、そうなんですってば」
だってわたしには、もらいに行く理由なんかないんだから。
なのに、佐治くんはいったい誰にはちまきをあげるんだろうって考えただけで、なんだか心が落ち着かない。
「えーっと、そろそろわたし、応援席の方に戻りますね。今までご指導ありがとうございました」
未那先輩に向かってぺこりと頭をさげると、わたしは逃げるようにして自分のクラスの応援席へと戻った。
「みんな、おつかれさまー」
「斗真くん、超カッコよかったよ!」
「須田も、まあまあがんばってたね」
「おい、オレの扱いヒドすぎじゃね⁉」
「あはは、ごめんごめん、ちゃんとカッコよかったってー」
応援席に戻ってきた団員たちを、クラスのみんなが笑顔で出迎えてくれる。
須田くんが、だれかれ構わずはちまきを押しつけようとして、全力で拒否られるのを横目で見つつ、佐治くんは、着ていた黒い法被をイスの背に引っかけ、タオルで汗を拭っている。
ほんと、暑かったよね。わたしも、汗だくだよ。
……あれっ、そういえば、はちまきは?
佐治くんが、さっきまで頭に巻いていたはずのはちまきが、なくなってる。
ひょっとして、ここに帰ってくる間に、誰かにあげたってこと?
……いや別に、あげたい人にあげればいいんだけどね?
そっか。もらってもらえたってことは……晴れて両想い、ってことなんだよね。
よ、よかったね。うん、よかった、よかった。
ほら、これなら佐治くんがこの学校に残る別の理由もできたわけだし?
ボディガードの仕事のためだけじゃ、ツラいだけだもんね。
彼女がいるなら、ここに残る大きな理由にもなるし。
むしろ、積極的に残りたいって思って当然だし。
きっと、わたしが転校してほしくないって言ったから、佐治くんも告白する決心がついたってことだよね?
うん。我ながらナイスアシストだったんじゃない?
これは絶対にリレーで翔くんに負けられないね、佐治くん。
だって、もし負けたりしたら、やっと両想いになれたのに、あっという間に遠距離恋愛になっちゃうんだよ?
そんなの、彼女さんがかわいそうすぎるよ。
イスに腰をおろし、水筒をあおっていた佐治くんが、なにげなくわたしの方をちらっと見る。
そんな佐治くんから、わたしはとっさに目をそらした。
だって、目が合ったりしたら、見ていたことがバレちゃうし。
きっと佐治くんは、わたしの無事を確認しただけにちがいない。
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