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階級
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妖が現れる場所、その妖の階級を調査する者が、この組織にはいるのだと大輔は煋蘭から説明を受けた。
「そういうの、もっと早く教えてよ。それで、その階級に相当する妖祓師が割り当てられるって事だね?」
「そうだ」
煋蘭の説明では、階級は三段階。上級、中級、下級。大輔たちが退治した妖は全て下級だと言う。そして、煋蘭自身も、妖祓師としては下級なのだと。
「私は今まで、兄上と共に行動していた。因みに兄上は上級だ」
上級の兄の元、修行を積んでいたのだと言う。そして、大輔を初めてのパートナーとして迎え入れ、煋蘭も一人前の妖祓師としての活動を認められたのだった。
夜になると、煋蘭と大輔は、妖退治に出かけた。
「結界を張る。妖は二体だ」
煋蘭が言うと、妖が一体目の前に現れた。下級の妖の内でも、弱い方だったが、これも人の闇から生まれ、人の精気を糧に成長していく。弱いからといって見逃すわけにはいかない。煋蘭はなぎなたを一振りして、その妖を滅した。すると、闇の中からもう一体の妖が現れた。この妖は、先ほどの妖とは比べものにならない程に巨大で、全身が黒い炎に包まれていた。その目は冷酷な光を放ち、口からは不気味な笑い声が響き渡った。
「気をつけろ。こいつは妖力が強い」
煋蘭は冷静に言いながら、なぎなたを構え直した。
「おう!」
大輔は決意を込めて答えた。巨大な妖は、煋蘭と大輔に向かって猛然と突進してきた。煋蘭は素早く身を翻し、妖の攻撃を躱すと同時に鋭い一閃を放った。しかし、妖の黒い炎がなぎなたを弾き返し、煋蘭は後方へ飛ばされた。
「煋蘭ちゃん!」
大輔は叫びながら、全力で突進して拳を振り下ろした。彼の拳が妖の顔面に直撃し、妖は一瞬怯んだが、すぐに反撃してきた。大輔はその攻撃を躱しながら、煋蘭と息を合わせて次々と攻撃を繰り出した。
煋蘭のなぎなたが妖の弱点である額を狙い、大輔の拳がその隙を突く。二人の連携は完璧で、妖の攻撃を躱しながら反撃を続けた。戦いは激しさを増し、周囲の木々が倒れ、地面が揺れるほどの衝撃が続いた。
「今だ!」
煋蘭の声に応じて、大輔は全力で最後の一撃を放った。彼の拳が光を放ちながら妖の額に深く突き刺さり、妖は黒い炎を吹き上げながら崩れ落ちた。
「やったぜ!」
大輔が息を切らしながら言うと、煋蘭は薄く笑みを浮かべて、
「やるではないか」
と言葉をかけた。大輔は褒めてもらえた事と、煋蘭の笑みが見られたことが嬉しくてにんまりとした。
妖退治を終えて、二人が帰ろうとしたその時、
「久しいな煋蘭」
と男が後ろから突然、声をかけてきた。気配を感じなかった大輔は驚いて振り返った。隣にいる煋蘭もゆっくり男の方へ向き直り、
「夜斗様。お久しぶりでございます」
と頭を下げた。
「そいつか、お前の相棒は」
夜斗はそう言って、大輔へ冷ややかな視線を向けた。
(何だよ、こいつ。感じ悪いな)
「はい」
煋蘭は一言答えただけだった。
「噂で聞いたのだが、本当にこの者を伴侶にするつもりなのか?」
夜斗は無遠慮に聞く。大輔はこの二人の関係性が分からず、ここで口を挟むのは憚れると思い黙っていたが、夜斗の口振りがどうにも気に食わなかった。
「ちょっと、あんた誰? 俺の煋蘭ちゃんに横柄な態度を取るなよな」
そう言って大輔は煋蘭を後ろへ庇う様にして前に出た。その瞬間、大輔の身体は強い力で薙ぎ払われた。
「夜斗様、この者の無礼を詫びます。どうか気を静めてください」
煋蘭はそう言って、夜斗に頭を下げた。地に転がった大輔は強い衝撃を受けて動けずにいる。
「元気があって良いではないか。しかし、弱い者はお前の伴侶に相応しくない。私の伴侶になれ、煋蘭」
夜斗はそう言って、煋蘭へ手を伸ばすと、
「ご勘弁ください。私は夜斗様へ嫁ぐことは出来ません。皇東家の繁栄の為、私は婿を取る事が決まっております」
と強く断った。
「知っているよ。何度も聞いている。それでも、私はお前を娶りたいのだよ。私程に強い男は他にはおるまい。私程、お前に相応しい男は他にはおるまい」
夜斗はそう言って、煋蘭にしつこく迫った。大輔は渾身の力で立ち上がると、夜斗へ向かって行き、
「おい! いい加減にしろよ! 煋蘭ちゃんはあんたと結婚したくないって言ってるだろ! もう振られてんじゃねえかよ! かっこ悪いぜ、あんた」
そう言って、ありったけの力を込めた拳を、夜斗めがけて振った。
「猿が」
夜斗は冷たく言って、その拳を気で受け止めた。大輔の拳は夜斗の顔の数センチ手前で止まっている。しかし、大輔の攻撃はもう一つあった。拳ではなくそれは波動だった。夜斗は大輔を見縊っていただけに、この攻撃への対処が遅れ、腹にまともに食らった。その衝撃に耐えたものの、苦痛の表情を見せた。
「お前は下がっていろ! 夜斗様、この者をお許しください」
煋蘭が頭を下げて許しを請うと、
「今日はお前に免じて許そう。しかし次はないぞ。煋蘭、その猿をしっかり躾ておけ」
夜斗はそう言って、闇に溶けるように消えていった。
「煋蘭ちゃん、なんか、俺……。ごめん。謝らせてばっかりで」
大輔が済まなそうに言うと、
「私はお前の相棒だ。お前を守るのは当然。しかし、夜斗様をもう怒らせるな。殺されるぞ」
と煋蘭は硬い表情で言った。
屋敷へ帰った二人は、入浴を済ませると、それぞれの部屋へ戻った。大輔は、先ほどの男の事が気になって仕方なかった。居てもたってもいられず、煋蘭の部屋の前へ行って声をかけた。
「煋蘭ちゃん、今話してもいい?」
「構わぬ」
煋蘭はそう言って、障子を開けて、
「入れ」
と一言言った。
「え? いいの? 入って」
「早く入れ。話しがあるのだろう?」
と煋蘭は言って大輔を促した。
二人は向かい合って座り、大輔が口火を切った。
「あのさ、さっきの男、夜斗って奴、何者なの?」
「夜斗様は、皇西家の次期当主。我ら皇東家と同様、皇の正当な血を引く者」
と煋蘭は答えた。
「何であの人、煋蘭ちゃんを強引に娶ろうとしてるの?」
「皇の濃い血を子孫に残したいからだろう。もう既に三人の息子がいるのだが、更に子が欲しいのだろう」
「え? 息子が三人って、既婚者なの? そんなの許されないだろう」
「夜斗様の奥方は病で亡くなられて、今は独り身だ。その奥方というのは私の叔母上で父上の妹君だ。夜斗様は私の叔父に当たる」
「え? じゃあ、あいつ、姪の煋蘭ちゃんを娶ろうとしてんの? 最低だな。ところで、あいつ、幾つよ?」
「幾つかは知らぬが、父上より下で、叔母上より上だ。父上が五十五で、叔母上は父上の五つ下だから、五十は過ぎている」
「え? そんな歳で煋蘭ちゃんを娶ろうだなんて、厚かましいにもほどがあるだろう」
大輔は憤慨して言ったあと、
「俺、あいつより強くなってやる。煋蘭ちゃんは俺が守るから」
と決意表明した。
「うむ。期待している」
と言った煋蘭は心なしか微笑んでいるように見えた。
「もう遅い、部屋へ戻って休め」
「おう、煋蘭ちゃん、お休み」
大輔は部屋へ戻ると、
「俺、あんなこと言っちゃったけど、夜斗って奴、すげー強いよな? あいつより強くなるって、どれだけ修行を積めばいいんだ?」
と少し後悔したのだった。
「そういうの、もっと早く教えてよ。それで、その階級に相当する妖祓師が割り当てられるって事だね?」
「そうだ」
煋蘭の説明では、階級は三段階。上級、中級、下級。大輔たちが退治した妖は全て下級だと言う。そして、煋蘭自身も、妖祓師としては下級なのだと。
「私は今まで、兄上と共に行動していた。因みに兄上は上級だ」
上級の兄の元、修行を積んでいたのだと言う。そして、大輔を初めてのパートナーとして迎え入れ、煋蘭も一人前の妖祓師としての活動を認められたのだった。
夜になると、煋蘭と大輔は、妖退治に出かけた。
「結界を張る。妖は二体だ」
煋蘭が言うと、妖が一体目の前に現れた。下級の妖の内でも、弱い方だったが、これも人の闇から生まれ、人の精気を糧に成長していく。弱いからといって見逃すわけにはいかない。煋蘭はなぎなたを一振りして、その妖を滅した。すると、闇の中からもう一体の妖が現れた。この妖は、先ほどの妖とは比べものにならない程に巨大で、全身が黒い炎に包まれていた。その目は冷酷な光を放ち、口からは不気味な笑い声が響き渡った。
「気をつけろ。こいつは妖力が強い」
煋蘭は冷静に言いながら、なぎなたを構え直した。
「おう!」
大輔は決意を込めて答えた。巨大な妖は、煋蘭と大輔に向かって猛然と突進してきた。煋蘭は素早く身を翻し、妖の攻撃を躱すと同時に鋭い一閃を放った。しかし、妖の黒い炎がなぎなたを弾き返し、煋蘭は後方へ飛ばされた。
「煋蘭ちゃん!」
大輔は叫びながら、全力で突進して拳を振り下ろした。彼の拳が妖の顔面に直撃し、妖は一瞬怯んだが、すぐに反撃してきた。大輔はその攻撃を躱しながら、煋蘭と息を合わせて次々と攻撃を繰り出した。
煋蘭のなぎなたが妖の弱点である額を狙い、大輔の拳がその隙を突く。二人の連携は完璧で、妖の攻撃を躱しながら反撃を続けた。戦いは激しさを増し、周囲の木々が倒れ、地面が揺れるほどの衝撃が続いた。
「今だ!」
煋蘭の声に応じて、大輔は全力で最後の一撃を放った。彼の拳が光を放ちながら妖の額に深く突き刺さり、妖は黒い炎を吹き上げながら崩れ落ちた。
「やったぜ!」
大輔が息を切らしながら言うと、煋蘭は薄く笑みを浮かべて、
「やるではないか」
と言葉をかけた。大輔は褒めてもらえた事と、煋蘭の笑みが見られたことが嬉しくてにんまりとした。
妖退治を終えて、二人が帰ろうとしたその時、
「久しいな煋蘭」
と男が後ろから突然、声をかけてきた。気配を感じなかった大輔は驚いて振り返った。隣にいる煋蘭もゆっくり男の方へ向き直り、
「夜斗様。お久しぶりでございます」
と頭を下げた。
「そいつか、お前の相棒は」
夜斗はそう言って、大輔へ冷ややかな視線を向けた。
(何だよ、こいつ。感じ悪いな)
「はい」
煋蘭は一言答えただけだった。
「噂で聞いたのだが、本当にこの者を伴侶にするつもりなのか?」
夜斗は無遠慮に聞く。大輔はこの二人の関係性が分からず、ここで口を挟むのは憚れると思い黙っていたが、夜斗の口振りがどうにも気に食わなかった。
「ちょっと、あんた誰? 俺の煋蘭ちゃんに横柄な態度を取るなよな」
そう言って大輔は煋蘭を後ろへ庇う様にして前に出た。その瞬間、大輔の身体は強い力で薙ぎ払われた。
「夜斗様、この者の無礼を詫びます。どうか気を静めてください」
煋蘭はそう言って、夜斗に頭を下げた。地に転がった大輔は強い衝撃を受けて動けずにいる。
「元気があって良いではないか。しかし、弱い者はお前の伴侶に相応しくない。私の伴侶になれ、煋蘭」
夜斗はそう言って、煋蘭へ手を伸ばすと、
「ご勘弁ください。私は夜斗様へ嫁ぐことは出来ません。皇東家の繁栄の為、私は婿を取る事が決まっております」
と強く断った。
「知っているよ。何度も聞いている。それでも、私はお前を娶りたいのだよ。私程に強い男は他にはおるまい。私程、お前に相応しい男は他にはおるまい」
夜斗はそう言って、煋蘭にしつこく迫った。大輔は渾身の力で立ち上がると、夜斗へ向かって行き、
「おい! いい加減にしろよ! 煋蘭ちゃんはあんたと結婚したくないって言ってるだろ! もう振られてんじゃねえかよ! かっこ悪いぜ、あんた」
そう言って、ありったけの力を込めた拳を、夜斗めがけて振った。
「猿が」
夜斗は冷たく言って、その拳を気で受け止めた。大輔の拳は夜斗の顔の数センチ手前で止まっている。しかし、大輔の攻撃はもう一つあった。拳ではなくそれは波動だった。夜斗は大輔を見縊っていただけに、この攻撃への対処が遅れ、腹にまともに食らった。その衝撃に耐えたものの、苦痛の表情を見せた。
「お前は下がっていろ! 夜斗様、この者をお許しください」
煋蘭が頭を下げて許しを請うと、
「今日はお前に免じて許そう。しかし次はないぞ。煋蘭、その猿をしっかり躾ておけ」
夜斗はそう言って、闇に溶けるように消えていった。
「煋蘭ちゃん、なんか、俺……。ごめん。謝らせてばっかりで」
大輔が済まなそうに言うと、
「私はお前の相棒だ。お前を守るのは当然。しかし、夜斗様をもう怒らせるな。殺されるぞ」
と煋蘭は硬い表情で言った。
屋敷へ帰った二人は、入浴を済ませると、それぞれの部屋へ戻った。大輔は、先ほどの男の事が気になって仕方なかった。居てもたってもいられず、煋蘭の部屋の前へ行って声をかけた。
「煋蘭ちゃん、今話してもいい?」
「構わぬ」
煋蘭はそう言って、障子を開けて、
「入れ」
と一言言った。
「え? いいの? 入って」
「早く入れ。話しがあるのだろう?」
と煋蘭は言って大輔を促した。
二人は向かい合って座り、大輔が口火を切った。
「あのさ、さっきの男、夜斗って奴、何者なの?」
「夜斗様は、皇西家の次期当主。我ら皇東家と同様、皇の正当な血を引く者」
と煋蘭は答えた。
「何であの人、煋蘭ちゃんを強引に娶ろうとしてるの?」
「皇の濃い血を子孫に残したいからだろう。もう既に三人の息子がいるのだが、更に子が欲しいのだろう」
「え? 息子が三人って、既婚者なの? そんなの許されないだろう」
「夜斗様の奥方は病で亡くなられて、今は独り身だ。その奥方というのは私の叔母上で父上の妹君だ。夜斗様は私の叔父に当たる」
「え? じゃあ、あいつ、姪の煋蘭ちゃんを娶ろうとしてんの? 最低だな。ところで、あいつ、幾つよ?」
「幾つかは知らぬが、父上より下で、叔母上より上だ。父上が五十五で、叔母上は父上の五つ下だから、五十は過ぎている」
「え? そんな歳で煋蘭ちゃんを娶ろうだなんて、厚かましいにもほどがあるだろう」
大輔は憤慨して言ったあと、
「俺、あいつより強くなってやる。煋蘭ちゃんは俺が守るから」
と決意表明した。
「うむ。期待している」
と言った煋蘭は心なしか微笑んでいるように見えた。
「もう遅い、部屋へ戻って休め」
「おう、煋蘭ちゃん、お休み」
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