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第31話 あなたは世界唯一の人材です
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「では簡単にまとめますと、第2階層は引き続き調査が必要で、しかし現状の冒険者の方々ではそれは困難と……」
「ええ。実際、第1階層さえまともに攻略できてない。仮に運良く――いや運悪く第2階層に迷い込んだりしたら、確実にやられる」
役所の会議室で、おれは撮影した動画も見せつつ、第2階層について話してやった。
この前フィリアが記者にぶちまけた件は、翌日にはニュースに流れた。当然、役所はバッシングを受け、やがては国に対しても批判が集まっている様子。絶賛炎上中だ。
そのため、恨まれているのでは……と割と覚悟していたのだが、職員たちはその件には触れなかった。
「一応、第2階層前の壁や地面に、警告文は書いてきた。役所のほうからも、できる限り伝えて欲しい。あのグリフィンが群れでいると聞けば、突っ込むようなやつはいないはずだ」
「わかりました、そのようにいたします。第2階層の調査は一条様がおこなっていただける、ということでよろしいでしょうか?」
「いや、あの広さだ。ひとりやふたりで調べるんじゃ何年かかるかわからない。他の冒険者を育てて、第2階層でもやっていけそうな人を順次送り込んでいくのがいいと思う」
「育てるにも課題がありそうですが、それよりも、やっていけいそうと判断する基準がありません」
「その辺はおれも考えておきますよ」
この他、パーティ制を提案した。迷宮には必ず複数人で入ることも義務付けることも。
単独で迷宮に潜って死亡した場合、死体が発見されないばかりか、人の味を覚えた魔物が誰も知らないところで生まれることになる。この前のように町が襲われる可能性が出てくる。
実際に採用されるかどうかはわからないが、提案だけはしておきたかった。
「それじゃあ、話はここまでいいですかね?」
「はい、充分でございます。今回いただきました貴重な情報やご意見は、必ず有効に活用いたします」
どこまで信用できるものか。おれは期待せず、役所をあとにした。
だが、まだ用事が残っている者がいたようだ。
尾行に気付いたおれは、すぐさま角を曲がって路地裏へ誘い、姿を隠す。
「……消えた?」
「いや、ここにいる」
背後から声をかけると、男は驚いて振り向いた。
「用があるなら、さっき声をかけてくれれば良かったのに」
男は会議室にもいた。職員の制服ではなく、ぴしっとしたスーツを着ている。会議中はひと言も発しなかったが、職員たちの話が逸れそうになると、鋭く睨んで方向修正してくれていた。
炎上の恨み言を言われずに済んだのは、この男の影響が大きいだろう。
「あの場所では他の方にも聞かれてしまいますから。あなたにも、知られたくないことはあるでしょう」
「それは、おれが知られたくないことを知っている、という意味なんだろうね?」
「ええ、一条拓斗さん。28歳。13年前に行方不明。両親は6年前に他界。あなた自身も死亡扱いになるも、3年前に訂正処理がなされ、祖父の会社に就職。そして退職。この島に来てすぐあのグリフィンを討伐した……」
「それくらいは、べつに隠してることじゃない」
「行方不明の10年間、外国にいらっしゃったそうですね? お祖父さまのお話によると、リンガブルームという国だそうで。そこにも迷宮があったとか?」
「じいちゃんに会ったのか」
「リンガブルームなどという国は、この地球上に存在しません。ですが奇遇ですね。我々もその名には聞き覚えがある。同じ場所を指しているものと思うのですが、ね」
こいつは異世界の存在を知っている。
おれは思わず身構えた。
「あんた、政府の人間か」
「我々は、あなたの失われた10年間に興味がある」
「ならどうする? 拘束するか? 脅迫するか?」
「協力いたします」
「どういう意味だ?」
「あなたは世界唯一の人材です。万が一にも反感を持たれたり、敵対などされては、我々の受ける損害は計り知れない。国益のため、VIPとして扱うようきつく言われております」
「それはよかった。あんたとやり合うことになったら、無事で済む気がしなかった」
「ご謙遜を。リアルモンスタースレイヤー」
謙遜のつもりはない。男はスマートな外見をしているが、その所作や重心移動の仕方からして、かなりの達人だ。
おれは武道はやっていない。それらは人間と戦うための技術で、魔物退治にはさほど役に立たないからだ。だが、だからこそ武道の達人は人間を倒すのに特化していると言っていい。迷宮内ならともかく、ここではおれが不利だ。
「私は津田丈二と申します。今後のことについて、少々ご相談させていただきたいのですが、お時間をいただけますか?」
「悪いけどダメだ」
「なにかお気に障りましたか?」
「そうじゃない。まだ知らないんなら、おれの経歴にもう一行追加しておくといい。今は、好きな女の子と同居してる」
「はぁ……それが、なぜ断る理由に?」
「丈二さん、あんた恋をしたことがないのかい? そんなの、寂しがってる子のところに早く帰りたいからに決まってるだろう」
「これは失礼。気付きませんでした」
「じゃ、そういうことで」
「ああ、お待ちください」
「心配しなくても、放っておいてくれればおれは勝手に国益ってやつを生み出すと思うよ」
「どういうことです?」
「迷宮内の金属、全然取れなくて困ってるだろう?」
「ええ、研究用にさえ足りておりません」
「今にたくさん採れるようになる。期待してて欲しい」
目を丸くする丈二を無視して、おれはさっさと帰路に着いた。追ってくる気配はなかった。
◇
「おかえりなさいませ! お早いお帰りで良かったです」
帰ってみると、フィリアは上機嫌に出迎えてくれた。まるでご主人の帰りを待っていたワンコだ。尻尾があったらパタパタ振っていただろう。
そんな目で見られると意地悪したくなっちゃうが、今日は我慢我慢。
「ところで一条様、先ほど、動画の宣伝にとSNSとやらを始めてみたのですが……」
「使い方がわからない?」
「いえ、そうではなく……行方不明者を探しているとの投稿を見かけたのです。こちらの写真なのですが、末柄様ではありませんか?」
スマホ画面を見せてもらうと、そこには確かに美幸の姿があった。
「ええ。実際、第1階層さえまともに攻略できてない。仮に運良く――いや運悪く第2階層に迷い込んだりしたら、確実にやられる」
役所の会議室で、おれは撮影した動画も見せつつ、第2階層について話してやった。
この前フィリアが記者にぶちまけた件は、翌日にはニュースに流れた。当然、役所はバッシングを受け、やがては国に対しても批判が集まっている様子。絶賛炎上中だ。
そのため、恨まれているのでは……と割と覚悟していたのだが、職員たちはその件には触れなかった。
「一応、第2階層前の壁や地面に、警告文は書いてきた。役所のほうからも、できる限り伝えて欲しい。あのグリフィンが群れでいると聞けば、突っ込むようなやつはいないはずだ」
「わかりました、そのようにいたします。第2階層の調査は一条様がおこなっていただける、ということでよろしいでしょうか?」
「いや、あの広さだ。ひとりやふたりで調べるんじゃ何年かかるかわからない。他の冒険者を育てて、第2階層でもやっていけそうな人を順次送り込んでいくのがいいと思う」
「育てるにも課題がありそうですが、それよりも、やっていけいそうと判断する基準がありません」
「その辺はおれも考えておきますよ」
この他、パーティ制を提案した。迷宮には必ず複数人で入ることも義務付けることも。
単独で迷宮に潜って死亡した場合、死体が発見されないばかりか、人の味を覚えた魔物が誰も知らないところで生まれることになる。この前のように町が襲われる可能性が出てくる。
実際に採用されるかどうかはわからないが、提案だけはしておきたかった。
「それじゃあ、話はここまでいいですかね?」
「はい、充分でございます。今回いただきました貴重な情報やご意見は、必ず有効に活用いたします」
どこまで信用できるものか。おれは期待せず、役所をあとにした。
だが、まだ用事が残っている者がいたようだ。
尾行に気付いたおれは、すぐさま角を曲がって路地裏へ誘い、姿を隠す。
「……消えた?」
「いや、ここにいる」
背後から声をかけると、男は驚いて振り向いた。
「用があるなら、さっき声をかけてくれれば良かったのに」
男は会議室にもいた。職員の制服ではなく、ぴしっとしたスーツを着ている。会議中はひと言も発しなかったが、職員たちの話が逸れそうになると、鋭く睨んで方向修正してくれていた。
炎上の恨み言を言われずに済んだのは、この男の影響が大きいだろう。
「あの場所では他の方にも聞かれてしまいますから。あなたにも、知られたくないことはあるでしょう」
「それは、おれが知られたくないことを知っている、という意味なんだろうね?」
「ええ、一条拓斗さん。28歳。13年前に行方不明。両親は6年前に他界。あなた自身も死亡扱いになるも、3年前に訂正処理がなされ、祖父の会社に就職。そして退職。この島に来てすぐあのグリフィンを討伐した……」
「それくらいは、べつに隠してることじゃない」
「行方不明の10年間、外国にいらっしゃったそうですね? お祖父さまのお話によると、リンガブルームという国だそうで。そこにも迷宮があったとか?」
「じいちゃんに会ったのか」
「リンガブルームなどという国は、この地球上に存在しません。ですが奇遇ですね。我々もその名には聞き覚えがある。同じ場所を指しているものと思うのですが、ね」
こいつは異世界の存在を知っている。
おれは思わず身構えた。
「あんた、政府の人間か」
「我々は、あなたの失われた10年間に興味がある」
「ならどうする? 拘束するか? 脅迫するか?」
「協力いたします」
「どういう意味だ?」
「あなたは世界唯一の人材です。万が一にも反感を持たれたり、敵対などされては、我々の受ける損害は計り知れない。国益のため、VIPとして扱うようきつく言われております」
「それはよかった。あんたとやり合うことになったら、無事で済む気がしなかった」
「ご謙遜を。リアルモンスタースレイヤー」
謙遜のつもりはない。男はスマートな外見をしているが、その所作や重心移動の仕方からして、かなりの達人だ。
おれは武道はやっていない。それらは人間と戦うための技術で、魔物退治にはさほど役に立たないからだ。だが、だからこそ武道の達人は人間を倒すのに特化していると言っていい。迷宮内ならともかく、ここではおれが不利だ。
「私は津田丈二と申します。今後のことについて、少々ご相談させていただきたいのですが、お時間をいただけますか?」
「悪いけどダメだ」
「なにかお気に障りましたか?」
「そうじゃない。まだ知らないんなら、おれの経歴にもう一行追加しておくといい。今は、好きな女の子と同居してる」
「はぁ……それが、なぜ断る理由に?」
「丈二さん、あんた恋をしたことがないのかい? そんなの、寂しがってる子のところに早く帰りたいからに決まってるだろう」
「これは失礼。気付きませんでした」
「じゃ、そういうことで」
「ああ、お待ちください」
「心配しなくても、放っておいてくれればおれは勝手に国益ってやつを生み出すと思うよ」
「どういうことです?」
「迷宮内の金属、全然取れなくて困ってるだろう?」
「ええ、研究用にさえ足りておりません」
「今にたくさん採れるようになる。期待してて欲しい」
目を丸くする丈二を無視して、おれはさっさと帰路に着いた。追ってくる気配はなかった。
◇
「おかえりなさいませ! お早いお帰りで良かったです」
帰ってみると、フィリアは上機嫌に出迎えてくれた。まるでご主人の帰りを待っていたワンコだ。尻尾があったらパタパタ振っていただろう。
そんな目で見られると意地悪したくなっちゃうが、今日は我慢我慢。
「ところで一条様、先ほど、動画の宣伝にとSNSとやらを始めてみたのですが……」
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