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一章
12.決行の日
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それから一週間が経過した今日。
「準備はいいかしら?」
「ああ。……ところで殿下、一体どうすればそんなに顔が変わるんだ?」
ミルフィの姿を凝視しながらアルベルトは首を捻っていた。
今のミルフィの姿は、キャラメルブロンドの髪とサファイアブルーの瞳を持つ麗しいお姫様ではなくありふれた色味である茶髪に紅茶色の瞳の、どこにでもいる平民の様な出で立ちをしていた。更にはあまり裕福ではない子供達が着る様な簡素なワンピースを着ており、そのお陰かとてもこの少女がこの国の王女だと気付ける者はまずいないであろう。
「あら、女なんて化粧をしていれば見事に化けられるものよ」
ミルフィはしれっと嘘をつく。
たしかに化粧をすれば多少の誤魔化しは効くだろうが、ミルフィの様に完全に別人の顔立ちになることは無い。
ミルフィは少しだけ特殊であった。しかしそんなことなど知る由も無いであろうアルベルトはそんなものかとすんなりと納得した。
(……案外怪しまれないものね。まあ、女の化粧のことなんてこの男が知っているわけがないだろうけれど。それでもフィルには気づかれたんだけれどな)
実はアルベルトが部屋に来る少し前までここにフェリクスが訪れていた。
その時フェリクスには「〝本当の別人〟になれるなんて姉上くらいですよねぇ~。いくら水の“加護”持ちだろうとこんな風に扱えるのはきっとほかにいませんよぉ~」と言われたのだ。
フェリクスの言う通りミルフィは“加護”持ちであった。
といっても通常の“加護”とはまた違うのだが。
そもそも“加護”というのはこの世界にいる様々なものによって力を分け与えられることを指している。
例えば火・水・地・風のような四大元素の精霊達がいる。その姿を見たことのある者はごく稀で、とても希少な存在なのだ。
また、精霊は自分達の姿が見えるものの中で気に入ったものだけに“加護”を与えるので、更にその人数は少ない。
そんな“加護”持ち達は、国で手厚く保護する程に貴重な人材なのである。
しかし、そんな彼ら彼女らは犯罪集団にとって格好の獲物であるのもまた事実。
その為、“加護”持ちであると黙っている者もまだまだ沢山いるだろうと思われている。
そんな貴重な存在である“加護”持ちよりも、もっと貴重な存在であるのがミルフィリアスという人物であった。
普通一人につき“加護”を持つのはひとつである。
しかしミルフィにそんな常識は通用しなかった。
何故なら彼女は火・水・地・風全ての精霊から“加護”をうけ、更には四大元素である精霊よりも更に希少な光と闇の精霊、果てには精霊王からの“加護”それから“祝福”を宿しているのだ。
因みにこうなったのはそれなりの理由がある。前回死んだ後、ミルフィはとある人物と出会った影響の所為で今回があるのだが、それは今は置いておくとして。
諸々の事情と偶然がいくつか重なったミルフィは精霊王と対面する羽目になり、その結果こうして精霊王から“加護”をもらってしまったというわけなのだ。
(我ながら素晴らしいくらい凄い偶然よね。幸運といっていいのか、悪運といっていいのか……)
どちらにしてもとりあえずは〝運が良かったな〟とミルフィは苦笑する。
「これならば絶対にわたしが〝わたし〟だとばれる心配はないでしょう?」
そう言ってくるりとその場を回ってみせた。
その様子を見てアルベルトは感心したように息を吐いた。
「そうしていると本当に平民の子供という感じがしてくるな」
「そうでしょう?これでもお忍びは日常茶飯事だから人に紛れ込むのは得意なの」
自然に紡がれた言葉の中に聞き捨てならない言葉が紛れ込んでいたように感じてアルベルトは思わずは、と声を漏らした。
「……殿下、俺は今〝お忍び〟という幻聴が聞こえた気がしたんだが」
「あら、幻聴なんかじゃないわよ」
あっさりと肯定したミルフィにアルベルトは頭痛を感じてこめかみを抑えた。
「護衛を伴わずに行動するとか命狙われているという自覚が無いのか!?」
「大丈夫よ。護身術くらい身につけているわ」
微妙に食い違った答えを返され、そういう問題じゃないとアルベルトは項垂れる。
「……せめて次から俺を呼んでくれ。流石に殿下一人だけだと危険過ぎる」
「止めないの?」
てっきり止められるとばかり思っていたミルフィは意外な言葉に目を丸くした。
「止めたって殿下なら勝手に外へ出て行きそうだしな。それならまだ俺が付いていた方が安心だ」
「……わたしのこと、よく理解しているのね」
「当たり前だろう?俺は殿下の護衛騎士なんだから、性格ぐらい掴んでいないと話にならないしな」
至極当然のように言われ、ミルフィは俯いて唇を噛み締めた。
(……なんで、なんでこんなにもアルベルトは〝アルト〟なの?)
昔、同じようなことを言われたミルフィは無意識のうちに顔を歪ませていた。
(気付かないうちにわたしはまたアルベルトを内側に入れようとしてた……。必要以上彼には近付かないようにしようと決めていたはずなのに……!)
どうせ裏切られることになる。
余計に絶望する事になることが分かりきっているのにどうして自分は彼を切り離すことが出来ないのだろう。
そう考えてから、そうでは無いと思い直す。
(……判ってる。本当は、とっくの昔から答えなんてでている)
つまるところミルフィは彼を信じたかったのだ。
前回も本当は自分を裏切ったわけではないのではという淡い期待を持って、今回はきっと……という思いを胸にして。
ミルフィは自分考えの甘さ加減に嫌気がさしてくる。
(そんな期待したところで意味なんて無いことくらい、今のわたしならよく知っているでしょう?)
そう自分に言い聞かせてから、ミルフィは意識して笑みを浮かべ、俯いていた顔を上げた。
視線の先ではアルベルトが訝しげにこちらを見ていた。
「何か心配事でもあったのか?」
「いいえ、気にしないで頂戴。さて、用意は出来ているし、お父様には事前に報告してあるのだからもう出るわよ」
ミルフィは部屋の窓へと近付いていき、そしてそこを開ける。
開け放たれた窓からは心地よい風が入り込み、その風がミルフィの繊細な美しい髪をなびかせた。
その光景に思わずアルベルトは目を奪われたが、すぐにはっとして慌ててミルフィの後を追った。
「何を考えているんだ!?」
「誰かに見つからないためにも窓から出る以外の方法は無いのよ」
そう言うとミルフィは窓から身を乗り出して、そのまま外に身を投げ出した。
「な、殿下!?」
あまりの無茶振りにアルベルトは焦ってミルフィへと手を伸ばす。
しかしその手はミルフィのワンピースの裾を僅かにかするだけだった。
(このまま落ちれば大怪我じゃすまされなくなる!)
ミルフィの部屋は四階にある。
そこから落ちればひとたまりも無いであろうことがアルベルトには容易に想像がついた。最悪の場合を想像して血の気がすっと引くのを感じたアルベルトは「殿下!」と叫びながら下を覗き込む。
しかし、見るに無残な姿があると思ったその先には、普段通り澄ました顔をして立っていたミルフィがいた。
それを確認するとアルベルトは心の底から安堵して、ほっと胸を撫で下ろした。
その姿を下から見上げていたミルフィは不思議そうに首を傾げた。
「どうかしたの?」
「……いや、なんでもない」
脱力しながらもそう告げると、アルベルトも窓から飛び降りた。綺麗に着地を決めると、改めてミルフィへと視線を向け、それから溜め息を吐いた。
(全く、一体殿下はどういう神経をしているんだ?普通の令嬢ならまずあんな高いところから飛ぶなんて恐怖心が勝るだろ。それにいくら普段よりも簡素なワンピース姿といっても動きにくいことに変わりはない。それなのにあの高さから体勢を崩すことなく着地するなんて本当にどうなっているんだ?)
自分が守ることになったお姫様はどうやら想像していたものと違うらしいと改めて実感した瞬間だった。
「準備はいいかしら?」
「ああ。……ところで殿下、一体どうすればそんなに顔が変わるんだ?」
ミルフィの姿を凝視しながらアルベルトは首を捻っていた。
今のミルフィの姿は、キャラメルブロンドの髪とサファイアブルーの瞳を持つ麗しいお姫様ではなくありふれた色味である茶髪に紅茶色の瞳の、どこにでもいる平民の様な出で立ちをしていた。更にはあまり裕福ではない子供達が着る様な簡素なワンピースを着ており、そのお陰かとてもこの少女がこの国の王女だと気付ける者はまずいないであろう。
「あら、女なんて化粧をしていれば見事に化けられるものよ」
ミルフィはしれっと嘘をつく。
たしかに化粧をすれば多少の誤魔化しは効くだろうが、ミルフィの様に完全に別人の顔立ちになることは無い。
ミルフィは少しだけ特殊であった。しかしそんなことなど知る由も無いであろうアルベルトはそんなものかとすんなりと納得した。
(……案外怪しまれないものね。まあ、女の化粧のことなんてこの男が知っているわけがないだろうけれど。それでもフィルには気づかれたんだけれどな)
実はアルベルトが部屋に来る少し前までここにフェリクスが訪れていた。
その時フェリクスには「〝本当の別人〟になれるなんて姉上くらいですよねぇ~。いくら水の“加護”持ちだろうとこんな風に扱えるのはきっとほかにいませんよぉ~」と言われたのだ。
フェリクスの言う通りミルフィは“加護”持ちであった。
といっても通常の“加護”とはまた違うのだが。
そもそも“加護”というのはこの世界にいる様々なものによって力を分け与えられることを指している。
例えば火・水・地・風のような四大元素の精霊達がいる。その姿を見たことのある者はごく稀で、とても希少な存在なのだ。
また、精霊は自分達の姿が見えるものの中で気に入ったものだけに“加護”を与えるので、更にその人数は少ない。
そんな“加護”持ち達は、国で手厚く保護する程に貴重な人材なのである。
しかし、そんな彼ら彼女らは犯罪集団にとって格好の獲物であるのもまた事実。
その為、“加護”持ちであると黙っている者もまだまだ沢山いるだろうと思われている。
そんな貴重な存在である“加護”持ちよりも、もっと貴重な存在であるのがミルフィリアスという人物であった。
普通一人につき“加護”を持つのはひとつである。
しかしミルフィにそんな常識は通用しなかった。
何故なら彼女は火・水・地・風全ての精霊から“加護”をうけ、更には四大元素である精霊よりも更に希少な光と闇の精霊、果てには精霊王からの“加護”それから“祝福”を宿しているのだ。
因みにこうなったのはそれなりの理由がある。前回死んだ後、ミルフィはとある人物と出会った影響の所為で今回があるのだが、それは今は置いておくとして。
諸々の事情と偶然がいくつか重なったミルフィは精霊王と対面する羽目になり、その結果こうして精霊王から“加護”をもらってしまったというわけなのだ。
(我ながら素晴らしいくらい凄い偶然よね。幸運といっていいのか、悪運といっていいのか……)
どちらにしてもとりあえずは〝運が良かったな〟とミルフィは苦笑する。
「これならば絶対にわたしが〝わたし〟だとばれる心配はないでしょう?」
そう言ってくるりとその場を回ってみせた。
その様子を見てアルベルトは感心したように息を吐いた。
「そうしていると本当に平民の子供という感じがしてくるな」
「そうでしょう?これでもお忍びは日常茶飯事だから人に紛れ込むのは得意なの」
自然に紡がれた言葉の中に聞き捨てならない言葉が紛れ込んでいたように感じてアルベルトは思わずは、と声を漏らした。
「……殿下、俺は今〝お忍び〟という幻聴が聞こえた気がしたんだが」
「あら、幻聴なんかじゃないわよ」
あっさりと肯定したミルフィにアルベルトは頭痛を感じてこめかみを抑えた。
「護衛を伴わずに行動するとか命狙われているという自覚が無いのか!?」
「大丈夫よ。護身術くらい身につけているわ」
微妙に食い違った答えを返され、そういう問題じゃないとアルベルトは項垂れる。
「……せめて次から俺を呼んでくれ。流石に殿下一人だけだと危険過ぎる」
「止めないの?」
てっきり止められるとばかり思っていたミルフィは意外な言葉に目を丸くした。
「止めたって殿下なら勝手に外へ出て行きそうだしな。それならまだ俺が付いていた方が安心だ」
「……わたしのこと、よく理解しているのね」
「当たり前だろう?俺は殿下の護衛騎士なんだから、性格ぐらい掴んでいないと話にならないしな」
至極当然のように言われ、ミルフィは俯いて唇を噛み締めた。
(……なんで、なんでこんなにもアルベルトは〝アルト〟なの?)
昔、同じようなことを言われたミルフィは無意識のうちに顔を歪ませていた。
(気付かないうちにわたしはまたアルベルトを内側に入れようとしてた……。必要以上彼には近付かないようにしようと決めていたはずなのに……!)
どうせ裏切られることになる。
余計に絶望する事になることが分かりきっているのにどうして自分は彼を切り離すことが出来ないのだろう。
そう考えてから、そうでは無いと思い直す。
(……判ってる。本当は、とっくの昔から答えなんてでている)
つまるところミルフィは彼を信じたかったのだ。
前回も本当は自分を裏切ったわけではないのではという淡い期待を持って、今回はきっと……という思いを胸にして。
ミルフィは自分考えの甘さ加減に嫌気がさしてくる。
(そんな期待したところで意味なんて無いことくらい、今のわたしならよく知っているでしょう?)
そう自分に言い聞かせてから、ミルフィは意識して笑みを浮かべ、俯いていた顔を上げた。
視線の先ではアルベルトが訝しげにこちらを見ていた。
「何か心配事でもあったのか?」
「いいえ、気にしないで頂戴。さて、用意は出来ているし、お父様には事前に報告してあるのだからもう出るわよ」
ミルフィは部屋の窓へと近付いていき、そしてそこを開ける。
開け放たれた窓からは心地よい風が入り込み、その風がミルフィの繊細な美しい髪をなびかせた。
その光景に思わずアルベルトは目を奪われたが、すぐにはっとして慌ててミルフィの後を追った。
「何を考えているんだ!?」
「誰かに見つからないためにも窓から出る以外の方法は無いのよ」
そう言うとミルフィは窓から身を乗り出して、そのまま外に身を投げ出した。
「な、殿下!?」
あまりの無茶振りにアルベルトは焦ってミルフィへと手を伸ばす。
しかしその手はミルフィのワンピースの裾を僅かにかするだけだった。
(このまま落ちれば大怪我じゃすまされなくなる!)
ミルフィの部屋は四階にある。
そこから落ちればひとたまりも無いであろうことがアルベルトには容易に想像がついた。最悪の場合を想像して血の気がすっと引くのを感じたアルベルトは「殿下!」と叫びながら下を覗き込む。
しかし、見るに無残な姿があると思ったその先には、普段通り澄ました顔をして立っていたミルフィがいた。
それを確認するとアルベルトは心の底から安堵して、ほっと胸を撫で下ろした。
その姿を下から見上げていたミルフィは不思議そうに首を傾げた。
「どうかしたの?」
「……いや、なんでもない」
脱力しながらもそう告げると、アルベルトも窓から飛び降りた。綺麗に着地を決めると、改めてミルフィへと視線を向け、それから溜め息を吐いた。
(全く、一体殿下はどういう神経をしているんだ?普通の令嬢ならまずあんな高いところから飛ぶなんて恐怖心が勝るだろ。それにいくら普段よりも簡素なワンピース姿といっても動きにくいことに変わりはない。それなのにあの高さから体勢を崩すことなく着地するなんて本当にどうなっているんだ?)
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