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一章
17. 事情説明、よろしくお願いします 2
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「お父様、そのお話はお母様にしましたか?」
一通りの説明を聞いてから、私はお父様に尋ねる。
お父様は私の言葉に首を振って否定した。
「いいや、フォリアにも、セシルにもしていないよ。あまりノア本人も知られたくない内容なのではないかと思ってね」
リリーは直接尋ねてくるくらいノアのことを気にかけてくれていることが分かったから伝えたんだけれど、と付け足すお父様。
うーん、まあその気持ちも分からなくはないですけれど。
確かにそういうことなら、ノアにとってはあんまり色んな人に前の家のことを聞かれたくないかもしれない。
誰にもノアを引き取った事情を説明しなかったのは、ノアのことを考えた結果なんだね、お父様。
でも……
「お父様、全部とは言いませんが、少しだけでもお母様にノアくんを引き取った経緯を説明してくださいませんか?」
「フォリアに?」
お父様が目を見開いて、まじまじと私を見つめ返してくる。
「いや、でもそうするとノアが……」
「たしかに、ノアにとってあまり知られたくないお話なのかも知れません」
知られることでノアがショックを受けるかもしれない、と言うお父様の言葉を遮って私は言葉を紡ぐ。
「けれども、せめてお母様にはお話してあげて下さっても良いと思います。お母様はノアのことを気にかけていますけれど、それと同時に不安にも思っていると思いますから」
「不安に?」
どういうことだと言いたげな視線をお父様に向けられる。それに私は溜息をついた。
お父様、女心に関しては鈍いですね。にぶにぶです。
仕事は出来る人で勘が鋭いのに、こういう所では鈍いのか……。
「お母様は多分お父様が浮気をしていて、ノアはお父様の不貞の子では無いかって思ってるんですよ」
「な、なんだって!?」
私の言葉に、思わずと言った様子でお父様が叫んだ。それと同時にガタッと椅子を鳴らしながら立ち上がる。
「い、いやまさか、フォリアがそんなことを思っているなんて……」
「ノアのことを考えてのことだということはとてもよく分かりますけれど、何も知らないお母様は、事実を知るまでずっとお父様を疑い続けるかと思いますよ」
私はそこで一旦言葉を区切る。
それから、ふぅっと息をついた私は改めてお父様を真っ直ぐに見つめた。
「それで、ノアのことは違うとして……お父様は浮気してますか?」
「なっ……私は浮気なんてしてないぞ!?断じてしていない!!私が愛しているのはフォリアだけだ!!」
私の言葉にぎょっとしたお父様がそう叫ぶ。
うん、私は疑ってなかったんだけれどね。お父様がお母様だけしか見ていないことくらい、ゲーム時から知っていたし。そうじゃなきゃ、お母様が自殺してしまった時にあんな風にショックを受けて自棄になるはずなんてないもの。
「それならお母様の誤解を解くためにも、ノアのことを説明してください。お母様はそのお話を知ったところでノアに対して何かを言うことも、ノアが傷付くようなことをすることも絶対にありませんから」
「……そうだな。フォリアにも、きちんと説明をしておいた方が良さそうだ。……浮気されているなんて思われているのは嫌だ」
後半部分はぼそりと喋っていたけれど、私とお父様以外いないこの部屋ではばっちり聞こえましたからね。
一通りの説明を聞いてから、私はお父様に尋ねる。
お父様は私の言葉に首を振って否定した。
「いいや、フォリアにも、セシルにもしていないよ。あまりノア本人も知られたくない内容なのではないかと思ってね」
リリーは直接尋ねてくるくらいノアのことを気にかけてくれていることが分かったから伝えたんだけれど、と付け足すお父様。
うーん、まあその気持ちも分からなくはないですけれど。
確かにそういうことなら、ノアにとってはあんまり色んな人に前の家のことを聞かれたくないかもしれない。
誰にもノアを引き取った事情を説明しなかったのは、ノアのことを考えた結果なんだね、お父様。
でも……
「お父様、全部とは言いませんが、少しだけでもお母様にノアくんを引き取った経緯を説明してくださいませんか?」
「フォリアに?」
お父様が目を見開いて、まじまじと私を見つめ返してくる。
「いや、でもそうするとノアが……」
「たしかに、ノアにとってあまり知られたくないお話なのかも知れません」
知られることでノアがショックを受けるかもしれない、と言うお父様の言葉を遮って私は言葉を紡ぐ。
「けれども、せめてお母様にはお話してあげて下さっても良いと思います。お母様はノアのことを気にかけていますけれど、それと同時に不安にも思っていると思いますから」
「不安に?」
どういうことだと言いたげな視線をお父様に向けられる。それに私は溜息をついた。
お父様、女心に関しては鈍いですね。にぶにぶです。
仕事は出来る人で勘が鋭いのに、こういう所では鈍いのか……。
「お母様は多分お父様が浮気をしていて、ノアはお父様の不貞の子では無いかって思ってるんですよ」
「な、なんだって!?」
私の言葉に、思わずと言った様子でお父様が叫んだ。それと同時にガタッと椅子を鳴らしながら立ち上がる。
「い、いやまさか、フォリアがそんなことを思っているなんて……」
「ノアのことを考えてのことだということはとてもよく分かりますけれど、何も知らないお母様は、事実を知るまでずっとお父様を疑い続けるかと思いますよ」
私はそこで一旦言葉を区切る。
それから、ふぅっと息をついた私は改めてお父様を真っ直ぐに見つめた。
「それで、ノアのことは違うとして……お父様は浮気してますか?」
「なっ……私は浮気なんてしてないぞ!?断じてしていない!!私が愛しているのはフォリアだけだ!!」
私の言葉にぎょっとしたお父様がそう叫ぶ。
うん、私は疑ってなかったんだけれどね。お父様がお母様だけしか見ていないことくらい、ゲーム時から知っていたし。そうじゃなきゃ、お母様が自殺してしまった時にあんな風にショックを受けて自棄になるはずなんてないもの。
「それならお母様の誤解を解くためにも、ノアのことを説明してください。お母様はそのお話を知ったところでノアに対して何かを言うことも、ノアが傷付くようなことをすることも絶対にありませんから」
「……そうだな。フォリアにも、きちんと説明をしておいた方が良さそうだ。……浮気されているなんて思われているのは嫌だ」
後半部分はぼそりと喋っていたけれど、私とお父様以外いないこの部屋ではばっちり聞こえましたからね。
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