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山 夢 蛍光灯
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真夜中。大体25時くらいだろうか。どこにあるのかも知らない山を登る。結構整備されている山のようで、地面は土であるにも関わらずあまり歩きづらくなく、蛍光灯も付いているから足元も十分見えるくらいの明るさはある。
一体いつからここにいるのか、どこに向かっているのか、どうやってここに来たのか。全く覚えていない。しかし、頂上に行かなければならないという、強い使命感がある。だから、黙々と道を歩き続ける。
この場所に対し、この状況に対し、一切の疑問も湧かず、さも当たり前かのようにさえ感じてしまう。
1歩1歩確実に踏みしめていく。だが、少しいつも歩く感覚と少し違う。少し、ふわっとした様な、しっかりと足の裏が地面についていないかのような感じ。そんな感じがする。
そんなことも気にせず、ドンドン足を進めていく。
ふと、ひとつの蛍光灯の下に女性の方が立っている。なぜこんな真夜中にとは思ったが、お互い様なため気にせず進んだ。
ちょうど横切った瞬間、
「あなたはここにいてはいけない」
そう、言われた気がした。何を言っているんだろうか。
まだ、歩き続ける。まだ頂上につかない。今はどこら辺なのだろうか。相変わらず蛍光灯は弱い光て足元を照らしている。
また蛍光灯の下に誰かがいる。今度は男性だった。
気に留めず横を通り過ぎた時、
「帰れ。」
そう、強く言われた。帰れってどこに帰れば良いんだろうか。なぜ帰らなきゃ行けないんだろうか。
まだ歩い続ける。もう少しで頂上に着きそうだと何となくわかる。蛍光灯の光は少し強くなった気がする。数も心無しか多くなった気もする。......また誰かがいる。今度は......子供?
「帰って!この先はダメ。まだ間に合う!」
そう、言われた。なんでこんなにも俺を止めるんだろう。でも、俺は頂上に行かなきゃ。
頂上に着いた。頂上からの景色はただの真っ暗な闇だけだった。頂上の先は崖になっていて、下をのぞき込むと、蛍光灯がまた続いていた。あそこに行けばいいんだろうか。そうか。
けど、今度は後ろに誰かが現れた。女性だ。
「帰ってきて。お願い。あなたを待ってるの。あなたの帰りを!お願い....。まだ、行っちゃダメッ!」
なんでだろうか。その女性から伸ばされた手に、自然と手が伸びた。
その手をとった瞬間、女性の後ろから光が刺した。
目も開けてられない程の光に、思わず目を閉じてしまう。そして、意識が落ちていった。意識が落ちる瞬間、「生きて」「女性を泣かせるな」「幸せになってね」そう、聞こえた。心地の良い声だった。
目が覚めた。傍には、崖で声をかけてくれた女性が。
「おかえり」
「ただいま」
崖を降りなくて、良かったと心からそう思った。
一体いつからここにいるのか、どこに向かっているのか、どうやってここに来たのか。全く覚えていない。しかし、頂上に行かなければならないという、強い使命感がある。だから、黙々と道を歩き続ける。
この場所に対し、この状況に対し、一切の疑問も湧かず、さも当たり前かのようにさえ感じてしまう。
1歩1歩確実に踏みしめていく。だが、少しいつも歩く感覚と少し違う。少し、ふわっとした様な、しっかりと足の裏が地面についていないかのような感じ。そんな感じがする。
そんなことも気にせず、ドンドン足を進めていく。
ふと、ひとつの蛍光灯の下に女性の方が立っている。なぜこんな真夜中にとは思ったが、お互い様なため気にせず進んだ。
ちょうど横切った瞬間、
「あなたはここにいてはいけない」
そう、言われた気がした。何を言っているんだろうか。
まだ、歩き続ける。まだ頂上につかない。今はどこら辺なのだろうか。相変わらず蛍光灯は弱い光て足元を照らしている。
また蛍光灯の下に誰かがいる。今度は男性だった。
気に留めず横を通り過ぎた時、
「帰れ。」
そう、強く言われた。帰れってどこに帰れば良いんだろうか。なぜ帰らなきゃ行けないんだろうか。
まだ歩い続ける。もう少しで頂上に着きそうだと何となくわかる。蛍光灯の光は少し強くなった気がする。数も心無しか多くなった気もする。......また誰かがいる。今度は......子供?
「帰って!この先はダメ。まだ間に合う!」
そう、言われた。なんでこんなにも俺を止めるんだろう。でも、俺は頂上に行かなきゃ。
頂上に着いた。頂上からの景色はただの真っ暗な闇だけだった。頂上の先は崖になっていて、下をのぞき込むと、蛍光灯がまた続いていた。あそこに行けばいいんだろうか。そうか。
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「ただいま」
崖を降りなくて、良かったと心からそう思った。
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