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雪月夜狐

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第4章:星の夜への準備

第24話 巻物に記された場所「風の祠」へ

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エルラから「星の道標」と呼ばれる巻物を受け取ったヨウは、星の夜に向けて村を守る力を少しでも強めるために、巻物に記された場所を一つずつ巡ることを決意した。

その巻物にはいくつかの場所が示されており、最初に行くべき場所として「風の祠」が記されている。村の東に位置する小高い丘の上に、古代の風の精霊を祀る祠があるらしい。ヨウは、さっそくぷに、ふわり、ムームー、もふ、シャボンの五匹を連れてその場所へ向かうことにした。

「みんな、今日は『風の祠』っていう場所に行くよ。風の精霊が祀られているらしいから、きっとふわりも気に入るんじゃないか?」

「ふわっ!」と嬉しそうに羽を広げたふわりに続いて、他の仲間たちもそれぞれに応えて元気いっぱいだ。ヨウは、彼らの姿を見て、少しずつ星の夜に立ち向かう自信が湧いてくるのを感じた。

風の祠がある丘は、緑豊かで見晴らしがよく、村や森を一望できる美しい場所だった。道中には様々な野草や小さな花が咲き誇り、風に揺れるたびにふんわりとした香りが漂っている。ふわりはその風に乗って軽やかに飛び、ムームーは草を食みながらのんびりと歩いている。ぷにはヨウの足元で跳ね回り、シャボンは虹色の体を揺らしながら空中でくるくると回転していた。

やがて丘の頂上に到着すると、そこには古びた石造りの祠がひっそりと佇んでいた。祠の周囲には苔が生え、何年も手入れされていない様子だが、どこか神聖な雰囲気が漂っている。

「ここが風の祠か……なんだか、静かで落ち着く場所だな」

ヨウはそう呟きながら祠の前に立ち、巻物に記された通りに祠へ祈りを捧げた。すると、ふわりが祠の前に飛び出し、柔らかい風を起こしてその周りを取り囲んだ。ふわりの羽ばたきに合わせて風が流れ、祠に備えられた小さな風車がカラカラと回り始めた。

その瞬間、祠の内部から淡い緑色の光が溢れ出し、ヨウたちを包み込むように広がった。そして、どこからか優しい声が響いてきた。

「……よくぞ来た、若き冒険者とその仲間たちよ。我が風の加護を授けよう」

ヨウはその声に驚きつつも、胸の中に温かな感覚が広がっていくのを感じた。ふわりも嬉しそうに羽を揺らし、ぷにやムームー、もふ、シャボンもそれぞれに光を浴びて、その力を少しずつ吸収しているようだった。

ふわりが風の精霊の力を授かることで、彼のスキルがわずかに強化されたことに気づいた。ヨウはインベントリを開き、ふわりの新しいスキルを確認する。

新スキル:風精の護り
効果:風の精霊の加護を受け、仲間全員の回避力と移動速度を一時的に上昇させる

「ふわり、すごいじゃないか!これで僕たちの冒険もさらに安心だな」

「ふわっ!」

ふわりは自分が新しい力を得たことを理解しているのか、嬉しそうに空中で軽やかに舞い、他の仲間たちもふわりに近寄ってその力を分けてもらおうとしている。シャボンは体をふわふわと揺らしながら、ふわりの周りを回り始め、ぷにはふわりに軽く触れてその力を確かめているようだった。

祠の周りを一通り見て回った後、ヨウはふと思い出したように巻物を取り出し、次に訪れるべき場所を確認した。次の場所は「水の洞窟」――村の南にある小さな洞窟で、そこには清らかな水を司る精霊が眠っていると記されていた。

「よし、次は『水の洞窟』か。今日は時間もまだあるし、このまま行ってみようか?」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

五匹はそれぞれに元気よく応え、ヨウと共に次の目的地へと向かう準備を整えた。

村の南にある「水の洞窟」は、普段はひっそりと静まり返った場所だが、その中には澄んだ湧き水が流れ、洞窟全体をひんやりとした空気が包んでいる。洞窟内に入ると、天井から滴る水滴の音が響き、どこか神聖な雰囲気が漂っている。

「ここも神秘的な場所だな……」

ヨウは洞窟の中を進みながら、ふわりやぷにたちに声をかけ、注意深く周囲を観察していた。道中、小さな生き物が洞窟の岩陰から顔を覗かせたり、清らかな湧き水が輝きながら流れている様子が見られた。

やがて洞窟の奥に到着すると、そこには小さな石の祭壇があり、その上には水晶のような透明な石が置かれている。ヨウは巻物に記された通りに、祭壇の前で静かに手を合わせて祈りを捧げた。

すると、祭壇の水晶が淡い青色に輝き、洞窟全体に清らかな光が広がった。ヨウたちはその光に包まれ、再びどこからか声が聞こえてきた。

「……水の精霊の加護を受ける者よ。その心に清らかな力を与えよう」

ヨウはその声に耳を傾けながら、冷たくも心地よい感覚が体の中に広がっていくのを感じた。シャボンもその光を浴びながら、虹色の体がさらに鮮やかに輝き始めている。どうやらシャボンが、水の精霊の加護を受けることで新しい力を得たようだ。

新スキル:水晶の壁
効果:周囲に透明なバリアを張り、一時的に仲間全員の防御力を上昇させる

「シャボンもすごい力を得たな!これでみんながより安全に守られるね」

「ぽよん!」

シャボンは嬉しそうに体を膨らませ、ヨウの周りをふわふわと飛び回った。ぷにやふわり、ムームー、もふも、それぞれシャボンの力を確かめるように触れ合い、少しずつ仲間たちとの絆がさらに深まっていくのを感じた。

洞窟を出た後、ヨウは次に巻物に記された場所――「火の山」へ向かうことを決意した。しかし、日はすでに傾き始めており、火の山への道のりは険しいため、今日はここで帰ることに決めた。

村への帰り道、ヨウはふと空を見上げ、静かに輝く星々を眺めた。

「星の夜まで、少しずつ準備を進めていこう。ふわりやシャボンが新しい力を手に入れたことで、きっと僕たちも強くなれているはずだ」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん!」

仲間たちはそれぞれに声を上げ、ヨウの決意を支えるように寄り添った。彼らとの絆が、星の夜の試練に立ち向かうための最大の力になる――ヨウはそう確信しながら、再び星の夜に向けて一歩ずつ前進していくのだった。
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