テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ【更新停止中】

雪月夜狐

文字の大きさ
26 / 91
第4章:星の夜への準備

第25話 火の山での試練と、村の仲間たち

しおりを挟む
風の祠と水の洞窟を巡り、仲間たちが新しい力を手に入れたことで、ヨウは星の夜に向けた準備が着実に進んでいることを感じていた。巻物「星の道標」に記された次の場所は「火の山」。火の精霊が眠ると言われる場所で、村の西にそびえる火山「レッドスパーク山」のふもとに祠があるという。

「みんな、今日は火の山に向かうよ。これまでの場所よりも険しいかもしれないけど、力を合わせて乗り越えような」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

五匹の仲間たちはそれぞれに元気な返事をし、ヨウと一緒に火の山への冒険に気持ちを高めている。火の山の道のりは険しいが、星の夜に向けて少しでも多くの力を蓄えるために、ヨウは慎重に準備を整え、仲間たちと共に出発した。

火の山へ向かう途中、ヨウは村の広場で鍛冶屋のリックや宿屋のシェリーと顔を合わせ、少し立ち話をすることにした。

「おお、ヨウ!最近、なんだか逞しくなったな。星の夜に向けてしっかり準備を進めているんだな」

鍛冶屋のリックはそう言ってヨウの肩を叩きながら笑った。その言葉にヨウは少し照れながらも笑顔で返した。

「ありがとうございます、リックさん。でも、まだまだ村を守る力は身についていないので、準備を進めているところなんです」

「謙遜するな。お前はもう、村の頼れる守り手だぞ。俺が渡した『星の守り』も、ちゃんと役に立っているといいんだが」

リックからもらった「星の守り」ペンダントの冷たくも優しい感触を胸に思い出しながら、ヨウは静かに頷いた。その間も、ぷにやシャボンたちはリックやシェリーに可愛らしく甘え、ふわりは風を操ってシェリーの髪をふんわり揺らして遊んでいる。

「ヨウ、気をつけて行っておいでね。星の夜が近づいているって聞いて心配しているけど、あなたたちなら大丈夫よ」

シェリーは優しい声でそう告げ、心配そうにヨウを見つめていた。彼女の言葉にヨウは心強くなり、再び仲間たちと一緒にレッドスパーク山へと歩を進めた。

レッドスパーク山の登り口にたどり着くと、すでに空気が少し熱を帯び、赤土が地面に広がっていた。火山の険しい岩肌と乾いた空気は、村周辺とは異なる雰囲気を漂わせている。ヨウはふわりやシャボン、ムームーたちに改めて気を引き締めるよう声をかけ、慎重に山道を登り始めた。

「みんな、ここは暑いから無理せず進もうな。水分もちゃんと取るんだぞ」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん!」

それぞれが嬉しそうに返事をし、ぷには跳ね回りながらヨウの足元を先導し、シャボンは体をふわふわと浮かべ、仲間たちに風を送るように漂っている。ふわりは山の風に乗って前方を確認し、ムームーはゆっくりと岩を避けながら歩みを進めた。

やがて山の中腹にある小さな祠にたどり着いた。祠は赤茶色の岩肌に覆われ、ところどころに黒い焦げ跡があり、ここが火の精霊の祠であることを物語っていた。ヨウは祠の前に立ち、巻物に記された通りに祈りを捧げた。

祠の前で手を合わせた瞬間、祠から赤い光が広がり、まるで火の精霊が応えるように祠全体が炎のように輝き始めた。ふわりが風を起こし、熱からヨウと仲間たちを守るように風のバリアを張ってくれる。

すると、祠の中から力強い声が響いた。

「……よくぞここまでたどり着いた、冒険者とその従者たちよ。我が火の加護を授けよう」

ヨウはその声に少し驚きながらも、温かな感覚が体中に広がっていくのを感じた。ムームーがその光を浴び、彼の体がわずかに赤く輝き始める。

新スキル:炎の守り
効果:火の精霊の力を借り、一時的に仲間全員の攻撃力を上昇させる

「ムームーもすごい力を手に入れたな!これでみんなの攻撃力が強くなるぞ!」

「もこっ!」

ムームーは嬉しそうに体を揺らし、ぷにやふわり、シャボン、もふもそれぞれに近づいてムームーの力を感じ取っている。新たに得た力が、仲間たちの中で共有され、星の夜への備えがさらに強まったことを感じたヨウは、祠での試練を終え、火山を下りる準備を始めた。

帰り道、ふもとの村に戻ると、ヨウと仲間たちは鍛冶屋のリックに再び会い、祠で得た新たな力について報告した。

「そうか、火の加護も手に入れたんだな。これでお前たちは、村を守る立派な力を持ったと言っても過言じゃないな」

リックは嬉しそうに頷き、鍛冶屋に飾られている星の守りを見つめながら、感慨深そうに語った。

「星の夜はすぐそこまで迫っている。何が起きるか分からんが、きっとお前たちなら乗り越えられるさ」

シェリーもヨウと仲間たちを優しく見守り、温かな言葉で励ましてくれた。

「みんな、星の夜に備えて、今のように日々を大切にしながら頑張ってね。私たちも村から応援してるわ」

「ありがとうございます、シェリーさん、リックさん!」

村の仲間たちの応援を胸に、ヨウは星の夜に向けてさらに力を蓄え、準備を進めていく決意を新たにした。

その夜、ヨウは牧場で星空を見上げ、得た力と村人たちからの励ましに感謝しながら、仲間たちと共に未来への思いを馳せていた。静かに輝く星々の下で、ヨウと仲間たちの絆は一層強まり、星の夜に向けた準備が整っていくのを感じていた。

「みんな、ここまで本当にありがとう。これからも一緒に頑張ろうな」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん!」

仲間たちはそれぞれの声で応え、ヨウに寄り添うように寄り添い、彼の決意を支えている。ヨウは仲間たちに囲まれながら、星の夜に向けてさらに一歩前進したことを確かに感じた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。 (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です) ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様でも公開しております。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...