テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ【更新停止中】

雪月夜狐

文字の大きさ
27 / 91
第4章:星の夜への準備

第26話 森の遺跡と、導かれた「影の欠片」

しおりを挟む
星の道標に従って祠を巡り、新しい力を手に入れる度に、ヨウは仲間たちとの絆がさらに強くなっているのを感じていた。火の山での試練を乗り越えたことで、次に向かうべき場所は「影の欠片」と呼ばれる遺跡だということが巻物から浮かび上がってきた。

村の北東にある古代の森、「ナイトフォレスト」に眠るこの遺跡には、影の精霊の力が封じられており、通常の光では近づくことができない場所と言われている。

「影の欠片か……今までの場所と少し違う雰囲気がするけど、みんな、気をつけていこう」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

ヨウの声に、五匹の仲間たちは元気よく応え、ヨウと一緒に新しい冒険に胸を弾ませている。今回の場所は闇に包まれた神秘的な空間であるため、今まで以上に慎重な準備が必要だ。ヨウは村で必要な道具や食料を揃え、リックやシェリーにも見送られながらナイトフォレストへと足を踏み入れた。

ナイトフォレストに到着すると、辺りは昼間にもかかわらず、どこか暗い影が漂い、森全体が静まり返っている。太陽の光が届かないこの場所は、他の森とは異なり、常に微かな暗闇に包まれているようだった。ふわりが少し不安そうに羽ばたき、シャボンは自分の体を小さくしてヨウにぴったりと寄り添っている。

「大丈夫だ、みんな。少し暗いけど、絶対に力になるものを手に入れて帰ろう」

ヨウが仲間たちに声をかけ、慎重に森の奥へと進んでいく。ぷには地面に気を配りながら跳ね、ムームーは背筋を伸ばして警戒しつつ歩を進めている。もふもヨウの肩にしがみつき、周囲を見渡しながら新たな敵の出現に備えている。

森の奥に進むと、やがて霧に包まれた小さな石造りの遺跡が現れた。石壁には古代の文字が刻まれ、苔やツタが絡まるその姿は、長い年月を経てきたことを物語っている。ヨウは巻物を取り出し、遺跡に記された文字と照らし合わせながら、祈りの言葉を呟いた。

その瞬間、遺跡から淡い紫の光が漏れ、石碑の前に黒い影のような霧が立ち上がってきた。その霧はまるで生きているかのようにうねり、ヨウと仲間たちを包み込むように広がったが、不思議と不安ではなく、どこか安心感を感じさせる。

「……影を恐れるな、若き冒険者とその従者たちよ。影もまた、光を導くものなり」

静かな声が響き、影の霧がゆっくりと凝縮され、ヨウの前に一つの小さな宝石のような「影の欠片」が現れた。ヨウはその欠片に手を伸ばし、柔らかくも冷たい感触に触れた瞬間、シャボンの体が淡く光り始めた。

新スキル:影の盾
効果:仲間全員に影のバリアを張り、短時間ながら闇属性の攻撃を無効化する

「シャボン、また新しい力が宿ったんだな!」

「ぽよん!」

シャボンは嬉しそうに体を揺らし、ヨウの肩の上でふわふわと浮かびながら、新しい力を確かめている。他の仲間たちもそれぞれに近寄り、シャボンの力を感じ取るかのように触れ合っていた。

ヨウは「影の欠片」を手に入れたことで、巻物に示された場所を全て巡ったことに気づいた。この欠片を持って星の夜を迎えることで、仲間たちの力と共に村を守る準備が整ったのだ。

帰り道、ヨウは仲間たちに話しかけた。

「みんな、ここまで本当にありがとう。星の夜が近づいてきているけど、みんなと一緒ならきっとどんな試練も乗り越えられる」

「ぷにっ!」「ふわっ!」「もこっ!」「もふっ!」「ぽよん!」

仲間たちはそれぞれに元気な声で応え、ヨウの言葉に励まされるように彼に寄り添っている。彼らとの絆が、これまで以上に確かなものとしてヨウの胸に刻まれ、静かに輝く影の欠片が星の夜への希望を象徴するように彼の手の中で光っていた。

その夜、ヨウは牧場で静かに星空を見上げ、星の夜に備えた準備が全て整ったことに安堵しながら、仲間たちと共にゆっくりとした時間を過ごした。

「星の夜まで、あと少し。みんな、準備は万全だ。俺たちの力を信じて、一緒にこの村を守ろうな」

「ぷにっ」「ふわっ」「もこっ」「もふっ」「ぽよん!」

それぞれの声が夜の静寂の中で響き渡り、まるで星々が彼らの未来を祝福しているかのようだった。ヨウと仲間たちが互いに寄り添い、星の夜に向けて確かな絆と強い意志を胸に刻んだ夜だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...