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4章
妹のコーディネート
しおりを挟むあっという間に土曜日でなった。
その間、きっと学校で頻繁に相田達に絡まれるだろうなと思っていたが…意外や意外。今週はほとんど声をかけられることはなかった。
と、いうのも柳田が相田が俺が接触しないように目を光らせてくれているおかげであった。奴は相田が俺に話しかけた瞬間に柳田が割り込んでくるのだ。
俺はあまりの反応速度にちょっと笑ってしまったが、相田の方はだいぶウザがっていた。
正直、柳田が妨害してくれる事には心底助かっている。
ここ一週間、相田は授業中でも獲物を見るようにじーっと俺のことを見ている事があって狙われている事が実感できる。
柳田には是非その調子で妨害してほしい。
そして、ついでに俺は柳田の様子を見てどうやら柳田が相田に気があるみたいだ、と言うことに気がついてしまった。
相田はどう考えても俺をおもちゃにしようとしてるだけなのだが、柳田はそれに気がついていない。どうも相田が俺に気をやっていると勘違いをしている節がある。柳田は動画が拡散されたあたりからやたらと敵対心を俺に向けていたし、その辺で目が曇っってしまったのだろう。困ったものである。
普通に考えると柳田のしていることはただのウザい行為なのだが、どちらかと言うと助かる方向に動いてくれるので俺の中ではちょっと柳田の評価が上がってしまった。
いやー、それにしても青春だね。
柳田にはぜひ頑張ってほしい。俺に影響の無い範囲で。
『ピンポーン』
そんなことを考えながらリビングでテレビを見ながら軽く筋トレをしていると家の呼び鈴が鳴る。
お、まだ2時前だけど、もう来たかな?
今日はこの後、神代達とカフェに行く予定である。
多分篠崎がきたのだろう。
多分俺の客だろうからとインターホンに出ようとしたが優月が先にインターホンに出て対応する。
「はい、村井です。はい…。はい?少々お待ちください」
怪訝な顔で優月が声をかけてくる。
「お兄ちゃん…綺麗な女の人がお兄ちゃんの事呼んでるんだけど…。篠崎さんって人。知り合い?」
やっぱり、篠崎だった。
篠崎には家が近いし自然と一緒にカフェに行こうよと声をかけられていた。
ちなみに神代とは現地集合で落ちあう事になっている。
「ああ、一応友達。今日一緒に出かける約束をしてるんだ」
「…嘘でしょ!?こっちに来てからダサダサでダメダメなお兄ちゃんが!?デート!?」
妹よ…。お前、俺のことそういうふうに見ていたのか…。
「いや、デートじゃないよ。後もう一人と合流してカフェに行くだけ」
そう言う俺を妹は呆れたようなジト目で見ていた。
「…お兄ちゃん、仮にデートじゃないにしても、こんなおしゃれしてきてくれてる人に失礼だよ!もうちょっとオシャレしないと!」
「え?そう?でも、もう来ちゃってるし、今更無理だろ」
妹は俺にイラッとしたようでその場で地団駄を踏んでいた。
「~~!あーもう!お兄ちゃんの馬鹿!前髪あげて、コンタクトするだけでいいから!あと、服もいつも着てる奴じゃなくて、ほら昔楓ちゃんに選んでもらったジャケットとかあったでしょ。あれに着替えて!」
「…だけって、結構やることあるんだけど…そんな時間ないだろ」
「10分!いや5分だけ待っててもらって!」
「え?でも?」
「いいから!真人間になれるチャンスを逃しちゃダメ!返事は!」
「…はい」
そう言って、ドタバタと妹は俺の世話を焼いてくる。
…何故俺は今妹に世話を焼かれているのだろう?
そして真人間になるチャンスって…俺真っ当なのになぜ…?
疑問はあるものの妹の言われるがまま準備を進める俺。
この家のヒエラルキーは残念なことに
母さん>妹>父さん>俺の順番になっている。
こう言う時の妹に口答えしない方がいいのは分かりきっていた。
うわっ、マジでコンタクトなんてこっちにきてから初めてつけたぞ…。
コンタクトは少林寺をやっている時につけていたが、それ以外ではほとんどつけた事がない。半年以上前に買ったコンタクトだけど使用期限とか大丈夫なのだろうか…?
あれよという間に妹主導の即席のコーディネートが完成する。
「本当はもっと時間かけたいけど…最低限はこれでよし!お兄ちゃん、頑張ってね!」
「…まあ、楽しんでくるよ」
今回俺は神代のサポートするだけだから、とりわけ頑張ることもなければ、こんなおしゃれもいらないんだけどな…。
頑張るのは基本神代なのである。
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