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私の顔で魂も抜けるらしい(ヒロイン51と連動)
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高魔力持ちだと、にっこりと笑って言えば、ネルア嬢は何故か逆に顔色が悪くなる。何故ですか…
「…そ、れなら…なおさら、魔力がない…わたくしでは」
と、顔色を悪くしている原因を言われますが…またそれですか。
「ですからね、魔力って遺伝、全く関係しませんよ?」
「筆頭の…ディベル侯爵の長男次男は魔力なしですしね。結構王族の血が入ってから、両極端になりましたかね」
「言われてみればそう、ですね。それに、王都にいるのであれば、魔力がないほうが楽ですよ。中途半端に魔力がある生活に慣れていると、王都に来ると煩わしくてしようがないらしいです」
王都で…顔合わせの時にも言いましたし、結婚祝いの品を買いに出かけた時にも言ったはずですが。というか…魔力がないなら、それこそ王都に詰めていればいいだけですし。あのシステムがなくなった場合は困りますが、それはもう仕方ないとしか。一応、そうなった時でもいい様に、私が対策してますし、他にもちゃんと魔術が使えるやつも周りに置いてますしね。
レイにも聞き出すように言ってますが…結婚を渋る理由、それなんでしょうか。公爵も、その息子達も、特にルーヴェリア様へ卑下している風でもなかったですしね。まあ…ルーヴェリア様の…第一妃とした人が魔力なしの貴族の娘の末路、なんて事言ってましたが。自分で自分を卑下しているのでしょうかねぇ?
まあ、それはともかくとして。
「私との結婚を、未だに渋る理由、それですか?」
「っ…」
「最初から、そんなモノどうでもいいと申し上げておりますでしょう?」
言いながら手を取って、手の甲にキスをする。唇を手の甲に当てたまま、笑う。しっかりと、ネルア嬢の眼を見て。
「他には?」
そうして、そのままで問う。どうせなら、理由を聞きだしてしまいたい。いらないモノは、排除しなければ。
「さあ、こたえ、」
「筆頭」
て…おい、邪魔をするな。すっ…と、ネルア嬢の瞳から、口を挟んできたレイに目を向ければ。
「それ以上はネルア様が持ちません」
「ん?」
「あんたのその顔、さいっあくなんですよ」
「ん?顔?」
なんだかここに来てからしょっちゅう顔顔いわれますね。
「最悪って、どう最悪なんですか。まったく…人の顔で失礼ですね」
「鏡見てから言え」
「ちょ、レイ、駄目よそんな事を言っては」
「この人の顔で魂飛ばしそうになっているネルア様をお助けしたのですが」
ん。腰だけでなくて魂まで抜ける、と?
「ふむ、魂抜けるんですか…へぇ…でも、おかしいですね…ルーヴェリア様にもいつもこんなですよ?」
うーん。それならルーヴェリア様が魂抜けたり腰抜けたりしていないとおかしいんですが。鏡は見てませんが、自分がしてる顔の筋肉の動きは分かりますし。
「ルーヴェリア様は乳母兄弟ですし耐性があるんでしょうね。筆頭、護衛騎士になる前はいつもそんなでしたし。あんなに可愛らしかった子供時代、どこに置いて来たのかと思ったものですが…ちょいちょい出るので、安心したものです」
「嫌ですねぇ…これだから年嵩の者は嫌なんですよ…すぐ昔の事を引っ張り出して来るんですから。ほら見なさい。ネルア嬢が別の意味で魂飛ばしているじゃないですか」
執事は…一応、ルーヴェリア様が生まれてから私が育つまで、仮の筆頭でしたからね。私がもし筆頭になる事を拒否したり、能力的になれなかった場合、そのまま正式な筆頭になるのですが…まあ、年齢も年齢なので、代替わりも必要ですが。そんな事もあって、まあ…私達の事をよく知っているというか。後はまあ…私を止める役も、ですかね。戦闘狂が守り人ってちょっとどうかとおもいますが。
ネルア嬢が、ずっとあの顔とか耐えられない…と、ぶつぶつ言ってますが…耐えてもらわなくては、ね?
「…そ、れなら…なおさら、魔力がない…わたくしでは」
と、顔色を悪くしている原因を言われますが…またそれですか。
「ですからね、魔力って遺伝、全く関係しませんよ?」
「筆頭の…ディベル侯爵の長男次男は魔力なしですしね。結構王族の血が入ってから、両極端になりましたかね」
「言われてみればそう、ですね。それに、王都にいるのであれば、魔力がないほうが楽ですよ。中途半端に魔力がある生活に慣れていると、王都に来ると煩わしくてしようがないらしいです」
王都で…顔合わせの時にも言いましたし、結婚祝いの品を買いに出かけた時にも言ったはずですが。というか…魔力がないなら、それこそ王都に詰めていればいいだけですし。あのシステムがなくなった場合は困りますが、それはもう仕方ないとしか。一応、そうなった時でもいい様に、私が対策してますし、他にもちゃんと魔術が使えるやつも周りに置いてますしね。
レイにも聞き出すように言ってますが…結婚を渋る理由、それなんでしょうか。公爵も、その息子達も、特にルーヴェリア様へ卑下している風でもなかったですしね。まあ…ルーヴェリア様の…第一妃とした人が魔力なしの貴族の娘の末路、なんて事言ってましたが。自分で自分を卑下しているのでしょうかねぇ?
まあ、それはともかくとして。
「私との結婚を、未だに渋る理由、それですか?」
「っ…」
「最初から、そんなモノどうでもいいと申し上げておりますでしょう?」
言いながら手を取って、手の甲にキスをする。唇を手の甲に当てたまま、笑う。しっかりと、ネルア嬢の眼を見て。
「他には?」
そうして、そのままで問う。どうせなら、理由を聞きだしてしまいたい。いらないモノは、排除しなければ。
「さあ、こたえ、」
「筆頭」
て…おい、邪魔をするな。すっ…と、ネルア嬢の瞳から、口を挟んできたレイに目を向ければ。
「それ以上はネルア様が持ちません」
「ん?」
「あんたのその顔、さいっあくなんですよ」
「ん?顔?」
なんだかここに来てからしょっちゅう顔顔いわれますね。
「最悪って、どう最悪なんですか。まったく…人の顔で失礼ですね」
「鏡見てから言え」
「ちょ、レイ、駄目よそんな事を言っては」
「この人の顔で魂飛ばしそうになっているネルア様をお助けしたのですが」
ん。腰だけでなくて魂まで抜ける、と?
「ふむ、魂抜けるんですか…へぇ…でも、おかしいですね…ルーヴェリア様にもいつもこんなですよ?」
うーん。それならルーヴェリア様が魂抜けたり腰抜けたりしていないとおかしいんですが。鏡は見てませんが、自分がしてる顔の筋肉の動きは分かりますし。
「ルーヴェリア様は乳母兄弟ですし耐性があるんでしょうね。筆頭、護衛騎士になる前はいつもそんなでしたし。あんなに可愛らしかった子供時代、どこに置いて来たのかと思ったものですが…ちょいちょい出るので、安心したものです」
「嫌ですねぇ…これだから年嵩の者は嫌なんですよ…すぐ昔の事を引っ張り出して来るんですから。ほら見なさい。ネルア嬢が別の意味で魂飛ばしているじゃないですか」
執事は…一応、ルーヴェリア様が生まれてから私が育つまで、仮の筆頭でしたからね。私がもし筆頭になる事を拒否したり、能力的になれなかった場合、そのまま正式な筆頭になるのですが…まあ、年齢も年齢なので、代替わりも必要ですが。そんな事もあって、まあ…私達の事をよく知っているというか。後はまあ…私を止める役も、ですかね。戦闘狂が守り人ってちょっとどうかとおもいますが。
ネルア嬢が、ずっとあの顔とか耐えられない…と、ぶつぶつ言ってますが…耐えてもらわなくては、ね?
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