4 / 33
収納の少ない家屋(2)
しおりを挟む
必要な材料は木材くらいだろうか。
あと、色々と細かい素材とかも必要になるのだけれど、その所在を聞いたらミルファーが「それなら魔法で代用出来ますよ」と言っていた。
どれだけ魔法が便利なんだ! と言いたくなる研吾だが、楽に出来る分には助かる。
更に基礎工事も土魔法? というものの応用で一瞬で出来てしまうらしい。
そうなると必要になってくるものが建物部分の木材だけと言うことになる。
木材……数を集めるとそれなりの値段になるなと思っていたら「この国では三方にある大森林から切り取ってこればお金はいらないですよ」とミルファーから言われた。
なんでも、まだまだ未開の地なのだが、国を挙げて木を切ってしていくこともできず、そうなったらしい。
ただ、そこから運んでくるとなると時間がかかるかも……。
「ミルファー、大体普通の家一件分の木材を切り取って運ぶのにどのくらいの日数が必要だ?」
これは重要なことだった。その日数から人件費を割り出せる。木材の値段がかからないと言ってもこれは削ることの出来ない値段だからな。
「そうですね……。普通の家でしたら二日もあったら楽に運び出せると思いますよ」
「二……日……?」
なにか騙されたのかと思ったが、全然そんなことはないようだった。
ただ、今回は話がまとまった時点で既にバルドールが取りに行ってくれているようだ。出来たら見たかったが、それはまたあとからにしよう。
「では木材を待っている間に基礎の工事をしてしまいますね」
建物の中でももっとも要となる足下の部分。これをおろそかにすると簡単に家が崩れてしまう。そんな部分なのに本当に魔法で、それもすぐに出来るのだろうか?
「基礎のコンクリートを作るには水とセメント、あとは細骨材と粗骨材が必要だよね? どこに置いてあるの?」
「……? その材料は一体なんですか?」
「えっ、そ、それじゃあどうやって基礎を?」
「基礎する場所に水を撒いて魔法で地中の固硬石を砕いたものと混ぜれば基礎は出来ますよ」
「ごめん。一度見せてもらってもいい?」
研吾はミルファーの手を掴み、目と鼻の先まで顔を近づけて頼んでくる。
しかし、いきなり顔を近づけられたミルファーは恥ずかしさのあまりその場で固まってしまう。
「もう、いきなり顔を近づけないでください!」
ミルファーに怒られたので研吾は少し下がる。
すると早速始めるためにあたりに水を撒きはじめるミルファー。そして、地面に手をついて魔力を込めていく。ゆっくりと流す魔力を増やしていく。
すると地面だった所からコンクリートの塊が浮かび上がってくる。
これには研吾も驚いたようで口を開けたままそれを凝視していた。
「ちょ、ちょっと待って! 何もない所から基礎が生えてくるなんておかしいよね?」
「——別にどこもおかしくないですよ」
明らかにおかしな基礎の作り方をするミルファーに視線を送る。
「だって……うそ……」
研吾はその目の前の出来事を信じられずに思わず声が出る。
い、いや、こんな出し方で強度が取れるはずがない。
出来上がった基礎に近づいていくと手でバシバシ叩いてみる。
「……痛い」
「当たり前ですよ! 基礎なんですよ!」
当然だ。普通の基礎がその程度で壊れるはずがなかった。
「どうですか? これが土魔法の力ですよ」
魔法すごいな!
研吾は思わず自分も使いたくなる。
「魔法って誰でも使えるものなのか?」
「はい、練習は必要ですけど誰でも出来ますよ」
「それじゃあ教えてもらっても良いか?」
少しわくわくしながら研吾は聞いてみる。
するとミルファーは少し悩んだ後、「まだバルドールさんが帰ってきませんので少しやってみます?」と言ってくれる。
召喚されたときに魔法についてなにか言われていた気もするが、あの時は夢だと思っていて全て聞き覚えていなかった。
わくわくしながらミルファーが説明してくれるのを待つ研吾。
「まず、魔法ですけど、大気中の魔力を体内に取り入れて使います。この体内に取り入れられる魔力量には違いがありますので威力は変わりますが、相応の魔法を使うことが出来ます。ここまでは大丈夫ですか?」
そうミルファーが聞いてくるが初めから何のことを言っているのかわからない。
「えっと、どういうこと?」
「はぁ……、わかりました。まずは実践してみましょう。ではこうやって手をつきだしてください」
ミルファーに言われたとおりに研吾は手を前に出す。
「次に大気に語りかけてください。『風よ、吹け』って」
これも言われたまま行う。
「風よ、吹け。風よ、吹け……」
すると、ミルファーの周りには風が吹くが、研吾のそばには何も起こらない。
「……」
「……」
しばらく沈黙が空間を襲う。
「ケンゴ様……、もしかして魔法を使えないのですか?」
ミルファーは驚きの声を上げる。そういえば異世界人は魔法を使えない……ってことも言われた気がする。
研吾は乾いた笑みを浮かべつつ、魔法が使えないことを残念に思った。
それからしばらく待つとバルドールが大きな丸太を何本も抱えて持ってきた。
「えっ!? なんでそんなに持てるのですか!?」
一瞬流しそうになったけど普通一本も持てないよね。それを何本も……。
「ふぅ……、これはここに置いておけば良いか?」
丸太を下ろしていくバルドール。
もしかするとこの世界の木は軽いのだろうか?
研吾は丸太を持ち上げようと試みる。が当然持ち上がることはなかった。
「これ、なんで持てるのですか!?」
「簡単に上がるだろう? 強化魔法使えば」
さも当然のように言い放つバルドール。やはり魔法なのか……。
そして、バルドールは再び丸太を取りに行く。
まぁ素材が来たので組み立てる指示を出す。そして必要な形を紙に書き出してミルファーに渡すとミルファーが必要な形に切っていってくれる。
しかし、その切り方が独特だった。
手を突き出すと丸太が切れていく。いや、よく見ると手で斬っているのではなくてその先からなにかが出ている。
「それも魔法?」
「あっ、はい。風の魔法を使っています。これを使えば思うがままに切れるんですよ」
確かに便利だな。これがすぐにたてられる理由なのか……。
「ここまで便利な魔法があるなら家を建てるのも速いよね?」
「えっと、二週間もあれば完成しますね」
さすがに一日とかは言わなかったな。そう言われたら俺の出番がないでしょ! と言いたくなっただろうけど、それは安心した。
そして、再びバルドールが丸太を持ってきた。その速さ……一体どんな風にして取ってきているのだろう。そちらも気になってくる。
「ケンゴ様、こちらはこの指示の通りに作っていますから見に行ってきても大丈夫ですよ?」
「いいのか?」
「はい、そこまでソワソワされてたらいっぺん行ったほうが良いですよ」
そんな目に見えるほどの反応をしていたのか……。でもここはせっかくだからミルファーの言葉に甘えさせてもらおう。
「じゃあ、少し行ってくるから後は任せるよ」
「はい。わかりました」
研吾とバルドールはミルファーに見送られながら丸太を取りに行く。
町の門から外に出るとすぐのところに大森林が広がっていた。
「すごいですね……」
研吾は思わず感嘆の声を上げる。
するとバルドールは何がすごいのかわからずに一瞬止まったあと笑い声を上げる。
「こんなもんすごいこともないぞ。それじゃあ、俺は木を切っていくぞ」
そう言うとバルドールはすぐ近くの木に寄っていき、そして、それを思いっきり殴っていた。その殴られた木はめきめきという音を鳴らしながら倒れる。
「えぇぇぇ!? どうしてそれだけで木が倒れるのですか!?」
「……!? おかしなことを言うもんだな。殴ったら木なんて倒れるだろ」
「普通倒れませんよ!」
どうやらこの世界に自分の持っていた常識は通用しないようだ。まぁ役に立つことなので覚えておけば良いだろう。
研吾は木を倒しているバルドールを見ながらそんなことを考えていた。
そして、倒し終えた木を軽々と担ぐと町へと戻っていった。
研吾も何も持っていないのは申し訳ないとなんとか持とうとするが、やはり持てそうになかった。
バルドールと共に倉庫を作っている場所まで戻るとちょうどミルファーが少しずつ組み立てていってくれていた。
やはり魔法があるおかげか、作業が速いな……あれっ?
感心しながら出来ている部分を見て回るとちょうど階段に当たる部分。ミルファーに渡した図面では扉を描いておいたそこは、なぜか壁になっていた。
研吾は慌ててミルファーを呼ぶ。
「ミルファー、ここ! ここ壁になってるよ!」
「えっ、階段ですよね? 階段のところは壁ですよ?」
さも当然のように答えるミルファー。もしかしたらこの世界の基本的な建築には階段の下に収納を作らないのが普通なのかもしれない。少々複雑な形になるからな。自分で建築をしているのならそんな面倒なことをしないかもな。
とにかく、このままではダメなので研吾は直すように頼んでおいた。
ただ、目を離すのは少し怖かったのであとの木材運びはバルドールに任せ、研吾はミルファーに直接指示を出していくのだった。
あと、色々と細かい素材とかも必要になるのだけれど、その所在を聞いたらミルファーが「それなら魔法で代用出来ますよ」と言っていた。
どれだけ魔法が便利なんだ! と言いたくなる研吾だが、楽に出来る分には助かる。
更に基礎工事も土魔法? というものの応用で一瞬で出来てしまうらしい。
そうなると必要になってくるものが建物部分の木材だけと言うことになる。
木材……数を集めるとそれなりの値段になるなと思っていたら「この国では三方にある大森林から切り取ってこればお金はいらないですよ」とミルファーから言われた。
なんでも、まだまだ未開の地なのだが、国を挙げて木を切ってしていくこともできず、そうなったらしい。
ただ、そこから運んでくるとなると時間がかかるかも……。
「ミルファー、大体普通の家一件分の木材を切り取って運ぶのにどのくらいの日数が必要だ?」
これは重要なことだった。その日数から人件費を割り出せる。木材の値段がかからないと言ってもこれは削ることの出来ない値段だからな。
「そうですね……。普通の家でしたら二日もあったら楽に運び出せると思いますよ」
「二……日……?」
なにか騙されたのかと思ったが、全然そんなことはないようだった。
ただ、今回は話がまとまった時点で既にバルドールが取りに行ってくれているようだ。出来たら見たかったが、それはまたあとからにしよう。
「では木材を待っている間に基礎の工事をしてしまいますね」
建物の中でももっとも要となる足下の部分。これをおろそかにすると簡単に家が崩れてしまう。そんな部分なのに本当に魔法で、それもすぐに出来るのだろうか?
「基礎のコンクリートを作るには水とセメント、あとは細骨材と粗骨材が必要だよね? どこに置いてあるの?」
「……? その材料は一体なんですか?」
「えっ、そ、それじゃあどうやって基礎を?」
「基礎する場所に水を撒いて魔法で地中の固硬石を砕いたものと混ぜれば基礎は出来ますよ」
「ごめん。一度見せてもらってもいい?」
研吾はミルファーの手を掴み、目と鼻の先まで顔を近づけて頼んでくる。
しかし、いきなり顔を近づけられたミルファーは恥ずかしさのあまりその場で固まってしまう。
「もう、いきなり顔を近づけないでください!」
ミルファーに怒られたので研吾は少し下がる。
すると早速始めるためにあたりに水を撒きはじめるミルファー。そして、地面に手をついて魔力を込めていく。ゆっくりと流す魔力を増やしていく。
すると地面だった所からコンクリートの塊が浮かび上がってくる。
これには研吾も驚いたようで口を開けたままそれを凝視していた。
「ちょ、ちょっと待って! 何もない所から基礎が生えてくるなんておかしいよね?」
「——別にどこもおかしくないですよ」
明らかにおかしな基礎の作り方をするミルファーに視線を送る。
「だって……うそ……」
研吾はその目の前の出来事を信じられずに思わず声が出る。
い、いや、こんな出し方で強度が取れるはずがない。
出来上がった基礎に近づいていくと手でバシバシ叩いてみる。
「……痛い」
「当たり前ですよ! 基礎なんですよ!」
当然だ。普通の基礎がその程度で壊れるはずがなかった。
「どうですか? これが土魔法の力ですよ」
魔法すごいな!
研吾は思わず自分も使いたくなる。
「魔法って誰でも使えるものなのか?」
「はい、練習は必要ですけど誰でも出来ますよ」
「それじゃあ教えてもらっても良いか?」
少しわくわくしながら研吾は聞いてみる。
するとミルファーは少し悩んだ後、「まだバルドールさんが帰ってきませんので少しやってみます?」と言ってくれる。
召喚されたときに魔法についてなにか言われていた気もするが、あの時は夢だと思っていて全て聞き覚えていなかった。
わくわくしながらミルファーが説明してくれるのを待つ研吾。
「まず、魔法ですけど、大気中の魔力を体内に取り入れて使います。この体内に取り入れられる魔力量には違いがありますので威力は変わりますが、相応の魔法を使うことが出来ます。ここまでは大丈夫ですか?」
そうミルファーが聞いてくるが初めから何のことを言っているのかわからない。
「えっと、どういうこと?」
「はぁ……、わかりました。まずは実践してみましょう。ではこうやって手をつきだしてください」
ミルファーに言われたとおりに研吾は手を前に出す。
「次に大気に語りかけてください。『風よ、吹け』って」
これも言われたまま行う。
「風よ、吹け。風よ、吹け……」
すると、ミルファーの周りには風が吹くが、研吾のそばには何も起こらない。
「……」
「……」
しばらく沈黙が空間を襲う。
「ケンゴ様……、もしかして魔法を使えないのですか?」
ミルファーは驚きの声を上げる。そういえば異世界人は魔法を使えない……ってことも言われた気がする。
研吾は乾いた笑みを浮かべつつ、魔法が使えないことを残念に思った。
それからしばらく待つとバルドールが大きな丸太を何本も抱えて持ってきた。
「えっ!? なんでそんなに持てるのですか!?」
一瞬流しそうになったけど普通一本も持てないよね。それを何本も……。
「ふぅ……、これはここに置いておけば良いか?」
丸太を下ろしていくバルドール。
もしかするとこの世界の木は軽いのだろうか?
研吾は丸太を持ち上げようと試みる。が当然持ち上がることはなかった。
「これ、なんで持てるのですか!?」
「簡単に上がるだろう? 強化魔法使えば」
さも当然のように言い放つバルドール。やはり魔法なのか……。
そして、バルドールは再び丸太を取りに行く。
まぁ素材が来たので組み立てる指示を出す。そして必要な形を紙に書き出してミルファーに渡すとミルファーが必要な形に切っていってくれる。
しかし、その切り方が独特だった。
手を突き出すと丸太が切れていく。いや、よく見ると手で斬っているのではなくてその先からなにかが出ている。
「それも魔法?」
「あっ、はい。風の魔法を使っています。これを使えば思うがままに切れるんですよ」
確かに便利だな。これがすぐにたてられる理由なのか……。
「ここまで便利な魔法があるなら家を建てるのも速いよね?」
「えっと、二週間もあれば完成しますね」
さすがに一日とかは言わなかったな。そう言われたら俺の出番がないでしょ! と言いたくなっただろうけど、それは安心した。
そして、再びバルドールが丸太を持ってきた。その速さ……一体どんな風にして取ってきているのだろう。そちらも気になってくる。
「ケンゴ様、こちらはこの指示の通りに作っていますから見に行ってきても大丈夫ですよ?」
「いいのか?」
「はい、そこまでソワソワされてたらいっぺん行ったほうが良いですよ」
そんな目に見えるほどの反応をしていたのか……。でもここはせっかくだからミルファーの言葉に甘えさせてもらおう。
「じゃあ、少し行ってくるから後は任せるよ」
「はい。わかりました」
研吾とバルドールはミルファーに見送られながら丸太を取りに行く。
町の門から外に出るとすぐのところに大森林が広がっていた。
「すごいですね……」
研吾は思わず感嘆の声を上げる。
するとバルドールは何がすごいのかわからずに一瞬止まったあと笑い声を上げる。
「こんなもんすごいこともないぞ。それじゃあ、俺は木を切っていくぞ」
そう言うとバルドールはすぐ近くの木に寄っていき、そして、それを思いっきり殴っていた。その殴られた木はめきめきという音を鳴らしながら倒れる。
「えぇぇぇ!? どうしてそれだけで木が倒れるのですか!?」
「……!? おかしなことを言うもんだな。殴ったら木なんて倒れるだろ」
「普通倒れませんよ!」
どうやらこの世界に自分の持っていた常識は通用しないようだ。まぁ役に立つことなので覚えておけば良いだろう。
研吾は木を倒しているバルドールを見ながらそんなことを考えていた。
そして、倒し終えた木を軽々と担ぐと町へと戻っていった。
研吾も何も持っていないのは申し訳ないとなんとか持とうとするが、やはり持てそうになかった。
バルドールと共に倉庫を作っている場所まで戻るとちょうどミルファーが少しずつ組み立てていってくれていた。
やはり魔法があるおかげか、作業が速いな……あれっ?
感心しながら出来ている部分を見て回るとちょうど階段に当たる部分。ミルファーに渡した図面では扉を描いておいたそこは、なぜか壁になっていた。
研吾は慌ててミルファーを呼ぶ。
「ミルファー、ここ! ここ壁になってるよ!」
「えっ、階段ですよね? 階段のところは壁ですよ?」
さも当然のように答えるミルファー。もしかしたらこの世界の基本的な建築には階段の下に収納を作らないのが普通なのかもしれない。少々複雑な形になるからな。自分で建築をしているのならそんな面倒なことをしないかもな。
とにかく、このままではダメなので研吾は直すように頼んでおいた。
ただ、目を離すのは少し怖かったのであとの木材運びはバルドールに任せ、研吾はミルファーに直接指示を出していくのだった。
1
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる