俺の彼女がウブすぎる ~初々しい二人は一緒に帰ったことをきっかけに仲を深める~

空野進

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 嬉しそうな表情を浮かべる佐倉と一緒に学校へと向かっていく。


「えへへっ、有紗ちゃんの料理、美味しいんだよね……」


 結衣は嬉しそうに頬を染めていた。
 そんな彼女を見かねて佐倉が小声で教える。

 すると結衣は一瞬で顔を真っ赤に染め上げ、必死に首を横に振っていた。


「わ、私、そんなことしてないよ! た、ただ、一緒にお菓子を食べて……そんお、すこし寝ちゃっただけだよ」
「やっぱり一緒に寝たんだよね?」
「い、一緒には寝てないよー」


 どうやら完全に話がかみ合っていない様子だった。
 だから俺も話しに参加する。


「えっと、ただ、結衣は疲れて寝ちゃっただけだ。佐倉が考えているようなことは一切していないぞ?」
「ほ、本当に? だって部屋に二人きりだったんでしょ?」
「い、いえ、真奈もいました」
「あー……、真奈ちゃんがいたんだ……。うん、大体わかったよ。それなら今度は二人っきりでどこかに行かないとね。誰にも邪魔されないような所に……」
「えっと、そうだね……。でも、今はテスト勉強が大事かな」
「うん、頼りにしてるよ」


 佐倉はにっこりと微笑む。





 そして、放課後になり、俺たちは学校の図書室に集まっていた。


「本当なら結衣ちゃんの家に行こうと思ったけど、これだけ人数が集まったらね……」


 俺、結衣、佐倉の他に相場もなぜかこの場に来ていた。


「いや、だって柏木が勉強を教えてくれるんだろう? それなら来るしかないだろう」


 笑みを浮かべながら答える相場。


「まぁ結衣ちゃんは成績優秀だもんね」
「そ、そんなことないよー。それを言うなら有紗ちゃんも頭良いでしょ?」
「私は結衣ちゃんに教えて貰ってようやくだしね……」


 二人で嬉しそうに話し合っているのを横目に相場が小声で話しかけてくる。


「なぁ、俺たちがここにいて本当に良かったのか?」
「まぁ俺は直接結衣から誘われたからな」
「だ、大丈夫だよ。二人とも……。だから一緒に勉強しよう?」


 すこし慌てた口調で答える結衣。


「それより、あまり大声で話さないでね。一応ここは図書室なんだから……」


 結衣がひそひそと小声でいう。
 よく見ると周りにいる人たちが俺たちに視線を向けてきていた。

 すこし鋭い視線を向けてきていることから騒ぎすぎたようだ。
 軽く頭を下げたあと、勉強に意識を向ける。





それから夕方になるまで俺たちは勉強を続けていた。


「あっ、もうこんな時間だな」
「本当だ、そろそろ帰らないとね」


 結衣と話をしていると佐倉が相場の手を取る。


「それじゃあ私たちは先に帰るからあとは二人ゆっくり帰ってきてね」
「お、おい、俺は――」
「なによ、男なんでしょ? こんな夜に女一人で帰らせる気?」
「夜ってまだ明るいじゃないか」


 二人は言い合いながら図書室を出て行く。


「えっと、二人ってなんだかんだで仲が良いのか?」
「あまり聞いたことがないかな……」


 結衣は苦笑を浮かべる。


「それじゃあ俺たちも帰るか」
「うんっ」


 そして、当然のように手を繋いで一緒に帰っていく。

 その帰り道……。


「テストが終わったらどこに行こうか……」
「せっかくの夏だもんね。でも、せっかくだからパーッと遊びに行きたいよね?」


 結衣からそんな言葉が出るとは思わなかった。
 ……と思ったら、その言葉にはまだ続きがあった。


「みんなで――」


 それを聞いた俺は思わず苦笑してしまう。
 ただ、それはそれで面白そうだからな。


「そうだな。明日みんなに聞いてみるか」
「うんっ」


 結衣が笑顔を見せてくれる。
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