2 / 21
第2話:収益化
しおりを挟む
:おい、昨日の動画を見たか?
:どれのことだ?
:ダンジョンの奴か?
:あぁ、見たぞ。ダンジョンマスターが配信してる奴だろう?
:ダンジョンマスターが配信って珍しいよな。
:あんなにかわいい子がダンジョンマスターのはずがない!
:男……なんだよな?
:冒険者組合に確認したら、確かにダンジョンマスターで、しかも男らしい
:肩より長い銀髪と童顔……。見た目は少女にしかみえないな
:思わずお気に入りに入れてしまった……
奏が心地よく眠りについている中、動画のコメント欄やSNSでは、奏の配信について持ちきりだった。
そもそも、ダンジョンマスターが配信した、ということで、冒険者たちからは注目されていた。
告知なしのライブ配信だったので、生放送を見れた人はほとんどいなかった。
しかし、配信を知った人が徐々に見ていき、いつしかその動画は話題の中心になっていた。
◇◇◇
「ふわぁぁぁ……、よく寝た……」
配信をした翌日。
僕は配信の疲れが出たのか、気がつくと昼前まで眠ってしまった。
でも、ダンジョン内で問題が発生したら、マスターに報告がくる。
それがなかったということは、問題は起きなかったようだ。
「えっと、朝ご飯……、の前に一応冒険者が来たか確認しないと……」
モニターをいくつか表示させるとダンジョン内の様子と、ステータスを確認する。
ダンジョン内はスライムが眠っているくらいで、何も変化はない。
――――――――――――――――――――
№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 クリア特典:なし
所持DP:9
【モンスター】
スライム:LV1(1/1)
【ダンジョン侵入者数】
今日:0 昨日:0
【配信視聴者数】
今日:25,412 昨日:0
【インセンティブ(DP)】
今日:0 昨日:0
――――――――――――――――――――
「やっぱりダンジョンに来た人は0なんだ。いつもと変わらない人数……あれっ?」
配信を開始したからか、ダンジョンステータスの項目に【配信視聴者数】が追加されていた。
……そこまではよかったのだが、問題はその人数にあった。
見間違いかな?
目を擦り、もう一度ダンジョンステータスを見る。
やはりそこには二万人を超える視聴者数が書かれていた。
「あれっ? モニターが壊れた?」
今も止まることなく増え続けてるその数字を見て、まず故障を疑ってしまう。
このモニターはあくまでもスキルで出した物なので、壊れることはないのだが……。
「えっと、モニターを直すには斜め四五度からこう……!」
スカッ!
モニターは実態があるわけではないので、当然ながら振り上げた手は空を切っていた。
「あ、あれっ? そ、そうか……。えっと、それなら直接おかしい部分を操作して――」
視聴者の部分を触ると、昨日配信した動画が表示される。
もちろん、そこに書かれていた視聴者数は先ほどに近い数字だった。
「な、何が起きてるんだろう? あっ、収益化の条件も満たしてる……」
早速申請しておく。
これで、DP収入の目処がついた。
どのくらい入ってくるのかは未知数だけど。
とにかく下りて、すぐに配信できるように準備を始める。
残りDPは9。
それで何ができるかを考える。
「まずは朝食かな。えっと、パンでDP1だから……、残り8か」
手元に現れた普通のパンを頬張りながら、ダンジョンの強化メニューを開いていた。
●魔物
●内装
●罠・宝
メニューに表示されている項目はこの三つ。
今回はダンジョンらしさ、を優先して【内装】の項目を開いてみる。
「基本的に通路の設定だね。えっと、1メートルの通路を作るのに1DP。……高くない?」
今のカナタダンジョンはただの大空間しかなかった。
それをダンジョンらしくするには、道を作っていくしかないがDPの消費が意外と激しそうだった。
「うーん、仕方ない。今回は配信映えするようにライブで通る部分だけ作ろうかな?」
とりあえず1メートルだけ購入してみる。
すると、目の前に現在のダンジョン地図が3Dで表示される。
ここに指で線を加えれば、それだけで通路ができるらしい。
でも、1メートル分……。
一瞬で終わってしまう。
「……さすがに、これだけじゃ少ないよな?」
せめて奥が見えない程度には広げておきたい。
そう考えるとDPの大半を通路につぎ込んでしまっていた。
「ふう……、とりあえず、これでよしとするかな?」
通路に使ったDPは7。
ダンジョン入り口にある大空間から続くこと5メートル。
二本の分岐路ができあがっている。
作り上げたのはそこまで。
現状だとどちらも行き止まりなので、ある意味罠だろう。
そして、魔物はスライムだけ……。
これで本当に配信映えするのだろうか?
たまたま前回が跳ねただけで、次は全く見て貰えないんじゃないだろうか?
そんな恐怖も襲ってくる。
「大丈夫……。見てもらえるはず……」
ブルブルと震えながら恐怖と戦っていると、突然モニターから電子音が鳴る。
ピコーン!
「何の音? ……あっ」
どうやらメールが届いたようだった。
その内容は『収益化が下りました』だった。
「えっ、早くない? あっ、ダンジョンマスターはすぐに許可が出るんだ……」
これで、DPを稼ぎ出す方法が整った。
あとは頑張るだけ……。
二度目の配信、ということもあり、少しは緊張が解れるかと思ったけど、そんなことはなかった。
少し震えながら、僕は配信の準備を始めていった。
:どれのことだ?
:ダンジョンの奴か?
:あぁ、見たぞ。ダンジョンマスターが配信してる奴だろう?
:ダンジョンマスターが配信って珍しいよな。
:あんなにかわいい子がダンジョンマスターのはずがない!
:男……なんだよな?
:冒険者組合に確認したら、確かにダンジョンマスターで、しかも男らしい
:肩より長い銀髪と童顔……。見た目は少女にしかみえないな
:思わずお気に入りに入れてしまった……
奏が心地よく眠りについている中、動画のコメント欄やSNSでは、奏の配信について持ちきりだった。
そもそも、ダンジョンマスターが配信した、ということで、冒険者たちからは注目されていた。
告知なしのライブ配信だったので、生放送を見れた人はほとんどいなかった。
しかし、配信を知った人が徐々に見ていき、いつしかその動画は話題の中心になっていた。
◇◇◇
「ふわぁぁぁ……、よく寝た……」
配信をした翌日。
僕は配信の疲れが出たのか、気がつくと昼前まで眠ってしまった。
でも、ダンジョン内で問題が発生したら、マスターに報告がくる。
それがなかったということは、問題は起きなかったようだ。
「えっと、朝ご飯……、の前に一応冒険者が来たか確認しないと……」
モニターをいくつか表示させるとダンジョン内の様子と、ステータスを確認する。
ダンジョン内はスライムが眠っているくらいで、何も変化はない。
――――――――――――――――――――
№1524【カナタダンジョン】
マスター:如月奏
ランク :F LV :1 階層数 :1 クリア特典:なし
所持DP:9
【モンスター】
スライム:LV1(1/1)
【ダンジョン侵入者数】
今日:0 昨日:0
【配信視聴者数】
今日:25,412 昨日:0
【インセンティブ(DP)】
今日:0 昨日:0
――――――――――――――――――――
「やっぱりダンジョンに来た人は0なんだ。いつもと変わらない人数……あれっ?」
配信を開始したからか、ダンジョンステータスの項目に【配信視聴者数】が追加されていた。
……そこまではよかったのだが、問題はその人数にあった。
見間違いかな?
目を擦り、もう一度ダンジョンステータスを見る。
やはりそこには二万人を超える視聴者数が書かれていた。
「あれっ? モニターが壊れた?」
今も止まることなく増え続けてるその数字を見て、まず故障を疑ってしまう。
このモニターはあくまでもスキルで出した物なので、壊れることはないのだが……。
「えっと、モニターを直すには斜め四五度からこう……!」
スカッ!
モニターは実態があるわけではないので、当然ながら振り上げた手は空を切っていた。
「あ、あれっ? そ、そうか……。えっと、それなら直接おかしい部分を操作して――」
視聴者の部分を触ると、昨日配信した動画が表示される。
もちろん、そこに書かれていた視聴者数は先ほどに近い数字だった。
「な、何が起きてるんだろう? あっ、収益化の条件も満たしてる……」
早速申請しておく。
これで、DP収入の目処がついた。
どのくらい入ってくるのかは未知数だけど。
とにかく下りて、すぐに配信できるように準備を始める。
残りDPは9。
それで何ができるかを考える。
「まずは朝食かな。えっと、パンでDP1だから……、残り8か」
手元に現れた普通のパンを頬張りながら、ダンジョンの強化メニューを開いていた。
●魔物
●内装
●罠・宝
メニューに表示されている項目はこの三つ。
今回はダンジョンらしさ、を優先して【内装】の項目を開いてみる。
「基本的に通路の設定だね。えっと、1メートルの通路を作るのに1DP。……高くない?」
今のカナタダンジョンはただの大空間しかなかった。
それをダンジョンらしくするには、道を作っていくしかないがDPの消費が意外と激しそうだった。
「うーん、仕方ない。今回は配信映えするようにライブで通る部分だけ作ろうかな?」
とりあえず1メートルだけ購入してみる。
すると、目の前に現在のダンジョン地図が3Dで表示される。
ここに指で線を加えれば、それだけで通路ができるらしい。
でも、1メートル分……。
一瞬で終わってしまう。
「……さすがに、これだけじゃ少ないよな?」
せめて奥が見えない程度には広げておきたい。
そう考えるとDPの大半を通路につぎ込んでしまっていた。
「ふう……、とりあえず、これでよしとするかな?」
通路に使ったDPは7。
ダンジョン入り口にある大空間から続くこと5メートル。
二本の分岐路ができあがっている。
作り上げたのはそこまで。
現状だとどちらも行き止まりなので、ある意味罠だろう。
そして、魔物はスライムだけ……。
これで本当に配信映えするのだろうか?
たまたま前回が跳ねただけで、次は全く見て貰えないんじゃないだろうか?
そんな恐怖も襲ってくる。
「大丈夫……。見てもらえるはず……」
ブルブルと震えながら恐怖と戦っていると、突然モニターから電子音が鳴る。
ピコーン!
「何の音? ……あっ」
どうやらメールが届いたようだった。
その内容は『収益化が下りました』だった。
「えっ、早くない? あっ、ダンジョンマスターはすぐに許可が出るんだ……」
これで、DPを稼ぎ出す方法が整った。
あとは頑張るだけ……。
二度目の配信、ということもあり、少しは緊張が解れるかと思ったけど、そんなことはなかった。
少し震えながら、僕は配信の準備を始めていった。
1
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる