ダンジョンマスター配信中!~投げ銭(スパチャ)で楽々ダンジョン強化〜

空野進

文字の大きさ
10 / 21

第10話:配信でダンジョンを作る、スパチャをもらう(永久機関)

しおりを挟む
 夕方になると配信の準備をしていた。
 僕の隣にはガチガチに緊張した遥。

 さすがに突然配信するとなるとそうなるよね。
 僕も最初はそうだったから。

 逆に遥が緊張してくれているおかげで僕は落ち着いていられた。
 それがありがたかった。

 遥に微笑みかけると、僕は配信を開始していた、



「みなさん、こんばんは。今日もライブ配信に来てくれてありがとうございます。今日はダンジョンの改造を行っていこうと思いますが、その前に僕のことを手伝ってくれることになった遥を紹介します」

「あ、あのあの……、えっと、わ、私は牧原遥まきはらはるか……です。よ、よろしくおねがいします」



 挨拶だけはモニターをカメラにしている。
 さすがに目の前で撮られているとわかると緊張してしまうのは仕方ないことだった。



「あいさつが終わったから、このモニターは避けておくよ。目の前にあるとやっぱり緊張するもんね」

「えと……、そ、そうですよね。ありがとうございま……」



 遥は顔を真っ赤にして、何度も頷いてくる。
 やはり、かなり緊張していたようだ。
 僕も最初はそうだったので、よくわかる。



 録画しているモニターを消すと、モニターなしで自動的に録画してくれるようになる。
 むしろ、わざわざモニターを配置したのは、自己紹介中に勝手に映す場所を変えないためでしかないのだから。



 さっそく僕たちは今回の配信の目的である二階層へ移動する。

 ボス部屋の奥にある階段から下りると広い空間が広がっていた。
 回り一体が土の壁である大空間。
 それはまるでダンジョンの入り口のようであった。



「さて、まずは何から始めようかな?」

「さすがにこの空間だけだと手狭だから、ダンジョンを広くするところからじゃないですか?」

「それもそうだね。通路から作り始めるかな? みんなはどんなものを作ったらいいと思う?」



 視聴者の人にも意見を求めてみる
 せっかくなので、側にモニターを浮かせ、すぐにコメントを見られるようにしておく。
 すると、大量のコメントが流れるように打ち込まれていた。



:Sランクの魔物を召喚しよう
:迷子になるように迷宮にしよう
:通路だな
:ホテルでも作るか
:宝部屋が欲しいな
:スラ妖精でレベルを上げたい



 そして、書かれるのはコメントだけには留まらない。



――――――――――――――――――――
初心者冒険者
¥1,000

スラ妖精を頼む
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
現代に現れし魔王
¥100

ふははっ、これでダンジョンを整えるといい
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
黒の勇者
¥10,000

世界の半分をお前にやろう
――――――――――――――――――――



 思い思いのコメントが流れる。
 ただ、やはり経験値を多くくれるスラ妖精がほしい……というコメントが多い気がする。



「スラ妖精か……。Dランクモンスターだけど、召喚するのに100DPも使うんだよね……」

「100DP? どのくらいになるのですか?」

「あっ、そっか……。遥には1DPがどのくらいか教えてなかったよね」



 僕は1DPが200円で交換できること。
 だいたいスパチャは9割、配信収益は視聴者の1割が僕に入ってくることを説明した。
 他の人だと変わる場合があるけど、ダンジョンマスターである僕は大体この辺りだった。

 さすがにそれを説明している間はミュートにしていたが――。



「つまりスラ妖精を召喚するにはたくさんお金がいるってことですね」

「うん、そういうことかな」



 遥の質問に答えただけのつもりだったが、その瞬間にスパチャが大量に送られてきてしまう。



――――――――――――――――――――
冒険者っぽい人
¥10,000

スラ妖精を頼む
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
冒険者になりたい魔族A
¥20,000

投げたらスラ妖精大量のダンジョンが作られると聞いて
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
貧乏商人
¥5,000

すまん、今日はこれだけしかないけど、スラ妖精を
――――――――――――――――――――



 一気にスパチャの額が増えてしまう。
 ここまでもらっては僕自身も動かないと行けない。


「うん、みんなの希望はわかったよ。それなら、今日入ってきたスパチャは全部スラ妖精を消化するのに使うね。これでどうかな?」



 今でもすでにスラ妖精を二体召喚できるほどのスパチャが入ってきている。
 実際に本当に召喚するところを見せるために、スラ妖精を召喚する。



「僕たちは別にダンジョンを広げていくから、スパチャが貯まるたびに一体召喚するね。あと、要望が多いから、この二階層はスラ妖精だけしかいないようにするよ。一階層にいたスラ妖精も移しておいて……と」



 二体のスラ妖精が僕たちを囲むようにぐるぐると回る。
 それを見た瞬間にコメント欄が歓喜に満ち溢れ、色付きメッセージ以外全く流れない、カラフルなコメント欄に変わっていた。



――――――――――――――――――――
黄昏の剣士
¥10,000

投げろ投げろ! ボーナスタイムだ
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
配信系 Dtuber 田中
¥50,000

新しい狩り場誕生か!?
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
魔王になりたかった一般人
¥30,000

俺もレベルを上げたら魔王になれるかな?
――――――――――――――――――――



 いや、カラフルですらなくなりつつあった。
 怒涛の赤スパチャが奏を襲う。



「ちょ、ちょっと待って!? おかしい、おかしいよ!? いくらなんでも投げすぎだから!? い、一体、どのくらいのスラ妖精を召喚しないといけないの?」

「いろんなレベルのスラ妖精が出せますね。普通のやつの他に、金色とか白銀色とか、噂ではダイヤモンド並みの強度を持つダイヤスラ妖精がいると聞いたことがありますよ。私も見たことはないですけど、とんでもない経験値を持ってるとか――」

「うーん、確かにいるね。ダイヤスラ妖精。でも、ランクはSで召喚DPは2万らしいね。流石に手が出ないかな……。お金でいうなら450万近くいることになるし……」



 しかし、この言葉を皮切りにコメント欄が更に加速することになる。



――――――――――――――――――――
メタル冒険者
¥50,000

おい、聞いたな? 450万貯まれば、ダイヤスラ妖精を召喚してもらえるぞ?
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
全損冒険者
¥50,000

装備を買うために貯めてたけど、ここで放つべきか
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
Cランク冒険者C
¥50,000

一体どのくらい経験値をもらえるんだろうな?
――――――――――――――――――――



 すっかりダイヤスラ妖精を召喚して貰えるつもりでいるらしい。
 いや、お金が貯まったら召喚するけど、本当に良いのかな?

 僕はモニターで召喚のページを開きながら、苦笑をしていた。



―――――――――――――――――――――
レベル:60 種族:ダイヤスラ妖精(ランク:S)
HP:100/100 MP:1,000,000/1,000,000
筋力:200 耐久:5,110 魔力:2,000 精神:2,000 速度:5,110
スキル:【逃げ足(LV:10)】【経験値増(LV:10)】【極大魔法(LV:10)】【全体攻撃(LV:10)】【会心無効(LV:10)】【物理反射(LV:5)】【魔法無効(LV:10)】
経験値:500,000,000 お金:500円
―――――――――――――――――――――



 攻撃、ほとんど効かない魔物なんだけど……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...