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それからしばらくすると予想通り依頼が数多くくるようになっていた。
そのどれもが戦争に絡んでそうな依頼ばかりだった。
「はぁ……、こんな依頼しかないのか……」
ブラークから受け取った依頼の紙を見てカイはため息を吐いていた。
紙に書かれていた相手は兵士団長や国の中でも重要な役職のものばかり。
さすがに今のこの状況で狙えるような相手ではなかった。
「まぁ、仕方ないな。どうする、どれか受けるか?」
「いや、できない仕事を受ける気はない」
「だろうな。とりあえずこれでも厳選したんだぞ?」
「これで……か」
カイは苦笑を浮かべる。
まぁ戦争前だからな。仕方ないことだけどな。
「あとは……、面白い依頼も来てるぞ」
ニヤリと微笑むブラーク。
見せてきた紙は強欲宛と正義の味方宛の二種類だった。
そして、暗殺対象は……。
「なるほどな……。確かにこれは面白い」
カイが見ていた紙に書かれている名前は正体不明だった。
「二人とも同時できていたということは依頼人は同一の人物か……」
「あぁ、もちろんだ。この国の冒険者ギルド長だな」
「奴か……」
「まぁカイは以前Sランク冒険者を殺ってるからな。狙われるのも仕方ないだろう。そういえば、誘惑のやつもカイを狙っていたが、それももしかして――」
「あぁ、この件が理由だな。あとは殺しの冒険者にも依頼がいってるな」
「――なるほどな。やつもSランク冒険者だからな。こういう件だとまず話がいくか……」
「とりあえず話だけ聞きにいくか。場合によってはその場でやってくるよ。そうすれば誘惑に狙われる理由もなくなるからな」
「でも、どうやって?」
「わざわざ正義の味方の方に依頼を出してくれてるんだ。それで話すことくらいできるからな」
「まぁ、気をつけてくれ。ギルド長も元Sランク冒険者と聞いたことがあるからな」
「わかったよ。それじゃあ今晩にでも少し話をしてくる」
「それで、残りの依頼はどうするんだ?」
「焚き火にでもして温まるといいぞ」
「そうだな……って今は夏だぞ!焚き火なんてあるはずないだろ!」
ブラークが声を荒げていた。
「ははっ、まぁ破棄しておいてくれってことだ」
「わかったよ。とりあえず戦争がらみの依頼は俺のところでストップしておくよ」
「頼んだ。それとチル、今晩は少し出かけるから先に休んでおいてくれ」
「わかりました。頑張ってくださいね」
「できれば頑張らずに終わってくれるとありがたいんだがな」
カイは苦笑しながら喫茶店を出て行った。
◇
念のために夜出かける前に冒険者ギルドの下見へとやってきた。
何度もきたことのある場所だが、何か状況が変わっているかもしれないので、念のための行動だった。
ギルド内は相変わらず酒場のような雰囲気で、お世辞にも中に入りやすくは見えない。
以前と変わらない雰囲気ならギルド長も奥の部屋だな。
簡単に入る方法はない。
特に今のギルド長はかなり警戒しているはずだ。
怪しい人物は一切近づけない……くらいのことをしていてもおかしくない。
まぁいくつも窓はあるし、ギルド長の部屋も知っているので侵入は簡単だ。
あとは……、特に問題はなさそうか。
一応魔法的なものが仕掛けられているかも調べておきたいところだな。
まぁそこまでしてると怪しまれてしまうからできないが。
「潜入に必要な情報は足りるな。あとは念のために姿を偽装……まではしなくていいか。冒険者の姿でいけばとりあえず怪しまれた時の言い訳は立つわけだし。あとは……、ナイフが足りなくなってきたからな。買い足しておくかな」
そのどれもが戦争に絡んでそうな依頼ばかりだった。
「はぁ……、こんな依頼しかないのか……」
ブラークから受け取った依頼の紙を見てカイはため息を吐いていた。
紙に書かれていた相手は兵士団長や国の中でも重要な役職のものばかり。
さすがに今のこの状況で狙えるような相手ではなかった。
「まぁ、仕方ないな。どうする、どれか受けるか?」
「いや、できない仕事を受ける気はない」
「だろうな。とりあえずこれでも厳選したんだぞ?」
「これで……か」
カイは苦笑を浮かべる。
まぁ戦争前だからな。仕方ないことだけどな。
「あとは……、面白い依頼も来てるぞ」
ニヤリと微笑むブラーク。
見せてきた紙は強欲宛と正義の味方宛の二種類だった。
そして、暗殺対象は……。
「なるほどな……。確かにこれは面白い」
カイが見ていた紙に書かれている名前は正体不明だった。
「二人とも同時できていたということは依頼人は同一の人物か……」
「あぁ、もちろんだ。この国の冒険者ギルド長だな」
「奴か……」
「まぁカイは以前Sランク冒険者を殺ってるからな。狙われるのも仕方ないだろう。そういえば、誘惑のやつもカイを狙っていたが、それももしかして――」
「あぁ、この件が理由だな。あとは殺しの冒険者にも依頼がいってるな」
「――なるほどな。やつもSランク冒険者だからな。こういう件だとまず話がいくか……」
「とりあえず話だけ聞きにいくか。場合によってはその場でやってくるよ。そうすれば誘惑に狙われる理由もなくなるからな」
「でも、どうやって?」
「わざわざ正義の味方の方に依頼を出してくれてるんだ。それで話すことくらいできるからな」
「まぁ、気をつけてくれ。ギルド長も元Sランク冒険者と聞いたことがあるからな」
「わかったよ。それじゃあ今晩にでも少し話をしてくる」
「それで、残りの依頼はどうするんだ?」
「焚き火にでもして温まるといいぞ」
「そうだな……って今は夏だぞ!焚き火なんてあるはずないだろ!」
ブラークが声を荒げていた。
「ははっ、まぁ破棄しておいてくれってことだ」
「わかったよ。とりあえず戦争がらみの依頼は俺のところでストップしておくよ」
「頼んだ。それとチル、今晩は少し出かけるから先に休んでおいてくれ」
「わかりました。頑張ってくださいね」
「できれば頑張らずに終わってくれるとありがたいんだがな」
カイは苦笑しながら喫茶店を出て行った。
◇
念のために夜出かける前に冒険者ギルドの下見へとやってきた。
何度もきたことのある場所だが、何か状況が変わっているかもしれないので、念のための行動だった。
ギルド内は相変わらず酒場のような雰囲気で、お世辞にも中に入りやすくは見えない。
以前と変わらない雰囲気ならギルド長も奥の部屋だな。
簡単に入る方法はない。
特に今のギルド長はかなり警戒しているはずだ。
怪しい人物は一切近づけない……くらいのことをしていてもおかしくない。
まぁいくつも窓はあるし、ギルド長の部屋も知っているので侵入は簡単だ。
あとは……、特に問題はなさそうか。
一応魔法的なものが仕掛けられているかも調べておきたいところだな。
まぁそこまでしてると怪しまれてしまうからできないが。
「潜入に必要な情報は足りるな。あとは念のために姿を偽装……まではしなくていいか。冒険者の姿でいけばとりあえず怪しまれた時の言い訳は立つわけだし。あとは……、ナイフが足りなくなってきたからな。買い足しておくかな」
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