笑顔で異世界救います!?

綺羅姫

文字の大きさ
31 / 33
騎士団編

28

しおりを挟む
純白の光が視界を満たす。
はっきり言ってものすごく眩しい。指先から魔力がいつもの倍以上のスピードでどんどん抜かれていく感覚はいくら私の魔力が多いと言っても少しきついところだ。

「‥‥‥っ」

「おい、これ本当に大丈夫なのかよ!?」

「大丈夫です!私を信じて!!」

 手をかざし続けると光は益々強く、大きく、お父様を治すだけではなくこの空間に広がって行った。止めないと広がっていくのはよく分かっているけどまだ止める気にはならない。
壁に開けた穴で毒を含んだ空気もすっと抜けて癒しの効果が全員に広がれば苦しむ人はいなくなる。

全員が治る。





 その内に皆の楽になった呼吸が聞こえて来た。
さっきまでの苦しそうなヒューヒューゼーゼーとした喘息のような音ではなくなった。それと同時に光は弱まりだんだんと僅かに微笑みすら浮かべられるようなった皆の顔が見えた。

「ありがとう、ございます。アメリア様」

「マーサ!!大丈夫なの?ごめんなさい、私が‥‥‥私のせいでっ!!この屋敷に皆を、置いたまま行ってしまったから!」

「はい‥‥‥アメリア様の〔おかげ〕で私は今もこうして息をすることが出来るのですよ」

毒が抜けて意識を取り戻した人がマーサに続き次々にありがとう、助かりました!と声をかけてくれる。癒しは体力まで回復させるわけではないので声は弱々しいけど私に聞こえるように届けてくれる。
皆、優しい‥‥‥。涙が溢れそうだ。

「マーサ‥‥‥皆っ!!」

「アメリア、皆を外に出しましょう?ここに毒がないからといって地面に置いていたら体力も戻らないわ」

「えぇ‥‥‥カエサル様、この穴は外に繋がっています。トレーシー様達を呼んで早く皆を外に出しましょう。」

「‥‥‥お前、外に出たらちゃんと話せよ?」

「何をです?」

何かあったっけ?本気で思い当たらないんだけど‥‥‥。ジュリ、なんだろ?心の中でジュリに聞いてみたら、はぁとため息が帰ってきた。なんで?

「へぇ~心当たりがねぇと?いきなりスキルを使い、普通に話だし、心当たりが‥‥‥」

「あります!ありますよ!!ちゃんとお話します‥‥‥」

そう言えば、いろいろと‥‥‥すみません。

「とりあえず、外にでましょうよ~」

「そ、そうですね~」

は、話したくない‥‥‥というか、よく分からないから話せない。もうちょっとペンダントで話したままでいようかな?

「ちっ、騎士団の奴らを呼んでくる。お前もここにいろ!どーせ動けねぇんだろ?」

失礼な!動けます、と続けようとして‥‥‥動けなかったです、はい。
ここに来る前から只でさえ動けなかったのに魔力まで多く使い、もう一歩動くだけで膝がガクッとし歩けなかった。

「お願いします。」

カエサル様は、穴から外のトレーシー様達を呼びに行った。私の予想だときっとこの方向は屋敷の前を通り越して森っていうか‥‥‥騎士団の駐屯地の近くに空いてるだろうな~。
上が大騒ぎになってないといいんだけど。

「アメリア‥‥‥。」

疲れたし、少し寝ようかなと目を閉じようとした時だった。

「お父様!!」

お父様の瞼が震え、ゆっくりと開いた。

「アメリア‥‥‥」

「はい、お父様。お身体は大丈夫ですか?」

「お前のおかげでだいぶよくなったよ。」

「まだ、体力は回復していません。カエサ‥‥‥騎士団の方が今助けを呼びに行っておりますので、もう少しお休みください。」

「あぁ、そうだな‥‥‥」

「はい‥‥‥」

「アメリア‥‥‥大きくなったな‥‥‥」

お父様は最後にそう言うとまた、眠りに着いた。あまりにも静かだったので念のため脈と呼吸を確認して、私も壁に背をつけた。
声、震えてたかな‥‥‥。
今も涙が溢れそうだ。でも、これは嬉し涙だから。
もう、一息ついてもいいよね‥‥‥。

アメリアの意識はゆっくりと沈んでいった。
その頬には微かな笑みと一筋の雫が残っていた。









***


やっと覚悟を決めてくれたんだね、お姉さん。

葉月‥‥‥。

私はあの空間に寝ていた。床はあるのか、ないのか。いつも通り真っ白だ。葉月は横にしゃがんで私を見ていた。

お姉さんの声、飛んでっちゃったの。戻ったってことは覚悟を決めてくれたってことでしょう。嬉しい!

うん。私は、お父様やお母様のような人を増やしたくない。怖いけれど、カエサル様や騎士団の皆がいるから。できるよね?

うん!お姉さんなら‥‥‥きっと‥‥‥

でも、私は何をしたらいいの?なんで「笑顔」が浄化のために必要なの?


‥‥‥?浄化に必要なのは笑顔じゃないでしょう?

お姉さん、なに言ってるの?と不思議そうな顔で葉月は小首を傾げた。



そろそろさよならだね‥‥‥早く葉月のこと思‥‥‥い‥‥だ‥‥‥‥し‥‥‥て‥‥‥‥‥‥











 




____________________

これにて、第1章簡潔です!
ここまで呼んでくださりありがとうございました!
至らぬ点も多いと思うのでこれから直していきます!
そして、2章に入ると共に後日談などものせようと思うのでよろしくお願いします!






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

攻略なんてしませんから!

梛桜
恋愛
乙女ゲームの二人のヒロインのうちの一人として異世界の侯爵令嬢として転生したけれど、攻略難度設定が難しい方のヒロインだった!しかも、攻略相手には特に興味もない主人公。目的はゲームの中でのモフモフです! 【閑話】は此方→http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/808099598/ 閑話は最初本編の一番下に置き、その後閑話集へと移動しますので、ご注意ください。 此方はベリーズカフェ様でも掲載しております。 *攻略なんてしませんから!別ルート始めました。 【別ルート】は『攻略より楽しみたい!』の題名に変更いたしました

そのご寵愛、理由が分かりません

秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。 幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに—— 「君との婚約はなかったことに」 卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り! え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー! 領地に帰ってスローライフしよう! そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて—— 「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」 ……は??? お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!? 刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり—— 気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。 でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……? 夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー! 理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。 ※毎朝6時、夕方18時更新! ※他のサイトにも掲載しています。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮
恋愛
クリバンス王国内のフォークロス領主の娘アリス・フォークロスは、母親からとある理由で憧れである月の魔女が通っていた王都メルト魔法学院の転入を言い渡される。 しかし、その転入時には名前を偽り、さらには男装することが条件であった。 その理由は同じ学院に通う、第二王子ルーク・クリバンスの鼻を折り、将来王国を担う王としての自覚を持たせるためだった。 だがルーク王子の鼻を折る前に、無駄にイケメン揃いな個性的な寮生やクラスメイト達に囲まれた学院生活を送るはめになり、ハプニングの連続で正体がバレていないかドキドキの日々を過ごす。 そして目的であるルーク王子には、目向きもなれない最大のピンチが待っていた。 さて、アリスの運命はどうなるのか。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...