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騎士団編
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騎士団に来て数日、私は悩んでいる。
ひとつ!お父様のところへ行く気配が全くないこと!!
ふたつ!ものすご~く暇なこと。
ヤバい、暇。
本当の本当に暇!
相変わらず声が戻らないから話し相手とか無理だし、本やノートなんてあるわけがない。
テントの外に出ること許されてないんだよね~。
あ~暇!!って言ってたのは昨日までの話。
私は決めたの!!
今日こそは出る!出てやりますとも!
トレーシー様も来ないので無謀でもひとまず帰りたい!
と、言うわけで、早速帰宅計画実行です!
問題はいくつかあるけど、なんとかなるなる~。
まずは第一関門!
私の護衛としてついてるケイン様。
何も喋らず朝からずっと不機嫌そうにテントの外に座っている。やっぱり私の護衛は嫌なんだろう。仲良く、とまではいかないけど、せめてこのぎすぎす感はなくしたいと思ってる。
どう攻略するか。
実はもう考えてある。
すーはーすーはーと深呼吸をして、つんつんとケイン様の袖を引っ張った。
「何ですか?」
あからさまに嫌そうな顔で振り向くケイン様。
私は無表情を心がけつつ作戦を開始した。
欲しいものは特にないけど丸を両手で空中に書いて、食べるジェスチャーをした後に、くださいのポーズ。
くださいってここでも両手を出すのかな?
名付けて、欲しいもの作戦!
ケイン様に意味もないけど、何かを取ってきてもらってる間に帰る!
ナイスアイディーア!!私
「‥‥‥木の実ですか?」
木の実?のつもりはなかったけど‥‥‥まぁ、それでいいかなぁ。
コクリと頷くとケイン様は少しムッとした顔で頷き返した。
「ちっ面倒くさい。なんの実ですか?」
なんの舌打ちですか!?
恐っ、頼むの恐っ!!何その目!?
最初にボソッと言ったのも聞こえてるし、私耳はいい方なんだよ。
でも、木の実の種類なんて……あ、リコルとかよね。
見た目は林檎みたいでトゲトゲしてちょっと不味そうだけど、食べてみるとほんのり甘くてみずみずしいの。
多分、果物だよね。
幸いにも地面は少し砂っぽい。
目の前に落ちていた小枝でリコルの実を思い出しながら書く。
「なんですか?この丸トゲは?」
私の書いた絵を見ながらケイン様は不思議そうに言う。
分かりやすいよね?だって、丸にトゲだし。
「下手な絵ですね。分からないので、取りに行きましょう。」
うん!!取りに行きましょ、う?
えっと、取ってきてもらいたいな?なんて‥‥‥。
軽く小首をかしげておねだりポーズをしてみたけど、ケイン様には通じなかったようだ。
催促されてしまった。
途中で撒けるかな、なんて考えながら重い腰を上げると、ケイン様にお婆さんみたいですと言われてしまった。
はぁ?と柄にもなく思いっきりふくれて、首をつねってやったよ。
私がずんずんと適当に森へ入っていくのをケイン様が追いかける形で進んで行く。
「声、もともとですか?」
声‥‥‥。
「別に話したくないなら話さなくて構いませんが。護衛対象として‥‥‥。」
ううんと、返事をすると少しだけ優しい声色になった気がした。
筆談したいなぁ。
紙とペンを頼めばよかった。
「あぁ、そっちじゃありませんよ。」
考え事をしながらひたすら真っ直ぐ歩いてたら、注意が入った。
「近道はこっちです。」
え‥‥‥。
指差された方は見るからに道じゃなかった。
木や石がぼこぼこで私にはムリですよ‥‥‥。
私はもう一度進んでた方向へ歩き出した。
ザシュッ
ふいに目の前を風が通ったように感じた。
何か、刃物が空を切るような音とともに。
「危ない!!伏せてください!この音はリーフグリッドの物です」
りーふぐりっど?って何?
「早く伏せて!!」
有無を言わさず手を引かれて私は地面に抱きつく勢いで伏せた。
「リーフグリッドは魔物です。葉を刃物のように扱う動物型の魔物!!いいですか?絶対に動かないでください!!!」
コクコク頷き、私は手を引かれるままに木の下へ。
「シャルラント」
祈るように目を閉じて結界を張るケイン様。
あの時と同じ。
「ここにいてください!」
剣を取り、私に背を向けて歩いて行ってしまうのも同じだ。
やだ。やめて。行かないで!
私はまた何も出来ないの?
ただ、見てるだけでいいの?
だめ‥‥‥そんなのはダメ!!!
あの時と私は決めたはず、誰の迷惑にもならないように自分の身は自分で守らなくちゃ。
誰も死なせないために!!
ゆっくりと立ち上がって、回りを見渡すと不思議ととてもくっきりと見えた。
魔物がどこに隠れているか、距離は?どう動く?
考える前に行かなきゃ。
リーフグリッドは犬のような形で耳と手が長かった。
絶対に守る!魔物の前に来るとそれだけが頭を占めて、私は自然と目を閉じて聞いていた。
『タタカウ、ナンデ?コワイコワイノ』
数人の小さな子供のような声が聞こえる。
ただ、恐いと怯えているだけなのに。
私はこの子も助けなくちゃ。
‥‥‥大丈夫もう恐くないよ。私は敵じゃない。
手を差しのべてその耳に触れながら私は笑った。
笑っていた。
もう恐くなかった。
ただ、この子も恐かったことを知っただけ。
それだけでもう大丈夫。
心が繋がったように安心が伝わる。
『コワクナイネ。』
そうだね。
私はその子が消えていくのをどこかで感じながら意識を手離した。
ひとつ!お父様のところへ行く気配が全くないこと!!
ふたつ!ものすご~く暇なこと。
ヤバい、暇。
本当の本当に暇!
相変わらず声が戻らないから話し相手とか無理だし、本やノートなんてあるわけがない。
テントの外に出ること許されてないんだよね~。
あ~暇!!って言ってたのは昨日までの話。
私は決めたの!!
今日こそは出る!出てやりますとも!
トレーシー様も来ないので無謀でもひとまず帰りたい!
と、言うわけで、早速帰宅計画実行です!
問題はいくつかあるけど、なんとかなるなる~。
まずは第一関門!
私の護衛としてついてるケイン様。
何も喋らず朝からずっと不機嫌そうにテントの外に座っている。やっぱり私の護衛は嫌なんだろう。仲良く、とまではいかないけど、せめてこのぎすぎす感はなくしたいと思ってる。
どう攻略するか。
実はもう考えてある。
すーはーすーはーと深呼吸をして、つんつんとケイン様の袖を引っ張った。
「何ですか?」
あからさまに嫌そうな顔で振り向くケイン様。
私は無表情を心がけつつ作戦を開始した。
欲しいものは特にないけど丸を両手で空中に書いて、食べるジェスチャーをした後に、くださいのポーズ。
くださいってここでも両手を出すのかな?
名付けて、欲しいもの作戦!
ケイン様に意味もないけど、何かを取ってきてもらってる間に帰る!
ナイスアイディーア!!私
「‥‥‥木の実ですか?」
木の実?のつもりはなかったけど‥‥‥まぁ、それでいいかなぁ。
コクリと頷くとケイン様は少しムッとした顔で頷き返した。
「ちっ面倒くさい。なんの実ですか?」
なんの舌打ちですか!?
恐っ、頼むの恐っ!!何その目!?
最初にボソッと言ったのも聞こえてるし、私耳はいい方なんだよ。
でも、木の実の種類なんて……あ、リコルとかよね。
見た目は林檎みたいでトゲトゲしてちょっと不味そうだけど、食べてみるとほんのり甘くてみずみずしいの。
多分、果物だよね。
幸いにも地面は少し砂っぽい。
目の前に落ちていた小枝でリコルの実を思い出しながら書く。
「なんですか?この丸トゲは?」
私の書いた絵を見ながらケイン様は不思議そうに言う。
分かりやすいよね?だって、丸にトゲだし。
「下手な絵ですね。分からないので、取りに行きましょう。」
うん!!取りに行きましょ、う?
えっと、取ってきてもらいたいな?なんて‥‥‥。
軽く小首をかしげておねだりポーズをしてみたけど、ケイン様には通じなかったようだ。
催促されてしまった。
途中で撒けるかな、なんて考えながら重い腰を上げると、ケイン様にお婆さんみたいですと言われてしまった。
はぁ?と柄にもなく思いっきりふくれて、首をつねってやったよ。
私がずんずんと適当に森へ入っていくのをケイン様が追いかける形で進んで行く。
「声、もともとですか?」
声‥‥‥。
「別に話したくないなら話さなくて構いませんが。護衛対象として‥‥‥。」
ううんと、返事をすると少しだけ優しい声色になった気がした。
筆談したいなぁ。
紙とペンを頼めばよかった。
「あぁ、そっちじゃありませんよ。」
考え事をしながらひたすら真っ直ぐ歩いてたら、注意が入った。
「近道はこっちです。」
え‥‥‥。
指差された方は見るからに道じゃなかった。
木や石がぼこぼこで私にはムリですよ‥‥‥。
私はもう一度進んでた方向へ歩き出した。
ザシュッ
ふいに目の前を風が通ったように感じた。
何か、刃物が空を切るような音とともに。
「危ない!!伏せてください!この音はリーフグリッドの物です」
りーふぐりっど?って何?
「早く伏せて!!」
有無を言わさず手を引かれて私は地面に抱きつく勢いで伏せた。
「リーフグリッドは魔物です。葉を刃物のように扱う動物型の魔物!!いいですか?絶対に動かないでください!!!」
コクコク頷き、私は手を引かれるままに木の下へ。
「シャルラント」
祈るように目を閉じて結界を張るケイン様。
あの時と同じ。
「ここにいてください!」
剣を取り、私に背を向けて歩いて行ってしまうのも同じだ。
やだ。やめて。行かないで!
私はまた何も出来ないの?
ただ、見てるだけでいいの?
だめ‥‥‥そんなのはダメ!!!
あの時と私は決めたはず、誰の迷惑にもならないように自分の身は自分で守らなくちゃ。
誰も死なせないために!!
ゆっくりと立ち上がって、回りを見渡すと不思議ととてもくっきりと見えた。
魔物がどこに隠れているか、距離は?どう動く?
考える前に行かなきゃ。
リーフグリッドは犬のような形で耳と手が長かった。
絶対に守る!魔物の前に来るとそれだけが頭を占めて、私は自然と目を閉じて聞いていた。
『タタカウ、ナンデ?コワイコワイノ』
数人の小さな子供のような声が聞こえる。
ただ、恐いと怯えているだけなのに。
私はこの子も助けなくちゃ。
‥‥‥大丈夫もう恐くないよ。私は敵じゃない。
手を差しのべてその耳に触れながら私は笑った。
笑っていた。
もう恐くなかった。
ただ、この子も恐かったことを知っただけ。
それだけでもう大丈夫。
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