女スパイが雇った守り屋は、無口で少し変わり者の男だった。

幸花

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小さな暗殺者を探し出せ 後編

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寒い真冬の日。白い雪が灰色の空から降っていた。
ごみ箱から漁ってきたばかりの、食べかけの食パンを三等分に千切り、兄弟たちに分け与えた。
「アーネ、よくごみを払って食べるんだぞ」
俺は一番下の末っ子に、注意した。
「わかった。コルン」
アーネは甘えん坊で、泣き虫だけれど、素直で明るい奴だった。
「僕がしくじったばかりに……ごめん」
責任感の強い、真ん中のルキが、申し訳なさそうにして、食パンを受け取った。
「ルキ、気にするなよ。そう容易く盗ませてはくれないさ」
俺はルキに、お爺さんが営む店で、こっそり客について忍び込み、果物を盗んでくるよう指示していた。しかし、身なりのせいで、すぐに見つかり、店からつまみ出されてしまった。
ルキがもう一度、頭を下げる。
「あのとき、もう少し屈んでいたら。そしたら、林檎の一つくらい盗れたのに」
「ルキ……そう気に病むな」
「そうだよ。この食パンだけで、おいらはお腹いっぱいだよ」
アーネも一緒になって、ルキを励まそうとした。
俺たちは血は繋がっていないが、いつもこうして隣で励まし合い、支え合ってきた兄弟であった。

「コルン!起きてくれ、大変だ」
街がまだ寝静まっている早朝に、ルキの声で起こされた。
「どうしたんだ?ルキ」
ルキの顔色は、地面に降り積もった雪よりも白くなり、その全身が小刻みに震えていた。
「アーネがっ!」
「……え?」
慌てて身を起こすと、隣で寝ているアーネの様子がおかしかった。
アーネは虚ろな目を泳がせ、荒い呼吸をし、ぐったりとしていた。
「アーネ!どうしたんだ?!」
アーネの手に触れたとき、俺はその熱さに驚いた。
「……熱がある」
俺は、弱々しい声で、呟くように言った。
「熱?どうしたら、アーネは治るんだよ?コルン」
ルキが今にも泣き出しそうになって、俺に縋ってきた。
俺は情けないことに、何もわからなかった。こんなとき、どうすればよいのか。
「……コルン?」
ルキが俺の様子を見て、不安に思ったのだろう、俺の顔を覗き込んでくる。
「ルキ、誰かを呼んできてくれ」
「呼ぶって、誰を?この街の奴らは、俺たちなんか助けてくれないだろ。見て見ぬ振りする連中ばかりなんだ」
俺は口を開いたが、出てくる言葉はなかった。
ルキの言う通りだ。俺たちを助けてくれる人は、どこにもいない。
だけど、このままアーネを置いておくわけにはいかない。
アーネを何としても救いたかった。
俺は意を決して、ルキに言った。
「俺が誰か助けてくれる人を連れてくる!だから、ルキはアーネの傍にいてくれ」
ルキの返事を待たず、俺は広場に向かって走った。
駅に近いあそこなら、この街の人ではない誰かが、居てくれるのではないか、と思ったのだ。
しもやけになった裸足が地面を蹴る度に、痛みにうめき声を上げそうになり、奥歯をぐっと噛み締めた。

広場に着くと、一人の背広を着た若い男がいた。
男は話しかける前に、こちらに気づき、腰を落とした。
「どうしたのですか?ボウヤ」
男の人が優しそうだったので、ホッとした。
この人なら、助けてくれるかもしれない。
俺はそんな期待と願いを込めて、男に頼ることにした。
「弟が熱を出しているんだ。どうか、助けてください」
「それは……大変ですね。私を弟さんの所へ案内してください」
これで、アーネは助かる。
そう思うと、涙が零れ落ちそうになった。
俺は感謝を込めて、心からもう一度頭を下げた。
「ありがとう、ございます。その……」
「ライム、でいいですよ」
「ありがとうございます。ライムさん!」
俺は、“ライム”と名乗った男を連れ、アーネとルキがいる場所に戻ることにした。
「ボウヤ、足は大丈夫ですか?」
「足?」
足を見ると、ところどころ切れ、血が滲んでいた。
「アーネを救えるなら、こんな痛み、大丈夫だよ」
「とても大事な弟さん、なんですね」
彼は、汚い身なりの孤児の俺にも、優しい笑みを向けて、一人の人間として話してくれた。それが、とても嬉しかった。
「コルン!」
戻ってくると、ルキが飛びついてきた。
「アーネが吐いて、とても苦しそうなんだ」
俺は安心させるように、ルキの肩に手を置いた。
「ルキ。もう大丈夫だ。ライムさんが助けてくれる」
「ライムさんって?」
この人だよ、と振り返って紹介しようとしたとき、彼はルキをじっと見ていた。
「ライムさん?」
すると、彼は再び優しい笑みを見せた。
でも、その笑顔は、なぜか怖く感じた。背筋がぞわり、と粟立つ。
「あそこで倒れているのが、アーネ君か?」
「……う、ん」
彼はアーネの横にしゃがんだ。そして、銃を三発撃った。
何が起きたのか、突然のことでわからなかった。
「さあ、これで楽にしてあげられましたよ。アーネ君は素晴らしい兄たちを持って、幸せだったでしょう」
「な……んで」
俺はルキを抱えるようにして、銃を向けてくる彼を見上げた。
「何で?実は、私と仲が良い爺の果物屋に小さな泥棒が入りましてね。その泥棒、心当たりありませんか?」
「なっ……!」
俺の腕の中で、ルキが震えた。
このままでは、ルキも殺されてしまう。
俺は動かなくなったアーネを見ると、両手を強く握り締めた。
“偶々”持っていたライターに火をつけ、俺は悪魔のような男の顔に目掛けて投げた。
背広の袖に火がつき、それを払おうとして、銃が地面の上に落ちた。
その銃を拾い、咄嗟に俺だけで逃げた。
銃さえ取ってしまえば、ルキは守れる、と思ったのだ。
ライムはすぐに俺を追いかけてきた。
何処にどう逃げようとしても、足の怪我のせいで、雪の上には道標が残ってしまっていた。
それに、痛みで上手く走ることができず、捕まるのは時間の問題であった。
「あっ!」
逃げようと焦るあまり、俺は雪で見えなくなっていた道の段差に躓いた。そして、溝にハマるように転んだ。
ライムはもうすぐそこまで来ていた。
半分諦めかけていた。そのとき、誰かが俺の前に飛び出してきた。
「大丈夫か?君」
茶褐色の瞳をした、端正な顔立ちの男であった。
俺はその言葉に頷くのが精一杯だった。
ライムが男の前で立ち止まる。
「おや?貴方は、フォート・カーティ」
“フォート・カーティ”。それが男の名前なのだと思う。
「俺のことをご存知で?ですが、生憎、貴方のような胸糞悪い男に覚えがない」
ライムはカーティの言葉に気分を害した様子はなく、寧ろうっすらと笑ってさえいた。
「胸糞悪い、ですか。では、殺し屋のくせに、そうやって英雄の振りをする貴方のことは何というのでしょう?偽善者?ペテン師?」
まるで、街が深海にでも沈んだような、静寂が漂った。
フォート・カーティはライムから視線を外さないまま、背後の俺に呼びかけた。
「君。走って逃げれるか?」
この足で逃げ切れる自信はなかった。しかし、これは俺が助かる最後のチャンスであった。
俺はゆっくりと立ち上がると、浅く呼吸をした。両足に力を込める。
「カーティさん。あっちに弟のルキが」
と言いかけた所で、言葉を止められた。
「わかってる。弟たちの所には、彼女がいる。安心しろ」
正直、今度こそ他人を信じてよいか迷ったが、不思議とこの人の言葉には力があった。
信じたいと思う、もう一人の自分がいた。
「行け!」
その声を合図に、俺は走り出した。
後ろでいくつもの銃声がした。
振り返りたい気持ちを堪え、俺はおぼつかない足で、ただひたすらに逃げた。
だが、逃げ切ることは叶わなかった。
ライムと同じ背広を着た、サングラスの男が待ち構えていた。
「リス・ライム様の銃を返せ。汚らしい泥棒の餓鬼」
サングラスの男が言った。
銃を返せば、きっとすぐに殺される。
俺は一縷(いちる)の望みで、盗んだ銃を男に向けた。
少しでも時間を稼げば、あの人が、フォート・カーティが助けに来てくれるかもしれない。そう願ったのだ。
しかし、それは浅はかな考えであった。
殺しなれた相手に、無力な子供が一人、時間を稼げるはずもなかった。
サングラスの男が撃った弾が、俺の片耳の横をギリギリで掠めた。
「次はもうない。心臓を撃ち抜く」
手が震え、銃が落ちた。
ごめん、ルキ。アーネ。
銃声と同時に視界が真っ暗になった。

  ♢♢♢

私たちは、何度も人とぶつかりそうになりながら、前を走る男の子を追っていた。
「お前たち、どうしてコルンを追うんだ?」
クイーンに引きずられたままのゴーリが言った。
「コルンってあの男の子の名前?」
「ああ。俺に偉そうに名乗ってたぞ」
「ねえ、どうしてゴーリちゃんも一緒に居たのよ?」
それを聞いたのは、クイーンだった。
「……そ、それは、だな。偶々だ」
何か言い難いことでもあるのだろう。
クイーンはゴーリを持ち上げると、ずいと顔を近づけた。
「な!何だ?!」
「まさか、あの子に危害を加えようなんてしてないわねえ?」
すると、ゴーリが目を剥いて、憤慨した。
「俺こそ、あの餓鬼に巻き込まれた側だ!」
「本当かしら。でも、それを追求してる暇はなさそうね」
クイーンの言葉に私は頷いた。
人混みに紛れてはっきりと感じるものがあった。ーー殺気だ。
私たちが足を止めると、行く手を塞ぐように、路地から黒服の男たちが姿を現した。
その男たちの手には、金属棒やナイフが握られている。
「嘘だろ?!」
ゴーリだけが、顔色を真っ青にさせた。
「あらぁ?ゴーリちゃん、こんなくらいで怖がっているの?」
クイーンは、抱えていたゴーリを離して落とすと、指を鳴らした。
街の人たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。
「ここは私たちが相手をするから、貴女はコルンちゃんを追いかけなさい」
「私たち?!」
地面に尻もちをついて、怯えたゴーリが、目で私を引き止めようとしてくる。
ほんの一瞬迷ったが、私はクイーンの言葉を聞くことにした。
ゴーリなら何とかなるだろう。……たぶん。
「クイーン、任せたわ」
私は、襲ってくる男たちを数人いなして、後をクイーンに託した。

  ♢♢♢

エメラルドの宝石が欲しかっただけなのに、どうしてこうなった?
俺は飛んでくる金属の棒を辛うじて、反射神経で避けて、逃げていた。
「そこの化け物!俺を守れ!」
俺は一緒に残された、女装男に命令した。
「化け物じゃないワ。エミル・クイーンよ」
エミル・クイーンは怒ったらしく、わざと頬を膨らませ、唇を尖らせた。
「わ、わかった、ミスタークイーン。俺を守れ!」
「どこがミスターよ?」
「どこからどう見てもミスターだろ!」
「じゃあ~ね」
「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘ですよお!ミスクイーン」
ゴーリの後に立った男が、金属の棒を振り上げる。
もう駄目だ、と目を瞑ったが、痛みはいつまで経っても訪れなかった。
「ひっ……」
目を開けると、当たる直前で金属の棒の先が、押し曲げられていた。
「ば……け……もの」
棒を片手で受け止めていただけではなく、金属を親指一本で、容易く曲げた彼の力技に、ゴーリは唖然となった。
「だぁ~か~ら~。化け物じゃないわよ。私」
クイーンは押し曲げた棒で、男を釣り上げるように持ち上げると、そのまま勢いよく遠くまで投げた。
煉瓦に体を打ちつけた男は、気を失い、完全に伸びてしまう。
ゴーリは思った。
やっぱり、化け物じゃないか……。
宝石はもう諦めて、この場から逃げるべきか、と本気で思案した。

  ♢♢♢

追っていた男の子が、古びた小さな教会の中に飛び込んだのが見えた。
逃げることを諦めたのか。または、あの黒服の男たちの元へ招く罠か。
私は、まだ戦っているだろうと思う、クイーンを待つべきか悩んだ。
「でも、いつ終わるかわからないし……。今からヴィルを呼ぶのも時間かかるわよね。まあ、怪我しなければ、何とかなるでしょう」
私は十分に気をつけて、教会の扉を開けることにした。
しかし、銃声も黒服の男たちの姿もなかった。
十字架に磔となった、イエス・キリストの像の前で、私を待つようにコルンが一人で立っていた。
「君が盗んだ宝石のペンダントを返して」
私は一歩ずつ慎重に、コルンに近づいた。
だが、先ほどとは違い、彼は逃げようとはしなかった。
「いいよ。でも、交換条件に聞きたい。お前が言っていた『ヴィル』とかいう男のことを」
初めて会ったときにも聞かれたが、どうして彼はヴィルのことを知っていたのか?
私からも聞きたいことが、多くあった。
「最初に言っておくけど、私もほとんどは知らないわよ。ヴィルは無口な奴でね」
コルンはそれでも頷いた。
「ヴィルは“コルン”を憎んでいるか?」
「貴方を?」
「違う。本当は、俺はコルンじゃない。ルキ、だ」
ルキは、自身はコルンの弟のような存在であったと言った。
「どうして、そんなことを?」
私は彼の肩に手を置き、目を合わせる為にしゃがんだ。
ルキの表情は、苦痛に歪み、苦しんでいた。
「三日前に会ったんだ。そいつは、僕に言った。『ヴィル・カーティを殺せ』と」
「そいつ?」
「……リス・ライム」
私の心臓の音が、大きく跳ねた。そして、何とも言えない、不快さが奥から迫り上がってくるのを感じた。

  ♢♢♢

「こんばんは。君は、コルン君とルキ君どっちかな」
忘れるはずがない。その声は、アーネを殺した男のものであった。
僕は全身が恐怖で絡め取られ、まるで見えない紐で喉を締められているように、苦しくなった。
今すぐに逃げ出したい気持ちはあったが、それを懸命に押し殺し、俯いて顔を隠した。
伸びっぱなしとなった、ぼさぼさの髪が、上手い具合に顔を見えなくしてくれる。
「俺は、コルンだ」
そう答えると、リス・ライムは疑うことなく、僕をコルンだと信じた。
「コルン君。君に約束を守ってもらう日がきたよ」
「約束?」
本当はコルンから何もかも聞かされていた。僕を守るために、一人で銃を持って逃げた後のことも。だが、敢えて僕は忘れた振りをした。
「そうだ。だから特別に、今まで生かしてやっていた。フォート・カーティの命と引き換えに」
コルンが死を覚悟して、銃を落としたあのとき。
銃声と同時に、視界が真っ暗になった。
それは、フォート・カーティがコルンを庇ったからだった。
「カーティさん?」
コルンは、地面に倒れた彼の体を軽く揺すった。
「……っ!カーティさん!」
今度は強く肩を掴んで呼びかけた。しかし、開いた目に生気が戻ってくることはなかった。
真っ白な雪が、鮮やかな赤色に染まっていく。
「君のおかげでこの男が死んだ。褒美は何がいいでしょう?」
リス・ライムが落ちていた銃を拾い、コルンに言った。
「では、こういう褒美は?フォート・カーティの代わりに、君を生かしておいてあげます。だけど、それはずっとではない。生き続けたければ、この先で君を使わなければならないとき、君は私の為だけに動け」
コルンはまた無力であった。無力であることが、酷く惨めで、自身の体を百遍火あぶりにしても足りない気がした。
泣いても仕方がない。これは、自分が犯した過ちだ。
そんなこと、頭ではわかっているのに、涙が膝の上に絶え間なく落ち続けた。

  ♢♢♢

「もし、あの男が僕に何をやらせようとしても、お前は俺じゃないから、ルキはルキとして生きろ、とコルンは言い残した。だから、僕はヴィル・カーティに会って、言いたかった。“ごめんなさい”、そして、リス・ライムから逃げてくれ、と」
ルキは、コルンの代わりに懺悔するように話した。
だが、本当に懺悔するべきは、この子たちではないはずだ。
「それで、貴方はコルンの振りをしていた」
私の言葉にルキが頷いた。
「貴方を見張っていた男たちは、クイーンが絶対に倒すから。だから……」
その先のかけるべき言葉が見つからなかった。
ルキは、恐怖と失望の地獄の中で、心にたくさんの傷を負って生きていた。
そんな彼に、“もう大丈夫”だなんて、気休めだけの言葉を言っても、私では救えるはずがない。
ネアの姿を思い出す。ネアもあの小さな体で様々なものを背負っていた。
私はネアの側にいたのに、最後まで、彼の悩みに気づいてあげることができなかった。
もう遅いが、彼がいなくなったあの日から、ずっと後悔している。
ネアにしてあげれなかった分、ルキをそっと優しく抱きしめた。
「ヴィルは誰も憎んではいないから安心して。それと、伝えようとしてくれて、ありがとう。ヴィルは必ず守るから」
ヴィルに代わって、そう伝えた。
今まで神を信じたことはなかった。けれど、今だけは、この教会にいる神に祈る。
重き十字架を背負う“子”に、神のご加護があらんことを。



(「小さな暗殺者を探し出せ 後編」終)
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