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立ちション我慢
「はぁッ、はぁッ、はぁぁ……ッ!」
ヤバいヤバいヤバいヤバい。もう我慢できねぇ。
真夜中の住宅街。木枯らしがびゅうびゅうと吹き荒れる中、俺は一人、せかせかと忙しなく歩みを進めていた。───腹ン中に大量のしっこを抱えながら。
年末の繁忙期だ。人手不足の部署でそれなりの中堅になってしまった俺は、今日一日、終電になるこの時間までみっちり仕事に追われていた。それこそトイレに行く時間も飯を食う時間も惜しく、とにかく目の前の仕事を捌くことに全力を注いだ一日。気付いた時にはフロアに俺一人、時計は終電ギリギリの時間を示していたのである。
腹が減ったとか、眠いとか、全ての雑念を無理やり封じ込み、慌てて会社を飛び出して終電に滑り込む。そして列車に揺られること数十分。最寄りに到着後、“ソレ”が芽生えたのは駅舎を出てしばらくしてからのことだった。
「ん、……ッ」
きゅん、と下腹が疼く感覚。……尿意だ。そういえば最後にトイレに寄ったのはいつだったか。数時間ぶりに感じた欲求に、俺は思わず眉間に皺を寄せた。
「どーすっかなぁ……」
既に駅からそこそこ歩いてきてしまっている。周囲をぐるりと見渡しても、住宅街に突っ込んでしまっているためトイレらしきものは勿論見当たらない。でも、わざわざ駅に引き返すのもなんか……変だし。ていうか終電後だから駅も閉まっているだろうし。どうするもこうも、さっさと家に帰るほかないのは明らかだった。
あと30分の道のり。まあ、歩いていればすぐだ。大したことないだろう。
*
お前は読みが甘い───新入社員の頃から、いつもそう指摘されてきた。中堅どころになってすっかり新人を指導する立場になった俺だが、……人間はそう簡単に変われない、らしい。
(やっべえ……、しっこ我慢できねえ……)
凍てつくような冷気が顔の表面にまとわりつくのに、額からは冷や汗がつううと滴り落ちる。背筋がふいにぶるりと戦慄し、堪らず喉奥から「ん゛ッ」と濁った声が出てしまった。
こんなの大したことないだろう、そうタカを括っていた数分前の自分を殴りたい。どういうわけかものの数分で尿意は驚くほどに増長し、すっかり歩幅は頼りなく小さなものになってしまった。
(あと少し、我慢……っ)
前に前に、足を進める。数分前と代わり映えのない景色。当たり前だ、住宅地のド真ん中を通っているのだから、夜中でなくともこの景色を鮮明に見分けることなんかできやしない。俺は前腿をさすさすと執拗に撫で、下腹部に渦巻くモヤモヤした欲求を鎮めようとした。
(しっこ、しっこ、うぅぅ~~~~~、しっこのことしか考えらんねえ……)
(ああもう、なんで駅から遠いところに家選んだんだ……!)
はあ、はあ、と白い息が空気に浮かび、その間隔はますます短くなっていく。つきん、と腹の奥がざわついて、思わず背中を丸めてしまう。結構ガチでヤバい。そんな焦る気持ちとは裏腹に、まだまだこの道のりは軽く見積っても十数分は続く。あーークソっ、そうこうしてるうちにも勝手にしっこがせり上がってきて、俺はついに、咄嗟に股間へ手をやった。
(クソ、コートが邪魔で全然揉めない……!)
(しっこしたい、ああ、っ、だめ、しっこしっこしっこ……!)
ぐ、ぐ、と押し付けながら股間を刺激するも、この寒空の下、何重もの布に包まれた下半身には何の効力もない。あ、あ、だめ、チンコうずうずして……!両手で力の限りそこを押し付けてみるが、まるで意味がなかった。それでも、このわずかな圧力すら失ってしまったらもっとヤバい。無意味に下腹部のあたりをもぞもぞとまさぐりながら、腰をくの字に折り曲げひょこひょこと進むしか道はなかった。
分厚いコートの奥、満タンの小便が膀胱の中で暴れ狂っているのがわかる。こんなの、正気じゃない。歩く度に水面が波打って、膀胱の壁を丁寧に丁寧に逆撫でしていく小便。チンコのぞわぞわが止まらなくて、カクッカクッと腰が不規則に引ける。
(やばい、やばい、やばい、やばい、も、もう……!)
しっこ、しっこ、しっこ、しっこ!!!!ほんとに、冗談抜きでヤバい。早くトイレ、家に帰らなきゃ。相変わらず住宅地のど真ん中、手の届く範囲にトイレは、ない。一番近いトイレは俺ん家だ。も、もうむり、トイレ、トイレ、トイレ……!!!
頭の中が尿意でパンクしそうになった、その瞬間。
身体が欲に引っ張られたのか。一瞬だけ、ちんこがきゅうぅ、とわななく感覚に包まれる。
「ぐ、うぅぅ……ッッ!!!」
波だ。暴力的な、尿意の波。排泄寸前の激しい欲求に、足がその場で止まってしまう。
(ガチでヤバいほんとにヤバい早くしないと、あっあっあっあっ)
早くしなきゃいけないのに、動いたら……漏れる。このままじゃ俺、しっこ漏らす。
脚をぴったりくっつけて、内腿を全力で締めて、膝突き合せて。意味もなく股間のあたりをカリカリといじくる両手。腰が上下にバウンドして、ケツがくねくね、って、あ、あ、あ、だめ、しっこ、しっこ、しっこ……!!
「あ゛あァ……ッ!!!」
信じられないほどチンコが震える感覚に、途端、膝が思い切り折り曲げられた。
(~~~~~駄目だ漏れる!!!!!しっこ!!!!!!!)
……そこからは、ほとんど反射的だったと思う。
耐えきれず、ドタバタと道の端に駆け寄る。目に入ったのはコンクリートの排水溝。鞄を放り投げ、もたもたとコートのボタンを外す。中途半端にコートの前が開けたところで、ようやくスラックスのチャックを引き下げ、そして。
じょおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッ!!!!!
「はああぁぁぁぁぁぁ……ッッ!!!!」
外気が、チンコをつきんと刺激したと同時だった。
緩んだ先端から、飛沫をあげて小便が豪快に放たれた。
じょぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ、じょわぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!!
(き、きもちい~~~~~~~!!!)
はあ、はあ、と肩で息をしながら、俺は待ちに待った大放尿を道端で繰り広げた。この姿を隠してくれるものなど何もない。隠れる余裕もなければ、隠してくれる何かがあるわけではなかったのだから。し、仕方ない。もう漏れそうだったんだ……!
大っぴろげに披露される立ちション。我慢に我慢を重ねたしっこが、勢い良く撒き散らされる。まさに滝のような放出。腰が溶けそうなほど気持ち良い。長時間体内で熟成された小便は、冷気に触れた途端にもくもくと白い湯気を立たせる。思わず、ほ、と安堵の吐息が漏れ出た。
「は、ぁぁ、あぁぁ……ッ♡♡」
やっと漕ぎつけた放尿だ。放尿開始から5秒。本流はこれから。まだまだ止まらない。もっと、もっと……♡
くわっ、と尿道口が一回り大きく開いて、今まさに水流が更に厚みを増したその時、だった。
(ん、なんかうるさい……?)
遠くの方で感じるざわめき。精神的なことじゃない。物理的で、現実的なざわめき……。俺はその、違和感を覚える方に視線をやった。
「え……?」
遥か数十メートル先で、ぴかぴかと点灯する、小さな白い光。が、4つ、5つ、6つ。うようよと左右に揺れながら動いて、チリンチリンと音を鳴らしながら、こちらに近づいてきて。これは、まさか。
(チャリの集団!?!?)
まずい、と身体が咄嗟に判断して、今もなお小便を垂れ流しているチンコをぎゅううッッと握り締める。だめだ止まれ、止まれ……ッ!!無理やり堰き止めようと、俺はとにかくめちゃめちゃにチンコを揉み散らかした。ぼたぼたぼたっ!と雫がコンクリートを強く打つ。水流が切れた。その一瞬をついて、性器を素早くスラックスの中に再びしまいこむ。
「ふ、ぐぅぅぅ…………ッッ!!!」
(なんで、こんな時間に……っ)
嘘だろ、おい。こんなこと今までなかっただろ。冬か、冬休みだからか?遠くの方からやかましく飛んでくる奇声。言葉は聞き取れないが、まさしくやんちゃ盛りのクソガキのソレだった。最悪だ、よりにもよって何でこんなタイミングで遭遇するんだ!!
放尿を始めたばっかのチンコを無理やり制したものだから、さっきの比ではないほどの尿意が下腹で暴れまくっている。下着の中で今にも暴発しそうなチンコ。ヒクヒクッ、ヒクヒクッ、と疼きまくって、も、もう……!
クソガキのチャリ集団は暴走族にでもなったつもりなのか、道いっぱいに広がりながら、ダラダラノロノロと列をなして走行しているようだ。まだ俺の位置からは全然遠い。いや、普通に走っていればすぐに追い抜ける距離なのに、変にノロノロ蛇行しているせいで全く進んでいないのだ。
しっこ、だ、だしたいぃ……ッ!でも、こんな状況で立ちションはできない……!クソガキ共にバレたら?からかわれて?馬鹿にされて?……それだけだったらまだマシだ。写真でも撮られて?学校に通報されて?あっという間に近所に知れ渡って?そんなの無理だ。無理に決まってる。で、でももう、動けない。動いたら漏れちゃう……ッ!
(はやく……ッ、はやくはやくはやくはやくッッッ!!!!!)
ぐいっ、ぐいっ、とスラックスを目いっぱい引き上げる。無理やりしっこを堰き止めているチンコがビクンッ、ビクンッ、と脈動している。スラックスの布がチンコの形に張って、出したい出したいと暴れ狂っている様子が丸わかりになってしまう。
ぎゅううううぅぅっ、と内腿を締め上げて全力でチンコに力を入れる。あ、あ、あ、だめ、しっこ、しっこしたい、チンコ緩んじゃう!!
(チ、チビるッッッッ!!!!!)
じゅ、じゅいぃぃ…………
「う゛ぅ……ッ!」
超特大レベルの尿意の波。抗う間もなくキャパを超えた拍子、下着の中で温かさが広がる。あ、と乾いた声が喉奥から漏れ出たのも束の間、どくんっ!と更に猛烈な尿意が押し寄せる。俺は反射的に、スラックスをぎゅーーーっ!と引き上げた。しかし、そんな悪足掻きなど簡単にすり抜けていく。
じゅううぅぅ…………
「だ、だめ……ッ!」
(チビってるって、あ、あっ、あ、だめ、出る出る出る出る出る、あ゛あッ!!)
じゅううッ、じゅいぃーーーッ!!
連続おちびり。下着がじっとりと湿っていく。チンコに触れている面積は全部水気を帯びていた。でも、止まらない。当たり前だ、たった5秒しか排泄できなかったのだ。あんなのたっぷり溜まったうちの、ほんの上澄みでしかないのだから。むしろ中途半端に出したせいで、出したい欲が何十倍に膨れ上がって押し寄せてきていて。
爪先だけでパタパタと足踏みをする。本当はもっとジタバタと激しく足踏みをしたいけど、そんなことしたら……!
(あああクッソ、チンコ揉みてえ!!!!だめだ、チンコなんて揉んだら、でも、でもぉ……!!)
(動きたいっ、止まってるのキツいぃ……ッ!止まってるのもう無理、せめて、せめて歩けたら……ッ、でも歩いたら漏れる、もおおぉ……ッ!!!)
馬鹿になった尿道口から、じゅ、じゅ、と絶え間なくおちびりが続く。ま、まただ、しっこしたいぃぃ……ッ!
おちびり我慢続き
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