★完結!★【転生はもう結構です!】崖から落とされ死んだ俺は生き返って復讐を誓うけど困ってるドラゴン助けたら女になって娘が出来ました。

monaka

文字の大きさ
124 / 476

第119話:難聴系主人公。

しおりを挟む

「しかしここの方々には頭が下がる思いです」

「ナージャも分ってきましたわね! ほらみたことか! わたくしの言った通りでしょう? 獣人とは分かり合えるんですわ! 一方的に奴隷にするなんてどうかしてますわよ」

 ナージャと姫のやり取りを聞いていると、どうやらナージャは当初のジオタリスと同じような感じで、姫は獣人との和解推進派らしい。

 もし姫の言う通り何者かが姫を狙ってこの騒ぎを起こしたのだとしたら……姫という立場の者がこんな思想を持っている事を良しとしない奴の仕業、って所だろうか?
 だとしたらやはり内政に深く関わっている奴が怪しい。
 最近になって王に取り入ったというその怪しいヴァールハイトって奴が最有力候補なのは間違いないな。

「とにかく、わたくし達はそんな事があってここにお世話になっておりますが、このままでいるつもりもありませんわ。なんとか原因を突き止めてこの身体を元に戻して、ヴァールハイトの野望を打ち砕くんですの!」

 ……めんどくせぇ事になってきたな。
 てっきりこの獣人の里の中で起きた小さな問題だとばかり思っていたけれど、リリア帝国全体の問題になってしまっている。

 俺がこの問題に関与するのは……いくら何でも目立ちすぎるか。
 キララに俺の居場所をアピールする事に意味があるとは思えないし、出来ればそっと生きていきたい。

『でも君はこの帝国をどうにかしたいとも思ってるわよね?』

 ……確かに、獣人が一方的に奴隷として扱われているのは胸糞悪いけどな。
 だからといって……。

「ところでジオ、この方がたはどこのどなたですの? そろそろわたくしにも紹介してくださいまし」

「あ、あぁ……なんと説明すべきか……その、えーっと……」

 こいつの立場から言える事は少ないだろうな。
 俺に負けて言う事を聞いている事も、街を離れて俺達の家で働いている事も、俺達が六竜だって事も、そのどれもがジオタリスにとってはバレたらまずい事なわけで、それを何一つ言わずに説明しようとしたらもう話せる事が無いだろう。

 そして、この姫さんの性格からして俺が六竜の一人なんて話になったら手伝ってくれと言い出すに決まってる。

「私とごしゅじんは体の中に六竜が一人ずついて、ジオさんはごしゅじんに喧嘩売ってボコボコにされて今は私達の家で畑を耕してるんですよー」

 問題は、どっちみにこの国で問題が起きていたらキララやギャルンに目を付けられる可能性もある。奴等が介入してきたらこの国の問題は更に大きくなってしまうだろう。
 ……そもそも最初から奴等が絡んでいる可能性もあるか。ヴァールハイトとかいうやつが魔族の可能性も否定できない。

「貴女……六竜なんですの?」
「あぁ……うん」

 どちらにしても放っておけば遅かれ早かれ奴等に補足される可能性が高いか……。
 こうなってくるとどうやって奴等に気付かれないように対処するかを考えた方が早いかもしれない。

「この国に正義を取り戻す為、貴女のお力をお貸しください!」

 突然姫が俺の手をがっちりと掴む。

「……え?」

 まずい考え事してて話全然聞いて無かった。

『わたくし達と仲良くしてくださいましー! だってさ』
 なんだ、そんな事か?

「まぁ、それくらいなら」

「それくらい、ですか……さすが伝説の六竜様は言う事が違いますわね!」

 ……へ? 何かおかしい。
 おい、ママドラ……。

「六竜を味方に付けたならヴァールハイトを懲らしめるくらいお茶の子さいさいですわーっ! 覚悟して震えて待つがいいですわーっ! おーっほっほっほ!!」

「待て、話が見えん。俺がいつ協力するって言った?」

「つい先ほど……まさかわたくしを騙したんですの……?」

 ママドラ、やりやがったな……?
『いや、まさか本当に考え事してて一切話を聞いてないとか思わないじゃない。やっぱり難聴系主人公って存在したのね……』
 俺をそんなダメ人間みたいに言わないでくれ!

「姫、考え直して下さい。この者が六竜だなどと本気で信じているのですか? 冷静に考えたら分かる事でしょう。からかわれたのですよ」
「……え、そ、そうなんですの……?」

 タヌキ姫が俺の手をぎゅっと握ったまま潤んだ瞳で見上げてくる。

「そ、そうだぞ。俺やそこの馬鹿が六竜なんてどう考えてもおかしいだろ? な?」

「ジオぉぉ……どうなんですの?」

 俺はジオタリスをキッと睨む。間に挟まれて泣きそうになっているが、お前は一言こういえばいい。からかわれたんですよ、とな。

「ひ、姫……この方は、その……」
「ジオ! わたくしは貴方の言葉を信じますわ。この方を良く知る貴方が今ここで真実を語りなさい。もし嘘をつき、それが私にバレるような事があればそれはわたくしへの裏切り行為とみなし金輪際貴方とは口を利きませんし英傑の称号を剥奪します。よく考えて次の句を紡ぐのですわ!」

「ぐっ、な、なんと……それはあまりにも……」

 このタヌキ姫め……精神的に追い詰めて本当の事を話させようってつもりか。職権乱用、パワハラ上司ここに極まってやがる……。

 頼むぞジオタリス、お前だけがたよりだ……!
 どっと汗が噴き出るのを感じる。
 そもそもなんでこんな事になったんだ? 誰のせいだ?

「もういいですわ。それだけ迷うという事はこの方が六竜であると言っているような物。貴方の言葉が無くともわたくしは確信しました。きっと秘密にするようにと言われているのでしょう?」

「ひ、姫……分かって頂けましたか!」

 おい、それは白状してるのと同じだぞ……!

「ミナト、いい加減に諦めた方がいいですわ。私そこのお姫様結構気に入りましたので力を貸します。貴女もそうしなさい」

 なんでこいつはいつもこういう出てきてほしくない時に限って現れるんだ!?

「アルマ……お前何考えてんだよ」

「アルマ!? リリア帝国を半壊させたというあのアルマですの!?」

 姫がアルマ降臨に目を輝かせている。
 これはいよいよ巻き込まれる覚悟を決めるしかないかもしれん……。

 そんな事より、リリア帝国を焼け野原にしたのってカオスリーヴァじゃなくてアルマなのかよ……。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!

カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。 その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。 「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」 次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。 彼女は知っている。 このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。 未来を変えるため、アメリアは 冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。 これは、かつて守れなかった主人のための転生。 そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。 王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 挿絵はA I画像を使用 10/20 第一章完結 12/20 第二章完結 2/16 第三章完結 他サイト掲載 (小説家になろう、Caita)

魔法使いじゃなくて魔弓使いです

カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです 魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。 「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」 「ええっ!?」 いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。 「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」 攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...