126 / 476
第121話:宴。
しおりを挟む
「ほれ、ネコもさっさと通れ」
「ほえーっ、アルマさんがびっくりしてますよぅ」
やっぱりネコにもママドラみたいにアルマの声が聞こえてるのか。プライベートが無くなるようなもんだから大抵の奴は嫌がるだろうけど、こいつは……まぁ大丈夫なんだろうな。
「なんならそのうち教えるから。とりあえずさっさと通れ」
「はーい」
ネコを穴に押し込み、最後に俺が通る。
ぶっちゃけかなりしんどい。
穴はもう大分小さくなっていて、気を抜いたら塞がってしまいそうだ。
「よっ……と」
ワームホールから出ると、予定通り家の庭だった。ゲオルが畑で野菜を引っこ抜いている。
これだけの距離を移動するのは初めてだったので少し心配だったがうまく行ったようで安心した。
「こ、ここが……六竜の、家か……」
「意外と地味、というか普通の家ですわね?」
「どこでもドアじゃーっ!」
ナージャ、姫、爺さんがそれぞれ好き勝手な感想を述べていると、ゲオルが麦わら帽子をくいっと持ち上げながらこちらにやってきた。
ちなみに麦わら帽子を被ってはいるが髪と角は帽子を突き破って上から全部出てるのであまり意味は無い。
「おー、ミナト帰ってきたか! ……その犬っころとタヌキはなんだ? 新しい食料か?」
「ひ、姫になんたる無礼を!!」
ナージャはもうこういうキャラとして認識しておいた方がよさそうだな。
「そいつがゲオル。六竜の一人だ。俺達と違って六竜本人だから気を付けろよ」
「ひっ」
ナージャはまるで姫を差し出すように背後に回り込み、盾にした。
「怖い怖い六竜怖いっ!!」
「ナージャ! さっきまでと随分態度が違いますわね! 情けないったら……」
「わ、私は六竜も怖いですが男がほんと無理で……っ!」
「でもジオタリスとは普通に話してたじゃないか」
俺がそう聞くと、キッと睨みながら「アイツは幼馴染だから平気なんだ! それ以外はちょっと……」と泣きそう。
「獣人の里には男だって居ただろう?」
「獣人なんて見た目動物っぽいから男っぽくないだろ!?」
なるほど。分かったような分からんような……。
「ユイシス様ーっ! ご無事でしたか!? かむろがいなくても大丈夫でしたか? 私はもう不安で不安で……」
かむろは情けない声をあげながらユイシスに飛びついておんおん泣き出した。
こいつはユイシスとアルマの事になると人が変わる……というか狐が変わるから敢えて置いていったのだが、ちょっと離しただけでこんな事になるならセットで動かした方がいいかもしれないな。
分離不安症みたいなものだろうか……。
「おーよしよし大丈夫だよー♪」
頭を撫でられたらすぐに泣き止んで、いそいそと二本足で直立し、腰に手を当てて客人を睨む。
「一体この人達は何者なんです? ミナト様、ご説明を」
「ん、後でみんな集めて説明するからさ、とりあえずオッサに飲み物と、食事をお願いしてもらえるか? 今回はスペシャルコースで」
スペシャルコース。つまり夢の種だ。
タヌキ姫とナージャはともかく、爺さんにはどうしても食わせてやりたかった。
「爺さん、今から好きなもん食わせてやるから食べたい物を考えておきな。なんでも食わせてやる」
「な、なんでも……じゃと? しかしこの世界では……」
「言っただろ、何でも、だ。楽しみにしていいぜ」
その言葉を聞いていた姫とナージャもなんだかソワソワしていた。
きっと獣人の里ではそこまでいい物を食べてなかったのかもしれない。
あんな場所じゃ食料の調達も大変そうだものな。
きっと最初、馬鹿ネコは食料調達に出て来た獣人と遭遇したんだろう。
その日はまるでお祭りのようにどんちゃん騒ぎだった。
何故かイリスと姫は意気投合してなにやらキャッキャ騒いでいるし、アリアとナージャも性格がうまくかみ合ったらしく騎士たる者どうとかこうとか……みたいな話をしながら酒をちびちびやっていた。
爺さんはどうやらハンバーガーと寿司とかつ丼とウナギをたらふく食べたらしく泣いて喜んでくれたので連れてきた甲斐があるというものだ。
俺よりもこの世界で随分長い事頑張って来たんだろうから懐かしい食事が食べれて感極まったようだ。
酒を煽りながら商人のおっちゃんに絡んで、「儂の前世はなぁ!」とか言い出している。
おっちゃんは話半分で受け流しているようだったが、商人だけあってその辺の接待がとてもうまい。苦労をかけてすまん。
ゲオルとジオタリスも酒を飲みかわし、お互いの背中をバシバシ叩きながらゲラゲラ笑っている。
いかつい男同士仲良くしててくれ。
「ごしゅじーん、飲んでますかぁぁぁ~?」
「来たな酔っ払いめ」
「またまたぁ~照れ隠しですかぁ?」
「ちゃうわい。……まぁいい、今日は細かい事は抜きだ。こんな状態で皆に説明したって頭に入ってこないだろうからな。説明は明日にして今日の所は楽しく飲んで騒ごうじゃないか」
「うぇへへ~。じゃあ一緒に踊って下さいよぅ♪」
「あん? お前踊りなんかできるのか?」
似合わない事この上ない。
「もっりろんれすー♪ こう見えても神楽舞はとっくいなんれすよー?」
神官になる為にはそんな物までやらされるのか?
「さ、立ってくらはい。ほらこうやって~いきますよぉ~? まーいむまーいむ」
「おい」
「なんれす?」
「……いや、いいや。なんでもない」
こいつが躍ってるのは絶対的に神楽舞なんかじゃねぇけど、突っ込むのも疲れたので好きにやらせる事にした。
「ほえーっ、アルマさんがびっくりしてますよぅ」
やっぱりネコにもママドラみたいにアルマの声が聞こえてるのか。プライベートが無くなるようなもんだから大抵の奴は嫌がるだろうけど、こいつは……まぁ大丈夫なんだろうな。
「なんならそのうち教えるから。とりあえずさっさと通れ」
「はーい」
ネコを穴に押し込み、最後に俺が通る。
ぶっちゃけかなりしんどい。
穴はもう大分小さくなっていて、気を抜いたら塞がってしまいそうだ。
「よっ……と」
ワームホールから出ると、予定通り家の庭だった。ゲオルが畑で野菜を引っこ抜いている。
これだけの距離を移動するのは初めてだったので少し心配だったがうまく行ったようで安心した。
「こ、ここが……六竜の、家か……」
「意外と地味、というか普通の家ですわね?」
「どこでもドアじゃーっ!」
ナージャ、姫、爺さんがそれぞれ好き勝手な感想を述べていると、ゲオルが麦わら帽子をくいっと持ち上げながらこちらにやってきた。
ちなみに麦わら帽子を被ってはいるが髪と角は帽子を突き破って上から全部出てるのであまり意味は無い。
「おー、ミナト帰ってきたか! ……その犬っころとタヌキはなんだ? 新しい食料か?」
「ひ、姫になんたる無礼を!!」
ナージャはもうこういうキャラとして認識しておいた方がよさそうだな。
「そいつがゲオル。六竜の一人だ。俺達と違って六竜本人だから気を付けろよ」
「ひっ」
ナージャはまるで姫を差し出すように背後に回り込み、盾にした。
「怖い怖い六竜怖いっ!!」
「ナージャ! さっきまでと随分態度が違いますわね! 情けないったら……」
「わ、私は六竜も怖いですが男がほんと無理で……っ!」
「でもジオタリスとは普通に話してたじゃないか」
俺がそう聞くと、キッと睨みながら「アイツは幼馴染だから平気なんだ! それ以外はちょっと……」と泣きそう。
「獣人の里には男だって居ただろう?」
「獣人なんて見た目動物っぽいから男っぽくないだろ!?」
なるほど。分かったような分からんような……。
「ユイシス様ーっ! ご無事でしたか!? かむろがいなくても大丈夫でしたか? 私はもう不安で不安で……」
かむろは情けない声をあげながらユイシスに飛びついておんおん泣き出した。
こいつはユイシスとアルマの事になると人が変わる……というか狐が変わるから敢えて置いていったのだが、ちょっと離しただけでこんな事になるならセットで動かした方がいいかもしれないな。
分離不安症みたいなものだろうか……。
「おーよしよし大丈夫だよー♪」
頭を撫でられたらすぐに泣き止んで、いそいそと二本足で直立し、腰に手を当てて客人を睨む。
「一体この人達は何者なんです? ミナト様、ご説明を」
「ん、後でみんな集めて説明するからさ、とりあえずオッサに飲み物と、食事をお願いしてもらえるか? 今回はスペシャルコースで」
スペシャルコース。つまり夢の種だ。
タヌキ姫とナージャはともかく、爺さんにはどうしても食わせてやりたかった。
「爺さん、今から好きなもん食わせてやるから食べたい物を考えておきな。なんでも食わせてやる」
「な、なんでも……じゃと? しかしこの世界では……」
「言っただろ、何でも、だ。楽しみにしていいぜ」
その言葉を聞いていた姫とナージャもなんだかソワソワしていた。
きっと獣人の里ではそこまでいい物を食べてなかったのかもしれない。
あんな場所じゃ食料の調達も大変そうだものな。
きっと最初、馬鹿ネコは食料調達に出て来た獣人と遭遇したんだろう。
その日はまるでお祭りのようにどんちゃん騒ぎだった。
何故かイリスと姫は意気投合してなにやらキャッキャ騒いでいるし、アリアとナージャも性格がうまくかみ合ったらしく騎士たる者どうとかこうとか……みたいな話をしながら酒をちびちびやっていた。
爺さんはどうやらハンバーガーと寿司とかつ丼とウナギをたらふく食べたらしく泣いて喜んでくれたので連れてきた甲斐があるというものだ。
俺よりもこの世界で随分長い事頑張って来たんだろうから懐かしい食事が食べれて感極まったようだ。
酒を煽りながら商人のおっちゃんに絡んで、「儂の前世はなぁ!」とか言い出している。
おっちゃんは話半分で受け流しているようだったが、商人だけあってその辺の接待がとてもうまい。苦労をかけてすまん。
ゲオルとジオタリスも酒を飲みかわし、お互いの背中をバシバシ叩きながらゲラゲラ笑っている。
いかつい男同士仲良くしててくれ。
「ごしゅじーん、飲んでますかぁぁぁ~?」
「来たな酔っ払いめ」
「またまたぁ~照れ隠しですかぁ?」
「ちゃうわい。……まぁいい、今日は細かい事は抜きだ。こんな状態で皆に説明したって頭に入ってこないだろうからな。説明は明日にして今日の所は楽しく飲んで騒ごうじゃないか」
「うぇへへ~。じゃあ一緒に踊って下さいよぅ♪」
「あん? お前踊りなんかできるのか?」
似合わない事この上ない。
「もっりろんれすー♪ こう見えても神楽舞はとっくいなんれすよー?」
神官になる為にはそんな物までやらされるのか?
「さ、立ってくらはい。ほらこうやって~いきますよぉ~? まーいむまーいむ」
「おい」
「なんれす?」
「……いや、いいや。なんでもない」
こいつが躍ってるのは絶対的に神楽舞なんかじゃねぇけど、突っ込むのも疲れたので好きにやらせる事にした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!
カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。
その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。
「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」
次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。
彼女は知っている。
このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。
未来を変えるため、アメリアは
冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。
これは、かつて守れなかった主人のための転生。
そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。
王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
挿絵はA I画像を使用
10/20 第一章完結
12/20 第二章完結
2/16 第三章完結
他サイト掲載
(小説家になろう、Caita)
魔法使いじゃなくて魔弓使いです
カタナヅキ
ファンタジー
※派手な攻撃魔法で敵を倒すより、矢に魔力を付与して戦う方が燃費が良いです
魔物に両親を殺された少年は森に暮らすエルフに拾われ、彼女に弟子入りして弓の技術を教わった。それから時が経過して少年は付与魔法と呼ばれる古代魔術を覚えると、弓の技術と組み合わせて「魔弓術」という戦術を編み出す。それを知ったエルフは少年に出て行くように伝える。
「お前はもう一人で生きていける。森から出て旅に出ろ」
「ええっ!?」
いきなり森から追い出された少年は当てもない旅に出ることになり、彼は師から教わった弓の技術と自分で覚えた魔法の力を頼りに生きていく。そして彼は外の世界に出て普通の人間の魔法使いの殆どは攻撃魔法で敵を殲滅するのが主流だと知る。
「攻撃魔法は派手で格好いいとは思うけど……無駄に魔力を使いすぎてる気がするな」
攻撃魔法は凄まじい威力を誇る反面に術者に大きな負担を与えるため、それを知ったレノは攻撃魔法よりも矢に魔力を付与して攻撃を行う方が燃費も良くて効率的に倒せる気がした――
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる