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☆おまけ☆

閑話4:男の友情⇔ライバル。

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「ごめんよぅ……おいらなんの役にも立たなくて」

「何言ってるのさ。もっごは僕の事ちゃんと心配してくれたしあの男どもとは違うから! 今だって僕を乗せてくれてるしね♪ いつもありがと☆」

 既に僕達は山を登り始めていて、自然に囲まれたこの山はもっごにとってとても居心地がいいらしく彼の足も軽い。

 それとは真逆でリィルは最後尾でひーひー言ってる。

「どうしたエルフ、早く来ないと置いて行くぞ?」

「まったく情けない。体力が無さすぎる」

「ぜぇ……ぜぇ……貴方達が、おかしいんです、よ……」

 まったく……どうしてこの人達は仲良くできないのかなぁ。

「ラスカルとクラマはいつまでも大人げない対応しないでよね! みっともないよー?」

「ぐっ……別に、私はいつも通りだ」
「同じく、俺だって普段通りのつもりだが?」

「君等は普段から喧嘩売りすぎなの! もうちょっと仲良くしてよね!」

「……善処はしよう。私は無神経で頑固などこかの勇者とは違うからな」
「貴様……今度は俺に喧嘩を売るつもりか?」

 ぐぬぬ……この人達は本当にこれがいつも通りなんだよなぁ。

「ねぇ、いい加減にしないと僕怒るよ?」

「……少し、休憩するか」
「そ、そうだな」

 僕が本気を出したら言霊で無理矢理言う事をきかせられると分かっているからか、それ以上文句を言いあう事も煽りあう事も無かった。

 胸の内は知らないけど表面上だけはこれでうまくいきそうだ。

 本当に面倒だなぁ男って。

 自分もちょっと前まで男だったのに素直にそう思えるあたり僕はもう男をやめちゃってるんだろうね。

 身体に引っ張られている部分もあるかもしれないけれど今の僕が本来の僕なんだって心から思える。

「私も、身体がついて行かず迷惑をかけてすいません」

 少し開けた場所で岩に腰かけて休憩していると、リィルがそんな事を言いだした。

 自分から折れて真っ先にそういう事を言えるあたり誰よりも大人だ。

「いや、すまん。私は魔王だからな、人間達と基礎体力を同じと考えてしまったのは悪かった。ユキナが歩きで同じように疲れていたらきっとあんな言い方はしなかっただろうし、反省している」

「俺はもともと身体を鍛えているが、それでもこの山の傾斜はなかなかのものだ。リィルは魔導士なのだから辛くても当然だ」

 リィルの言葉を皮切りにラスカルとクラマもそれぞれ反省の言葉を述べる。

 そうそう、そうやって仲良くなっていけばいいんだよ。みんなやればできんじゃん♪

「しかしだ、それとユキナの件は別問題だ。私は一切譲る気はないからな」

 おい。

「それは俺もだ。そもそもしつこい魔王に辟易しているのにリィルまでとなれば頭が痛くてかなわん」

 おいお前ら。

「ははは……いいでしょう、そういう事ならば私も受けて立ちますよ。貴方がたはどうにもデリカシーにかける部分が大きいですからね。私は私の戦い方というのをお見せしようじゃありませんか」

 リィルまで……!?

「嬢ちゃん、こればっかりは仕方ねぇ。モテる女は辛いぜって事だぜ」

「もっご……」

「それに心配はいらねぇよ。ほら、見てみな」

 急にまた火花を散らし始めた三人は、いつのまにかみんなで笑いあっていた。

「……何がなんだか……」

「男ってのはこういうもんなんだよ」

 僕にはもっごの言う事がよく分からなかった。
 まぁ仲良くしてくれるならいいけどさ。

「切磋琢磨するライバルってのが居ると成長するってやつだぜ」

 あー、なるほどね。
 それはとても分かりやすい表現だった。
 でもその切磋琢磨、とかライバル、とかの原因のど真ん中が僕ってのはちょっとやめてほしいなぁ。

「どうだエルフ……いやリィルよ。そろそろ行けそうか?」

「はい。多少回復しましたよ魔王……ではなくラスカルでしたね」

 ラスカルとリィルはわざとらしく相手に名前を呼んで理解を深めた感じを僕にアピールしてくる。
 それが本心からだったら僕は嬉しいよ。

「ちなみにタケーノコというのはどんな場所に生えるんだ?」

 そう聞いたのはクラマ。それ僕も気になってたんだよね……日本だったら美味しいタケノコってまだ小さいやつだし、地面をよく調べなきゃ見つからないってテレビで見た事ある。

「生える……? あぁ、アレを生えると言うのなら確かにそうか」

「一応生えてはいますからねぇ」

 こちらの住民である二人はよく分からない返事をした。
 一応生えてるって何……?


「パッと見この辺りには居なそうなのでもっと上を調べてみましょう」

 僕とクラマはなんだかちょっと不思議な会話の齟齬に首を傾げながらも二人の後を付いていく事にした。

 でもその先でやっと見つけたタケーノコがまさかあんな物だとはね。

 そりゃ想像つかんわ。

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