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ep.12 罰〜呪具、絶頂吸収のネックレス〜
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また牢に入れられるとは、思ってもいなかった。
「んっ……痛っ」
全裸のまま、私の両手と両足は鎖で1箇所に括られ、腹が下を向くように宙吊りになっていた。真下には気味の悪い蓋のしてある壺が置いてあるのが伺えた。
ずっと当たり前のように身に纏っていた髪の毛が、今では首を引っ張るおもりのようにさえ思えた。
心のどこかで私は、ムマクを信じ好意を抱き始めていた。だが、改めて思い知らされる。メイドという役柄で呼ばれようとも、本質は奴隷であるということに。
ご主人様の命令に背けば、罰が下される。そんな当たり前のことを忘れていた。
「アリサ。昨晩の貴女の行いについてですが。正直に言いましょう。ワタクシもつい興に乗ってしまい、楽しんでしまいました。しかし、ワタクシとしても、主人として貴女の上に立つ矜持がある。勝手に振る舞う物には、罰が必要です」
すぐ近くの椅子に腰掛けていたムマクが言った。
鞭打ちか、水責めか。どんな拷問がくるのかと、身構えた。戦いで痛みになら耐えてきたつもりであったが、身体中が敏感になっている状態で痛みを味わうと考えると、恐怖の感情が浮かび上がる。
「ワタクシは考えたのですよ、貴女にはどのような罰が適切か。娼婦としての仕事をより早めて貰おうかと考えていたのですが、昨晩の貴女の調子だとこれはあまり効果的ではない」
立ち上がり、私に近づいてくる。
「そこで、久しぶりにある呪具を使うという結論に至りました。ついでに、色々と他の呪具達の適応具合を再確認できます」
壺の蓋をムマクは開く。そこには、悍ましい触手の数々が蠢き、今にもこちらに手を伸ばそうとしていた。丁寧なことに、穴の大きさは私の体が余裕を持って入るくらいであった。
戦場の内臓や腐った死体には慣れていた。だが、これはまるで違った気持ち悪さを催す。生理的本能が直接拒否するような造形に、腐った卵にイカ臭さが混ざった臭いが鼻をつく。
咳込み、吐瀉物すら出しそうになるのをなんとか堪える。
体をゆらし、どうにか逃げれないかと試した。だが、ただ手首と足首の痛みが増しただけで効果はまるでなかった。
「......うっっ」
鼻を塞ぎたい欲求に駆られ吐き気が湧き上がるが、腕の自由が効かない。ムマクは平気そうな顔で、何やらクリームを鼻もとに塗っていた。
「見ての通りの触手壺です。アリサには、最低半日間この中に入って貰います。普通の人間の女が入れば、触手が分泌する媚薬と全身愛撫及び陰部への挿入でイキ狂うそうです」
嘘だと信じたかった。こんな悍ましい生物が存在していたことを私は知らない。快楽漬けの罰など、聞いたことがない。
痛みに比べればと、一瞬考えたが、感じたくもないのに感じてしまう苦痛を一度私は味わっている。媚薬によってそれ以上の快楽を感じるとなると、身体が震えた。
興味が全くなかったわけではない。だが、既に身体は普段以上に敏感になっていることを鑑みると危険の香りの方が強い。
「しかし、ワタクシとて、大事な物に簡単には壊れて欲しくはありません」
首をふりながら、私の乳首のピアスを弄り始めるムマク。そしてポケットから、ある赤色の宝石が埋められたネックレスを私の首にかけた。
「そこで、このネックレスの出番です。そして、アリサにとって最も有効的な罰となることでしょう。絶頂を封じる呪いが込められた一品でございます」
絶頂のない快楽。生殺しの言葉が浮かぶ。
「アリサ。貴女はワタクシの物なのですよ。ワタクシがイけと許可するまでは、決して絶頂は許されません。主人に対し身勝手な行動を起こしたことに対する罰を、しかと味わいなさい」
——いやだ、いやだ!
そんな思いはしたくない。その一心で、私は許しを乞う。
「申し訳ございませんでした! 身体が勝手に、動いてしまいました……。淫魔の本能のようなものが、私を突き動かしました……。どうか愚かな私めがムマク様の命令なく行動してしまったことを心からお詫びします。なのでどうか……どうかこれだけは」
俯き、わけの分からない恐怖に涙が溢れていた。 罰が軽くなることを祈る。あの触手の中に入るなど想像もしたくもない。
「そうですか、ではその謝罪の気持ちを胸に罰を受け入れなさい」
部屋の角にあった、私の身動きを封じる鎖に繋がったからくりのレバーにムマクは手をかける。
「っ?! ムマク様! お赦しください! こんなのは嫌だ!! これだけは嫌だっ!! 嫌だ嫌だ嫌だ!!!」
両耳を塞ぎうるさそうにするムマク。
「あーうるさい。うるさい物には栓をしなければなりません、ねっ!」
早歩きで近づくと、ポケットから取り出した口枷を無理やり嵌め込まれた。
「んんっ!!! わはぁっ!? んんんんんn!!!!!」
全身をばたつかせ、動こうとするが鎖を僅かに揺らすのが精々であった。淡々とムマクはレバーの元へと戻った。
——お願いだ……やめてくれ。
人間に陵辱されるのは、正直悪くなかったとすら思えてしまった。状況さえ整えば私自身が優位に立つことさえできる。だけど、これは……許容の範疇を遥かに超えていた。
人間どころか獣ですらない得体のしれない生き物に何をされるのか分からない不安が、狼の群れに囲まれたかのように襲ってくる。
ムマクがレバーを引いた。鉄が重なり合う重い駆動音の後に、大きな衝撃が私を揺らす。
「んんっ♡!?」
ただの揺れによる乳首と全身への刺激で、じんわりとした官能が私を覆み込んだ。股の間、その奥が濡れ始めているのも、陰唇を通して分かった。
ただ、私の身体の細かい感情や感覚を気にすることなどなく、鎖は下ろされていく。
「……んっ……」
湿気のような、粘り気を纏った熱がすでに臀部に感じられた。もう下を見る気も起きない。目を瞑り、現実から目を背ける。
——お願い、お願いだ。夢であってください……。
その願いを否定するかのように、熱は着実に近づいていく。
「では、わたくしにはやることがあるので。また会いましょう」
レバーを下ろしたまま、ムマクは牢から出ていき、丁寧に鍵までかけていった。
逃げ場がなくとも、戦い続けてきた戦士としての魂はまだ完全には消え去っていないと思う。だが、これほどの絶望感に蝕まれることは想像していなかった。
「んんっ!」
生ぬるく、弾力のある肉がまずは私の腹を撫でる。
鎖が緩み、私の身体が触手の壺へと沈んでいく感覚が全身を包んでいく。
湿った熱気が肌にまとわりつき、腹を這う生温かい弾力が触手の動きを予感させた。
「んっ♡!」
喉の奥から漏れる声が、抑えきれぬ震えとなって広がる。
触手の先端が腰に触れた瞬間、柔らかくも粘着質な感触が肌に吸い付き、じわじわと広がる熱が下腹部に染み込む。媚薬の効果か、身体が勝手に反応し、股の奥が熱を帯びて疼き始めた。
更に壺の中へと向かっていく私を迎えるように、触手が胸と太もも、首と一本ずつ身体を這い上がってきた。ぬるぬるとした表面が敏感な肌を刺激するたび、鋭い快感が脊椎を駆け上がる。
「んぁっ♡!」
声が漏れ、ギャグボールが唾液で濡れる中、触手が陰唇に到達した。柔らかな先端がゆっくりと開き、粘液を纏った感触が内側に滑り込む。
熱い波が子宮に広がり、媚薬の効果で身体が勝手に震え、快楽が全身を包む。しかし、呪いの首輪がその頂点を封じ、絶頂に達しようとする感覚が寸前で引き戻される。
「んっ♡ んんっ♡……!」
悶える声が抑えきれず、胸の奥が締め付けられるような焦燥感が募る。
乳房に絡みついた触手が、柔らかな圧迫感と共に乳首ピアスを揺らす。冷たい金属と熱い粘液のコントラストが胸を貫き、甘い痺れが背中を這う。
「あぁっ♡!」
漏れる声が、快感と絶望の混じった音色に変わる。触手が乳首を包み込み、吸い付くように動くたび、鋭い刺激が下腹部に響き、膣が勝手に収縮する。
気づけば媚薬の甘い香りが鼻腔を満たし、生臭さを忘れさせた。頭がぼんやりとしつつも、呪いの力で絶頂が遠ざかる生殺しの感覚が私を苛む。
「んっ♡ あっ♡!」
身体が反応するたび、触手の動きが加速し、陰部に深く侵入する感触が全身を震わせる。
より深く壺の中へと入っていき、やがて全身が浸かるに至った。
数えきれない触手達が、身体が認識しきれないほどに肌を這い、ぬるぬるとした粘液が全身を濡らす。媚薬が血を巡り、快感が倍増する中、子宮が熱で脈打つ。
「んんっ♡!!!?」
声を上げても、ギャグボールがそれを塞ぎ、涙が溢れる。
触手が膣内で蠢き、内部を擦るたび、熱い波が内臓を揺らし、絶頂を求める本能が叫ぶが、ネックレスが光を放つ度にその解放を拒む。
身体は快楽に溺れ、淫魔の呪いがさらに深く根付きながらも、満たされない疼きが私を狂わせていく。
時間が永遠に感じられ、意識を放り投げることすら許されなかった。
——意識を少しでも遠くに。
そう逃げようとしても、全身を弄る暴力的なまでの快感が無理やり意識を身体に引き戻す。
——イカせてくれ。お願いだ、イカせてください!
「ああっ♡んぅん。んんんん!!! ……んっ」
願いすら言葉に出来ない。もはや自分自身の身体の輪郭すら快楽に上書きされ溶けていくようだった。
何時間が経っただろうか。いや、数分だったかもしれない。確かに言えるのは、私は今まで生きてきた中で最も過酷な地獄の中にいるということだ。
きっと今の私は、奴隷の罰に相応しい醜い姿をしている。目すら触手に覆われ真っ暗闇の中で終わらない快楽を注入され続けている。
膣どころか、尻の穴にも出し入れを繰り返される感覚が体内の輪郭を示す。
「んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡」
触手の速度と力強さがあがり、絶頂へと込み上げる感覚が圧倒的早さで積み重なる。
——イグっ♡イク、いかせてっ。イくゥっ……クソ! クソクソクソが!
「ンンン!!!!!」
だが、頂点に達した瞬間全ての感覚が一瞬だけ消えて、絶頂の感覚が無に帰す。
そしてまた、同じことの繰り返し。
もはや何度この流れを経験したかなど、覚えていない。
——イかせて! イかせて! イかせて! お願いだから、私をイかせてください! もうなんでもいい、なんでもするから!!
もう絶対に身勝手なことはしません。どんな命令にも従います、だから救ってくださいと。ムマクに伝えたかった。
だが、触手の体液と私の身体が鳴らす音と耳を舐め回すような、クチュクチュと鳴る音だけが私の思考を覆った。
意識が朦朧とし、眠気に包まれる。だが、その度に叩き起こされ快楽の暴力を振るわれる。頭の中は官能に満たされていたが、絶頂の瞬間が駄目にされる度、堪えきれない頭痛に襲われた。
交互に私を責めたてる快楽と痛み。もう、身体はとうの昔に限界を迎えていたのがわかった。
「これは、これは……中々なことになっていますね」
身体が絶望の海の中から引き上げられと同時に、救世主の声が遠くで聞こえた気がした。
「んっ……痛っ」
全裸のまま、私の両手と両足は鎖で1箇所に括られ、腹が下を向くように宙吊りになっていた。真下には気味の悪い蓋のしてある壺が置いてあるのが伺えた。
ずっと当たり前のように身に纏っていた髪の毛が、今では首を引っ張るおもりのようにさえ思えた。
心のどこかで私は、ムマクを信じ好意を抱き始めていた。だが、改めて思い知らされる。メイドという役柄で呼ばれようとも、本質は奴隷であるということに。
ご主人様の命令に背けば、罰が下される。そんな当たり前のことを忘れていた。
「アリサ。昨晩の貴女の行いについてですが。正直に言いましょう。ワタクシもつい興に乗ってしまい、楽しんでしまいました。しかし、ワタクシとしても、主人として貴女の上に立つ矜持がある。勝手に振る舞う物には、罰が必要です」
すぐ近くの椅子に腰掛けていたムマクが言った。
鞭打ちか、水責めか。どんな拷問がくるのかと、身構えた。戦いで痛みになら耐えてきたつもりであったが、身体中が敏感になっている状態で痛みを味わうと考えると、恐怖の感情が浮かび上がる。
「ワタクシは考えたのですよ、貴女にはどのような罰が適切か。娼婦としての仕事をより早めて貰おうかと考えていたのですが、昨晩の貴女の調子だとこれはあまり効果的ではない」
立ち上がり、私に近づいてくる。
「そこで、久しぶりにある呪具を使うという結論に至りました。ついでに、色々と他の呪具達の適応具合を再確認できます」
壺の蓋をムマクは開く。そこには、悍ましい触手の数々が蠢き、今にもこちらに手を伸ばそうとしていた。丁寧なことに、穴の大きさは私の体が余裕を持って入るくらいであった。
戦場の内臓や腐った死体には慣れていた。だが、これはまるで違った気持ち悪さを催す。生理的本能が直接拒否するような造形に、腐った卵にイカ臭さが混ざった臭いが鼻をつく。
咳込み、吐瀉物すら出しそうになるのをなんとか堪える。
体をゆらし、どうにか逃げれないかと試した。だが、ただ手首と足首の痛みが増しただけで効果はまるでなかった。
「......うっっ」
鼻を塞ぎたい欲求に駆られ吐き気が湧き上がるが、腕の自由が効かない。ムマクは平気そうな顔で、何やらクリームを鼻もとに塗っていた。
「見ての通りの触手壺です。アリサには、最低半日間この中に入って貰います。普通の人間の女が入れば、触手が分泌する媚薬と全身愛撫及び陰部への挿入でイキ狂うそうです」
嘘だと信じたかった。こんな悍ましい生物が存在していたことを私は知らない。快楽漬けの罰など、聞いたことがない。
痛みに比べればと、一瞬考えたが、感じたくもないのに感じてしまう苦痛を一度私は味わっている。媚薬によってそれ以上の快楽を感じるとなると、身体が震えた。
興味が全くなかったわけではない。だが、既に身体は普段以上に敏感になっていることを鑑みると危険の香りの方が強い。
「しかし、ワタクシとて、大事な物に簡単には壊れて欲しくはありません」
首をふりながら、私の乳首のピアスを弄り始めるムマク。そしてポケットから、ある赤色の宝石が埋められたネックレスを私の首にかけた。
「そこで、このネックレスの出番です。そして、アリサにとって最も有効的な罰となることでしょう。絶頂を封じる呪いが込められた一品でございます」
絶頂のない快楽。生殺しの言葉が浮かぶ。
「アリサ。貴女はワタクシの物なのですよ。ワタクシがイけと許可するまでは、決して絶頂は許されません。主人に対し身勝手な行動を起こしたことに対する罰を、しかと味わいなさい」
——いやだ、いやだ!
そんな思いはしたくない。その一心で、私は許しを乞う。
「申し訳ございませんでした! 身体が勝手に、動いてしまいました……。淫魔の本能のようなものが、私を突き動かしました……。どうか愚かな私めがムマク様の命令なく行動してしまったことを心からお詫びします。なのでどうか……どうかこれだけは」
俯き、わけの分からない恐怖に涙が溢れていた。 罰が軽くなることを祈る。あの触手の中に入るなど想像もしたくもない。
「そうですか、ではその謝罪の気持ちを胸に罰を受け入れなさい」
部屋の角にあった、私の身動きを封じる鎖に繋がったからくりのレバーにムマクは手をかける。
「っ?! ムマク様! お赦しください! こんなのは嫌だ!! これだけは嫌だっ!! 嫌だ嫌だ嫌だ!!!」
両耳を塞ぎうるさそうにするムマク。
「あーうるさい。うるさい物には栓をしなければなりません、ねっ!」
早歩きで近づくと、ポケットから取り出した口枷を無理やり嵌め込まれた。
「んんっ!!! わはぁっ!? んんんんんn!!!!!」
全身をばたつかせ、動こうとするが鎖を僅かに揺らすのが精々であった。淡々とムマクはレバーの元へと戻った。
——お願いだ……やめてくれ。
人間に陵辱されるのは、正直悪くなかったとすら思えてしまった。状況さえ整えば私自身が優位に立つことさえできる。だけど、これは……許容の範疇を遥かに超えていた。
人間どころか獣ですらない得体のしれない生き物に何をされるのか分からない不安が、狼の群れに囲まれたかのように襲ってくる。
ムマクがレバーを引いた。鉄が重なり合う重い駆動音の後に、大きな衝撃が私を揺らす。
「んんっ♡!?」
ただの揺れによる乳首と全身への刺激で、じんわりとした官能が私を覆み込んだ。股の間、その奥が濡れ始めているのも、陰唇を通して分かった。
ただ、私の身体の細かい感情や感覚を気にすることなどなく、鎖は下ろされていく。
「……んっ……」
湿気のような、粘り気を纏った熱がすでに臀部に感じられた。もう下を見る気も起きない。目を瞑り、現実から目を背ける。
——お願い、お願いだ。夢であってください……。
その願いを否定するかのように、熱は着実に近づいていく。
「では、わたくしにはやることがあるので。また会いましょう」
レバーを下ろしたまま、ムマクは牢から出ていき、丁寧に鍵までかけていった。
逃げ場がなくとも、戦い続けてきた戦士としての魂はまだ完全には消え去っていないと思う。だが、これほどの絶望感に蝕まれることは想像していなかった。
「んんっ!」
生ぬるく、弾力のある肉がまずは私の腹を撫でる。
鎖が緩み、私の身体が触手の壺へと沈んでいく感覚が全身を包んでいく。
湿った熱気が肌にまとわりつき、腹を這う生温かい弾力が触手の動きを予感させた。
「んっ♡!」
喉の奥から漏れる声が、抑えきれぬ震えとなって広がる。
触手の先端が腰に触れた瞬間、柔らかくも粘着質な感触が肌に吸い付き、じわじわと広がる熱が下腹部に染み込む。媚薬の効果か、身体が勝手に反応し、股の奥が熱を帯びて疼き始めた。
更に壺の中へと向かっていく私を迎えるように、触手が胸と太もも、首と一本ずつ身体を這い上がってきた。ぬるぬるとした表面が敏感な肌を刺激するたび、鋭い快感が脊椎を駆け上がる。
「んぁっ♡!」
声が漏れ、ギャグボールが唾液で濡れる中、触手が陰唇に到達した。柔らかな先端がゆっくりと開き、粘液を纏った感触が内側に滑り込む。
熱い波が子宮に広がり、媚薬の効果で身体が勝手に震え、快楽が全身を包む。しかし、呪いの首輪がその頂点を封じ、絶頂に達しようとする感覚が寸前で引き戻される。
「んっ♡ んんっ♡……!」
悶える声が抑えきれず、胸の奥が締め付けられるような焦燥感が募る。
乳房に絡みついた触手が、柔らかな圧迫感と共に乳首ピアスを揺らす。冷たい金属と熱い粘液のコントラストが胸を貫き、甘い痺れが背中を這う。
「あぁっ♡!」
漏れる声が、快感と絶望の混じった音色に変わる。触手が乳首を包み込み、吸い付くように動くたび、鋭い刺激が下腹部に響き、膣が勝手に収縮する。
気づけば媚薬の甘い香りが鼻腔を満たし、生臭さを忘れさせた。頭がぼんやりとしつつも、呪いの力で絶頂が遠ざかる生殺しの感覚が私を苛む。
「んっ♡ あっ♡!」
身体が反応するたび、触手の動きが加速し、陰部に深く侵入する感触が全身を震わせる。
より深く壺の中へと入っていき、やがて全身が浸かるに至った。
数えきれない触手達が、身体が認識しきれないほどに肌を這い、ぬるぬるとした粘液が全身を濡らす。媚薬が血を巡り、快感が倍増する中、子宮が熱で脈打つ。
「んんっ♡!!!?」
声を上げても、ギャグボールがそれを塞ぎ、涙が溢れる。
触手が膣内で蠢き、内部を擦るたび、熱い波が内臓を揺らし、絶頂を求める本能が叫ぶが、ネックレスが光を放つ度にその解放を拒む。
身体は快楽に溺れ、淫魔の呪いがさらに深く根付きながらも、満たされない疼きが私を狂わせていく。
時間が永遠に感じられ、意識を放り投げることすら許されなかった。
——意識を少しでも遠くに。
そう逃げようとしても、全身を弄る暴力的なまでの快感が無理やり意識を身体に引き戻す。
——イカせてくれ。お願いだ、イカせてください!
「ああっ♡んぅん。んんんん!!! ……んっ」
願いすら言葉に出来ない。もはや自分自身の身体の輪郭すら快楽に上書きされ溶けていくようだった。
何時間が経っただろうか。いや、数分だったかもしれない。確かに言えるのは、私は今まで生きてきた中で最も過酷な地獄の中にいるということだ。
きっと今の私は、奴隷の罰に相応しい醜い姿をしている。目すら触手に覆われ真っ暗闇の中で終わらない快楽を注入され続けている。
膣どころか、尻の穴にも出し入れを繰り返される感覚が体内の輪郭を示す。
「んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡」
触手の速度と力強さがあがり、絶頂へと込み上げる感覚が圧倒的早さで積み重なる。
——イグっ♡イク、いかせてっ。イくゥっ……クソ! クソクソクソが!
「ンンン!!!!!」
だが、頂点に達した瞬間全ての感覚が一瞬だけ消えて、絶頂の感覚が無に帰す。
そしてまた、同じことの繰り返し。
もはや何度この流れを経験したかなど、覚えていない。
——イかせて! イかせて! イかせて! お願いだから、私をイかせてください! もうなんでもいい、なんでもするから!!
もう絶対に身勝手なことはしません。どんな命令にも従います、だから救ってくださいと。ムマクに伝えたかった。
だが、触手の体液と私の身体が鳴らす音と耳を舐め回すような、クチュクチュと鳴る音だけが私の思考を覆った。
意識が朦朧とし、眠気に包まれる。だが、その度に叩き起こされ快楽の暴力を振るわれる。頭の中は官能に満たされていたが、絶頂の瞬間が駄目にされる度、堪えきれない頭痛に襲われた。
交互に私を責めたてる快楽と痛み。もう、身体はとうの昔に限界を迎えていたのがわかった。
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