2 / 22
2.出会い
しおりを挟む
第2話
とある森の中、金髪の長髪に、綺麗なドレスをした16歳くらいの少女がウルフ3頭に囲われていた。
「だ、誰か助けてください!」
少女の周りには誰もいない。絶望的な状況である。そして、ウルフが少女に襲いかかる。
「大丈夫か!」
すると、金髪の短髪で、青銅の鎧をした好青年がウルフ1頭を切り捨てる。すると、他の2頭のウルフも青年を威嚇する。
「ウルフ風情が…このガーバ様にかなうと思っているのか?」
ガーバと名乗った青年はそう言ってウルフに向けて剣を構える。ウルフが同時にガーバに向けて飛びかかる。すると、彼は1頭を足で蹴り飛ばし、もう1頭を剣で斬りつける。残りは蹴飛ばした1頭である。
「さあ、これで最後だ!」
するとガーバはウルフが走ってくると同時に走る。お互いが通り過ぎ、ガーバが剣を収めると、ウルフが血を吹き出し倒れた。これで3頭を見事仕留めることに成功した。
「大丈夫ですか?」
好青年特有の笑顔で手を差し伸べる。すると、少女は何とも言えない、ジトッとした目で彼を見つめていた。
「…20点ってところかしら」
「…はい?」
「まず、ウルフ1頭ずつ討伐するってのがそもそも遅い。次に、仮に1頭ずつ倒したとしても、今回は運良くそっちにウルフの気が逸れたけど私にそのまま襲いかかったらどうするつもりだったの?それと、そのご自慢の大剣だけど、見た目重視なの?全然うまく使いこなせてなかったよね?体を振り回されてるっていうか」
助けてもらったのに、次々とダメ出しをする美少女。
「な…せっかく助けたのに何だというんだ!?」
そう言ってガーバは激昂する。周りには誰もいなかった。ガーバが助けなければ命の危機に瀕していたのだ。それをダメ出しされては堪らないものである。
「はぁ…あんたに助けてもらっても。私は何とでもなったわよ」
すると、少女が指を「ピン!」と鳴らすと重装備している兵士が10人程度現れた。
「な!?」
「私の家で仕えてる兵士たちよ。ウルフなんかに手こずるような鍛え方はしてないわ。あんたと違ってね」
いきなり出てきた兵士たちに驚きを隠せないガーバ。
「…やっぱり兵士が待機してるのも分かってなかったのね…減点で15点ね。顔だけはいいからイケメン点で15点」
一端の騎士が顔だけを評価されたのだ。しかもこんな少女にである。思わず顔が赤くなる。
「アンタみたいな弱い騎士には興味ないわ。もう行っていいわよ」
「い、いったい何なんだよ…」
ガーバはなんとも言えない表情をして、少女の元を後にした。
「はぁ…なかなか現れないわね。いい騎士は」
「サクラ様。もう諦めてはどうでしょうか?入学の際には私が同行します」
兵士の中でも屈強な男がサクラと呼ばれる少女に話しかける。
「だめよベレス。あなたより強い騎士を探すためにわざわざこんな森に来てウルフに襲われてるのよ」
「そもそもそれが危険だと言うのです!」
「真の騎士を見つけるためには危険はつきものだわ!ほら!アンタらも早く隠れて。私1人じゃないとウルフが来ないじゃない」
「…かしこまりました」
そう言って兵士たちは再び隠れる。そして、ウルフにバレないように気配を消す。彼らは一端の兵士である。下級の魔獣にバレないように気配を消すなど造作もないことなのである。
「さて」
すると、サクラは再び、座り込んでウルフが来るのを待っている。実を言うと、サクラがウルフに襲われているのは1度や2度のことではない。
とある事情があり、強い騎士を探しているのだ。そのために自ら危険な目に遭い。先ほどのように騎士を探し出しているのだ。
数分すると、再びウルフがサクラの元にやってくる。今度は5頭である。
「だ、誰か助けてください!」
幾度目かの定形文を放つ。万が一襲われても兵士たちが何とかしてくれるが、危険なことには変わりはない。しかしサクラはそれでも騎士が必要なのである。その時である。
ズサァ!!!!
瞬間。大きな音と共に三日月の跡のように地面が抉れ、ウルフの影がどこにも無くなっていたのである。
「…え?」
「大丈夫ですか!?」
困惑したサクラは目の前に現れた少年の一言で頭を働かせる。少年は銀髪にズタボロの布キレで出来たような服に手足には千切れた鎖が付いていた。一目で奴隷だと分かる出立だった。年齢は15歳程度か。
「だ、大丈夫よ」
「それにしても…おい!そこに隠れている兵士ども!」
少年は森に隠れている兵士に怒り出す。
「このお嬢さんがピンチだったと言うのになにをしているんですか!?命令がなければ少女の命など見捨てると言うのですか!?それでも貴方達は兵士ですか!?」
少年の怒りは収まらない。
「ちょ、ちょっと待って。なんで兵士が隠れてるって、分かったの?」
「なんでもなにも、気配がダダ漏れじゃないですか。少しは気配を隠してるようですけど。こんなの3流以下の兵士ですよ」
「そ、そうですか」
思わず敬語になってしまうサクラ。すると、指を鳴らして兵士達が出てくる。
「ほら!こんなにいるのに誰も助けないなんて!なんて兵士ですか!?」
「ちょ、ちょっと待って。状況を整理させて。この抉れた地面は貴方がやったのよね?」
「? そうですけど」
「剣もなにも持ってないみたいだけど。どうやってそんなことしたの?」
「ああ、ちょうどいい太めの枝があったんでそれを使って」
「…はい?」
「あ、信じれないですよね。ちょっと待って下さいね」
すると、少年はそこら辺にあった木の棒を持って剣のように構え、振り抜ける。そして、先ほどのように凄まじい風圧が起き三日月型の跡に抉れる。少年の持っていた木の棒は粉々になる。
「信じてくれました?」
「は、はい」
再び畏るサクラ。信じられないと言ったような顔をする兵士たち。
「こらぁ!!!」
「あ」
少年が振り向くと、馬車がこちらに向かって止まる。
「奴隷が勝手に抜け出すんじゃない!」
「す、すいません…それに鎖を壊してしまいました…」
「上級魔獣すら千切れない鎖を…流石元団長…じゃなくて!さっさと乗れ!お前は奴隷だ!勝手な行動は控えて貰うからな」
「はい…私は屑です…命令に従います」
自分を屑とまで豪語して少年は馬車に乗ろうとする。奴隷根性が染み付いているのだろう。
「…100点満点…」
ウルフを瞬殺し、兵士たちにも気付き、顔もイケメン…と言うよりは可愛い系である。サクラの理想の騎士がそこにいた。
「ちょっと待って。貴方奴隷商人さん?」
「ん?そうだが?」
馬車に乗ろうとした人物は振り向きサクラの方を見る。
「さっきの奴隷。私が買うわ!」
これが、ダイヤとサクラの出会いだった。
とある森の中、金髪の長髪に、綺麗なドレスをした16歳くらいの少女がウルフ3頭に囲われていた。
「だ、誰か助けてください!」
少女の周りには誰もいない。絶望的な状況である。そして、ウルフが少女に襲いかかる。
「大丈夫か!」
すると、金髪の短髪で、青銅の鎧をした好青年がウルフ1頭を切り捨てる。すると、他の2頭のウルフも青年を威嚇する。
「ウルフ風情が…このガーバ様にかなうと思っているのか?」
ガーバと名乗った青年はそう言ってウルフに向けて剣を構える。ウルフが同時にガーバに向けて飛びかかる。すると、彼は1頭を足で蹴り飛ばし、もう1頭を剣で斬りつける。残りは蹴飛ばした1頭である。
「さあ、これで最後だ!」
するとガーバはウルフが走ってくると同時に走る。お互いが通り過ぎ、ガーバが剣を収めると、ウルフが血を吹き出し倒れた。これで3頭を見事仕留めることに成功した。
「大丈夫ですか?」
好青年特有の笑顔で手を差し伸べる。すると、少女は何とも言えない、ジトッとした目で彼を見つめていた。
「…20点ってところかしら」
「…はい?」
「まず、ウルフ1頭ずつ討伐するってのがそもそも遅い。次に、仮に1頭ずつ倒したとしても、今回は運良くそっちにウルフの気が逸れたけど私にそのまま襲いかかったらどうするつもりだったの?それと、そのご自慢の大剣だけど、見た目重視なの?全然うまく使いこなせてなかったよね?体を振り回されてるっていうか」
助けてもらったのに、次々とダメ出しをする美少女。
「な…せっかく助けたのに何だというんだ!?」
そう言ってガーバは激昂する。周りには誰もいなかった。ガーバが助けなければ命の危機に瀕していたのだ。それをダメ出しされては堪らないものである。
「はぁ…あんたに助けてもらっても。私は何とでもなったわよ」
すると、少女が指を「ピン!」と鳴らすと重装備している兵士が10人程度現れた。
「な!?」
「私の家で仕えてる兵士たちよ。ウルフなんかに手こずるような鍛え方はしてないわ。あんたと違ってね」
いきなり出てきた兵士たちに驚きを隠せないガーバ。
「…やっぱり兵士が待機してるのも分かってなかったのね…減点で15点ね。顔だけはいいからイケメン点で15点」
一端の騎士が顔だけを評価されたのだ。しかもこんな少女にである。思わず顔が赤くなる。
「アンタみたいな弱い騎士には興味ないわ。もう行っていいわよ」
「い、いったい何なんだよ…」
ガーバはなんとも言えない表情をして、少女の元を後にした。
「はぁ…なかなか現れないわね。いい騎士は」
「サクラ様。もう諦めてはどうでしょうか?入学の際には私が同行します」
兵士の中でも屈強な男がサクラと呼ばれる少女に話しかける。
「だめよベレス。あなたより強い騎士を探すためにわざわざこんな森に来てウルフに襲われてるのよ」
「そもそもそれが危険だと言うのです!」
「真の騎士を見つけるためには危険はつきものだわ!ほら!アンタらも早く隠れて。私1人じゃないとウルフが来ないじゃない」
「…かしこまりました」
そう言って兵士たちは再び隠れる。そして、ウルフにバレないように気配を消す。彼らは一端の兵士である。下級の魔獣にバレないように気配を消すなど造作もないことなのである。
「さて」
すると、サクラは再び、座り込んでウルフが来るのを待っている。実を言うと、サクラがウルフに襲われているのは1度や2度のことではない。
とある事情があり、強い騎士を探しているのだ。そのために自ら危険な目に遭い。先ほどのように騎士を探し出しているのだ。
数分すると、再びウルフがサクラの元にやってくる。今度は5頭である。
「だ、誰か助けてください!」
幾度目かの定形文を放つ。万が一襲われても兵士たちが何とかしてくれるが、危険なことには変わりはない。しかしサクラはそれでも騎士が必要なのである。その時である。
ズサァ!!!!
瞬間。大きな音と共に三日月の跡のように地面が抉れ、ウルフの影がどこにも無くなっていたのである。
「…え?」
「大丈夫ですか!?」
困惑したサクラは目の前に現れた少年の一言で頭を働かせる。少年は銀髪にズタボロの布キレで出来たような服に手足には千切れた鎖が付いていた。一目で奴隷だと分かる出立だった。年齢は15歳程度か。
「だ、大丈夫よ」
「それにしても…おい!そこに隠れている兵士ども!」
少年は森に隠れている兵士に怒り出す。
「このお嬢さんがピンチだったと言うのになにをしているんですか!?命令がなければ少女の命など見捨てると言うのですか!?それでも貴方達は兵士ですか!?」
少年の怒りは収まらない。
「ちょ、ちょっと待って。なんで兵士が隠れてるって、分かったの?」
「なんでもなにも、気配がダダ漏れじゃないですか。少しは気配を隠してるようですけど。こんなの3流以下の兵士ですよ」
「そ、そうですか」
思わず敬語になってしまうサクラ。すると、指を鳴らして兵士達が出てくる。
「ほら!こんなにいるのに誰も助けないなんて!なんて兵士ですか!?」
「ちょ、ちょっと待って。状況を整理させて。この抉れた地面は貴方がやったのよね?」
「? そうですけど」
「剣もなにも持ってないみたいだけど。どうやってそんなことしたの?」
「ああ、ちょうどいい太めの枝があったんでそれを使って」
「…はい?」
「あ、信じれないですよね。ちょっと待って下さいね」
すると、少年はそこら辺にあった木の棒を持って剣のように構え、振り抜ける。そして、先ほどのように凄まじい風圧が起き三日月型の跡に抉れる。少年の持っていた木の棒は粉々になる。
「信じてくれました?」
「は、はい」
再び畏るサクラ。信じられないと言ったような顔をする兵士たち。
「こらぁ!!!」
「あ」
少年が振り向くと、馬車がこちらに向かって止まる。
「奴隷が勝手に抜け出すんじゃない!」
「す、すいません…それに鎖を壊してしまいました…」
「上級魔獣すら千切れない鎖を…流石元団長…じゃなくて!さっさと乗れ!お前は奴隷だ!勝手な行動は控えて貰うからな」
「はい…私は屑です…命令に従います」
自分を屑とまで豪語して少年は馬車に乗ろうとする。奴隷根性が染み付いているのだろう。
「…100点満点…」
ウルフを瞬殺し、兵士たちにも気付き、顔もイケメン…と言うよりは可愛い系である。サクラの理想の騎士がそこにいた。
「ちょっと待って。貴方奴隷商人さん?」
「ん?そうだが?」
馬車に乗ろうとした人物は振り向きサクラの方を見る。
「さっきの奴隷。私が買うわ!」
これが、ダイヤとサクラの出会いだった。
0
あなたにおすすめの小説
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
一人、辺境の地に置いていかれたので、迎えが来るまで生き延びたいと思います
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
大きなスタンビートが来るため、領民全てを引き連れ避難する事になった。
しかし、着替えを手伝っていたメイドが別のメイドに駆り出された後、光を避けるためにクローゼットの奥に行き、朝早く起こされ、まだまだ眠かった僕はそのまま寝てしまった。用事を済ませたメイドが部屋に戻ってきた時、目に付く場所に僕が居なかったので先に行ったと思い、開けっ放しだったクローゼットを閉めて、メイドも急いで外へ向かった。
全員が揃ったと思った一行はそのまま領地を後にした。
クローゼットの中に幼い子供が一人、取り残されている事を知らないまま
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる