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6.新たな体験
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第6話
「学校ですか?」
突拍子のない話題に首を傾げる。
「そ、ダイヤは他の国出身だから知らないかもしれないけど。この国では上流階級の貴族たちが通う学校はそれを守る騎士とともに通うのよ」
「それで僕が必要だったんですか」
サクラが強い騎士を探していた理由がようやく分かった気がした。
「学校は来週から始まるわ、私はそれの1年生。新入生として入学するわ」
「来週からってギリギリじゃないですか!?」
「貴方が見つかって心から良かったと思ってるわ」
サクラは「うんうん」と頷く。
「あの学校では強い騎士を連れて行くだけでステータスになるから、貴方のような逸材は最高なのよ」
そう言ってダイヤの肩を掴む。
「そ、それは良かったですね」
圧の強いサクラに思わず引いてしまう。
「にしても学校ですか…」
そう言ってなんだかアンニュイな顔を見せる。
「ん?どうしたの?学校は嫌?」
「いえ、そんなことはないのですが…お恥ずかしいのですが、1度も学校と言うものに行ったことがなくてですね…」
「…そうなんだ」
「孤児院出身ですから文字の読み書きはなんとかできますが、これと言った教養を受けたことがありません」
「そいえば孤児って言ってたわね」
「はい…騎士団に上がっても魔獣狩りや戦争の毎日で、僕なんかが護衛とはいえ学校なんて神聖な場所に行って良いのか少し不安です」
そう言いながら気まずそうに笑う。
「ふーん」
サクラは腕を組む。
「本当にそれだけ?」
「え?」
ダイヤは予想外の発言にキョトンとした顔をする。
「貴方は今まで戦争の毎日だった。逆にいえば、同じことの毎日だった。だから新しいことをするのが怖いんじゃない?」
瞬間。ダイヤの目は大きく開いた。それは、ダイヤの心の奥にある核心をついていたからだった。彼自身、サクラに言われるまで気がつかなかったが、確かに新しいことをするのに抵抗を抱く自分がいることに気づいた。
サクラに拾われた時に、護衛の任務を重ねて同じようなことをこなせば良いと思っていたが、護衛とはいえ、学校に行くと言われて心のどこかで不安に駆られる自分がいたのだ。
それをサクラは当てて見せたのだ。剣の時もそうだが、彼女はそう言うことを察するのに長けているらしい。
「な、なんで分かったんですか?」
確信を突かれ、思わずサクラに確認をしてしまう。
「言ったでしょ。私そう言う勘がいいって」
サクラはにっこりと笑う。
「にしても困ったわね…このままじゃ1人で行かないと行けないわ」
わざとらしくそっぽを向きながらそんなことを話す。
「い、いえ!僕のことはお気にせず!大丈夫ですので!」
ダイヤは必死に訴えかける。それにニッと笑い出す。
「そうは行かないわよ。無理矢理行かせるなんてこっちも嫌だし…そうね…」
少し考えて、サクラが喋りだす。
「私はね。この屋敷に引っ越してきたのも数ヶ月前なの。この屋敷に私以外の家族はいないわ。いるのはメイドと兵士だけ。家族は実家のある東の地域にみんないるわ」
「え?」
言われてみれば、この2日間の間にサクラの家族に遭遇していたかった。紹介も1つもなかったから何かあるのかと思っていたが、メイドや兵士がいるとはいえ1人でこの家に住んでいるとは心労は計り知れないだろう。
「もちろん最初は不安だったわ。せめて兄様の1人くらいついてくれればいいのにって思ってた。けどね」
サクラは満開の笑顔で話す。
「実際に1人で暮らしてみると、いろいろな発見があって楽しかったわよ。ちょっと無茶なことしても怒られないし。それに、ちょっと無茶したお陰で貴方に会えたんだからね」
そう言ってサクラはダイヤの手を握る。思わずダイヤの顔が赤くなる。
「ま、私が言いたいのは新しい体験も、実際にやってみると大したことない。意外と楽しかったりするもんなのよ」
サクラなりの説得はダイヤの心にしっかりと訴えかけられた。
「そう…ですね。そんな気がしてきました。ありがとうございます」
ダイヤも笑顔で返す。
「うん!よろしい…そうだ!」
「?」
「折角だから新しい体験の練習をしてみない?」
「へ?」
サクラは悪い顔をしていた。
「サ、サクラ様…これは…」
「うん!やっぱり似合うと思ったのよ!完璧に女の子にしか見えないわ!」
ダイヤは青色のドレスを見に纏っていた。予想外のことでダイヤは混乱しているが、子犬のような瞳でサクラを見ている。
「サ、サクラ様…」
「きゃー!やっぱり可愛いわ!」
この上なく高揚しているサクラ。後ろにいるメイド達もキャッキャしながら次の衣装の用意をしているし、更には兵士たちもドキドキしながら見ている。
「次の洋服を用意して!」
サクラが命令すると、「かしこまりました」とメイド達がダイヤを囲む。
「や!やめ!あー!あー!」
次にダイヤは真っ黒なゴスロリ風の衣装を着せられた。白髪と似合って実に可愛らしい。
「100点満点ね!」
そう言って肩を叩く。
「どう?新しいことも、実際にやってみると大したことないでしょ?」
サクラが優しい笑顔でダイヤに問いかける。
「サクラ様…」
ダイヤは俯く。サクラなりに、ダイヤのためを思って考えてくれていたのかもしれない。
「いや!全然大したことありますよ!?」
しかし、ダイヤは突っ込まずにはいられなかった。ダイヤにそっちの気はないし、そもそも絶対サクラは楽しんでやってる。
ダイヤはサクラの話を聞いて不安が軽減されたが、これまたサクラのため、少しの不安を持って学校に行くことになりそうであった。
「学校ですか?」
突拍子のない話題に首を傾げる。
「そ、ダイヤは他の国出身だから知らないかもしれないけど。この国では上流階級の貴族たちが通う学校はそれを守る騎士とともに通うのよ」
「それで僕が必要だったんですか」
サクラが強い騎士を探していた理由がようやく分かった気がした。
「学校は来週から始まるわ、私はそれの1年生。新入生として入学するわ」
「来週からってギリギリじゃないですか!?」
「貴方が見つかって心から良かったと思ってるわ」
サクラは「うんうん」と頷く。
「あの学校では強い騎士を連れて行くだけでステータスになるから、貴方のような逸材は最高なのよ」
そう言ってダイヤの肩を掴む。
「そ、それは良かったですね」
圧の強いサクラに思わず引いてしまう。
「にしても学校ですか…」
そう言ってなんだかアンニュイな顔を見せる。
「ん?どうしたの?学校は嫌?」
「いえ、そんなことはないのですが…お恥ずかしいのですが、1度も学校と言うものに行ったことがなくてですね…」
「…そうなんだ」
「孤児院出身ですから文字の読み書きはなんとかできますが、これと言った教養を受けたことがありません」
「そいえば孤児って言ってたわね」
「はい…騎士団に上がっても魔獣狩りや戦争の毎日で、僕なんかが護衛とはいえ学校なんて神聖な場所に行って良いのか少し不安です」
そう言いながら気まずそうに笑う。
「ふーん」
サクラは腕を組む。
「本当にそれだけ?」
「え?」
ダイヤは予想外の発言にキョトンとした顔をする。
「貴方は今まで戦争の毎日だった。逆にいえば、同じことの毎日だった。だから新しいことをするのが怖いんじゃない?」
瞬間。ダイヤの目は大きく開いた。それは、ダイヤの心の奥にある核心をついていたからだった。彼自身、サクラに言われるまで気がつかなかったが、確かに新しいことをするのに抵抗を抱く自分がいることに気づいた。
サクラに拾われた時に、護衛の任務を重ねて同じようなことをこなせば良いと思っていたが、護衛とはいえ、学校に行くと言われて心のどこかで不安に駆られる自分がいたのだ。
それをサクラは当てて見せたのだ。剣の時もそうだが、彼女はそう言うことを察するのに長けているらしい。
「な、なんで分かったんですか?」
確信を突かれ、思わずサクラに確認をしてしまう。
「言ったでしょ。私そう言う勘がいいって」
サクラはにっこりと笑う。
「にしても困ったわね…このままじゃ1人で行かないと行けないわ」
わざとらしくそっぽを向きながらそんなことを話す。
「い、いえ!僕のことはお気にせず!大丈夫ですので!」
ダイヤは必死に訴えかける。それにニッと笑い出す。
「そうは行かないわよ。無理矢理行かせるなんてこっちも嫌だし…そうね…」
少し考えて、サクラが喋りだす。
「私はね。この屋敷に引っ越してきたのも数ヶ月前なの。この屋敷に私以外の家族はいないわ。いるのはメイドと兵士だけ。家族は実家のある東の地域にみんないるわ」
「え?」
言われてみれば、この2日間の間にサクラの家族に遭遇していたかった。紹介も1つもなかったから何かあるのかと思っていたが、メイドや兵士がいるとはいえ1人でこの家に住んでいるとは心労は計り知れないだろう。
「もちろん最初は不安だったわ。せめて兄様の1人くらいついてくれればいいのにって思ってた。けどね」
サクラは満開の笑顔で話す。
「実際に1人で暮らしてみると、いろいろな発見があって楽しかったわよ。ちょっと無茶なことしても怒られないし。それに、ちょっと無茶したお陰で貴方に会えたんだからね」
そう言ってサクラはダイヤの手を握る。思わずダイヤの顔が赤くなる。
「ま、私が言いたいのは新しい体験も、実際にやってみると大したことない。意外と楽しかったりするもんなのよ」
サクラなりの説得はダイヤの心にしっかりと訴えかけられた。
「そう…ですね。そんな気がしてきました。ありがとうございます」
ダイヤも笑顔で返す。
「うん!よろしい…そうだ!」
「?」
「折角だから新しい体験の練習をしてみない?」
「へ?」
サクラは悪い顔をしていた。
「サ、サクラ様…これは…」
「うん!やっぱり似合うと思ったのよ!完璧に女の子にしか見えないわ!」
ダイヤは青色のドレスを見に纏っていた。予想外のことでダイヤは混乱しているが、子犬のような瞳でサクラを見ている。
「サ、サクラ様…」
「きゃー!やっぱり可愛いわ!」
この上なく高揚しているサクラ。後ろにいるメイド達もキャッキャしながら次の衣装の用意をしているし、更には兵士たちもドキドキしながら見ている。
「次の洋服を用意して!」
サクラが命令すると、「かしこまりました」とメイド達がダイヤを囲む。
「や!やめ!あー!あー!」
次にダイヤは真っ黒なゴスロリ風の衣装を着せられた。白髪と似合って実に可愛らしい。
「100点満点ね!」
そう言って肩を叩く。
「どう?新しいことも、実際にやってみると大したことないでしょ?」
サクラが優しい笑顔でダイヤに問いかける。
「サクラ様…」
ダイヤは俯く。サクラなりに、ダイヤのためを思って考えてくれていたのかもしれない。
「いや!全然大したことありますよ!?」
しかし、ダイヤは突っ込まずにはいられなかった。ダイヤにそっちの気はないし、そもそも絶対サクラは楽しんでやってる。
ダイヤはサクラの話を聞いて不安が軽減されたが、これまたサクラのため、少しの不安を持って学校に行くことになりそうであった。
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