花葬

鈴木 棗

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第1章

日記 ページ1

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12月1日 木曜日

傷付くぐらいなら関わらなければいい

相手のせいにして

自分に非がないと思ってる

自分から関わったくせに

それでも

ぜんぶ相手のせいにしてしまえば

心が守れるから

ひとは心が弱いんだって

簡単に壊れてしまうって

そういった

お父さんの言葉と

たばこのにおい

よく覚えてる

朝は、

頭がまわって

煩い。

布団の中で頭だけがまわって

きもち、わるい

この、

もどかしい気持ちをだれかにぶつけたくなる

いつからか

できないことが増えるたび

生きていくのがつらくなって

尊敬されてみたくって

賞賛がほしくって

煩悩ばかりが増えていって

もう、

否定されたくなくって

ずっと、

もうずっと、

もうずっと前から

心が壊れてしまったのかもしれない

なんて

らしくないね

遺書にするならこんなとこなのかな
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