園芸店店長、ゲーム世界で生産にハマる!

緑牙

文字の大きさ
39 / 143
1章 冒険の始まり

36.5話 とある冒険者の災難(?)

しおりを挟む
 リョウが猪と戦っていた頃、とあるプレイヤーが森の付近をうろついていた。


「なんか面白い物落ちてないかなぁ~」

 と一人呟きながら、森の外側を散策していたこの男。
 ここに来るまでに、変に短くて蒼い剣(攻撃力は皆無)や野草、ドングリのような木の実などを拾い集めていた。
 しかし、平原を散策するよりは森の入口付近なら、もっと変わったものがあるかもしれないと思い、戦闘を避けながらここまで来たのだった。


「敵に出会ったら、このドングリを投げて逃げよう!」

 どうやら、まともに戦う気はないらしい。
 と、そこに何やらドドドド……という地響きのような音が聞こえてきた。


「ん? なんか聞こえるなぁ。これはあれか、誰かが追いかけられたりしてるのかな?」

 のんきにそんなことを考えていると、森から傷付いた猪が飛び出してきた!


「わー!? なんか来たぁ!!」


 慌てて逃げ出すプレイヤーだが、猪はものすごい速度で突進してくる。


「こっちに来たらドングリ投げるぞ! 当たったら痛いぞ!」

 どうやら逃げながら猪を説得(?)しているようだが、当然猪に伝わるはずもない。


「しかたないっ! おりゃー!!」

 距離を縮めてくる猪にドングリを投げつけると、たまたま傷をった場所に当たった。


「ブギッ!?」

「効いてる!? このドングリすごいっ!」

 怯んで速度が落ちた猪を見て、ドングリが凄いと勘違いするプレイヤー。


「ほらっ! こっちに来るとまたドングリ投げるぞ! 今日はこれで見逃してやるからどっかいけー!」

 走りながら、ドングリを猪に見えるようにかざし、猪を再度説得(?)しようとしているようだ。
 しかし……


「なんで速度が落ちないんだあぁ!」

 猪は、速度こそ落ちてはいるが止まることなく突っ込んでくる。
 プレイヤーがバテてきているから、速度が変わらないように見えているらしい。


「はぁ、はぁ、し、しかたないっ! よほどドングリをくらいたいようだなっ!」

 息を切らしながらも、プレイヤーは強気だった。
 ドングリが凄いと思い込んでいたために……


「とりゃー! おりゃー!」

 猪に連続でドングリを投げつけるが、何発当たっても怯むどころか気にしてすらいないようだ。


「なんで効かないんだ!? こんなの、詐欺だあぁ!」

 そしてついに、手の届きそうな距離まで猪が接近してきた。


「うわっ! ああー! もう駄目だぁー!!」

 プレイヤーは疲労で転倒してしまい、逃げられないと覚悟して目を閉じる。
 その直後に強い風を感じた。
 しかし、いつまでたっても衝撃は来なかった。
 一瞬でやられて、町に戻されたのか? と思い目を開けると、猪は遥か先を走っていた……


「って……あれ? 追い越してった……?」

 しばし呆然とするプレイヤーだった。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。

サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――

聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。

三月べに
恋愛
 聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。  帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!  衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?  何故、逆ハーが出来上がったの?

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?

処理中です...