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第一章 梅雨の幻影
初めての場所
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×××
ラブホテルは、初めてだった。
勿論、そういう経験なんて一度もないけれど……
雨に濡れたネオン街。
人通りのある賑やかな通りから脇道に入り、少し行ったその先。
ピンクと紫色の光を放ち、明らかに他の建物とは様相の違う、お城のような外観。
妖しげな雰囲気を纏い、こういうのに疎い僕でも、それがどういう所か直ぐに解る。
入口に入って直ぐ目に付く、大きなパネル。そこにずらりと並ぶ、各部屋の番号と内装写真。
その中の一室をミキさんが選び、無言のまま部屋へと向かう。
廊下を歩きながら、僕の中にいる冷静な自分が『引き返すなら今だよ』と訴えてくる。
だけど……知りたかった。
大空が経験した、セックスを。
大空は、どんな風に抱くんだろう。
どんな声を、出すんだろう。
もし大空に抱かれたら……どんな気持ちになるんだろう。
大空に抱き締められた時の感触や匂いを思い出し……胸がきゅう、と切なく締め付けられる。
本当は、大空に抱かれてみたかった……
でも、叶わないならせめて……想像の中だけででいい。
……大空と、重なりたい。
ミキさんに、抱かれながら──
「……おいで」
口端を緩く上げたミキさんが、僕の手を握る。
大きな、大人の手。
壁際にある、柔らかな間接照明の光。
部屋の真ん中には、見たこともないキングサイズのベッド。
写真で見たものより、シックで落ち着いた印象。
今からここで……ミキさんと……
そう思ったら、勝手に体が強張り、手足が震える。
「……緊張、してる?」
「……」
そう聞いたミキさんの手も、少し震えていた。
驚いて、ミキさんを見上げる。
薄暗いせいか。微笑んだミキさんの表情が、大空とダブって見えた。
ラブホテルは、初めてだった。
勿論、そういう経験なんて一度もないけれど……
雨に濡れたネオン街。
人通りのある賑やかな通りから脇道に入り、少し行ったその先。
ピンクと紫色の光を放ち、明らかに他の建物とは様相の違う、お城のような外観。
妖しげな雰囲気を纏い、こういうのに疎い僕でも、それがどういう所か直ぐに解る。
入口に入って直ぐ目に付く、大きなパネル。そこにずらりと並ぶ、各部屋の番号と内装写真。
その中の一室をミキさんが選び、無言のまま部屋へと向かう。
廊下を歩きながら、僕の中にいる冷静な自分が『引き返すなら今だよ』と訴えてくる。
だけど……知りたかった。
大空が経験した、セックスを。
大空は、どんな風に抱くんだろう。
どんな声を、出すんだろう。
もし大空に抱かれたら……どんな気持ちになるんだろう。
大空に抱き締められた時の感触や匂いを思い出し……胸がきゅう、と切なく締め付けられる。
本当は、大空に抱かれてみたかった……
でも、叶わないならせめて……想像の中だけででいい。
……大空と、重なりたい。
ミキさんに、抱かれながら──
「……おいで」
口端を緩く上げたミキさんが、僕の手を握る。
大きな、大人の手。
壁際にある、柔らかな間接照明の光。
部屋の真ん中には、見たこともないキングサイズのベッド。
写真で見たものより、シックで落ち着いた印象。
今からここで……ミキさんと……
そう思ったら、勝手に体が強張り、手足が震える。
「……緊張、してる?」
「……」
そう聞いたミキさんの手も、少し震えていた。
驚いて、ミキさんを見上げる。
薄暗いせいか。微笑んだミキさんの表情が、大空とダブって見えた。
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