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しおりを挟む真っ暗闇の中──妖しげなピンク色に光る桜の花びらが、ひらひらと舞い落ちる。
それは、仄暗い川面へと落ちた瞬間、光を失う。
……流されていく。
ゆらゆらと揺られながら、自分の意思などを持つ事も許されず。
やがて、萎み。薄い茶褐色に汚されて……沈む。
「……ッき、……す、きぃ……はぁ、っ……ん、あぁぁあ″ぁ、……っ!」
まだ、水面に浮かんでさえいれば……その美しさに、掬い上げてくれる人がいたかもしれないのに。
……もう、汚れてしまった。
最後の砦だった精神でさえも、思い通りに操られて。
何の抵抗も、できないまま──
「……ああ″、ぁあぁあっ……ああ″──ッ!」
沈む、……沈んじゃう──
……助けて……
僕を、掬い上げてよ……竜一……
あの日──崩れ落ちていく僕の身体を、力強い大きな手で引っ張り上げ、支えてくれた。
……だけど……
こんなに汚れてしまった僕を、掬い上げてはくれないだろう。
きっと……どんなに望んだとしても。
……もう、二度と───
「……アゲハ」
弛緩し、横たわる身体。
二本の足の隙間から白濁液が垂れ流れ、そのせいでシーツがしっとりと濡れてしまっている。
無防備に裸体を曝け出し、放心しきった僕を覗き込んだ樫井が、そっと横髪に触れる。
「嬉しいよ。……アゲハもずっと、同じ気持ちでいてくれたなんて」
「……」
知らぬ間に、口走ってしまったんだろう。
上機嫌の樫井が、愛おしそうに微笑みながら手櫛で僕の横髪を梳く。やがて薄く目を閉じ、迫る唇。
「……ふ、…ぅん、…っっ、」
その割れ目から、甘っとろい唾液が注ぎ込まれ、僕のと入り混じれば……つぅ、と口の端から溢れ伝う。
こんな時にまで、身体が反応してしまうなんて……何だか滑稽だ。
やけに上機嫌の樫井を、ぼんやりとした視界に収める。
殆ど反応を示さない僕に、欲望を取り戻した樫井が下半身を擦りつける。
「……もう一回、シようか」
残酷な台詞が、耳元で囁かれる。
「……」
一体、いつになったら……満たされるのだろう。
僕の身体も、精神も支配して……思い通りの結果を、もう生み出したというのに。
ズ、ズズ……
再び後孔に押し込まれる、張り詰めた怒張。最奥を突かれる度に、無理矢理そこから快感を掘り起こされる。
……ズッ、ズッ、ズッ、ズッ、
だけど……
もう殆ど、腰から下の感覚は……ない……
「……っん、」
再び唇を塞がれ、苦しくなっていく呼吸。
……もう……
何もかも、どうでもいい……
いっその事、このまま沈んでしまいたい。
誰の目にも触れる事のないほど……
───深くて、深くて、……真っ暗な………闇の底に。
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