死にたがりな悪役令嬢

白湯

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〜*第2話-4*〜

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「今日からお前の母さんになる、××と弟の慎吾だ。仲良くするように」

 そう言って父が連れて来た人達。それは丁度母が亡くなってから5年目の事だった。突然出来た継母と義弟に、当時中学2年の私は戸惑ったけれど、小学6年生の慎吾達とぎこちないながらも上手くやれていたと思う。

ーー関係が歪に変化していったはいつからだったか

 その日は父と継母の記念日と言うことで2人で出掛けて行った。一緒に暮らし初めて丁度1年目の事。家に残された私達は準備されたご飯を食べ、それぞれ寝支度を済ませ、部屋で寛いでいた。

 漫画を読んでいると、慎吾が急に部屋に入ってきたのだ。

「…ちょっと、何急に」

 中学に上がり、ここ1年で身長は伸びて出会った頃は私より小さかったのに、今では私より少し大きくなっている義弟。本を閉じベッドに座り直すと、何かを決意したように口を開く。

「俺…姉さんの事が好きだ」

「…………え?」

 ひゅっと一瞬呼吸が止まる。ありえないでしょ、姉弟の関係なのに…

「あー、はは。うん…勿論私も慎吾の事好きよー?当たり前じゃない」

 お願い。聞かなかった事にしてあげるから、ただの冗談で済ませてあげるから…だから…
 逸らしていた視線を慎吾に向けると、酷く傷付いた顔をしていた。

「……分かってるくせに。俺は異性として」
「止めて!!!」

 その先を聞きたくなくて耳を塞ぐ。『何言ってるの!?私達姉弟なんだよ!?1年間仲良くしてきたじゃない!』と、そう叫びながら目に涙が溜まっていく。

 弟としかみれないし、異性としてみられていたという事実に、正直気持ち悪さが勝ってしまった。

「聞かなかった事にしてあげるから。だからお願い…部屋から出ていって」

 この時は自分のことでいっぱいいっぱいで、慎吾の気持ちを考えてあげる余裕が無かった。それからは、慎吾とは気まづい空気が流れつつも、なんとか生活をしていた。

 それに伴うかのように、楽しかった学校生活でも徐々に暗雲が立ちこむ。きっかけは中学3年にもなると、周りでは誰と誰が付き合っただ、初めてHをしただ。色恋で忙しくなった

 私は特に恋愛に興味なんて無かったのだけれど

「神崎の事好きなんだ。付き合って欲しい!」
 このように告白を受ける回数が増えて行った。ただ、普段は仲間内でも『また振ったのー?勿体ない』とかで終わっていたのだが、今回だけは相手が悪かった。

「ねぇ、私が翔真君の事好きなの知ってて、何で色目使って告白されてるの!?」

 グループのボス的存在でもある梨花の片想いの相手で、学年でも一、二を争う人気のある翔真君から告白されてしまったのだ。勿論色目なんて使ってないし、数回しか話した事もないレベルだ。

「待ってよ、そんな事してない!梨花が彼の事好きな事も知ってるし、するはずないよ!」
「はー?何もしてなくても、好きになって貰えたって自慢してるわけ?クソかよ」

 そんな事言われたって…ちゃんと断ってるし、私にどうしろっていうのよ

 梨花の後ろには、普段一緒に過ごしている4人の子達が並び、冷ややかな視線を私に送る。恋愛って人間関係を壊す事しかしないじゃない。

ーー気持ち悪い、弟も梨花もその仲間も皆皆気持ち悪い

『男に色目しか使わないビッチ』
『ちょっとスタイルが良くて、胸がデカいだけで調子のんなよ、ビッチ』
『それな~』

 まるで梨花を援護射撃するかのように、私にそう言い放つ。何を言ってるの、ただ告白されたらそんなに言われなきゃいけないの。

 仲間の言葉にニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、私を見下す梨花。

ーークズが

そう思ったのが顔に出たのか、直後に強い痛みが頬を駆け抜ける。

「ッッたぁ…」
「あんたのそういう所が嫌いなのよ!告白されたって何ともないような感じで!この男好きが!!」

 ジンジンと痛む頬を抑え浴びせられる暴言に耐えるしか無かった。
 知ってたよ。あんた達が私の事嫌いだって

 いつだったかは忘れたけど、用事を済ませ急いで教室に戻っていると、誰もいないと思っていたクラスから声が漏れていた。

『ねぇ、聞いた?ビッチまた告白されたらしいよ』
『マジ?今月これで4人目だっけ?』
『ヤバァ、まじでビッチじゃん』」
『てか、あいつ絶対告白された事とか私達に言わないよね。見下してんのかって感じ』

 ゲラゲラと下品な声を上げる笑う梨花達、…ぎゅっと手を握りしめる。
 そう言われる事が分かってるから、あんた達には何も言わないのよ。

 彼女達は知らないだろう。

『いやー、神崎とヤレたら最高だろうな』
『分かる!顔も良いし胸もデカいしな!でもさ、何か知らないけど、神崎と目が合うと反応しそうになんだけど』
『あ、それ分かる。俺も反応しそうになる』

 自分がいない所で、そんな事を言われる気持ち悪さを
 好きでもない人から告白された所で、気持ち悪いだけじゃない。

 それからの学校生活なんて分かりきっていた。悪化していく虐め、それらを見て見ぬふりをする教師にクラスメイト達。物を隠され、捨てられ壊される。どんどん磨り減っていく精神。あと少しの我慢だと言い聞かせ耐えるしか無かった。

*

*

──数ヶ月後。
 ようやく地獄の中学生活に終わりを告げ、県外の進学校に進学する事が決まった為引越しの準備を始めている最中である。学校のやつとも、弟とも離れることが出来てやっと心穏やかに過ごせると心底安著している。今日は引越し前の家族で最後の食事。

「あらやだ、お寿司取りに行くの忘れてたわ。あなた車出して頂戴」
「あぁ、お前たちちょっと待ってなさい」

 本当は付いて行きたかったが、バタバタと慌ただしく家を出ていく2人を見送る。

「じゃあ私は2人が戻ってくるまで、荷造りしてくるから」

 2人きりを避けるように、自室に戻り荷物を入れるためダンボールを組み立てていると、ガチャと扉が開く音が聞こえ、勢いよく振り返ると無表情で立ちはだかる慎吾の姿がそこにあった。

「……なに?荷造りするから出ていって?慎吾」

 僅かに声が震えているのが分かる。
 そんな私の声は聞こえていないかのように無視して、近寄ってきたかと思うと腕を掴みベッドに放り投げられ、僅かに襲う痛みに顔を歪める。

「あぁ、姉さん。どうして俺から離れるの?こんなにこんなに大好きなのに。毎晩毎晩隣で姉さんを思って、自分で慰めていたんだよ」

 恍惚とした表情を浮かべ、下半身を私の手に握らせる
ーーこれは誰だろう、もうそれは私の知っている慎吾では無かった

 分かっている事は、もうこの子は狂っているということ。

 私のせいでこうなっているの?恐怖で声すら出ない

「あぁ、その恐怖に怯える顔。可愛いなぁ」

 服の中にゆっくりと手が侵入してくるのが分かる。

「ねぇ、もっと俺を見てよ。姉さんに見つめられると凄く興奮するんだよ。その瞳に俺は惚れたんだ」
「…いや、お願い……止めて…」

 カタカタと震える手でなんとか、慎吾の手を止めようと抑えるも全く意味が無い。

「ははっ、わざとやってるのかなぁ?それって男を煽ってるとしか思えないんだけど」

 微かな苛立ちがみてとれる。それからの事は思い出したくも無い…。
 必死に抵抗するも無理やり裸にされ全身をまさぐられる。

「あぁ、これが夢にまでみて姉さんの中なんだね。痛いくらいに締め付けてきて、最高だよ」

 処女膜を破られ、血が出ようがお構い無しに腰を振り私を犯す。 
 部屋に響く荒い息、出入りする度グチュグチュと厭らしく響く水音。そのなにもかもが嫌悪の象徴。目の前の人間を殺したい…逃げたい…痛い…誰か……


ーー誰か私を殺して……


 体感は何時間にも感じるが、実際には1時間もないくらいの出来事だったんだろう。それでも永遠に感じる時間、その間慎吾は何度も何度も私の中に欲望を注ぎ込んだ。
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