ホームズとワトソン

砕田みつを

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現場 部屋

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「これまたひどくやられてますねぇ・・・」

「どうして君はいつもいつも他人事なんだ・・・」

「いやだって自分のことじゃないからですよ。当然じゃないですか。」 

「そういう意味ではないんだがね・・・まあいい。これだけ酷い外傷だと他殺以外の線は考えられないだろう。」

「たしかに。」

「で、あるならば、だ。この部屋で、婦人が一体誰に、そして凶器は何で殺されてしまったが焦点になってくるだろう。」

「ですよね。」

「頭部に外傷が集中している。腕や腹にも外傷が見られるのは恐らく犯人からの攻撃を防ごうとしたり、犯人自身が狙う場所を間違えてしまったから、と考えるのが妥当だろうね。」

「うわっ、遺体に触れてる・・・ま、まぁ、そういうことになるんですね。」

「まあ、ホントのところは僕が知るところではないがね。あくまで捜査目線だよ。」

「これも勉強になりますね。」

「・・・勉強か。ともかく、それだけ犯人と揉み合うことになったということはこの事件が計画的なモノではなく突発的に起こった事件だという可能性が高くなってくる。」

「なんでですか?」

「?計画的な犯行なら気付いてないところを一発、とかそもそも外傷が残るような殺人を犯さないだろう?計画的な犯行が途中で気づかれたという線もあるがそれはそもそも計画的とは言えんからね。」

「この殺人は計画的だと思うんですけどね・・・」

「まあ君の意見は最大限尊重すべきなのだろうが、これは何度もいうが捜査目線だよ。実際の状況とは違っていていいのさ。」

「ははぁ。」

「ちょっとまっていてくれたまえ」
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